絶壁にあるお寺として有名な鳥取の三仏寺・投入堂に行ってまいりました。
もともとは役行者(En no Gyoja)が開いたとされる修験道の聖地(sacred place of Shugendo)です。
さすがに山伏たちが厳しい自然の中で修行した場所らしく何度も滑落事故が起きており、警察からもたびたび注意されているとのこと。
修験道は自然に入って体感する修行を重視するものだけに、文字通り「命がけ」の学びであることを、身をもって学ぶことができます。
「少し山登りしてお寺を参拝する」ぐらいの感覚でいた自分を大いに反省しています。
投入堂までは修験の道
投入堂までの道のりですが、登山というより崖を登っていくところが多く本当に危険です。
「これなら簡単に死ねる!」と思える場所がたくさんあります。
でもそれだけに、本当の自然のパワーを感じることができる場所でもあります。
同時にありきたりですが「昔の人はすごいな~」と思える場所でもあります。ここは純粋に「全身から何かを感じて吸収する」というところな気がいたします。
以前、山伏(修験者)の方が「修験道は自然の中に入って感じたことを考えるもの」とおっしゃられていたのを思い出してなるほどと思いました。
三人寄れば文殊の知恵の文殊堂
ここは文殊菩薩(Manjushri)さまを祀っている文殊堂です。
落ちたら簡単に死ねるのに、不思議に恐怖心は全くありません。
むしろ天空を眺めている爽快感がありました。
死と隣り合わせなのに絶景の美しさのほうが圧倒しています。
巨大な鐘楼
途中にある鐘楼(Bell Tower)ですが、めちゃくちゃ大きいです。
これだけ大きいと「法力でここまで持ってきました」なんて言われたら信じてしまいそうです。
一見、人間技でないものは神技にみえてしまうのは、我々の普通の反応なのかもしれません。
不思議なお札 角大師
これは比叡山延暦寺の高僧である元三大師・良源(がんさんたいし・りょうげん)さんが疫病調伏のために弟子に描かせた霊験あらたかなお札です。
この御姿にちなんで良源さんは「角大師 つのだいし」と呼ばれています。
比叡山延暦寺でももちろん頂けます。
また「一隅を照らす」というのは比叡山の開祖、伝教大師・最澄(でんぎょうだいし・さいちょう)さんのお言葉です。
三仏寺さんは3代目の天台座主(天台宗のトップ)であった慈覚大師・円仁さんの開かれたお寺なので天台宗(Tendai Buddhist sect)なんでしょうね。
修験修行の場として役行者に開かれていますが、寺院としては円仁さんの創建とされています。
入山の証として、ちょっと不思議な姿の鬼のお札がいただけます。
三仏寺投入堂に関する英語表現
三徳山: Mitoku-san / Mount Mitoku
寺には「〇〇山」といってお寺の名前として「山」が使われますが、実際の山の名前がそのまま寺号(お寺の名前)になっています。
投入堂:nageire-do / “thrown-on temple”
thrown-onという表現はいいですね。「お堂がぽ~んと投げられて、崖にポンっとひっつく」そんなファンキーな映像が目に浮かぶようです。
前置詞は空間的イメージ把握ができると一気に応用ができるようになります。onは「~の上に」と習うようですが、より重要なのは「ひっつく」イメージです。
机の上は「on a table」壁は「on a wall」天井は「on a ceiling」です。ひっついていれば「上」である必要はありません。もちろん投入堂の場合は「on the cliff wall」ですね。
蔵王権現:Buddha Zao / Zao Gongen
権現は仏様は神様や人間の姿で現れたもの、という意味です。蔵王権現さんは修験道の仏さまでインド生まれではなく唯一の日本独特の仏さまです。
修行の場:monk-training center
山伏修行としては「yamabushi training」や「shugendo practice」などいろんな言い方ができます。
山伏(修験者):pilgrim monk / yamabushi / ascetic
「pilgrim」は巡礼者で「monk」は出家信者の意味です。
「ascetic」は「苦行者、禁欲主義的な修行者」になります。
宝物殿:treasure room
大鳥居:big shinto gateway
Sleepy Hollow というアメリカのドラマで「Onryo 怨霊?」というモンスターが鳥居をくぐって現れるというエピソードがあります。
実際に神社に行けば鳥居には神聖な雰囲気しか感じないのですが、言葉だけなら「異世界への扉」な感じもありますよね。
それはそうと、そもそも怨霊になったら困るので、神社に祀ってあるのですが??
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