過去分詞で作る受動態:5文型 SVOC が基本の仕組み

if-you-can-t-describe-what-you-are-doing-as-a-process-you-don-t-know-what-you-are-doing-w-edward-deming 英文法の仕組み

受動態についてこのようにならっていませんか?

be動詞 + 過去分詞 は受動態

そして受動態の作り方は・・・

主語(S)と目的語(O)を入れ替えてbe動詞 + 過去分詞」にする

これを実際にやってみます

  • (普通文) Mitsuhide killed Nobunaga. 
  • (受動態) Nobunaga was killed by Mitsuhide.

これは英語教材によくあるパターンですが誤解を招く可能性があります

そこで「受動態」の真実を確認しておきます。

受動態をつくるのに be動詞は必要ありません
  • Nobunaga got attacked by Mitsuhide’s forces at Honno-ji Temple.
  • 信長は本能寺で光秀の軍に攻撃を受けた

この文章に be動詞はありませんが、これは紛れもなく受動態です。

「be動詞 + 過去分詞」が受動態でないこともあります
  • Since Lord Nobunaga is gone, now is your perfect opportunity.
  • もはや信長様はおられませぬゆえ、今が絶好の機会でございますぞ。

gone は go の過去分詞です。

be動詞と一緒に使われていますが、受動態ではありません

よくある過去分詞の誤解は「be動詞 + 過去分詞 ⇒ 受動態」と丸暗記することから始まります。

ここから「受動態」を細かく解説していきます。

過去分詞の基本情報

受動態をつくるには「過去分詞」が必要です。

過去分詞を基礎からを知りたい方はこちらの解説をどうぞ。

ここで「過去分詞」の基本情報を確認します。

  • 品詞:形容詞(Adjective)
  • 時制:なし
  • 相:完了(Perfect)
  • 態:受動(Passive)

見慣れない文法用語もあると思うので詳しく見ていきます。

過去分詞の品詞:形容詞

過去分詞は「do ⇒ done」のように動詞の変化形です。

動詞の変化形(準動詞 non-finite verb)の品詞は動詞ではなくなります

分詞 Participle」は動詞を変化させて形容詞として使う品詞のことです。

過去分詞の時制:なし

時制とは行動の起きた時を表す用語で「現在」そして「過去」があります。

時制を表現できるのは動詞(と助動詞)だけです。

厳密には英語には「未来時制」は存在しません。理由は「動詞の未来形」が存在しないからです。

過去分詞は動詞ではなく形容詞なので時制を表現できません

ちなみに過去分詞の「過去」の名称は「動詞の過去形と同じ形の分詞」という意味で名づけられました。

過去分詞の相:完了

過去分詞は「完了相 Perfect Aspect」の機能を発動できます。

相(aspect)とは「行動の進行度(0~100%)」を表す文法用語です。

英語の「相」には次の3つがあります。

  • 未然相(0%):これからやる予定(まだやりはじめていない)
  • 進行相(1~99%):やっているところ(途中なのでまだ終わっていない)
  • 完了相(100%):やりおえた(いつ終わったかは関係ない)

そして英語の「相 aspect」は動詞の変化形(準動詞)にデフォルトでセットされています。

  • 未然相(Prospective Aspect):to do 不定詞
  • 進行相(Progressive Aspect):doing 動詞のING形
  • 完了相(Perfect Aspect):done 過去分詞

過去分詞が「過去の表現」と関連してくるのは「完了相(すでに実現している)」を発動できるからです。

過去分詞の態:受動

過去分詞は「受動態 Passive Voice」の機能を発動できます。

態(voice)とは「主語 ⇔ 目的語」の関係性を表す文法用語です。

通常、動詞がとる「主語は ~する 目的語を(SVO)」の関係を「能動態 active voice」といいます。

そして目的語(O)が主語(S)と入れ替わった関係を「受動態 passive voice」といいます。

つまり「目的語をとる動詞(能動態)」の過去分詞だけが受動態を発動できます。

この目的語をとる動詞を「他動詞 transitive verb」といいます。

自動詞と他動詞の違い-文型-目的語-態-過去分詞の受動態可否
「受動態」⇒ 過去分詞のオプション機能

「完了相」⇒ 過去分詞のデフォルト機能

英文法用語の「態 Voice」と「能動態 ⇔ 受動態」の関連についてはこちらをどうぞ。

have + 過去分詞 は例外パターンから生まれた

「完了を表す動詞」として have / has/ had +過去分詞になるのは特殊パターンです。

  • have done it.
  • He has come here.
  • It had been really cold.

これらは昔々、ちょっとムチャをやって生まれた表現です。

いまでは一般的な文法として定着しましたが、本来の英文法は崩れています。

基本ルールから外れた構造になっていることを覚えておいて下さい。

過去分詞は「複合要素」が多く、古英語の用法からつながる「例外ルール」まで入って来ます。

それでは、過去分詞の理解を共有させていただいたところで、本題に入ります。

受動態をマスターするのに必要なのは「五文型」の知識

では確認のため「自動詞」と「他動詞」の区別をみてみます。

  • 自動詞:目的語が取れない動詞( SV / SVC )
  • 他動詞:目的語が取れる動詞( SVO / SVOO / SVOC )

これを過去分詞で考えると・・・

  • 自動詞の過去分詞:完了相のみ
  • 他動詞の過去分詞:完了相 & 受動態

では、ここから各文型ごとに「受動態」をつくっていきましょう。

自動詞の過去分詞に「完了相」だけ発動させる

自動詞には「受動態」はつくれませんが「過去分詞」にすることは可能です。

自動詞には2パターンの文型があります。

  • 第1文型 SV自動詞
  • 第2文型 SVC不完全自動詞
「不完全自動詞」と呼ばれるのは「補語 C」として「名詞」を置くことができるから
  • Hideyoshi became a unifier of Japan.
  • 秀吉は なった 天下人に。

上の例のように「a unifier」は名詞として「補語 C」に入ります。

過去分詞には「完了相」と「受動態」の両方の性質があります。

だから自動詞の過去分詞には「完了相 perfect aspect」だけ発動すればいいのです。

自動詞の過去分詞のポイント

  • 自動詞を過去分詞にすることは可能です
  • 自動詞の過去分詞は「受動態」を発動できません
  • 自動詞の過去分詞は「完了相」を発動できます

では例文をみていきましょう。

  • Nobunaga is gone.
  • 信長はもういない / 亡くなった / どこかへいってしまった
  • His son also is become dead.
  • 彼の息子も死んでしまった。

あれ?なんかおかしくない?

  •  is become dead.” って間違ってへんの?
  •  has become dead.” が正しいんやないの?

と、思いませんか? ご指摘はごもっともです。

しかし is becomeが「昔」は正しい英文法でした。

なぜなら「過去分詞」が形容詞なので be動詞で連結していたからです。

ただ現代英語では「have +過去分詞」が一般的になってしまいました。

もともとは「have +過去分詞」のほうが「例外」なんです 。

他動詞の過去分詞で「受動態」を発動させる

ここから他動詞の過去分詞の仕組みを見ていきます。

受動態の発動条件が「目的語を持つ(能動態)」ことができる動詞の過去分詞です。

では他動詞の文型と目的語の位置を確認します。

  • 第3文型 SVO
  • 第4文型 SVOO
  • 第5文型 SVOC

それぞれの目的語の位置に合わせて「受動態」の仕組みを見ていきます。

第3文型 SVO の受動態

皆さんおなじみの「be動詞+過去分詞」のパターンです。

  • I make curry.
  • 私は つくる カレーを
  • Curry is made.
  • カレーはつくられる / つくられた

能動態 SVO で「目的語」があるからこその受動態です。

あるま・まーたの文法解説は「統語論文法 syntax」を基本方針として行います。

  • 統語論文法(Syntax):ルール・システム重視の英文法解釈
  • 意味論文法(Semantics):意味・ニュアンス重視の英文法解釈

では「受動態」の文法構造を解説します。

統語論文法解説:第3文型 SVO の受動態の作り方

過去分詞は「形容詞」として「補語 C」に入ります。

それと同時に「動語 V(述語動詞)」としての機能を持っています。

動語 V「文の要素」としての動詞の機能だけ意味するオリジナル用語。

“Curry is made.”

  • is ⇒ メイン動語(V)
  • made ⇒ 補語(C) & サブ動語(V’)
動詞の変化形(準動詞 non-finite verb)の2つの役割

「動詞の変化形」は「動語 V」の機能をもったまま「動詞ではない品詞」に変化します。

  • 機能:動語 V(五文型をつくれる)
  • 品詞:動詞ではなくなる

3種類の動詞の変化形すべてに共通する内容です。

  • 不定詞 to do(名詞 / 形容詞 / 副詞)
  • 動詞のING形 doing(名詞 / 形容詞 / 副詞)
  • 過去分詞 done(形容詞)

では話を「受動態」に戻します。

SVO の受動態はカンタンにみえますが、要注意の例文を見ていきましょう。

  • make my decision.
  • 私は つくる 私の決断を
  • (私の意見は自分で決める)
  • My decision is made.
  • 私の決断は = 作られた
  • (私の決断はもう固まった)
統語論文法解説:第3文型 SVO の受動態の作り方

「受動態」が目立ちますが、過去分詞には「完了相」も含まれています。

この例文は「私はもう決断した!」という意味で使います。

完了相の意味をとれないと「私の決断は(誰かによって)される」になってしまいます。 

他動詞の過去分詞にも「受動態しか発動しない」というルールはありません

受動態がメインであることは事実ですが、完了相がゼロと決めつける理由はないんです。

第4文型 SVOO の受動態

ここからすこし変則的なパターンに入っていきますが、ちょっと練習をすれば大丈夫です。

それではカンタンな例文でチャレンジです。

  • I gave him a pen.
  • 私は 与えた 彼に 一つのペンを

第4文型をとる動詞 give は SVOO の文型にできます。

目的語(O)を2つ連続でおけるので、名詞が2連続で並びます。

意味は語順通りで与える ○○に △△をとなります。

ここで大切なことは「目的語(O)」が2つあることです。

・I gave him (O) a pen (O)

受動態は「目的語を主語に変える」という形のことです。

ということは「主語の候補が2つ」ということになります。

実際に SVOO の受動態を2つ作ってみます。

  • ① He is given a pen.
  • ② A pen is given him

上の文で given の後ろに名詞が存在しています。

もしかすると SVO の受動態ばかりみていると、すこし戸惑うかもしれません。

ですが、その仕組みはシンプルです。

まずは ① He is given a pen. からみていきましょう。

統語論文法解説:第4文型 SVOO の受動態の作り方(間接目的語=与格が主語)
統語論文法解説:第4文型 SVOO の受動態の作り方(間接目的語=与格が主語)

この構図をくわしく解説します。

  1. まず目的語 (O)主語 (S) に変化します。
  2. 次に動詞 give が 過去分詞 given になると品詞は「形容詞」になります。
  3. He given だけでは動詞がないので文章として成立しません
  4. それゆえ be動詞の was を使って given を SVC パターンで使います。
  5. given は「動語 V(述語動詞)」の機能を引き継げるので第4文型を維持します。
  6. 目的語 him主語に変化しているので、残りの目的語 a pen だけそのままにします。

このように「過去分詞」に「形容詞(品詞)」と「サブ動語(文の要素)」の機能の両方がないと、受動態の構造を説明できなくなるんです。

ちなみに be動詞を使うのは「過去分詞」が形容詞だからです。

受動態をつくる be動詞は「助動詞 auxiliary verb」という解説もあります。

これは過去分詞をつかうために「補する動詞」という意味です。

同じ助動詞でも willcan などは「法助動詞 modal verb」といって機能が全く異なるものなので一緒にしないように注意してください。

つまり形容詞に変化した過去分詞を補助できる動詞なら be動詞でなくてもかまいません

代わりに get でも SVC のパターンの動詞なら機能します。

  • ① You will be used to it.
  • ② You will get used to it.
  • ① 君はそれに慣れるだろう。
  • ② 君はそれに慣れてくるだろう。

古英語の動詞 use には「慣れさせる」の意味があり、過去分詞 used が完全に形容詞化しました。

参考書にイディオムとして載っていても、昔は基本ルールで使われていたものもよくあります。

過去分詞も動詞の五文型パターンを知らずに正確に運用できません。

では次に、今度は a pen を主語にしてみましょう。

統語論文法解説:第4文型 SVOO の受動態の作り方(直接目的語=対格が主語)

これは先ほどの解説を a pen と him を入れ替えただけです。

SVOO は目的語が2つあります。どちらの目的語を主語にして受動態をとろうと同じ仕組みです。

第4文型の受動態に2パターンある

第4文型の受動態のカラクリはとてもシンプルです。

カンタンすぎて、これでは面白くないので、ここでクイズです。

下の2つの例文はほぼ同じ意味です。

  • α: A pen was given him.
  • ω: A pen was given to him.

Q:なぜ前置詞 to の有無にかかわらず、この2つの文章は同じ意味になるのでしょうか?

ここでじっくり考えてもらえるとレベルアップするよい機会になります。

答えは出ましたでしょうか?  

実はこの答えもカンタンです。もともとの能動態の文章がほぼ同じ意味なんです。

第3文型:SVO to 名詞
  • I gave a pen to him
  • 私は 与えた ペンを 彼に
第4文型:SVOO
  • I gave him a pen
  • 私は 与えた 彼に ペンを

オリジナルの2つの文章がほぼ同じ意味なので、受動態にしても意味がほぼ同じになります。

英語の「第4文型」と「第3文型 + to / for 名詞」は変換できる仕組みがあります。

このカラクリのことを “dative shift” といいます。詳しくはこちらをどうぞ。

もちろん受動態に変えるルールもこれまでと同じやり方でOKです。

では「SVO to 名詞」のパターンの図解にいきましょう。

統語論文法解説:第3文型(SVO 前置詞+与格)の受動態の作り方(目的語=対格が主語)

前置詞と名詞がペアになると文の要素(SVOC)に入りません。

あるま・まーたでは文の要素(SVOC)に入らない部分を「おまけ要素」と呼んでいます。

第5文型 SVOC の受動態

次に第5文型 SVOC の受動態に進みます。

今回はあえて日本ではあまり見ない例文を使ってみます。

  • God made us able.
  • God は つくった 我々を 能力をもつ状態に

キリスト教の世界観では、この世界のあらゆるものは「創造主 the Creator」つまり「絶対神 God」によって作られたとされます。 

それゆえ「God は我々人間に (判断・実行する)能力を授けてくれていた」と解釈できます。

では、この文章を受動態にしてみましょう!

統語論文法解説:第5文型 SVOC の受動態の作り方

こういった仕組みが見えればカンタンだと思います。

しかし SVOC の受動態には注意するポイントがあります。

サブ構造の補語 C’ の直後に「名詞」と「形容詞」の2種類おかれる可能性があることです。

補語 C’ が「名詞」になるパターン

  • In ancient Greece, gold was considered a marker of social status.
  • 古代ギリシャにおいて、金は(過去)= 考えられた 社会的地位を示すものとして
  • ≒ 古代ギリシャでは金は社会的地位を示すものとみなされていた。

動詞 consider は「O=Cと考える、みなす」という第5文型をとります。

過去分詞 considered の直後に「サブ補語 C’」として名詞を置くことができます。 

補語 C’ が「形容詞」になるパターン

  • The defendant was proven guilty.
  • その被告は(過去)= 証明された 有罪の状態
  • 被告は有罪であると示された。

動詞 prove は「O = C と証明する」という第5文型をとります。

過去分詞 proven の直後に「サブ補語 C’」として形容詞をおくことができます。

もちろん be動詞の代わりに動詞 get を使ってもかまいません。

  • He got proven guilty.
  • He was proven guilty.

形容詞化した過去分詞を繋げるなら何でもOKです。

SVO /  SVOO / SVOC が可能な動詞

ここまで第4文型・第5文型をみてきました。

第5文型 SVOC の動詞は第3文型や第4文型とかぶるものがいくつかあります。

  • call
  • find 
  • get
  • make
  • render

これらは能動態の時点でいくつかのパターンがあります。

受動態になってもそのパターンは維持されるので、五文型をしっかり理解しておいてください。

自動詞+前置詞の受動態

第1文型(SV)と第2文型(SVC)の動詞(自動詞)は「受動態」にできませんでした。

なぜなら「目的語」がないからです。

ですが前置詞を使えば「自動詞を受動態」にすることが可能です。

では早速、例文を見ていきましょう。

・I was laughed at by him. 

このような文章をご覧になったことはありませんか?

これこそが「自動詞」の受動態です。

「なんで at が必要なん?」 

「前置詞の by があるやん!」

と私も思っていました。

しかし受動態は「能動態」を基準に作られます。

だから能動態の文章を考えれば答えは出ます。

まず、laugh は目的語をとれない動詞(自動詞)です。

それゆえ “I laugh him” にはできません。

しかし “I laugh at him” の形なら可能です。 

つまり S laugh at O という形で、実質的に SVO の第3文型を作ってしまいます。

これを私は個人的に “de facto SVO” とよんで「実質的な他動詞」という理解をしています。

名詞を連結できる前置詞の力を借りれば、自動詞でも SVO の文型をとり、目的語をもつことが可能です。

そうとなれば「受動態」が可能になります!

では、その仕組みをみていきましょう。

統語論文法解説:イディオム動詞(SV+前置詞+名詞)の受動態の作り方

このように「自動詞+前置詞」で「他動詞 SVO」をとるものは数多くあります。

熟語帳や参考書に載っている「イディオム動詞」と呼ばれるものの多くがこのパターンに当てはまります。

イディオム動詞を「受動態」に応用できる仕組みを理解することが大切です。

では「account for~を説明する)」というイディオム動詞をみてみます。  

“The origins of the Sun and the Moon are accounted for in Japanese mythology through the myth of Izanagi’s return from Yomi.” 

『太陽(アマテラス)と月(ツクヨミ)がどのように生まれたかは日本神話の中で、黄泉の国から伊弉諾尊(イザナギ)が戻ってくる話を通して説明された/されている。』

Wikipedia “Japanese mythology”

イディオム動詞の受動態は、普通にそこらへんでみつかります。

簡単な単語の組みあわせのことが多いので、見逃して勝手な解釈をしても自分では気づきにくいです。

過去分詞のすぐ近くの前置詞が「不自然」に置かれていたら注意してください。

能動態に戻して「イディオム動詞」として調べればヒットするかもしれません。

前置詞の「あり・なし」で注意する受動態

ここまで「第4文型動詞 SVOO」「第5文型 SVOC」そして「自動詞 + 前置詞」の受動態を見てきました。

もうお判りだとおもいますが、動詞ごとに一つのパターンだけが固定されるわけでありません

SVOO のところで紹介したよう同じ動詞でも、違うパターンが考えられます。

  • A pen is given to me.
  • A pen is given me.

この2つの場合は、能動態の形が異なっていました。

ここからはもう少し、踏み込んで違いを見ていきます。

では早速、例文を2つ挙げます。

  • A: English is spoken in this country.
  • B: Don’t speak unless you’re spoken to.

A はよく中学でもみる例文です。

B の場合、なぜ spoken to になるのか少し疑問が残ります。

その疑問は speak をよく知ることで解決します。

speak は「声に出す」ことに中心的な意味があります。

speak English は「言語を声に出す」ことなので speak の本来の意味の通りです。

しかし、「誰かにしゃべりかける」場合は「声に出す」ことと違ってきます。

それゆえ to を使わないと「その誰かをしゃべる」という変な意味になります。

というわけで speak to someone の形で「誰かに向けて声を出す」という意味が成立します。

日本語でも「誰か食べる」のと「誰か食べる」のは大違いですから!

つまりもともとの英文の形がこうなっているんです。

  • A’: (I) speak English.
  • B’: (I) speak to you. 

ここでは適当に “I” を入れています。文法的には主語ならなんでもOKです。 

では、それぞれの受動態のカラクリをみていきましょう。

統語論文法解説:第3文型 SVO speak の受動態の作り方

これはカンタンです。一番基本のパターンです。

では次に spoken to です。

統語論文法解説:イディオム動詞 speak to の受動態の作り方

これも laugh at とカラクリは同じです。

わかってしまえばなんてことはありません。

名詞を含むイディオム動詞ごと受動態

ここまでで「動詞+前置詞」を見てきました。

  • laugh at
  • speak to
  • account for

それに加えて「名詞を含んでいるイディオム動詞」もあります。

さっそく例を挙げます。 

  • take care of him.
  • He is taken care of.

イディオム動詞 take care of には「世話をする」という意味があります。

それ以外にも「問題を何とかする」「面倒な人間を始末する」という意味でも使います。

  • X: I took care of the problem.
  • Y: The problem was taken care of.

では、実際に文法解説をみていきましょう。

統語論文法解説:イディオム動詞 take care of の受動態の作り方

もうここまでくればカンタンですね!

この例文を最後に紹介するのは理由があります。

【 take care of の過去分詞 】

・文法上は care が名詞なので目的語として扱える。
・それにもかかわらず taken care of でイディオム動詞の受動態とする。

ここで注意です。

“care is taken” という表現は存在します。

名詞 care は「注意・慎重さ」を意味します。

それゆえ「注意は払われた」という意味になります。

能動態と受動態はこうなっています。

“I take care.” ⇔ “Care is taken.”

つまり care を主語としてとると・・・ 

“Care of him is taken.”

・・・になります。

ただ、これはあくまでも英文法において、ルールを厳密に守る場合の話です。

take care of はイディオム表現です。

イディオムはあくまでもまとまって意味を成します。

care だけを主語にすると、イディオムとしての意味が取れなくなります。

だから、take care of をまとめて受動態にします。

このような「意味を優先した解釈」がイディオムの特性です。

イディオム:品詞の標準使用ルールから外れている表現

ハイレベルな内容にも応用できることが本当の基礎です。

基礎とはあらゆる応用に土台となるものです。

基本を応用する方法を学ぶことで英語全体をシステムとして機能させることができるようになります。

さらに基礎をいろいろ組み合わせることでハイレベルなこともできるようになります。

高度なことに応用できるものこそが本当の基礎です。

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