準動詞(非定形動詞)ってなに?動詞との違いと意味を解説

定形動詞と非定形動詞(準動詞)の違い 英文法の仕組み
定形動詞と非定形動詞の違い

英語を学んでいると「準動詞」という用語に出会うと思います。

準動詞はカンタンに言うと「動詞を変化させて使う品詞」と言えます。

見た目で区別する場合、次の3つの動詞の変化形をまとめた用語になります。

  1. to do不定詞 infinitive
    • to + 動詞の原形(2つでひとまとめ)
  2. doingING形 ing form
    • 動詞+ing
  3. done過去分詞 past participle
    • 動詞+ed(不規則に変化する動詞もある)

上の3種類を見たら「あ!準動詞やな!」と決めつけてOKです。

ですが参考書などに出てくる文法用語ではもう少し詳しく分かれます。

  1. 不定詞 infinitive
    • This is going to be very difficult.
    • これはかなり厄介なことになりそうだ。
  2. 動名詞 gerund(ING形の名詞用法)
    • Thank you for saving us!
    • 私たちを救ってくれてありがとう
  3. 現在分詞 present participle(ING形の形容詞用法)
    • Time is running out!
    • 時間がどんどん無くなっていく!
  4. 過去分詞 past participle
    • Yes! My job is done!
    • よし!俺の仕事は終わった!

ING形になっている動名詞(名詞)と現在分詞(形容詞)は古い英語では別の形をしていました。

  • 古英語の動名詞:動詞+ing / 動詞+ung
  • 古英語の現在分詞:動詞+ende

つまり動名詞と現在分詞は「見た目」も「品詞」も違うものでした。

現代英語では見た目は同じ ING形になっていても品詞が違います

  • 動名詞:ING形を名詞としてつかう
  • 現在分詞:ING形を形容詞としてつかう

英単語は「見た目」が同じでも「品詞」が変われば、全く別ものとして機能するケースが多いので注意してください。

準動詞と非定形動詞は同じもの

これら準動詞は英語の文法用語では「nonfinite verb(非定形動詞)」と呼ばれます。

つまり nonfinite verb には2つの和訳があるんです。

  1. 準動詞(一般向けの英文法でよく使われるようです)
  2. 非定形動詞(英文法用語のより正確な意味はこちら)

英語ではひとつの用語なのですが、2つある日本語をそれぞれ解説してみます。

  • 準動詞動詞に準ずる機能しかもたない動詞
  • 非定形動詞形が定まらない動詞

この2つは全然違うことを言っているように見えます。

しかし英文法の解釈ではどちらも「ホンモノの動詞ではない」という意味になるんです。

そして nonfinite verb(準動詞・非定形動詞)を理解するカギが「非定形 nonfinite」という表現です。

では、ここからは「準動詞」と「非定形動詞」の2つの用語をどちらも使いながら解説していきます。

Finite 定形 VS Nonfinite 非定形

非定形動詞(準動詞)とは「動詞を変化させて使う品詞」のことでした。

もう一度、リストをあげて確認します。

  1. 不定詞 infinitive
    • to do / to be
  2. 動名詞 gerund
    • doing / being
  3. 現在分詞 present participle
    • doing / being
  4. 過去分詞 past participle
    • done / been

これらの共通点はホンモノの動詞」として使用できないことです。

英語だけでなく多くのヨーロッパ系の言語ではホンモノの動詞一つの特徴をもっています。

その特徴とは「主語や時制などによって形が変わる」ということです。

文法用語の「時制 tense」とは「行動がいつ起こることなのか?」を意味するものです。

では実際に英語の be動詞を例に見ていきます。

be動詞には「原形 base form」という変化前の基本形 “be があります。

この “be” を状況に合わせていろいろ変化させて使います。

  • I am here.
    • 主語:一人称単数(私は)
    • 時制:現在時制
  • We are here.
    • 主語:一人称複数(私たちは)
    • 時制:現在時制
  • I was here.
    • 主語:一人称単数(私は)
    • 時制:過去時制
  • We were here.
    • 主語:一人称複数(私たちは)
    • 時制:過去時制

原形 “be” を主語時制によって切り替えて使うのがお判りいただけると思います。

ちなみにフランス語ドイツ語などの動詞では主語時制に合わせてもっと細かい変化が起こります。

つまり英語でもフランス語でもドイツ語でも動詞を使う仕組みはほとんど同じなんです。

英語とその仲間の言語では、ホンモノの動詞の特徴は「主語や時制などによって形が定まる」ということです。

ではこの「形が定まる=ホンモノの動詞」というルールを逆に応用するとどうなるでしょうか?

今回のテーマである「非定形動詞(準動詞)」は主語時制によって形が変化しません

ではホンモノの動詞 like の「目的語 O」として「動名詞 running」を使ってみます。

  • I like running.
  • I liked running.
  • She likes running.
  • She liked running.

主語や時制が変化しても動名詞 running の形は変化しません。

これこそ「非定形 nonfinite」がもつ「主語や動詞などで形が定まらない」という意味です。

そのため動詞には次のような分け方が可能です。

  • 形が定まる動詞定形動詞 finite verb)
  • 形が定まらない動詞非定形動詞 nonfinite verb)

この2つを機能を基準に分けてみます。

  • 定形動詞 finite verb ⇒ ホンモノの動詞
  • 非定形動詞 nonfinite verb ⇒ ホンモノの動詞として使えない

この「動詞として使えない」ということが「準動詞」の由来でもあります。

次の3つはどれも「準動詞」の解説でよくみるものです。

  1. 動詞に準ずる機能を持っている
  2. ホンモノの動詞になる機能を持っていない
  3. 動詞以外の品詞に変化させて使わないといけない

どれも「非定形 nonfinite」の意味がわかっていれば、同じことを言っていると分かります。

逆の言い方をすればと「定形動詞 finite verb」だけが「ホンモノの動詞」と言えるんです。

そして「形 nonfinite」の意味は「詞 infinitive」とも大きく関連してきます。

不定詞の意味は「Nonfinite 非定形」

ここまでの説明で「非定形 nonfinite」の意味はご理解いただけたと思います。

そうなれば「不定詞 infinitive」の文法用語の意味もすんなりわかります。

では英語の文法用語を見ていきます。

  • infinite 無限の、限定されない
  • nonfinite 非定形

どちらもほぼ同じことを言っています。

つまり本来の「不定詞 infinitive」とは主語や時制によって変化しない「動詞の原形」という意味なんです。

文法用語はラテン語の infinitivus に由来し「(主語や時制によって)形がられることのい品詞」を意味します。

つまり英語以外の多くの言語では「不定詞」とは「動詞の原形のみ」を示す用語です。

しかし現代英語の不定詞は「to+動詞の原形」を組みあわせた「to do」の形で「~する方向へ」という意味で使用します。

もともと古英語(Old English)の時代は「前置詞 to」と「動詞の原形(名詞用法)」の組み合わせの使い方がありました。

  1. 前置詞 to:~の方向へ
  2. 動詞の原形(名詞用法):~すること

この「前置詞 to+動詞の原形(名詞用法)」は英語と近い言語の特徴ともいえます。

そのため英語と同じゲルマン語の仲間であるドイツ語オランダ語でもよく似た仕組みがあります。

  • to + 動詞の原形(古英語 Old English)
  • zu + 動詞の原形(ドイツ語 German)
  • te + 動詞の原形(オランダ語 Dutch)

前置詞 to / zu / te は「方向を示す前置詞」として使います。

つまり現代英語と違って、古英語ドイツ語オランダ語の「動詞の原形」は基本的に名詞用法です。

そしてロマンス語グループのフランス語でも不定詞は「動詞の原形」を名詞として使うのが基本ルールです。

そのためフランス語には動名詞がなく、不定詞(動詞の原形)を前置詞とペアにして使用できます。

このようなことが可能な理由はそもそも「不定詞だけで名詞用法」にするのがヨーロッパ系の言語では標準用法だからです。

そのため本来であれば文法用語としては「動詞の原形のみ = 不定詞」とするのが正確な定義です。

しかし現代英語では「to do」のまとまりが基本の使い方になったため「不定詞 = to+動詞の原形」と呼ばれるほうが中心になりました。

さらにここから注意なのが「動詞の原形 base form」の使い方です。

動詞の原形:命令法と不定詞の違い

もともと「動詞の原形」である不定詞は「名詞用法」でした。

ところが「動詞の原形」は現代英語では「命令法 imperative mood」を発動させる動詞の形でつかいます。

  • Be careful.
  • この “Be” は主語 you の省略からつながるホンモノの動詞

なんと不定詞でも使用する動詞の原形」を「ホンモノの動詞」としても使ってしまうんです・・・。

そのため「動詞の原形」に対して2つの用語が必要になります。

  • ホンモノの動詞で使う ⇒ 命令法(を発動する動詞の形)
  • ホンモノの動詞で使わない不定詞(名詞・形容詞・副詞へ変化)

本来、文法用語というものは明確な定義を基準にして使い分ける必要があります。

実際に、中学で命令文を習ったときに「動詞の原形」が登場しますが「不定詞」とは聞いていませんよね?

なぜなら「命令法」を発動する「動詞の原形」は「ホンモノの動詞」として分類されるからです。

さて実際に英語を使う場面で考えると「不定詞」と「ホンモノの動詞」が同じ形をしているパターンはとても厄介なんです。

現代ドイツ語でも英語の不定詞と同じことが起こるので注意してください。

German conjugation - Wikipedia

英語の「不定詞」と「動詞の原形」は見た目では同じでも、異なった機能を発動する場合があります。

さらに前置詞 to を取り込んで「to + 動詞の原形」が不定詞の標準用法になってしまいました。

このようなややこしい事情を現代英語は抱えています。

それでもなんとか英語の文法用語の定義において、ある程度の区別しようとする努力がみえることは覚えておいてください。

準動詞の品詞と使い方

ここからは準動詞(非定形動詞)を使用する「品詞 part of speech」に焦点をあてて進めていきます。

まず日本ではバラバラになりがちな文法用語を整理します。

  1. ホンモノの動詞」の名称
    • 定形動詞 finite verb
  2. ホンモノの動詞から変化した品詞」の名称
    • 準動詞 nonfinite verb
    • 非定形動詞 nonfinite verb

ここからは実際の動詞を「定形 VS 非定形」を分けてみます。

では動詞 do を例にとってみていきましょう。

  • ホンモノの動詞(定形動詞)
    • do / does(現在形)
    • did(過去形)
  • ホンモノの動詞ではない(非定形動詞・準動詞)
    • to do(不定詞)
    • doing(ING形)
    • done(過去分詞)

このように「ホンモノの動詞」かどうかは見た目」でカンタンにわかるんです。

そして準動詞(非定形動詞)を実際に使用する場合は「品詞を動詞から変化させる」ことが必要です。

では具体的にどの品詞に変化させられるのかをみていきます。

原則として、準動詞も含め英単語はテキトーに使用してはダメなんです。

なぜならごく一部の例外を除いてすべての英単語はなんらかの品詞として使用するルールになっているからです。

では「非定形動詞(準動詞)」が変化できる「動詞以外の品詞」を見ていきましょう。

  • 定形動詞:ホンモノの動詞
    1. 動詞 verb
  • 非定形動詞動詞ではない3種類の品詞
    1. 名詞へ変化(名詞的用法 nominal)
    2. 形容詞へ変化(形容詞用法 adjectival)
    3. 副詞へ変化(副詞用法 adverbial)

ここで登場するのはたった4種類の品詞です。

  1. 名詞 noun
  2. 動詞 verb
  3. 形容詞 adjective
  4. 副詞 adverb

もちろん英語の品詞はもっと細かく分類することは可能です。

ですが英語の基本を作り上げるには4つだけあればOKなんです。

その理由は「英語の品詞の使用ルールは大きく4つにまとまる」からなんです。

英語の基本の仕組みとして「品詞」は英文の構造のどこで使うかで決まります。

そして英語の基本は「文の要素 SVOC」がベースになっています。

品詞の使用ルール:「文の要素 SVOC」と「おまけ要素 M」
品詞の使用ルール:「文の要素 SVOC」と「おまけ要素 M」
  1. 文の要素で使う(SVOC)
    • 名詞 noun
    • 動詞 verb
    • 形容詞 adjective
  2. 文の要素で使わない(おまけ M)
    • 副詞 adverb

文の要素で使う品詞は3種類あるので、もうすこし細かく見ていきます。

文の要素(SVOC)に使用可能な品詞「名詞・動詞・形容詞」
文の要素(SVOC)に使用可能な品詞「名詞・動詞・形容詞」

まず文の要素品詞の基本ルールを確認されたい場合はこちらを参照ください。

また名詞形容詞副詞の使用ルールもとても重要です。

品詞の使い分けができないと「準動詞(非定形動詞)」をマスターするのにとても苦労するはずです。

それぞれの品詞の使用ルールはこちらを参照ください。

名詞の使用ルール
  1. 主語 Subject になる
  2. 補語 Complement になる
  3. 目的語 Object になる
  4. 前置詞とペアになる
形容詞の使用ルール
  1. 補語 Complement になる(叙述用法 Predicative)
  2. 名詞を説明する(限定用法 Attributive)
副詞の使用ルール
  1. 文の要素 SVOC に入らない(おまけ要素)
  2. 形容詞・副詞を説明する

ここまでが「文の要素 SVOC」をベースにした品詞の使用ルールです。

ここから「動詞 verb」を「ホンモノの動詞として使えるかどうか?」を基準に分類してみます。

この分け方だと「定形動詞 finite verb」と「非定形動詞 nonfinite verb」の2グループに分かれます。

  1. 定形動詞do / does / did
    • 動詞 verb
  2. 非定形動詞to do / doing / done
    • 名詞 noun
    • 形容詞 adjective
    • 副詞 adverb

ここから非定形動詞(準動詞)の3種類を品詞で分けてまとめます。

準動詞(不定詞・ING形・過去分詞)の品詞変化:名詞・形容詞・副詞
準動詞(不定詞・ING形・過去分詞)の品詞変化:名詞・形容詞・副詞

いろいろ文法用語が違うのは、品詞だけでなく成り立ちや機能が異なっているからです。

文法用語はややこしいですが、まずは「見た目」と「使用できる品詞」から覚えると楽になると思います。

そしてホンモノの動詞準動詞を使用するときは「定形 or 非定形」を基準にします。

そのため「品詞」ごとに使用可能な非定型動詞(準動詞)を割り当てる必要があります。

準動詞の品詞:定形動詞と非定型動詞の違い
準動詞の品詞:定形動詞と非定型動詞の違い

この図を見て分かる通り「不定詞 to do」と「ING形 doing」は同じ品詞で使い分けができます。

詳しくは動詞のING形の解説をご覧ください。

ところが現代英語では過去分詞はちょっとユニークな機能を発動できます。

  • 英語の中で唯一「完了相」と「受動態」を発動できる
  • have + 過去分詞で「まとめて動詞」とする使い方が生まれた

過去分詞と受動態についてのブログもあるのでこちらもどうぞ。

① 過去分詞の基本:完了相 & 受動態
② 受動態の仕組みを五文型ごとに解説

ここまで、いろんな準動詞(非定形動詞)の名前が登場しました。

まず最も大切なことは品詞の使用ルールを見切ることです。

そうしないと自分が理解したい準動詞の名前すらわからないままになってしまいます。

では「定形 finite」と「非定形 nonfinite」をベースに実際の使い分けをみていきます。

ではカンタンな例文をつかって確認です。

  1. 動詞定形動詞
    • ホンモノの動詞
  2. 名詞非定形動詞
    • 不定詞 to do
      • I wish to have it.
      • 動詞 wish の「目的語 Object」の名詞
    • 動名詞 doing
      • Running here is so much fun.
      • 動詞 is に対して「主語 Subject」になる名詞
  3. 形容詞非定形動詞
    • 不定詞 to do
      • We need someone to help us.
      • 名詞 something を説明(限定用法)する形容詞
    • 現在分詞 doing
      • He is fishing over there.
      • 動詞 is の「補語 Complement」になる形容詞
    • 過去分詞 done
      • He was already gone.
      • 動詞 was の「補語 Complement」になる形容詞
  4. 副詞非定形動詞
    • 不定詞 to do
      • To cut it, we need something sharp.
      • 文の要素 SVOCに入らない(おまけ要素)
    • 分詞構文 doing(現在分詞を使用)
      • Judging from his story, she is innocent.
      • 文の要素 SVOCに入らないおまけ要素)
    • 分詞構文 done(過去分詞を使用)
      • I finished my report, supported by my friends.
      • 文の要素 SVOCに入らないおまけ要素

このように「定形&非定形の動詞」も基本の品詞ルールに合わせて使用すればOKです。

ここまで準動詞(非定形動詞)とその品詞の変化をみてきました。

ですが、そもそもなぜ英語に「準動詞(非定型動詞)」が存在しているのでしょうか?

その理由はホンモノの動詞だけでは機能が限られてしまうからです。

つまり準動詞は「ホンモノの動詞にない機能」を発動できるということです。

動詞パラダイム:時制・法・相・態(TMAV)

英語やドイツ語そしてフランス語などは動詞の形を変えていろんな意味を表現できます。

このように動詞の形を変えて様々な意味を生む仕組みを「動詞パラダイム verbal paradigm」と言います。

英語の「動詞パラダイム」の連携プレーでは4つの機能を表すことができます。

それが「時制(Tense, Mood, Aspect, Voice)」です。

  1. 時制 Tense
    • 話し手から見て行動が「いつ行われるのか?」を示す文法用語
      • 現在時制 Present Tense(非過去時制 Non-past Tense)
      • 過去時制 Past Tense
  2. 法 Mood
    • 話し手の「判断や想定」を示す文法用語
      • 直説法 Indicative Mood
      • 仮定法・接続法 Subjunctive Mood
      • 命令法 Imperative Mood
  3. 相 Aspect
    • 行動の「進行度(0~100%)」を示す文法用語
      • 未然相 Prospective Aspect
      • 進行相 Progressive Aspect
      • 完了相 Perfect Aspect
  4. 態 Voice
    • 行動が「するのか?されるのか?」の区別を示す文法用語
      • 能動態 Active Voice
      • 受動態 Passive Voice

動詞パラダイムの説明は複雑になるので、ここでは「動詞の持つ文法的な機能」とご理解ください。

この「動詞パラダイム」には定形動詞」と「非定形動詞」の連携システムが含まれます。

英語の場合は次の2つを組み合わせて、多彩な表現を生み出せる仕組みになっています。

  1. 定形動詞 finite verb の機能
    • 時制 Tense
    • Mood
  2. 非定形動詞 nonfinite verb の機能
    • Aspect
    • Voice

ここですこしだけ、この分類に関する注意点をいくつか挙げていきます。

まず「能動態 active voice」は実際には他動詞のもつ機能なので「定形動詞」のカテゴリーです。

しかし英語の場合は「受動態 passive voice」は過去分詞」だけがもつ機能になります。

そのため「能動 ⇔ 受動」の切り替え機能を優先して「非定形動詞」のカテゴリーで扱います。

次に法助動詞である willcan などの分類も議論が分かれます。

古英語の時代では法助動詞 will can などは「ホンモノの動詞(定形動詞)」として機能していました。

しかし現代英語の法助動詞は目的語を取れなくなったり、分詞化できなくなったり、と動詞の機能を失っています。

ただここでは「法助動詞 modal (auxiliary) verb」は過去の経緯から見て「定形動詞の仲間」とします。

そのため基本として「時制 tenseと「法 mood」は法助動詞も含めた「定形動詞(ホンモノの動詞)」の役目になります。

そして「非定形動詞(準動詞)」の機能は「相 Aspect」と「態 Voice」の2つになります。

では実際に「相&態」の機能をみていきます。

準動詞の機能:相 Aspect & 態 Voice

ここからは「準動詞(非定形動詞)」のもつ「相」と「態」の実例をすこしだけ紹介します。

では形容詞として使用する「分詞 participle」を見ていきます。

  • 現在分詞 Present Participle
    • 分詞の形:doing / being
  • 過去分詞 Past Participle
    • 分詞の形:done / been

これら英語の2つの分詞には「行動の進行度」を表現する機能があり、文法用語で「相 Aspect」と言います。

そして同時に「行動のする / される」を区別する「態 Voice」の機能も発動できます。

つまり分詞には2つの機能が同時発動しています。

  • 現在分詞(doing / being)
    • 進行相 Progressive Aspect
      • 行動が進行している
    • 能動態 Active Voice
      • 行動が~する
  • 過去分詞(done / been)
    1. 完了相 Perfect Aspect
      • 行動が完了した
    2. 受動態 Passive Voice
      • 行動が~される

この「相 Aspect」の一番わかりやすい例が「現在進行形」や「過去完了形」などです。

  • I am doing it.(私はそれをしている)
  • I have done it.(私はそれを終わらせた)

日本の英文法では「〇〇形」というひとまとめにした解釈が主流のようです。

これは「複合時制 compound tense」という一昔前の文法解釈をベースにしたものです。

しかし最新の文法では「動詞パラダイム verbal paradigmが解釈の基本になります。

つまり英語の最新の文法解釈では「時制tense + aspect)」という機能ごとの分類が主流です。

  • 現在進行形現在時制進行相
  • 過去進行形過去時制進行相
  • 現在完了形現在時制完了相
  • 過去完了形過去時制完了相

つまり「時制 tense」と「 aspect」で担当を分けるのが英語の特徴です。

  • 時制 tense動詞(定形動詞 finite verb)
  • aspect分詞(非定型動詞 nonfinite verb)

さて現在分詞過去分詞も形容詞に変化した「非定形動詞(準動詞)」です。

そのため英語で使用するときは必ず「定形動詞(ホンモノの動詞)」に助けてもらいます。

では実際に文法の仕組みをみていきます。

  • I am doing it.
    • am 定形動詞
    • doing 非定形動詞(現在分詞)
  • I have done it.
    • have 定形動詞
    • done 非定形動詞(過去分詞)

英語のルールでは「進行相」や「完了相」の機能は「ホンモノの動詞」では発動できません。

そして「受動態」の機能もまた過去分詞にしかありません。

そこで「ホンモノの動詞」と「過去分詞」を組みあわせます。

  • English is spoken here.(英語はここで話されている)
    • is 定形動詞
    • spoken 非定形動詞(過去分詞)

過去分詞は「非定形動詞」なので単体では文章をつくることができません。

そのため「ホンモノの動詞」の力を借りて形容詞として文に登場します。

ここで過去分詞のちょっと応用の内容に進みます。

いわゆる「現在完了 have+過去分詞」の仕組みは実はヘンテコなんです。

なぜなら過去分詞なのに受動態」ではなく「能動態」を発動するからです。

  1. have doneまとめて動詞
    • 能動態 Active Voice
    • 完了相 Perfect Aspect
  2. be donebe動詞+形容詞(分詞)
    • 受動態 Passive Voice
    • 完了相 Perfect Aspect

もちろん、この2つはあくまでもシンプルな解説であって、実はもっと細かい理解が必要です。

過去分詞が have と be のどちらとも連携できる理由は、英語の歴史をみるとわかります。

過去分詞を統語論文法(Syntax)で完ぺきに理解したい方はこちらをどうぞ。

現在完了形の文法解釈(統語論文法 Syntax)はこちらをどうぞ。

助動詞は「準動詞を助ける定形動詞」

ここまでの説明で分詞を使用する場合には、必ず定形動詞(ホンモノの動詞)のサポートがあることが分かります。

このような分詞を助ける「定形動詞」は正確には「助動詞 auxiliary verb」と呼ばれます。

なぜなら一般的に文法用語の「助動詞」は正確に言うと「不定詞や分詞をける動詞」を意味しているからです。

そのため英語の正統派の「助動詞」は be動詞と have の2つです。

  • We were using it.
    • 現在分詞 using助ける動詞 were
  • They have done it.
    • 過去分詞 done助ける動詞 have
  • English and French are spoken here.
    • 過去分詞 spoken助ける動詞 are

フランス語やドイツ語でも動詞が「準動詞」を助ける場合に「助動詞」と呼ばれます。

なぜならそもそも準動詞(非定形動詞)はホンモノの動詞(定形動詞)の助けがないと文章で使えないからです。

日本の英文法解説では「法助動詞」と「助動詞」の違いがおろそかなものが多いかと思います。

英語の基本的な理解として「助動詞」とはそもそも「助ける動詞」であることを忘れないでください。

動詞パラダイムを見切れば英語は自由自在!

英語は見た目が同じ単語を組みあわせて使うシステムを持つ言語です。

そのため文法の仕組みを見切っただけで、すぐにいろんなことが応用できます。

なかでも英語の動詞パラダイムの仕組みは、英語の中心機能です。

動詞パラダイムを正確に運用できれば、英語はほぼマスターしたも同然です。

ぜひ動詞パラダイムの仕組みをしっかりと理解して、自由自在に英語を使ってください!

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