動詞のING形(動名詞・現在分詞・分詞構文+進行相)の仕組みを理解する

Phrase-ing-forms-verbal-noun-adjective-adverb 英文法の仕組み

英語には「動詞の ING形」がたくさんでてきます。

一番よくみる「動詞の ING形」は「現在進行形」と呼ばれる文章だと思います。

  • He is running in the park.
  • 彼は公園を走っている

さらに同じく動詞のING形には「動名詞」も登場します。

  • Running in the park is fun.
  • その公園を走ることは楽しい。

この2つの和訳をみると違いがあるようです。

  • 進行形:~している
  • 動名詞:~すること

さらに動詞のING形には以下の用法があります。

一般的な日本の英文法の項目でみるとこれだけあります。

  • 現在進行形 present progressive(中学)
  • 過去進行形 past progressive(中学)
  • 動名詞 gerund(中学) 
  • 現在分詞 present participle(中学)
  • 分詞構文(分詞節) participle clause(高校)

動詞のING形は、形はみんな同じなのにいろんな言い方があります。

文法用語も学習する学年もバラバラなので混乱してしまうと思います。

しかし文法用語がバラバラなのにもちゃんと理由があります。

動詞のING形を品詞をつかって見分ける

実はこれらの用語の違いは「品詞」によって差が出てくるんです。

「品詞 part of speech」とは「英単語のグループ」のことです。

英単語は「品詞」によって「使用ルール」が設定されています。

英語には「多義語」といって「見た目は同じ」でも「意味が違う」という英単語があります。

じっさいに英単語 well を使ってみて多義語の特徴をみてましょう。

多義語 well
  • 名詞:井戸
  • 動詞:(水などが)湧く
  • 形容詞:健康な
  • 副詞:上手に、うまく

見た目は well でも品詞が違うと全然違う意味になります。

動詞のING形も同じで、複数の「品詞」がセットされているんです。

それゆえ「動詞のING形」を見た目だけ理解することは不可能なんです。

なぜなら英語の歴史の中で、「動詞のING形」は別々のモノがまとまった形だからです。

昔は動詞のING形は別の形をしていた

動詞のING形の英文法用語はバラバラです。

これには理由があって、もともとは「別々の機能」をもっていたので「別々の名前」がついています。

1000年ほど前の英語は「古英語 Old English」といって「現代英語 Modern English」の単語よりももっと複雑な形をしていました。

一番わかりやすい例が、不規則変化動詞で、古英語から受け継いでいる単語がおおくあります。

わけのわからないスペルの変化パターンがたくさんあるのはそのためです。

では古英語の動詞のING形をみていきます。

  • 動名詞:古英語の「動詞+ing もしくは ung」に由来
  • 現在分詞:古英語の「動詞+ende」に由来

これら2つが最終的に「doing / being」のような形にまとまりました。

詳しい語源の歴史は英語 Wikipedia に載っているので参考ください。

-ing - Wikipedia

英語は動詞を中心にした語順ルール(SVOC)がしっかりしているので、仕組みを見切れば品詞はカンタンにわかります。

単語の意味は分からなくても品詞はカンタンに見抜けるので、辞書を引けば意味が特定できます。

Q なぜ同じ形をした英単語をたくさんつくっても困らないの?
A 同じ形でも品詞が違えば、使用ルールが違うのでカンタンに見分けられるから!

では動詞のING形を品詞ルールで見切ってしまいましょう。

動詞にINGがつくと「動詞」ではなくなる

このように動詞から変化した「動詞の変化形」を「準動詞 nonfinite verb」と呼びます。

動詞の変化形の特徴は「品詞が動詞ではなくなる」ことです。

「動詞ではないが動詞としての機能を持つ」というのは分かりにくいと思います。

これは英語の verb(動詞)が「品詞」と「文の要素 V」の両方を意味しているからです。

日本語の英文法用語ではこのあたりの区分があいまいになっているように思います。

「動詞 verb」についてしっかり理解したい方はこちらをどうぞ。

では、ここから「動詞の変化形」を「品詞」ごとにグループ分けをしてみます。

動詞のING形の品詞

ここから「品詞」を基準にして「動詞のING形」を整理してみましょう。

  • 動名詞 ⇒ 「名詞」として使う
  • 現在分詞 ⇒ 「形容詞」として使う
  • 分詞構文 ⇒ 「副詞」として使う

つまり「名詞・形容詞・副詞」にまとまります。

『あれ!?「現在進行形」と「過去進行形」はどこにいったん!?』

と、思われる方もいらっしゃるかと思います。

「現在・過去進行形」とは「be動詞 + 現在分詞(形容詞)」で表現する形です。

この「現在進行形」や「過去進行形」というのは「複合時制 compound tense」といって時制の一部とされています。

ところがこの「複合時制」は一昔前の文法解釈であり、現代では別の視点からの解釈が主流です。

まとめて「現在分詞」を使用するパターンの1つとして理解いただいてOKです。

くわしくは「現在分詞」のところで後述しますので、気になる方もここではちょっと我慢してください。

さて話を「動詞のING形」に戻します。

この動詞のING形を「名詞・形容詞・副詞」のグループ分ける方法は「不定詞 to do / to be」と全く同じです。

さらに「過去分詞」も含めて、みんな同じ「動詞の変化形(準動詞)」の仲間です。

この3種類の動詞の変化形を品詞ごとにグループをまとめてみます。

動詞の変化形(名詞)

  • 動名詞 gerund
  • 不定詞(名詞用法)nominal infinitive

動詞の変化形(形容詞)

  • 現在分詞 present participle
  • 過去分詞 past participle
  • 不定詞(形容詞用法)adjectival infinitive

動詞の変化形(副詞)

  • 分詞構文(現在分詞使用)participle clause
  • 分詞構文(過去分詞使用)participle clause
  • 不定詞(副詞用法)adverbial infinitive

日本の文法用語では「分詞構文」がよくつかわれています。

英語では「分詞節 participle clause」のほうが一般的ですので、英語の情報がほしい場合は「participle clause」で検索してください。

この3パターンを図でみてみましょう。

準動詞(不定詞・ING形・過去分詞)の品詞変化:名詞・形容詞・副詞
準動詞(不定詞・ING形・過去分詞)の品詞変化:名詞・形容詞・副詞

3種類の動詞の変化形は「同じ品詞」で使うパターンがあります。

そうなると「動詞のING形」は「不定詞」と「過去分詞」と使い分ける必要があります。

ここからさらに動詞の変化形の「品詞」ごとの使用ルールをさらに細かく見ていきましょう。

動詞の変化形の品詞変化ごと使用ルール:名詞・形容詞・副詞
動詞の変化形の品詞変化ごと使用ルール:名詞・形容詞・副詞

動詞のING形は「不定詞」と「過去分詞」と「意味と使い方」を比べながら使用することになります。

動詞のING形は「進行相」や「実行イメージ」をもつ

「ING形」の品詞の変化については確認できたので、「ING形」のもつ特徴を見ていきましょう。

ING形には「進行」や「実行」のイメージを追加できます。

ですが「ING形 = 進行」を覚えるだけではダメなんです。

英文法における「進行」は「相 Aspect」という用語で表現されます。

相 Aspect

  • 行動の進行度(0 ~ 100%)を表す文法用語
  • 動詞の変化形(nonfinite verb 準動詞)で表現する

「未然」「進行」「完了」の3種類

  1. 未然相(Prospective Aspect):する予定(まだやっていない)
  2. 進行相(Progressive Aspect):やっている(まだ終わっていない)
  3. 完了相(Perfect Aspect):もうやりおえた(いつ終えたかは関係ない)

動詞の変化形(準動詞)で表現する

  1. 未然相:不定詞(to do)
  2. 進行相:動詞のING形(doing)
  3. 完了相:過去分詞(done)

同じように「不定詞」と「過去分詞」の「相 Aspect」も、ここで確認してしまいます。

動詞の変化形の「相 aspect」と「態 voice」
動詞の変化形の「相 aspect」と「態 voice」

ING形を見分けるのは品詞の「使用ルール」

では、ここまでのおさらいです。

動詞のING形には3パターンの「品詞の変化」がありました。

  • 動名詞 ⇒ INGの名詞的用法
  • 現在分詞 ⇒ INGの形容詞的用法
  • 分詞構文 ⇒ INGの副詞的用法

これらはそれぞれの「品詞の使用ルール」に合わせて使うことを意味します。

なぜなら「動詞の変化形」は「動詞として使えない」からです。

  • 動名詞を正しく使うには「名詞の使用ルール」
  • 現在分詞を正しく使うには「形容詞の使用ルール」
  • 分詞構文を正しく使うには「副詞の使用ルール」

そして「品詞」は「文の要素 SVOC」と関連して理解する必要があります。

では次に「名詞」「形容詞」「副詞」の基本の「使用ルール」から確認です。

名詞の使用ルール①主語 ②補語 ③目的語 ④前置詞とペア
名詞の使用ルール①主語 ②補語 ③目的語 ④前置詞とペア

次に「形容詞の使用ルール」を確認です。

形容詞の使用ルール「名詞を説明(限定用法)」と「補語 C になる(叙述用法)」
形容詞の使用ルール「名詞を説明(限定用法)」と「補語 C になる(叙述用法)」

最後に「副詞の使用ルール」を確認して進みます。

副詞の使用ルール ①おまけ要素(SVOC に入らない)②形容詞・副詞を説明
副詞の使用ルール ①おまけ要素(SVOC に入らない)②形容詞・副詞を説明

それでは「品詞ルール」をマスターしたうえで、次に「動詞のING形」を見極めていきます。

動詞のING形を「名詞・形容詞・副詞」で分類

動詞の ING形の分類方法は3種類に分けることができます。

そして動詞の ING形は「品詞」を自分で判断しないといけません。

これが品詞を理解していないと英語がわからなくなる理由です。

英語は同じ形をしているものでも、文の中での使われ方をみれば品詞が簡単に特定できます。

それゆえ「名詞・形容詞・副詞」の使用ルールを知れば「動詞のING形」も見切ることが可能になります。

では、実際に見ていきましょう。

ING形が「名詞」になるパターン

  1. 主語(S) 
  2. 目的語(O) 
  3. 補語(C)
  4. 前置詞とペア(おまけ要素 M)

ING形が「形容詞」になるパターン

  • 名詞を説明 
  • 補語(C)

ING形が「副詞」になるパターン

  • おまけ要素(分詞構文) 
  • 形容詞の説明(例外ルール)

*あるま・まーたでは「文の要素(SVOC)に入らない部分」を「おまけ要素」と呼んでいます。  

動詞のING形:名詞用法(動名詞)

動詞のING形が「主語」「目的語」「補語」「前置詞とペア」で使われていたら・・・

それは「名詞(動名詞)」です!

動名詞の場合は「進行相」ではなく「すでに実行している(事実)」という意味あいが強くなります。

なぜなら「動名詞 gerund」はもともと「前置詞とペア」で使う名詞用法から生まれた形なので「進行」とは直接は関係ありません。

さらに「進行相」は「現在分詞」こそが発動できる機能であり、動名詞は「進行相」を発動できません。

ところが実際のところ現代英語では「動詞のING形」としてまとまっているため「進行イメージ」をとるほうがうまくいく場合もあります。

あるま・まーたのおススメは「動名詞」に「事実(もう実行していること)」というイメージを当てることです。

名詞用法の場合は「不定詞」と「動詞のING形」の使い分けにならざるを得ません。

なぜなら「完了相」を発動できる「過去分詞」には名詞用法がないからです。

不定詞(to + 動詞の原形)は、実質的に「未来分詞」といってもよい使用法が可能で「未然相(これからやる予定)」を発動できます。

それゆえ「予定 VS 事実」の2つの区別で「準動詞の名詞用法」をとらえるのが一番安定した理解になります。

動名詞 & 不定詞名詞用法の追加イメージ(事実 VS 予定)
動名詞 & 不定詞名詞用法の追加イメージ(事実 VS 予定)

① 主語

Seeing is believing.

(見ることは = 信じること:百聞は一見に如かず)

② 目的語

I enjoy running.

(私は 楽しむ 走ることを)

③ 補語 

Seeing is believing.

(見ることは = 信じること:百聞は一見に如かず) 

④ 前置詞とペア

I am good at cooking

(私は=上手 料理という点で)

動詞のING形:形容詞用法(現在分詞)

動詞のING形が「名詞を説明」と「補語 C」で使われていたら・・・

それは「形容詞(現在分詞)」です!

これがよくみる「進行相 progressive aspect」を持つ現在分詞の用法です。

英語は「時制 tense + 相 aspect」の連携プレーが可能です。

日本の英文法では「現在進行形」といった「複合時制 compound tense」と捉えるのが主流のようです。

ところが英語は「時制」と「相」を表現するのが「動詞」と「準動詞」にほぼ完全に分離されています。

英語は「時制」と「相」を表現する機能がちょうど「動詞」と「準動詞」にほぼ完全に分離されています。

  • 時制を表す:動詞(ホンモノの動詞のみ)
  • 相を表す:準動詞(主に形容詞用法)

こうすると「時制」と「相」を完全に区別して運用することが可能です。

  • 現在時制+進行相:am / are / is + 現在分詞
  • 過去時制+進行相:was / were + 現在分詞

では実際に英語の Wikipedia から引用します。

In the traditional grammatical description of some languages, including English, many Romance languages, and Greek and Latin, “tense” or the equivalent term in that language refers to a set of inflected or periphrastic verb forms that express a combination of tense, aspect, and mood.

『英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ギリシャ語とラテン語などを含む言語の伝統的な文法的解釈(一昔前の文法解説)では「時制 tense」もしくは「時制と同じ意味合いで使用される用語」が示しているのは「時制(tense)・相(aspect)・法(mood)」の組み合わせで表現される動詞とその変化形をひとまとめにしたグループのことである。』

Tense-aspect-mood – Wikipedia

つまり「現在進行」とか「過去完了」のような「複合時制(時制と相をごっちゃにする解釈)」はすくなくとも「現代の英文法では必要ない」ってことなんです。

詳しくは英語 Wikipedia を参考ください。

Grammatical aspect - Wikipedia

下のブログでは英語 Wikipedia の英文法の記事に準拠して「現在進行形」の成り立ちの歴史から文法解釈まですべて解説しています。

では英語の Wikipedia によると現在分詞を「形容詞」として解釈して大丈夫なことがことがわかったので、ほかの準動詞も見ていきます。

動詞のING以外にも「不定詞」も「過去分詞」も形容詞用法を持ちます。

では3種類の「相 aspect」の違いを確認します。

現在分詞&過去分詞 & 不定詞形容詞用法(未然・進行・完了 & 能動・受動)
現在分詞&過去分詞 & 不定詞形容詞用法(未然・進行・完了 & 能動・受動)

では例文を見ていきます。 

① 補語

 I am running.

(私は=走っている) 

② 名詞を説明

 I know the running dog.

 (私は 知っている その走っている犬を)

動詞のING形:副詞用法(分詞構文)

動詞のING形が「おまけ要素(分詞構文)」と「形容詞を説明(例外)」で使われていたら・・・

それは「副詞(分詞構文 or 例外)」です! 

正式な文法ルールでは、INGの副詞的用法は「分詞構文」だけです。

ここで紹介している「形容詞を説明」「例外ルール」です。

口語では使いますが、正式な文法上はアウトです。

とはいえ「形容詞を説明」も実際には目にすることが多々あります。

結局、知らないと痛い目にあうことになるのであえてご紹介します。

① おまけ要素 (分詞構文)

Speaking of the devil, he does appear.

(悪魔の話をすると、悪魔が現れる:噂をすれば影)

② 形容詞を説明(★例外ルール★)

”I am not comfortable staying here”

(ここにいるのは居心地がよくない)

“They are all busy eating cakes.”

 (彼らはみなケーキを食べるのに忙しい)

1つ目の例文は「分詞構文」で解釈することもできるのでそれでも良いと思います。

2つ目の例文は Wikipedia – Gerund の中の例文で “Part of adjective phrase(形容詞句の一部)”と紹介されていました。

もともと “busy in doing” から派生している表現らしいので「前置詞 in + 動名詞 doing」が正式な解釈だと思います。

ただ一見してそんなことはわからないので、「形容詞を説明する」役割として紹介されています。

再度念押しになりますが「形容詞の説明②」は例外ルールです!

正式には「動詞のING形」は形容詞を説明できませんが「実際にはそれっぽい形を時々見ます」という感じでお願いします。

要注意! 補語 C には「名詞」も「形容詞」も入る!

品詞の使用ルールをつかえば、ING形もカンタンに分類できそうです。

しかし一つだけ困った点があります。

それが「補語 C」なんです。

補語には「名詞」と「形容詞」の2パターンの可能性があります。

実際にどんなケースが考えられるのでしょうか?

では、例文を見ていきましょう。

  • My daddy is driving a car.
  • 私の父は = 運転している 車を。
  • My hobby is driving a car.
  • 私の趣味は = 運転すること 車を。

2つの文の違いは主語が「daddy」か「hobby」というだけです。

でも実際に訳してみると、違いは「主語」だけではないですよね?

同じ “driving” の意味が2パターンあります。

  • driving 運転している(現在分詞)
  • driving 運転すること(動名詞)

では図にしてみましょう。

統語論文法:be動詞+動名詞・現在分詞
統語論文法:be動詞+動名詞・現在分詞

このように「補語 C」に入る ING形は要注意です。

この補語パターンに限っては文法で見分けることはできません

文脈「動名詞(名詞)」「現在分詞(形容詞)」で理解する必要が生まれます。

残念ながら「文脈でしか違いを判断できない」なんて、あまり助けになっている気がしません。

しかし「補語 C」以外のパターンであれば、文法的に見極めが可能です。

ルール・システム的に意味を確定できることは重要なスキルなので、ぜひ鍛えていってください。

不定詞もING形と同じシステム

上述したように「不定詞」もING形と同じく「動詞の変化形」です。

そして「品詞の変化」も全く同じです。

  • 名詞的用法
  • 形容詞的用法
  • 副詞的用法

もちろん「動詞のING」の「品詞」の見極め方は「不定詞」にも応用できます。

英語の「意味・ニュアンス」を理解するのは重要です。

それと同じだけ「ルール・システム」を理解することは重要です。

「ING形」「不定詞」のような見た目が同じ「動詞の変化形」にこそ「品詞ルール」が有効に使えます。

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