英語で1つの文の中に「動詞 verb」がたくさんあって困ったことはありませんか?
英語には接続詞がないのにとんでもなく長い文章が存在します。
さっそく次の例文を見てみましょう。
She has been planning to move to Florence, preparing by selling unnecessary items and organizing her paperwork, with all her possessions already neatly packed in boxes, waiting for the right moment to make the journey.
『彼女はフィレンツェに引っ越す計画を立てていて、不要な物を売ったり書類を整理したりしながら準備を進めており、すべての持ち物はすでにきちんと箱に詰められて、旅に出る適切な瞬間を待っている。』
上の文で太字(bold)になっているものすべて「動詞 verb」と呼ぶことができます。
しかし「ホンモノの動詞」と呼べる動詞はたった1つだけで has しかありません。
実はほかのすべての動詞は「ホンモノの動詞」とは大きく違う性質を持つ動詞になっています。
それでは英語の「ホンモノの動詞」の仕組みを詳しく見ていきましょう。
定形動詞と非定形動詞
まず英語の動詞は大きく2つのグループに分かれます。
- 定形動詞 finite verb
- 非定形動詞 nonfinite verb
ここでテーマになるのは「定形 finite」という言葉です。
では「定形 finite」の意味を英語 Wikipedia で確認してみます。
The term finite is derived from Latin: finitus (past participle of finire – “to put an end to, bound, limit“) as the form “to which number and person appertain”. Verbs were originally said to be finite if their form limited the possible person and number of the subject.
「定形(限定、有限) finite」という用語はラテン語の finitus(「終わらせる、制限する」の意味を持つ finire の過去分詞形)に由来します。動詞はもともと、その形が主語の人称や数を限定する場合に「定形 finite」であると言われていました。
Finite verb – Wikipedia
ローマの公用語だったラテン語は近代までのヨーロッパの共通語だったため、英文法用語にもラテン語に準拠した説明が利用されます。
これを現代英語でもわかりやすいように Wikipedia の説明をちょっと言い換えてみます。
『主語や時制などにあわせて形が定まる(形が限定される)動詞を「定形動詞 finite verb」と呼びます』
この「finite」には漢字表記だといくつか呼び方があるので確認します。
- 形が定まる動詞
- 定形動詞(finite verb)
- 別名「定動詞」という用語も同じ意味
- 中国語では「限定動詞」と呼ぶ
- 形が定まらない動詞
- 非定形動詞(nonfinite verb)
- 別名「不定動詞」という用語も同じ意味
- 中国語では「非限定動詞」と呼ぶ
全ての英語の動詞の中で、この定形の仕組みが一番わかりやすいのが be動詞です。
すべての動詞は「原形 base form」という基本の形を持ちます。
この「原形」は主語や時制に合わせて形が変化します。
- 原形:be
- 現在形:I am / You are など
- 過去形:I was / You were など
百聞は一見に如かずなので英文でやってみましょう。
まず「主語の名詞 subject noun」によって定まる形が be動詞にはあります。
- 単数形 singular form
- The Colosseum is a famous landmark in Rome.
- コロッセオはローマの有名なランドマークです。
- 複数形 plural form
- The Roman citizens are proud of their city.
- ローマ市民たちは自分たちの都市を誇りに思っています。
この三人称の主語に対して「単数 is」と「複数 are」で別々の形に定まりました。
次に「時制 tense」によっても定まる形になります。
- 現在時制 present tense
- Rome is the capital city of Italy.
- ローマはイタリアの首都です。
- 過去時制 past tense
- Rome was the capital of the Roman Empire.
- ローマはローマ帝国の首都でした。
主語が同じ Rome でも「現在形 is」と「過去形 was」で別々の形になりました。
主語や時制などで「定まる形になる動詞(finite verb)」とはこういう意味なんです。
ではもう1つの動詞グループである「非定形動詞 nonfinite verb」に進みます。
こちらは定形動詞と違って主語や時制で形が定まらないのが用語の由来です。
英語の「非定形動詞」は見た目で分けると3種類あります。
動詞の原形 do と be をそれぞれ変化させてみます。
- 不定詞:to do / to be
- 「原形不定詞」も含む
- ING形:doing / being
- より細かい分類は「現在分詞」と「動名詞」に分かれます。
- 過去分詞:done / been
日本の英文法ではよく「準動詞」と呼ばれますが、ラテン語由来の英文法用語は「nonfinite verb= 非定形動詞」なのでこちらのほうを覚えておいて下さい。
これらはそれぞれの機能も使用法もバラバラなのですが「定形動詞ではない」という点では共通です。
このことはつまり「動詞ではない別の品詞に変化する」ということを意味します。
非定形動詞の品詞は「動詞以外の3種類」に分けて使用されます。
- 名詞用法 nominal
- 形容詞用法 adjectival
- 副詞用法 adverbial
それぞれの名称と品詞は次の図を確認ください。
英語は定形動詞と非定形動詞を組み合わせて複雑な文を作ることができます。
これを英文の基本構造である「文型モデル SVOC」に合わせて示すと次のようになります。
文の中心になる機能は「定形動詞」だけが持っています。
ちょっとややこしいですが、実際に定形動詞と非定形動詞を文の中で使うとわかりやすいです。
では主語や時制を変えて非定形動詞の形が変わらないことを確認しましょう。
まずは「不定詞 infinitve」を使って主語に「単数形と複数形」をセットしてみます。
- The emperor wants to expand his empire.
- 皇帝は自分の帝国を拡大したいと望んでいます。
- The emperors want to expand his empire.
- 皇帝たちは自分の帝国を拡大したいと望んでいます。
どちらの形でも to expand(不定詞)に変化は起きません。
次は「動名詞 gerund」 を主語にセットして「時制 tense」を変えてみます。
- Building roads connects the Roman provinces.
- 道路を建設することがローマの属州をつなぎます。
- Building roads connected the Roman provinces.
- 道路を建設することがローマの属州をつなぎました。
これもいずれも形でも building(動名詞)に変化は起きません
最後に「現在分詞 present participle」と「過去分詞 past participle」もやってみます。
ここでは「主語(単数・複数)」も「時制(現在・過去)」も一緒に変えてみます。
- The Roman engineer is designing a bridge, supported by stone pillars.
- ローマの技師は石の柱で支えられた橋を設計しています。
- The Roman engineers was designing a bridge, supported by stone pillars.
- ローマの技師たちは石の柱で支えられた橋を設計していました。
主語と時制の両方を変えても designing(現在分詞)と supported(過去分詞)の形は変わりません。
ここまでで「非定形動詞 nonfinite verb」のカンタンな仕組みはご理解いただけたと思います。
非定形動詞についての解説はこちらのブログをご覧ください。
英文の中心は定形動詞
英語の文では「定形動詞は1つだけ」という厳しいルールがあります。
このルールを変えて定形動詞を追加できるのは「接続詞 conjunction」と「関係詞 relative word」しかありません。
ではいくつか「接続詞」を使って定形動詞が追加された例文を確認します。
- Venice is known for its canals, and people travel by boat there.
- ヴェネツィアは運河で知られています、そして人々はそこではボートで移動します。
- The Leaning Tower of Pisa attracts visitors, though it was originally a mistake in construction.
- ピサの斜塔は観光客を引き付けますが、元々は建設ミスでした。
このように「定形動詞」は勝手に並べるわけにはいかないんです。
一方で「非定形動詞」の使用数には制限がありません。
In many languages (including English), there can be one finite verb at the root of each clause (unless the finite verbs are coordinated), whereas the number of non-finite verb forms can reach up to five or six, or even more, e.g.
He was believed to have been told to have himself examined.
『(英語を含めて)多くの言語では、それぞれの節(clause)の中心には1つの定形動詞が存在します(ただし接続詞などにより定形動詞がいくつか並ぶ場合は除く)。一方で、非定形動詞は5つや6つ、さらにはそれ以上に及ぶこともあります。(例文は省略)』
Finite verb – Wikipedia
では英語 Wikipedia の引用文を分解してみていきましょう。
- He was believed to have been told to have himself examined.
- 定形動詞:
- was
- 非定形動詞 :
- believed:過去分詞
- to have:不定詞(to 不定詞)
- been:過去分詞
- told:過去分詞
- to have:不定詞(to 不定詞)
- examined:過去分詞
- 定形動詞:
この例では定形動詞は1つだけですが、非定形動詞は6つも使うことができます。
このように文の中心に「定形動詞」を配置し、そこから「非定形動詞」を連携させて多彩な意味を生み出すのが英文の基本システムになります。
この分析をブログ冒頭でご紹介した例文に当てはめてみます。
- She has been planning to move to Florence, preparing by selling unnecessary items and organizing her paperwork, with all her possessions already neatly packed in boxes, waiting for the right moment to make the journey.
この動詞の中で主語の名詞 she と連動して現在時制の形になるのは定形動詞 has しかありません。
残りの9つはすべて「非定形動詞 nonfinite verb」なのでひとつずつ見ていきます。
- been:過去分詞
- planning:現在分詞
- to move:不定詞(to 不定詞)
- preparing:現在分詞(分詞構文)
- selling:動名詞
- organizing:動名詞
- packed:過去分詞
- waiting:現在分詞(分詞構文)
- to make:不定詞(to 不定詞)
このような一見ややこしい文ですが、あくまでも基本の組み合わせでしかありません。
定形動詞を中心とした複数の非定形動詞の連携プレーは、ヨーロッパ系言語において基本的な文法なんです。
もちろん英語だけでなくフランス語やドイツ語でも定形動詞を中心にした仕組みで文を作ることができます。
そして接続詞もしくは関係詞を使用すれば定形動詞が追加できるので、さらに長い1つの文を作ることができます。
Constantinople, originally founded as Byzantium and later transformed by Emperor Constantine I into the capital of the Roman Empire in 330 AD, became a vibrant center of Christianity, trade, and culture because it was strategically located on the Bosporus Strait, and flourished as the heart of the Byzantine Empire with its nearly impregnable walls and iconic Hagia Sophia, but it endured a devastating sack by the Fourth Crusade in 1204, and ultimately fell to the Ottoman Turks in 1453, transforming into Istanbul, a dynamic city that still embodies its rich Greco-Roman, Byzantine, and Ottoman heritage as a bridge between East and West.
『コンスタンティノープルは、もともとビザンティウムとして建設され、330年にローマ帝国の首都としてコンスタンティヌス1世によって変貌をとげ、その後、ボスポラス海峡という戦略的な場所に位置していたため、キリスト教、貿易、文化の活気あふれる中心地となり、堅固な城壁と象徴的なハギア・ソフィアによってビザンツ帝国の中心として繁栄しましたが、1204年に第4回十字軍による壊滅的な略奪を受け、最終的には1453年にオスマン帝国に陥落し、イスタンブールへと変貌し、この活気あふれる都市は、現在も東西の橋渡しとして、その豊かなギリシャ・ローマ、ビザンツ、オスマンの遺産を体現し続けています。』
接続詞 because, and, but そして関係代名詞 that により定形動詞を追加できます。
その一方で非定形動詞は動詞ではない品詞としていくつでも存在することが可能です。
どんなに長い文章でも、英語は定形動詞を中心に成り立っているのがお分かりいただけると思います。
ではちょっと寄り道をして、どの言語で「定形動詞 finite verb」が文の中心として必要なのかご紹介します。
英語と近い親戚にはゲルマン語とロマンス語の2つのグループがあり、これらすべてで定形動詞が必要です。
またヨーロッパ文明の古典に当たる「古代ギリシャ語 Ancient Greek」や「ラテン語 Latin」でも定形動詞が必要です。
さらに範囲を広げて「スラブ語の仲間 Slavic Languages」でも定形動詞が必要になります。
- Russian(ロシア語)
- Polish(ポーランド語)
- Czech(チェコ語)
- Bulgarian(ブルガリア語)
- Serbo-Croatian(セルビア・クロアチア語)
- Slovak(スロバキア語)
- Ukrainian(ウクライナ語)
ここで話は終わらず、英語のご先祖様はインドや中東の言語まで共通のルーツがあり、その多くで定形動詞が必要です。
これが現実ですから「何としても絶対に定形動詞の使い方をマスターする!」という理由が生まれます。
日本語は述語 & 英語は定形動詞
日本語と英語の文の構造を比べると「定形動詞 finite verb」の必要性という点で2つの言語には大きな違いがあります。
当然のお話ではありますが、日本語には「定形動詞 finite verb」を中心とする仕組みはありません。
加えて、もちろん「定形 vs 非定形」という動詞の分類もありません。
そのため英語の基本システムを日本語に置き換えて解説すると、どうしてもあやふやな理解になりがちなんです。
というわけで日本語と英語の文の組み立て方の違いをまず確認しておきましょう。
まず日本語の「動詞 verb」に進む前に注意点があります。
名詞や動詞といった「品詞 part of speech」の仕組みは英語と日本語で大きく違います。
原則として英語に限らずヨーロッパ系言語の品詞はラテン語の文法が土台になっています。
そのため英語でもドイツ語でもフランス語でも品詞はほぼ共通のシステムとして機能します。
ですがラテン語に準拠する英語の品詞の使い方や解説が、日本語の品詞にうまく合わない場合が多くあります。
このことを踏まえて、日本語の文の基本の確認に進みたいと思います。
日本語の場合は定形動詞の有無は問題ではなく、そもそも「動詞」がなくても文を作ることができます。
英語の定形動詞の代わりになるものは、日本語では「述語 predicate」という言い方で説明されます。
この日本語の「述語」も英語などヨーロッパ系言語での「述語 predicate」とは仕組みが違いますので注意して下さい。
日本語の場合、この述語には主に3つの品詞を使うことができます。
- 動詞
- 名詞
- 形容詞
まず「動詞」を述語にしてみます。
- 私は走る。
- 彼は走る。
- 私は日本語を学ぶ。
次に「名詞」を述語にしてみます。
- 私は学生です。
- 彼は学生です。
- 私は先生だ。
では最後に「形容詞」を述語にしてみます。
- この町は大きい。
- あの村は小さい。
- この町は美しい。
このよう日本語は「述語」に3つの品詞のうちの1つを使えば文を成立させることができます。
述語動詞は伝統文法の解釈
英語をはじめとするヨーロッパ系言語では文を完全に成立させるために「定形動詞」が常に必要になります。
日本語のように「述語」ではなく英語は「定形動詞」が文章の中心になります。
それにもかかわらず日本の英文法をみると「述語動詞 predicate verb」という用語をよく見るかと思います。
この「主語+述語」という組み合わせはラテン語(とさらに遡るとギリシャ語)に由来する「伝統文法 traditional grammar」の考え方です。
- 主語 subject:動作の主体
- 述語 predicate:動作の内容
つまり「誰が何をやるのか?」に解釈の中心が置かれます。
そして文法的な細かい分析にはあまり踏み込んだアプローチではありません。
そのため「述語」がかなり大きなまとまりになることもあります。
英語の文章を「主語+述語」に分けてみます。
- She is Italian.
- 主語 she:名詞
- 述語 is:動詞
- 述語 Italian:名詞(補語)
- He learns Latin.
- 主語 he:名詞
- 述語 learns:動詞
- 述語 Latin:名詞(目的語)
- She met him in Venice.
- 主語 she:名詞
- 述語 met:動詞
- 述語 him:名詞(目的語)
- 述語 in Venice:前置詞+名詞(前置詞句)
こういった伝統文法の「主語+述語」の解釈はご理解いただけたと思います。
中でも一番ややこしいのは「述語動詞 predicate verb」という解釈です。
日本の英文法解説で「過去進行形」や「未来完了形」そして「現在完了進行形」といった「時制 tense」として紹介される組み合わせです。
これらの動詞の組み合わせが「述語動詞」としてひとまとめになります。
- 過去進行形
- I was doing it.
- 述語動詞:was doing
- していました
- I was doing it.
- 未来完了形
- I will have done it.
- 述語動詞:will have done
- やり終えるつもりです
- I will have done it.
- 現在完了進行形
- I have been doing it.
- 述語動詞 have been doing
- やり続けています
- I have been doing it.
この解釈だと動詞が2つも3つもあるのに、なぜワンセットになるんでしょうか?
はっきり言って意味不明だとおもいませんか?
私もアメリカ留学する前にこういう解説を見て「なんやねん、全然わからん!!」と思っていました。
この解釈だと「述語(=主語でないところ)」だけを切り取ってまとめます。
そうなると「述語動詞」とは述語の中の「動詞のまとまりワンセット」という意味になります。
ですがこれは伝統文法の「動詞」の解釈なんです。
今の私だから言えますが、この解釈はラテン語と英語の動詞の違いを知っていれば、それなりに理解できます。
ですが私が10代の頃はラテン語など全く知りませんし、日本の英文法解説も意味不明でした。
みなさんはラテン語の動詞の仕組みをご存じでしょうか?
そうでないのであれば、仮に「述語動詞」の解説に納得がいかなくても至極当然のことだと思います。
このラテン語を基準にした伝統文法は英語だけでなくほかのヨーロッパ系言語でも同じことになっていました。
The earliest descriptions of other European languages were modeled on grammars of Latin. The primacy of Latin in traditional grammar persisted until the beginning of the 20th century.
他のヨーロッパ系の言語の最初期に書かれた文法は、ラテン語の文法をお手本にしていました。伝統文法におけるラテン語の優位性は、20世紀の初めまで続きました。
Traditional Grammar – Wikipedia
では20世紀の半ば以降に文法解釈が変わっていったのは、ラテン語にムリヤリ合わせることで不都合が多く生じてしまうからです。
そこで伝統文法ではなく「現代文法 modern grammar」という文法解釈が登場します。
現代文法・分析的言語・統語論文法
現代文法にはいくつか特徴がありますが、まず動詞に関して言うと「動詞の連携を細かく分析する」というものがあります。
ラテン語(羅)は1つの動詞の変化形だけで様々な意味を持つことができます。
具体的にいうと「未来形」や「過去完了形」も1つの動詞の変化形で表現できます。
まずはラテン語の未来形(future)です。
- I will love you.(英)
- Amabo te.(羅)
- ラテン語は主語を省略することが可能です。
つぎに過去完了形(英 past perfect / 羅 pluperfect)もみていきます。
- I had found peace.(英)
- Pacem inveneram.(羅)
- ラテン語は語順がかなり自由です。
といったように英語とラテン語ではかなり仕組みが違います。
英語はどんどん単語が連携する一方で、ラテン語は1つの動詞の変化で対応できる意味が広くなります。
伝統文法における「述語動詞のまとまり」にどの程度の連携が生まれるかは言語ごとに違います。
では英語の親戚であるフランス語とも比べてみましょう。
同じ意味の文を比べながら、まず2つの組み合わせからスタートしましょう。
- We will speak French.(英)
- 2個の連携
- Nous parlerons français.(仏)
- 1個だけ
次に動詞の組み合わせの数を増やしてみます。
- We would like to speak French.(英)
- 4個の連携
- Nous aimerions parler français.(仏)
- 2個の連携
ここからさらに差を広げてみましょう。
- We are going to be able to speak French.(英)
- 7個の連携
- Nous allons pouvoir parler français.(仏)
- 3個の連携
このような差がでる理由は言語ごとに特徴があるからです。
まず意味が複雑になるとき、主に2つの選択肢があります。
- 単語同士に連携プレーをさせる
- 単語をいろいろと変化させる
これらは言語ごとに持っている特徴ともつながっていて、それぞれ名称がついています。
- 分析的言語(Analytic language)
- 単語同士に連携プレーをさせる言語
- 特徴:単語があまり変化しないので、配置や語順がある程度固定される。
- 代表例:英語、中国語など
- 総合型言語(Synthetic Language)
- 単語をいろいろと変化させる言語
- 特徴:単語の変化形が意味をあらわすので、配置や語順は比較的自由になる。
- 代表例:ラテン語、日本語など
さきほどのフランス語の動詞の仕組みは、私見で恐縮ですが、意味や機能はラテン語に近く、語順や配置などは英語に近いところにある感覚です。
私たちが何気なく接している英語はヨーロッパ系言語の中でも分析的な特徴を強く持ちます。
The most prominent and widely used Indo-European analytic language is Modern English, which has lost much of the inflectional morphology that it inherited from Proto-Indo-European, Proto-Germanic and Old English over the centuries and has not gained any new inflectional morphemes in the meantime, which makes it more analytic than most other Indo-European languages.
『最も顕著で広く使用されているインド・ヨーロッパ語族の分析的言語は現代英語です。現代英語は、長い年月を経て、インド・ヨーロッパ祖語、ゲルマン祖語、古英語から受け継いだ単語の変化形の多くを失い、その間に新たな変化形を獲得していないため、他の多くのインド・ヨーロッパ語族の言語よりも分析的な性質が強くなっています。』
Analytic language – Wikipedia
英語は時代を経ていろいろな変化がおこって分析的になりました。
古英語(Old English)から現代英語(Modern English)までの変化の概要は次のようになります。
このような背景があるので「統合的なラテン語」をベースにした伝統文法の視点から「分析的な英語」を説明しようとすると相当に無理がかかります。
というわけでここで「現代文法」に登場してもらって「伝統文法」と比べていきます。
- 現代文法(Modern Grammar)
- 分析的言語の現代英語と相性が良い
- 定形動詞と非定形動詞の連携として解釈する
- 伝統文法(Traditional Grammar)
- 総合的言語のラテン語が基準になっている
- 述語動詞でひとまとめで解釈する
現代文法では単語同士の連携に深く踏み込みます。
このアプローチをとる上で、分析的言語の強い味方になってくれるのが「統語論文法 syntax」という視点です。
英語の文法解釈には2つの視点が存在します。
- 統語論文法 Syntax
- 意味論文法 Semantics
まず「統語論文法 syntax」は端的に言うと「言葉のルールやシステムを重視する文法」を意味します。
つまり統語論文法は次のような内容に焦点を当てて英語を解釈します。
- 単語同士の連携の仕組み
- 文が成り立っている構造
- 文型と品詞の規則
次に「意味論文法 semantics」は「言葉の意味やニュアンスにを重視する文法」を意味します。
そのため意味論文法には次のような特徴があります。
- 文章の構造はほとんど重視しない
- 文脈や状況に応じた解釈も取り入れる
- イディオムなど例外表現を柔軟に理解する
これらは反発するものではなくて、相互に補完しながら機能します。
つまり「統語論文法」と「意味論文法」を連動させながら、言葉の構造や意味を理解することができます。
そしてこの2つの文法解釈は「現代文法」と「伝統文法」との相性にも反映されます。
まず「現代文法」は文の構造や仕組みの関係に詳しく焦点を当てるので「統語論文法 syntax」がうまく機能します。
一方で「伝統文法」は文の全体的な意味やまとまりでの解釈を重視するので「意味論文法 semantics」が機能しやすくなります。
というわけで両者の特徴をまとめてみます。
- 現代文法の解釈
- 統語論文法 syntax:ルールやシステムに重点がある
- 分析型言語(analytic language)の現代英語と相性がいい。
- 定形動詞を中心に主語や目的語などを連携させる。
- 動詞の連携をそれぞれの役割と機能に分けて考える。
- 伝統文法の解釈
- 意味論文法 semantics:意味やニュアンスに重点がある。
- 総合型言語(synthetic language)のラテン語が基準になっている。
- 主語と述語にわけて、述語は「主語以外のまとまり」になる。
- 動詞の連携を「述語動詞」としてひとまとめで考える。
これらは絶対的な特性ではなくてそれぞれの方向性として受け取ってください。
では現代文法の視点から現代英語の動詞を分析していきましょう!
動詞パラダイム Verbal Paradigm
英語は動詞の連携がとても大切な言語です。
この動詞が変化・連携して様々な意味をあらわす仕組みを「動詞パラダイム verbal paradigm」と言います。
これとよく似た用語に「活用 conjugation」がありますが、主にこちらは個々の動詞が変化した形と意味に焦点が当たります。
つまり動詞を運用するシステム全体として理解する場合は「動詞パラダイム」のほうがより適切です。
ヨーロッパ系言語のそれぞれの動詞パラダイムは共通点や相違点があります。
英語とその仲間の言語の動詞パラダイム(verbal paradigm)に備わる機能は、主に次のようなものがあります。
- 時制 Tense
- 法 Mood
- 相 Aspect
- 態 Voice
- 人称 Person
- 数 Number
これらは専門的な用語では「文法範疇、文法カテゴリー grammatical category」と呼ばれています。
英語に限らず文法における役割や機能を意味する用語として理解しておけば大丈夫です。
これらのうち「人称 person」や「数 number」は主語に使われる名詞の情報になり、行動とは関係のない情報です。
- I am here.
- 1人称単数形:first person singular
- He is here.
- 3人称単数形:third person singular
- We are here.
- 1人称複数形:third person plural
上記の be動詞の形は違いますが、和訳すると意味はどれも同じになります。
その理由は、どの形も主語になる名詞に合わせた変化でしかないからです。
そのため「動詞 verb」が意味する最も重要な「行動」とは無関係になります。
英語の動詞パラダイムの機能のうち主語の行動を担当する「述語動詞のまとまり」を分析すると「時制・法・相・態」の4つになります。
- 時制 Tense
- 話し手から見て行動がいつ起こるものなのか?を表す
- 現在時制 present tense(非過去 non-past)
- 過去時制 past tense
- ✖ 未来時制(厳密には英語に未来時制はない)
- 話し手から見て行動がいつ起こるものなのか?を表す
- 法 Mood
- 話し手の判断・認識を表す
- 直説法 indicative mood
- 仮定法(接続法)subjunctive mood
- 命令法 imperative mood
- 法助動詞(いろいろな「法 mood」を発動可能)
- 話し手の判断・認識を表す
- 相 Aspect
- 行動の実現度を表す
- 未然相 prospective aspect
- 進行相 progressive aspect
- 完了相 perfect aspect
- 行動の実現度を表す
- 態 Voice
- 主語と行動の関係が「する / される」を区別する
- 能動態 active voice
- 受動態 passive voice
- 主語と行動の関係が「する / される」を区別する
動詞パラダイムがあらわす「時制・法・相・態 tense aspect mood voice」の詳しい説明は次のブログをご覧ください。
ヨーロッパ系言語の動詞パラダイムで何より重要なのは「定形動詞」と「非定形動詞」で担当する機能が分かれていることです。
どちらが何を担当するかには言語ごとに特徴がありますし、英語に関しても様々な視点や見解があります。
ここからは現代英語の動詞パラダイムを理解するための解釈の1つを提示することとして進めます。
まず定形動詞で表現する動詞パラダイムは次の通りです。
- 定形動詞の機能(英語)
- 人称 Person
- 数 Number
- 時制 Tense
- 法 Mood
- 非定形動詞の機能(英語)
- 相 Aspect
- 態 Voice
私のこの分類において注意点があります。
英語の動詞の基本設定は「能動態 active voice」になっているので、すべての動詞で発動可能です。
しかし英語の場合は「受動態 passive voice」は他動詞の過去分詞(非定形動詞)だけが持つ機能です。
そうなると「能動態 ⇔ 受動態」の選択は他動詞の過去分詞を使うことが前提となります。
そのため「態 Voice」を非定形動詞の重要な機能として分類しています。
ではここから定形動詞を見抜く方法を探っていきます。
定形動詞の基本の仕組み
英語の定形動詞は次の情報を示す形を持っています。
- 人称(主語の情報のみ)
- 数(主語の情報のみ)
- 時制
- 法
現代英語は主語にあわせて変化する形がどんどんシンプルになりました。
一番古い英語に近いのは be動詞ですが、それでもフランス語やドイツ語に比べるとかなりシンプルです。
実際に言語ごとの違いを be動詞と have に相当する動詞を見るとよくわかります。
- 英語:be / have
- フランス語:être / avoir
- ドイツ語:sein / haben
では「人称・数」だけを変化させて、どれほど形が変化するかを見比べてみましょう。
それにあたって「時制 tense」と「法 mood」は「現在時制・直説法 present tense & indicative mood」に固定します。
まずは be / être / sein からです。
人称と数 | English (be) | French (être) | German (sein) |
---|---|---|---|
1人称単数 | I am | je suis | ich bin |
2人称単数 | you are | tu es | du bist |
3人称単数 | he/she/it is | il/elle est | er/sie/es ist |
1人称複数 | we are | nous sommes | wir sind |
2人称複数 | you are | vous êtes | ihr seid |
3人称複数 | they are | ils/elles sont | sie sind |
どの言語の「原形」も特別な形をしていて、そこから人称と数にあわせて(動詞の)形が定まるのが分かります。
このような仕組みがヨーロッパ系言語だと基本中の基本と言える定形動詞の特徴です。
では次に have / avoir / haben を比べてみます。
人称と数 | English (have) | French (avoir) | German (haben) |
---|---|---|---|
1人称単数 | I have | j’ai | ich habe |
2人称単数 | you have | tu as | du hast |
3人称単数 | he/she/it has | il/elle a | er/sie/es hat |
1人称複数 | we have | nous avons | wir haben |
2人称複数 | you have | vous avez | ihr habt |
3人称複数 | they have | ils/elles ont | sie haben |
英語は3人称単数以外は「原形 have」と同じですが、フランス語は全て違う形ですし、ドイツ語は「原形 haben」と同じ形が一部にあります。
英語の場合 be動詞以外は「原形」と「現在形」が同じになります。
そうなると have には定形と非定形のどちらの可能性も生まれます。
- I have to have it.
- 定形動詞 have
- 1人称・単数・直説法・現在時制
- 非定形動詞 have
- to 不定詞でつかう動詞の原形
- 定形動詞 have
ここから時制や主語を変えればちょっとわかりやすくなります。
- She has to have it.
- 3人称・単数・直説法・現在時制
- I had to have it.
- 1人称・単数・直説法・過去時制
実は動詞はいろいろ変化してくれたほうが理解しやすい場合もあるんです。
先ほどの比較表にあるようにフランス語の定形動詞がすぐに見切れる特別な形になっているのは、実はかなりありがたいんです。
次にドイツ語はというと「V2語順(Verb Second Word Order)」といって定形動詞は2番目に配置するという基本の仕組みがありますので、見た目に加えて語順も大いに参考になります。
動詞の変化形が少ないことは覚えることが少なくて良いことかと思いきや、そうでもないんです。
見た目に変化がない分だけ定形動詞がかなり見切りにくくなっているのが英語なんです。
というわけで英語の定形動詞の見つけ方を知っておきましょう。
現代英語の定形動詞の見つけ方
ここまで主語や時制などで変化することが定形動詞の特徴なのはご理解いただけたと思います。
それよりなにより文章の中に「動詞が1つしかない」ならそれが確実に定形動詞です。
命令文の場合は「動詞の原形」が「命令法 imperative mood」を発動しますが、これも分かりやすいです。
なぜなら主語の名詞 you を抜いた状態で「動詞の原形を1つだけ」使えばいいからです。
- Be yourself.
- Run faster.
be動詞以外は現在形と区別がつきませんが、動詞が1つだけなので問題なく見切れます。
そして一番ややこしいのは動詞が連携するパターンです。
その場合は英語の定形動詞は「連携を組む動詞のまとまりの先頭にある動詞」になります。
実際に英語 Wikipedia から定形動詞になるパターンを引用します。
In the following sentences, the finite verbs are emphasized, while the non-finite verb forms are underlined.
『以下の例文では、定形動詞を強調表示し、非定形動詞を下線で示します。』
Finite verb – Wikipedia
- Verbs appear in almost all sentences.
- This sentence is illustrating finite and non-finite verbs.
- The dog will have to be trained well.
- Tom promised to try to do the work.
- The case has been intensively examined today.
- What did they want to have done about that?
- Someone tried to refuse to accept the offer.
- Coming downstairs, she saw the man running away.
- I am trying to get the tickets.
では定形動詞の特徴を確認します。
- 時制・法・人称・数に合わせて形が定まる
- 動詞が1つしかない場合の動詞
- 動詞が連携する場合は先頭の動詞(助動詞)
これらのうち一番困るの動詞が連携する代表的な4つのパターンを、さきほどの例からもう一度見てみます。
- This sentence is illustrating finite and non-finite verbs.
- The dog will have to be trained well.
- What did they want to have done about that?
- The case has been intensively examined today.
これら太字の動詞はすべて「助動詞 auxiliary verb」というグループに入ります。
つまり動詞の連携には「助動詞」が重要な役目を果たします。
日本語では誤解されがちですが「助動詞」とは「助ける動詞(つまり動詞の仲間)」という意味の文法用語です。
くれぐれも「動詞を助ける品詞」ではなく、あくまでも「動詞 verb」であることを覚えておいて下さい。
そのため「助動詞」が定形動詞になるのは、英語に限らずフランス語でもドイツ語でも同じごく普通の仕組みです。
それではここから「助動詞が定形動詞になる」というカラクリを解説していきます。
助動詞と本動詞(定形・非定形)
英語などのヨーロッパ系言語では「助動詞(助ける動詞)」の使い方に共通点があります。
それは「助動詞」は「本動詞」と連携させて文法を解釈することです。
その理由は1つの動詞だけでは複雑な意味が表現できず、どうしても動詞の連携に頼ることになるからです。
では助動詞による動詞の連携の話に進む前に「本動詞」と「定形動詞」の違いを確認していきます。
まず「本動詞 main verb」は意味の中心になる動詞のことです。
そのため「本動詞」は分詞や原形不定詞になることも多くあります。
一方で「定形動詞 finite verb」は構造の中心になる動詞という違いがあります。
そのため分詞や原形不定詞に主語の行動の中心的な意味があったとしても「定形動詞」は必要不可欠です。
もちろん動詞が1つだけのなら文なら、その動詞が本動詞であり、同時に定形動詞ということになります。
ではこの2つを比べてみます。
- 本動詞 main verb
- 文の意味の中心になる動詞
- 意味論文法 semantics での解釈に重点がある
- 対応する用語が「助動詞」になる
- 日本語では主動詞や英語では lexical verb とも呼ばれる
- 定形動詞 finite verb
- 文の構造の中心になる動詞
- 統語論文法 syntax での解釈に重点がある
- 対応する用語が「非定形動詞」になる
ですが普段「本動詞」も「定形動詞」もあまり注目されないのには理由があります。
そもそも動詞が1つの場合はそれが「本動詞 main verb」であり、同時に「定形動詞 finite verb」になるので「ただの動詞」と解釈しても問題なく進むからです。
実際に「意味論文法」と「統語論文法」の2つの視点から見ていきましょう。
このように be動詞でも一般動詞でも動詞が1つだけなら「意味の中心(本動詞)」であり「構造の中心(定形動詞)」でもあります。
この場合に動詞の分類を気にする必要は全くありません。
しかし動詞が連携するときは「助動詞」が必要になり、そこで一歩踏み込んだ視点が必要になります。
なぜなら「助動詞」が持っている機能は「非定形動詞を助ける動詞」になることだからです。
そのため動詞の連携の先頭に来る助動詞が「定形動詞」になります。
一口に助動詞といってもいくつか意味や機能によって分類することができます。
英語の場合は大きく2つに分けるとうまくいきます。
- 法助動詞 modal auxiliary verb
- will / can / may など
- 第一助動詞 primary auxiliary verb
- be / have / do
このどちらも「非定形動詞(原形不定詞・分詞)」を助けるときに「助動詞」と呼ばれます。
英語の2種類の助動詞については後述しますが、まずは詳しく知りたいという方はこちらをご覧ください。
では助動詞が助ける「非定形動詞」を見てみましょう。
- The dog will have to be trained well.
- 法助動詞 will
- 原形不定詞 have
- What did they want to have done about that?
- 助動詞 do *do-support と呼ばれる
- 原形不定詞 want
- This sentence is illustrating finite and non-finite verbs.
- 第一助動詞 be動詞
- 現在分詞 illustrating
- The case has been intensively examined today.
- 第一助動詞 have
- 過去分詞 been
これら4つが「(原形)不定詞」や「分詞」を助ける動詞になっています。
この「動詞の連携(述語動詞のまとまり)」を分析する場合に「構造」と「意味」の2つの視点をもつと理解が深まります。
それが「統語論文法 syntax」と「意味論文法 semantics」の2つ視点です。
- 統語論文法 syntax
- 定形動詞 & 非定形動詞の連携
- 意味論文法 semantics
- 助動詞 & 本動詞の連携
動詞の連携にこの2つの視点を当てはめてみますが、ここにズレが生じます。
- 構造の中心になる & 意味の中心にならない
- 定形動詞
- 助動詞
- 意味の中心になる & 構造の中心にならない
- 非定形動詞
- 本動詞
これが実際にどんな状況になっているのかを「助動詞」ごとに確認していきます。
現代英語の法助動詞
まずは「法助動詞 modal auxiliary verb」からです。
用語の由来は「法 mood(話し手の認識・判断)」を発動する機能があり、さらに「動詞の原形(原形不定詞)を助ける動詞」だからです。
昔の英語では法助動詞が普通の動詞としても機能しつつ、原形不定詞と連携して使用されていました。
現代英語では法助動詞と動詞の原形(原形不定詞)の連携が固定された使用法になってしまっています。
ですが現代英語の法助動詞は「法を発動し動詞の原形と連携する定形動詞」と理解しておけば大丈夫です。
この場合は「動詞の原形(原形不定詞)」が主語の行動を意味するので「本動詞 main verb」と解釈されます。
- 法助動詞
- 定形動詞 & 助動詞
- 主語の行動ではなく「法 mood」を発動し、文構造の中心になる
- 動詞の原形(原形不定詞)
- 非定形動詞 & 本動詞
- 主語の行動を意味するが、文構造の中心にならない
あえて thou shalt を使っている理由は、法助動詞が「定形動詞」であることをわかりやすく示すためです。
初期近代英語では「2人称単数代名詞 thou(あなたは)」はよく使われていて、法助動詞もそれに合わせて変化していました。
もちろん shall だけでなく will や can も同じく定形動詞です。
- thou wilt(単数の you will)
- thou canst(単数の you can)
このような普通の動詞のもつ特徴は、古英語やドイツ語の法助動詞には備わっています。
実際に英語の will と同語源(意味は違う)の古英語の willan とドイツ語の wollen の変化形をみてみましょう。
古英語 willan | 現在形 | 過去形 |
---|---|---|
1人称単数 | ic wille | ic wolde |
2人称単数 | þu wilt | þu woldest |
3人称単数 | he/heo/hit wile | he/heo/hit wolde |
1~3人称複数 | we/ge/hie willað | we/ge/hie woldon |
ドイツ語の法助動詞も古英語とよく似ています。
ドイツ語 wollen | 現在形 | 過去形 |
---|---|---|
1人称単数 | ich will | ich wollte |
2人称単数 | du willst | du wolltest |
3人称単数 | er/sie/es will | er/sie/es wollte |
1人称複数 | wir wollen | wir wollten |
2人称複数 | ihr wollt | ihr wolltet |
3人称複数 | sie/Sie wollen | sie/Sie wollten |
ゲルマン語のグループの法助動詞は語源を共有しているものも多いので紹介しておきます。(意味は違う場合も多いので注意ください)
ここで注意点があります。
現代英語の法助動詞は「現在時制」と「過去時制」しか変化形がありません。
さらに単体では使用できず、動詞の原形(原形不定詞)とペアを組まないと使用できません。
そのため現代英語の法助動詞は機能が限定された定形動詞として運用します。
古英語やドイツ語の法助動詞には完全ではないものの普通の動詞にかなり近い機能があります。
それに対し英語の法助動詞は定形動詞だけに機能が限定されているので「欠陥動詞(または不完全動詞)defective verb」とも呼ばれています。
Most types of verbs can appear in finite or non-finite form (and sometimes these forms may be identical): for example, the English verb go has the finite forms go, goes, and went, and the non-finite forms go, going and gone. The English modal verbs (can, could, will, etc.) are defective and lack non-finite forms.
『ほとんどの動詞の種類は、定形(finite form)または非定形(non-finite form)の形で現れることができ、場合によってはこれらの形が同一であることもあります。たとえば、英語の動詞 go には、定形として(現在形や命令法の)go, goes, went があり、非定形として(不定詞の)go, going, gone があります。一方で、英語の法助動詞(can, could, will など)は欠陥・不完全(defective)であり、非定形の形を持ちません。』
Finite verb – Wikipedia
ここですこし「原形不定詞 bare infinitive」について確認しておきます。
もともと古英語の時代は「動詞の原形」だけで名詞用法(~すること)という意味でした。
そのため現代英語で「原形不定詞」と呼んでいるものが古英語では「(普通の)不定詞」でした。
そして古英語と同じくほかのヨーロッパ系言語でも「不定詞」と言えば「動詞の原形(名詞用法)」のことを意味します。
この「動詞の原形(名詞用法)」を前置詞 to と一緒につかう用法も古英語の時代に存在し、それが現代英語で「不定詞 to do」として定着したもののことです。
そのため「不定詞 infinitive」という用語の定義にズレが生まれています。
- 文法用語の「不定詞」の対象(古英語 ⇒ 現代英語)
- 不定詞 ⇒ 原形不定詞
- to 不定詞 ⇒ 不定詞
ここで法助動詞 will や疑問や否定の助動詞 do の後に来る動詞の原形は「古英語から受け継ぐ不定詞(現在英語の原形不定詞)」という知識を共有しておきます。
英語の不定詞(原形不定詞も含む)について詳しい解説はこちらをどうぞ。
助動詞 do(強調・疑問・否定)
英語の法助動詞と同じく「助動詞 do 」も「動詞の原形(原形不定詞)を助ける定形動詞」です。
英語では「do-support」と呼ばれ、一般動詞の否定文や疑問文などで使われます。
- You know it.(肯定文)
- Do you know it?(疑問文)
- You do not know it.(否定文)
この助動詞 do の仕組みは、英語の歴史の中で比較的最近になって一般動詞にだけ使われるようになりました。
もともとは法助動詞と同じく普通の動詞 do の使役動詞としての用法が、英語の歴史の中で変化して助動詞の用法が生まれました。
事実、古英語には助動詞 do をつかった否定文や疑問文は存在しないですし、フランス語そしてドイツ語などにもありません。
この助動詞 do の機能は「強調 emphasis」を加えると「法助動詞」と同じように機能するのが分かると思います。
- You make it.(元の文)
- You do make it.(強調 emphasis)
- Do you make it?(疑問 question)
- You do not make it.(否定 negation)
ここから主語を三人称単数の she に変えてみます。
- She does make it.(強調 emphasis)
- Does she make it?(疑問 question)
- She does not make it.(否定 negation)
さらに過去時制に変えてみます。
- She did make it.(強調 emphasis)
- Did she make it?(疑問 question)
- She did not make it.(否定 negation)
ここまでやれば定形動詞なのがすぐわかります。
みなさんご存じのように「動詞 do」は「~する」という動作を意味します。
ですが現代英語では「強調・疑問・否定」の文を作るときに「助ける動詞」として利用されます。
そのため主語の行動は「原形不定詞 bare infinitive」が担当することになります。
- 助動詞 do(do-support)
- 定形動詞 & 助動詞
- 強調・疑問・否定に使用され、文構造の中心になる
- 統語論文法の視点での中心
- 動詞の原形(原形不定詞)
- 非定形動詞 & 本動詞
- 主語の行動を意味するが、文構造の中心にならない
- 意味論文法の視点での中心
この「助動詞 do」は「法 mood(話し手の判断・認識)」を発動するわけではないので「法助動詞 modal auxiliary verb」とは呼ばれません。
そのため「第一助動詞 primary auxiliary verb」に分類されることも多いです。
後述しますが「第一助動詞」とは基本的には be と have が分詞と連携する場合に多く使用されます。
その理由はフランス語などロマンス語グループでは「法助動詞」という独立した分類が行われないからです。
つまりフランス語の pouvoir(英語の can)などは普通の動詞とほぼ変わらない仕組みになっているんです。
そのため英語の2種類の助動詞はゲルマン語グループの仕組みとして理解する重要性を覚えておいてください。
さて助動詞 do の使い方をみると、法助動詞 will や can と同じく原形不定詞を助ける動詞だとわかります。
- You do make it.
- Do you make it?
- You do not make it.
法助動詞 can も全く同じ位置で使えます。
- You can make it.
- Can you make it?
- You can not make it.
この理由は助動詞 do も法助動詞 can などはどちらも普通の動詞の機能から派生して使われてきたからです。
そのため「助動詞 do」は現代英語のもつユニークな助動詞として使用法を理解するのが良いと思います。
現代英語で標準用法になった「助動詞 do」の成り立ちや文構造については次のブログを参照ください。
第一助動詞 be & have
ここまで「原形不定詞を助ける動詞」でしたが、ここからは「分詞を助ける動詞」に進みます。
では2種類の助ける動詞を比べてみます。
- 原形不定詞(動詞の原形)を助ける動詞
- She will do it.
- 原形不定詞を助ける will
- She does know it.
- 原形不定詞を助ける does
- She will do it.
- 分詞を助ける動詞
- She is doing it.
- 現在分詞を助ける be動詞
- 一般的な解説で「現在進行形」と呼ばれる動詞の連携
- She has done it.
- 過去分詞を助ける have
- 一般的な解説で「現在完了形」と呼ばれる動詞の連携
- It is done by her.
- 過去分詞を助ける be動詞
- 一般的な解説で「受動態」と呼ばれる動詞の連携
- She is doing it.
どの連携でも助動詞が、原形不定詞、現在分詞そして過去分詞という「非定形動詞を助ける動詞」なのは共通です。
英語の助動詞 be と have を最もよく見る形は「時制+相」を組み合わせるパターンです。
その理由は「相 aspect(行動の進行度)」は2種類の分詞で発動するからです。
- 現在分詞 Present Participle
- 「進行相 Progressive Aspect」を発動
- 過去分詞 Past Participle
- 「完了相 Perfect Aspect」を発動
この「時制 tense」と「相 aspect」の連携が伝統文法の解釈だと「まとめて時制」になります。
このような「相を組み込んだ時制」のことを「複合時制 compound tense」といいます。
英語では「分詞」が「相 aspect」を表現しますが、品詞が形容詞に変化するため「分詞を助ける動詞」が必要なります。
では「複合時制 compound tense」が「時制」と「相」の連携になるカラクリをみていきます。
では「時制+相」の連携を詳しく確認してみます。
実際の「主語の行動」は現在分詞や過去分詞が意味するので本動詞になります。
そして同時に第一助動詞 be/have が定形動詞として構造の中心として機能します。
- I am doing it.
- 現在時制+進行相(現在分詞で発動)
- 助動詞+本動詞
- 定形動詞+非定形動詞
- I was doing it.
- 過去時制+進行相(現在分詞で発動)
- 助動詞+本動詞
- 定形動詞+非定形動詞
- I have done it.
- 現在時制+完了相(過去分詞で発動)
- 助動詞+本動詞
- 定形動詞+非定形動詞
- I had done it.
- 現在時制+完了相(過去分詞で発動)
- 助動詞+本動詞
- 定形動詞+非定形動詞
ここに加えてもうひとつ「受動態 passive voice」も動詞の連携で表現します。
英語の受動態は「他動詞の過去分詞」しか発動できない機能なので「助ける動詞」が必要になります。
- They are invited to the party.
- 助動詞+本動詞
- 定形動詞+非定形動詞
過去分詞は「完了相」と「受動態」の2つの意味を同時に発動可能です。
どちらに意味の重点が置かれるかで区別する用語があるので注意ください。
- 動作受動 dynamic passive
- 受身の動作が行われることに重点
- 受動態の機能を中心に解釈
- 状態受動 stative passive
- 動作が終えられたあとの状態に重点
- 完了相の機能を中心に解釈
英語の場合は get を過去分詞と連携させる用法があります。
- I was invited to the party.
- 一般的な受動の表現
- I got invited to the party.
- 受動の行為や過程に焦点がある表現
この場合の「動詞 get」は文法的に助動詞と解釈されませんが、構造だけみれば「助動詞 be」と同じように機能します。
助動詞はあくまで「動詞をどのように解釈するか?」に依存する用語なんです。
さて英語の分詞の基本的な使い方は「形容詞 adjective」として機能する非定形動詞です。
そして英語の場合は「相 aspect」と「態 voice」のより細かな意味を分詞(と不定詞)が担当します。
品詞の分類が形容詞になると定形動詞になることはできません。
そのため一番基本的な手段は be動詞を定形動詞にしてサポートを受ければいいんです。
次のケースでは「助動詞」なのか「動詞」なのかを厳密に区別できなくても「定形動詞」として機能していることだけ分かれば大丈夫です。
- The airport is huge.
- 定形動詞 is
- 形容詞 huge
- The airplane is flying.
- 定形動詞 is(第一助動詞)
- 現在分詞 flying
- 「進行相」と「能動態」を発動
- The flight is cancelled.
- 定形動詞 is(第一助動詞)
- 過去分詞 cancelled
- 「完了相」と「受動態」を発動
- 状態受動もしくは動作受動なのかは結局は文脈依存
- The departure is to be on time.
- 定形動詞 is(助動詞とは呼ばれない)
- 不定詞 to be(未来・予定・義務など)
- 文法書では「be to 構文」という扱いになります
最後の例は「be動詞」と「不定詞 to do」と連携ですが、これは古英語から受け継ぐ形で「前置詞 to + 原形不定詞 do」が由来です。
古英語の解釈を受け継ぐせいなのか、助動詞と呼ばれず構文(construction)という扱いになっています。
一方でラテン語の場合は予定や未来を意味する「to 不定詞」とよく似た意味で「未来分詞 future participle」を使うことができます。
当然ですがラテン語で esse(英語の be動詞)が未来分詞を助ける場合は「助動詞 auxiliary verb」と呼ばれます。
その理由は「未来分詞を助ける動詞」であることはもうご理解いただけると思います。
さて英語の非定形動詞は変化形が限られています。
それゆえ複雑な意味をつくるには複数の非定形動詞で連携する場合もよくあります。
現代英語の「have + 過去分詞(時制+完了相)」は本来なら受動態になる過去分詞を「能動態 active voice」で使う用法です。
現代英語の場合は過去分詞が自動詞・他動詞に関係なく have と連携します。
- I have been there.
- I have made it.
- I have given him the book.
そして「have 過去分詞」をまとめて「1つの動詞」として運用します。
この解釈が「統語論文法 syntax」の視点では納得しにくいのは、昔の英語から変化しているからです。
実際に「初期近代英語 Early Modern English」では「時制+完了相」を意味するのに自動詞の過去分詞には be動詞を使うことが一般的でした。
- He is gone.
- 自動詞 go ⇒ 過去分詞 gone
- He has visited Milan.
- 他動詞 visited ⇒ 過去分詞 visited
この過去分詞の性質によって be と have を使い分けるのは、ドイツ語やフランス語では基本文法です。
現代英語の「have 過去分詞」のカラクリを知りたい場合は、次のブログを確認ください。
ではここから複数の非定形動詞の連携の説明に移ります。
まず「法助動詞(定形動詞)」と「分詞(非定形動詞)」の連携パターンを見ていきましょう。
英語の法助動詞のあとには原形不定詞しか使えないというルールがあります。
そして分詞は形容詞として機能するため原形不定詞として使用できません。
つまり「法助動詞」と「分詞」はそのまま連携させられないんです。
仮に文脈で意味が通じたとしても、言語上(特に統語論文法)としてはエラー扱いです。
- (✖)We will arrived.
- ⇒ 統語論文法では機能していない(syntax error)
- 法助動詞は原形不定詞のみ連携可能
- 過去分詞 arrived は連携不可
- (✖)They may coming.
- ⇒ 統語論文法では機能していない(syntax error)
- 法助動詞は原形不定詞のみ連携可能
- 現在分詞 coming は連携不可
意味としては理解できるのですから、ここから統語論文法のエラーを修正してみます。
まず第一助動詞 be/have を「原形不定詞」に変化させて「法助動詞」と連携させます。
- We will have ~.
- They may be ~.
これで法助動詞からの2連携で「第一助動詞(原形不定詞)」をセットできたので、これで「分詞」を3連携させます。
- We will have arrived.
- will:現在時制と法(未来への意志)を発動
- have:法助動詞と過去分詞を連結
- arrived:完了相(行動が実現済)を発動
- They may be coming.
- may:現在時制と法(選択肢)を発動
- be:法助動詞と現在分詞を連結
- coming:進行相(行動が実現中)を発動
英語が「分析的言語 analytic language」であることは、こういった連携を組めるところに見出せます。
次は「現在分詞」と「過去分詞」の連携です。
過去分詞は「完了相」と「受動態」の両方を担当します。
そのため「進行相」と連携するのに順番を変えると2パターンの違いが生まれます。
いずれにしても「定形動詞」から2種類の分詞を連携させます。
まずは have been で「完了相(行動が実現済)」を表現します。
ここに現在分詞を連携し「進行相(行動が実行中)」を追加します。
そうなると「時制の示す時間枠まで進行中・継続中の動作が実現している」ことを表現可能です。
これは「複合時制」の解釈だと「現在完了進行形」や「過去完了進行形」と呼ばれます。
- I have been running.(現在時制)
- I had been running.(過去時制)
- 助動詞 have+過去分詞+現在分詞
- 時制+完了相+進行相
- 時制の意味する時点まで、進行中の行動が実現している
では次に過去分詞の「受動態」の機能に進んでいきましょう。
他動詞の過去分詞を使用した「受動態 passive voice」は単独だと「状態受動 stative passive」として意味をとることも可能になってしまいます。
- The window is completely broken.
- その窓は完全に壊れている。
状態受動は「動作がもう完了した後の状態」を意味することになります。
一方で日本で一般的に「~される」と習う意味は「動作受動 dynamic passive」のことです。
この2種類をドイツ語の場合は他動詞の過去分詞と連動する動詞で使い分けます。
- 状態受動:もう~された
- sein(英語 be)+ 他動詞の過去分詞
- 動作受動:~される、されている
- werden(英語 become)+ 他動詞の過去分詞
英語の場合は過去分詞が意味する動作が実行中なのであれば、ドイツ語とは別の方法を使います。
そのため現在分詞(進行相)being から過去分詞を連携させて「受身の動作が進行中」であることを明確に示すことができます。
- It is being used.(現在時制)
- It was being used.(過去時制)
- 助動詞 be+現在分詞+過去分詞
- 時制+進行相+受動態
- 時制の示す時間枠で、受身の行動が進行中である
もちろん「完了相」と「受動態」をどちらもきっちり発動させることも可能です。
- It has been used.(現在時制)
- It had been used.(過去時制)
- 助動詞 have+過去分詞+過去分詞
- 時制+完了相+受動態
- 時制の示す時間枠で、受身の行動が実現済みである
このような連携が可能な理由は be動詞が SVC文型(第2文型)で形容詞を連携できるからです。
分詞の品詞は「形容詞 adjective」なので be動詞から連携可能です。
- It is movable.(形容詞)
- それは移動可能です。
- It is moving.(現在分詞)
- それは移動している
- 「感動的な(心を動かす)」という解釈もできます。
- It is moved.(過去分詞)
- それは動かされた。*和訳は「状態受動」で解釈
- 「感動した(心を動かされた)」という解釈もできます。
そのため現在分詞 being や過去分詞 been からも分詞を連携可能です。
- I am being moved.
- 現在分詞 being から「SVC 文型」を追加発動
- being の補語 C として過去分詞 moved をセットする
- It has been moving.
- 過去分詞 been から「SVC 文型」を追加発動
- been の補語 C として現在分詞 moving をセットする
- It has been moved.
- 過去分詞 been から「SVC 文型」を追加発動
- been の補語 C として過去分詞 moved をセットする
現在分詞は「進行相」を中心の解釈でよいのですが、過去分詞には「完了相」と「受動態」の2つの機能があります。
そのため過去分詞はいつも両方の機能に注意を払うようにしてください。
とはいえ分詞の品詞は形容詞なので、be動詞から連携する仕組みに変わりありません。
基本に忠実に一つずつ「統語論文法 syntax」で見切っていけば「have 過去分詞」以外はすべて基本ルールで理解できます。
残念ながら日本でよくみる複合時制や述語動詞は「統語論文法 syntax」とは相性が悪すぎます。
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