古英語と英単語をゲームで学ぶ(FFTWOTL – Chapter 1)

Final Fantasy Tactics: Gragoroth 英語をゲームで学ぼう

ファイナルファンタジータクティクス獅子戦争で使われている古英語っぽい表現をご紹介しています。

このブログは「続きの記事」になります。

最初の内容から興味のある方は【 Prologue 】からどうぞ。

ファイナルファンタジータクティクス獅子戦争の各章

【 Prologue 

【 Chapter 1 – The Meager / 持たざる者 

この記事です 

【 Chapter 2 – The Manipulative and the Subservient / 利用する者される者 

【 Chapter 3 – The Valiant / 偽らざる者 

【 Chapter 4 – In the Name of Love / 愛にすべてを 

古英語と英単語のご紹介

副詞 anon

“Zalbaag: We will be able to recall our forces in Zeltennia anon.”

『聖騎士ザルバッグ「鴎国軍がゼルテニアから撤退するのも時間の問題でしょう。』

まもなく、そのうち、もうすぐ」を意味する古語の副詞です。

前置詞+関係代名詞 to whom の用法

“Argath: The very same. And to whom do I owe my gratitude?”

『剣士アルガス「ああ、そうだ。おまえらは……?』

これ自体は古語というわけではありませんが、現代の英語では気にならないルールが少しあります。

  • 前置詞は「名詞のく品」なので、文末に置くのはダメ!
  • 関係代名詞の目的格 whom が使えるときに主格 who は使わない!

この2つは普段の英語では気にしなくても構いません。(もちろん気にする人もいますが・・・)

つまり Who do I owe my gratitude to?” でも今の時代ではあまり気にしなくなってきているってことです。

この時点でアルガスは主人公たちに救出されているので「誰に対して感謝すればええんかな?」 と英語スクリプトでは返答しています。

truth be told

“Argath: Well, truth be told, I am a knight apprentice…as are you, if I’m not far mistaken.”

『剣士アルガス「…いや、騎士見習いさ。なんだよ、おまえらだって一緒じゃねぇか。』

これは動詞の原形をつかった「仮定法叙想法 subjunctive mood」と呼ばれるものです。

英文法の「法 mood」は「話し手の主観発動モード」ときに使用される用語です。

いわゆる普通の文章は「事実モード=直説法 indicative」がデフォルトで発動しています。

the truth is ではなく the truth be になるのがポイントです。

現代英語では “(if) truth be told” はイディオム的に使われる表現です。

もともと昔は「動詞の原形」だけで subjunctive mood を表現していました。

意味は「(黙っとってもええけど、あえて)本当のことを言ってまうと・・・」ぐらいでしょうか。

Should he be

“Argath: We must act quickly if he is to remain so. Should he be killed, I will lose everything…”

『剣士アルガス「早く手を打たないと侯爵様がやつらに殺されちまう! そうなったら、オレはいったい…。』

これも subjunctive です。 “If he should be killed” が「if の省略と倒置」になっています。

もともとは「もしそんなことになったどうするのか?」という疑問文の形から派生して生まれた表現です。

そもそも「事実でない」ことなので「疑問」が湧くのは当たり前かもしれません。

現代でも使う用法で「仮定法」の大学受験の文法問題にもあるので、形は知っている方も多いと思います。

接続詞 save

“Delita: The Corpse Brigade would not take a man alive save there were value in keeping him so.”

『剣士ディリータ「骸旅団だって、誘拐したからには何か狙いがあるはずだ。何かの要求があったかもな。』

接続詞の save で「~であることを除いて」となります。

文法上は、前置詞の save に 接続詞 that の組み合わせと考えることもできます。except と似ている使い方です

詳細は Weblio英語辞書 の save の「接続詞」の箇所に載っています。

英語「save」の意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
1000万語収録!Weblio辞書 - save とは【意味】救う,(危険・損失などの及ばないように)救う... 【例文】save a person's life... 「save」の意味・例文・用例ならWeblio英和・和英辞書

save 以下は there were value ~ となっています。

これは subjunctive の副詞節になっていて「生かしたまま誘拐することに(よくわからないが何かしらの)価値がないのであれば」という推量を表します。 

her affairs(国の代名詞)

“Dycedarg: You are not a man of Gallione. Leave her affairs to those of us who are.”

『ダイスダーグ卿「ここは貴公が暮らす土地ではない。ガリオンヌのことは我らに任せておくことだ。』

少し前までは自然の代名詞を she や her など女性形で受けることがありました。どうも現在は it が主流のようです。

ちなみに「船」女性形で受けますが、これはいまでも同じです。

なのでアメリカ海軍の航空母艦 George Washington や Abraham Lincoln など男性名がついている艦船も she で受けます

なかなかに違和感があるので Wikipedia を読めば載っているはずなので興味のある方はどうぞ!(多少編集されても she や her はゼロにはならないと思います)

USS George Washington (CVN-73) - Wikipedia
USS Abraham Lincoln (CVN-72) - Wikipedia

接続詞 lest

“Dycedarg: Let me remind you, Argath, lest you forget your place.”

『ダイスダーグ卿「身分をわきまえぬか、アルガス殿!』

接続詞で「~しないように、~するといけないから」という意味で使います。

和訳をみればわかりますが lest は「実際にまだやっていない話」が続く接続詞です。

それゆえ、この接続詞 lest も subjunctive をつくり、 lest he (should) be のように使います。 

この should は後から加わったもので、もともとは「動詞の原形」だけで「非事実モード」になります。

would that

“Zalbaag: Would that we could speak at greater leisure, but there are duties that require my attendance. Rogues do not catch themselves.”

『聖騎士ザルバッグ「ゆっくり話していたいところだが、これから盗賊狩りなんだ。すまんな。』

仮定法や叙想法と訳される subjunctive の表現のひとつで「~であればいいのだけど(実際はできない)」という意味。

これ、 that の省略形もあるので要注意です。知らなきゃ絶対アウトのパターンです。

Weblio辞書だと「動詞の would」として載っています。that 節を目的語でとるからでしょう。

Wouldの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
1000万語収録!Weblio辞書 - Would とは【意味】…であろう,…しよう... 【例文】She believed that her husband would soon get well.... 「Would」の意味・例文・用例ならWeblio英和・和英辞書

歴史的には、もともと法助動詞 will も「動詞 willan(望む、願う)」から派生した言葉です。

であるとすると “I would that ~” と ” I wish that ~” と似た形になって使われていたのが残っているのかもしれません。

naught but

“Argath: Why wouldn’t they? They’re naught but common footpads!”

『剣士アルガス「ばかな! やつらはただのならず者だ!』 

naught は nothing の古語です。

ここでは “nothing but ~” で「~を除いてほかにない = まさにそのもの」となります。この場合の but は前置詞

短縮表現 ’twas

“Delita: ‘Twas I forced Ramza to go.”

『剣士ディリータ「自分がラムザを無理矢理、誘いました。』

It was の短縮形で、文語表現。

全体としては It was I (that) forced Ramza to go の強調構文で that の省略になっています。

敬称 Your Grace

“Dycedarg: To coddle them is to do them disservice, Your Grace.”

『ダイスダーグ卿「…甘やかされては他の者たちに対してけじめがつきませぬぞ、ラーグ閣下。』

One’s Grace は「公爵 duke」に対する尊称です。古語ではありませんが、普段あまり見ない表現なので、ご紹介します。

ここでは相手に呼び掛けているので Your Grace ですが、三人称のときは His Grace となります。

前置詞 ere

“Dycedarg: Coordinated strikes are to be made on a number of their dens ere long. You will lead one of those assaults.”

『ダイスダーグ卿「…骸旅団せん滅作戦も大詰めだ。おまえたちの参加を許そう。』

前置詞接続詞として「~の前に、~しないうちに」という意味の使います。

ここでは before long と同じように「まもなく、すぐに」という意味。

不規則変化動詞 work – wrought – wrought

“Brigade Mage: We mustn’t give in to despair! Not until the nobles answer for all they’ve wrought!”

『骸旅団白魔道士「そうですよ。やつら、貴族どもが我々に謝罪するまで続くんですッ!』

動詞 work の古い不規則変化の活用で work – wrought – wrought の形になります。

ここでの wrought(work の過去形)は「もたらした、引き起こした」という意味です。

英文は「彼らが我々に対して行ってきたことに責任を取るまで!」 の意味です。

would fain

“Milleuda: No god would fain forgive such sin, much less embrace it! All men are equal in the eyes of the gods!”

『剣士ミルウーダ「神がそのようなことを宣うものか!神の前では何人たりとも平等のはず!』

法助動詞 would と合わせて使うことが多く、fain は副詞で「よろこんで gladly」の意味になります。

日本語の「そのようなことを宣うものか!」は、英語だと「そのような罪を許さないし、まして擁護するなど尚更ありえない!」となっています。 

不規則変化動詞 slay – slew – slain

“Zalbaag: Five among our guard are slain, and Tietra taken.”

『聖騎士ザルバッグ「5人程やられました…。ティータもさらわれてしまいました。』

ここでの slay は kill の古語で「殺す」の意味ですが、それとは別に「大笑いさせる」という意味もあります。

「爆笑させる」という場合の活用は slay – slayed – slayed になるようです。

動詞 begone

“Ramza: Begone from my sight! And do not think to return!”

『剣士ラムザ「僕の前から消えろ! 二度と現れるなッ!!』

命令文などで動詞として使うことで「失せる(失せろ)、いなくなる(いなくなれ)」という意味になります。

普段、こんなアグレッシブな言い方をすることはないですが、ゲームをやっているとたくさん出てきます。 

ちなみに英語の「命令」は「まだ事実ではないこと」を表現します。

それゆえ「命令法 imperative mood」という特別な「法 mood」という用語が使われます。

これは「仮定」や「直説」と同じく「主観・感想の発動モード」を意味する文法用語「法 mood」に由来します。

命令法は「相手に行動を期待する」という「願望モード」という感じです。

名詞 aught

“Delita: I would save Tietra with these hands, if aught were in my power to do.”

『剣士ディリータ「この手でティータを助けたいのに何もできやしない…。』

naught と同じように aught は anything の古語の形です。

“if aught were ~” なので反事実の「仮定法」です。

英語は「(実際はないが)ティータを助ける力がもしあれば」 です。

関係副詞・疑問副詞 whence

“Gragoroth: Back whence you came! Quick as shadows, or this one’s blood makes crimson snow!”

『騎士ゴラグロス「さっさと、ここを立ち去るんだッ! この娘がどうなってもいいのかッ!』

from + where” のような表現で「~の場所から」を意味します。

このセリフを文字通りとると「もといたところに帰れ!」です。 

昔は「from where?」のように「前置詞+疑問副詞」と使うことがダメでした。

前置詞は「名詞」とペアにしなければならないので whence が使われていたという経緯があります。

ここは関係副詞・疑問副詞のどちらでも解釈できると思います。

名詞 wench

“Argath: Your lord brother’s orders, Ramza. What else? Would you have had us kneel before them, and offer up the Order‘s honor in exchange for the life of some common wench?”

『剣士アルガス「ラムザ、おまえの兄キの命令だぜ。何故はないだろ?それに、たかが平民の小娘のためにおまえは騎士団の誇りを捨ててあいつらの要求を飲むというのか!?』

「若い女性」を意味する言葉で、Oxford Dictionary によると”ARCHAIC • HUMOROUS” と注記がありました。ちょっと「小ばか」にしたいい方なのでしょうか?

英語セリフでは order(命令)と Order(騎士団)が使われています。

「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」の原題が Harry Potter and the Order of the Phoenix なので「Order = 騎士団」も覚えておくとよいと思います。

多義語 order は「秩序」を軸にしたイメージを掴むことがポイントです。

続きは第2章へ

【 Chapter 2 – The Manipulative and the Subservient / 利用する者される者 

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