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Chaos, Walker of the Wheel / 輪廻王カオス
Ultimate Attack: Tornado / ハリケーン
“Tutelary deity of the sacred crystals fashioned by the gods at the time of the Great Making. Created in opposition to Mitron the Chastiser, scion of light. Upon entering the world of Man, he was enveloped in the turmoil rampant there. Lost, he died and was reborn countless times, a walker of life’s wheel, eventually to rage against the gods that had so fated him. By sitting in meditation upon the Uneh Pedestal does he clear heart and mind until all that has order and reason and thought is made as nothing.”
「創造の時代、神により創られた神聖なるクリスタルを司る守護神。光の異形者である懲悪の神官ミトロンとは対なる存在。人の世になりし後、世の中にはびこる混沌の渦に巻き込まれた彼は、迷いの世界で幾度となく転生をくり返し、ついには輪廻王として神々に背く悪神となってしまう。混沌を映し出す台座ウネに静座し無念無想の境地に達することにより、秩序あるすべての条理や精神を一瞬にして消し去る。」
英単語・英語表現の解説
・walker of the wheel: 輪廻の輪を歩む者
輪廻王の英訳です。輪廻は文字通り「輪 wheel」です。
・tutelary deity: 守護神
形容詞 tutelary:保護者、守護者として役目を果たす
「創造神たち gods」によって「創られた神 deity」という意味だと思います。
キリスト教の God は唯一神であり、創造主 the Creator とも表現されます。日本の神様とは違って、しっかりとした区分が英語には存在します。
・the gods:神々
上記の「守護神」」と「神々」の差別化を図る表現と思われます。
・the Great Making:(特別な意味を持つ)創造
the Great Making が大文字になっているので、ストーリー内で「創造」は特別なイベントだとわかります。
英語には「the + 大文字で始まる英単語」で特別なことを表します。
- the Book で「聖書」
- the Father は「父なる God」
- the Son で「子なるイエス」
- the Flood は「ノアの洪水」
などなど。
・the world of Man:人の世
上記同様に Man が大文字なので the はありませんが「神ではなく人」という比較の意図があると思われます。
・Mitron the Chastiser:懲悪の神官ミトロン
名詞 Chastiser:懲罰を与える者
・scion of light:光の異形者
名詞 scion:名族の子孫
ストーリー内で「闇の異形者」と対になっている存在のことです。
英文理解・文法構造の解説
英文 ①
Tutelary deity of the sacred crystals fashioned by the gods at the time of the Great Making.
この文は「名詞句」です。(Chaos, Walker of the Wheel is…)につながる形として名詞句と考えるとよいと思います。
・crystals fashioned by ~: ~によって形作られたクリスタル
動詞 fashion :ある形・姿にする
過去分詞 fashioned は名詞 crystals を後ろから修飾しています。
英文 ②
Created in opposition to Mitron the Chastiser, scion of light.
ここも文章ではなく、前の内容を追加で説明する副詞句です。
・Created by ~: ~によって造られ
過去分詞 created による分詞構文
英文 ③
Upon entering the world of Man, he was enveloped in the turmoil rampant there.
メインの文は he was enveloped の第2文型 SVC です。
過去分詞 enveloped(包まれた)の品詞は「形容詞」として扱われます。
・Upon entering ~: ~に入る際に
前置詞 upon + 動名詞 ~ing で「~するときに」となります。現代英語では「on ~ing」を同じように使います。
・turmoil rampant there: そこでの激しい混乱
形容詞 rampant が名詞 turmoil を後ろから説明(後置修飾)。
英文 ④
Lost, he died and was reborn countless times, a walker of life’s wheel, eventually to rage against the gods that had so fated him.
英文の基本構造は「he died and was reborn」(SV + SVC)です。
a walker of life’s wheel は reborn countless times を追加説明になっていますが、文法構造よりも意味的なつながりが重視されています。
・Lost, :(進む道を)失って、迷って、喪失して
過去分詞 lost の分詞構文。
・eventually to rage against ~:~に対し結果的に怒った
文法用語では不定詞の「結果用法」と呼ばれるもので、最終的に「その行動に進んだ」という意味です。
会話ではほぼ見ることがなく、すこし堅い文章でよく見る形です。
文末に来ることがほとんどなので「次に起こる行動」と解釈できれば「結果用法」です。
・the gods that had so fated him:彼をそのように運命づけた神々
that は関係代名詞でその次の had fated で過去完了(過去時制+完了相)。
副詞 so はへんな位置にあるようにみえますが、古い英語ではよくある形です。
ニュアンスは変わってしまいますが「in doing so」は「in so doing(古風な感じ)」の形でも残っています。
訳しにくい so ですが基本は「そー ≒ so」です。「そーのように、そーいうふうに」と理解します。
英文 ④
By sitting in meditation upon the Uneh Pedestal does he clear heart and mind until all that has order and reason and thought is made as nothing.
・By sitting ~,
強調によって By sitting が倒置によって文頭に出ています。
・does he clear ~
clear は動詞。本来は he clears ~ by sitting ~ 。
・all that has order and reason and thought is
ちょっと自信がありませんが「order and reason and thought」は並列構造ではない気がします。
並列であれば order, reason and thought になるので、そうなっていない理由があるはずです。
おそらく「all ~ 」and「thought」で2つをまとまりにして「is 単数形」とつなげている気がします。
英文法では 複数の主語でも「一つまとまりの概念」なら単数でもOKです。
「(全部まとめて)無に帰す is made as nothing」と解釈できるのでこっちが正解かな・・・。