お城に行って英語を学ぼう(長野・高島城)

英語で日本を学ぼう

長野県の諏訪湖のほとりに立つ日本三大湖城の1つ高島城に行ってまいりました。

建てられた当時は諏訪湖に隣接していたらしく、湖に浮かぶように見えたため「諏訪の浮城(すわのうきしろ)the floating castle of Suwa」と呼ばれていたようです。

しかし諏訪湖が干拓され、そして明治の廃城令でいったん取り壊されてしまい、当時の壮麗な姿は想像するしかありません。

その後、諏訪湖を愛する近隣の方々の尽力で天守は再建されています。

多くの再建されたお城のように天守の中は資料館になっており、最上階からは諏訪湖を望む景色を楽しむことができます。

実は、高島城は私の経験上ではある素晴らしい特徴を持っています。

それはお城そのものというよりは英語パンフレットにあります。

高島城の英語資料はほんとにすごい!!

これまでいろいろなお城に行ってきました。

しかしお城の構造についての英訳は日本語をアルファベット表記にしただけのものがほとんどです。

例としては「太鼓門 Taiko-mon Gate」のようなものです。

もちろん城内での情報伝達の手段である太鼓(たいこ)が近くにあった門なのでそう呼ばれていのですが、英語ネイティブにはわかりません。

より正確には「Drum Gate(Taiko-Mon Gate)」などの表記があればよいと思いますが、すべてのお城で表記を統一しているわけでありません。

しかし、ここ高島城の英語パンフレットには城郭の各構造の意味が分かるように英訳されています。

これはいままでみたことない素晴らしい英語資料です。

それでは一つ一つご紹介していきます。

城郭構造の詳しい英訳

本丸(ほんまる): main bailey

bailey は「城壁で囲まれた中庭」のことです。

  • 二之丸(にのまる): second bailey
  • 三之丸(さんのまる): third bailey
  • 南之丸(みなみのまる): southern bailey
天守閣(てんしゅかく): castle keep

keep は「城」という意味の名詞です。動詞の keep とは語源も違います。

小天守(こてんしゅ): lesser keep

lesser は「より小さいほう」という意味の言葉です。

武者溜まり(むしゃだまり): space for warriors to arm and prepare themselves

この arm は動詞で「武装する」をいう意味です。

for warriors to arm で意味上の主語を for warriors でつくり、不定詞 to arm and prepare につなげる形で space を修飾しています。

不定詞 to do の直前の for 名詞 は「~のために」と訳さないクセをつけることがたいせつです。

冠木橋(かぶきばし): cross-bar bridge

冠木とは「(門や鳥居などの)左右の柱の上部を貫く横木」のことです。梁(はり)は beam と言います。

冠木門(かぶきもん): cross-bar gate

冠木を渡してあることで屋根のない門です。

川渡門(かわどもん): river-crossing gate
土戸門(つちどもん): earthen door gate

earthen は「土製の」という意味の形容詞です。実際に土でできた扉ではなかったんだろうとおもいます。

角櫓(すみやぐら): corner turret

「端っこに追いつめる」という意味で corner を動詞でもつかいます。

A cornered rat will bite the cat.(窮鼠猫を噛む)
持方月櫓(読み方不明): waiting on the moon turret

漢字は便利です。読み方がわからなくても意味はわかります。

中華文明圏で言語のことなる国や地域で漢字が共有できた理由は、意味さえわかれば発音は問題とならないからです。

富士見櫓(ふじみやぐら): Mt. Fuji-viewing turret

富士山が見える方向にある櫓です。風流ですね。

水門(すいもん): water gate

ほかにも flood gate などいろいろな言い方があります。

内堀(うちぼり): inner moat 
家老屋敷(かろうやしき): chief retainer’s residence

家臣のことを retainer と言います。他にも家臣には vassal といういい方もあります。

馬場(ばば): horse stable

名詞 stable だけでも「厩 うまや」「馬場」の意味になります。

形容詞 stable は「安定している」という意味です。 

常盈倉(じょうえいそう): ever-waxing and waning turret

wax は「蝋(ろう)」という意味もありますが、ここでは「(月が)満ちる」という意味です。

wane は「(月が)欠ける」という意味になります。

「盈」は「満ち足りる」という意味の漢字で「盈月 えいげつ」は満月のことだそうです。「常盈」に「月が欠ける waning」の意味が入っているのかどうかは調べきれませんでした。

二重櫓(にじゅうやぐら): two-storied turret

story は「階層」という意味ですが、ここでは無理やり形容詞化するため過去分詞(~ed)をつけています。

story が階層を意味するようになったのは、ヨーロッパの城の各階ごとにお話(ストーリー)が描かれていたことに由来します。

内海櫓(うつみやぐら): inner waters turret

waters となっていますが間違いではありません。

川や湖、海や洪水などの「大きな水のまとまり」という意味では waters となります。「国際水域」は international waters です。

大手門(おおてもん): great gate

いまでも「大手企業」のように言いますね。

柳口(やなぎぐち): willow entry

郭(くるわ): enclosure

enclosure で「囲い込み」です。

高島城に関連する英語表現

日本の当時の支配者: Japan’s then-ruler

then は「そのとき、それから、それなら」という意味ですが、すべて「時や論理の切り替わり」がポイントになります。

~を大名とする: appoint ~ the feudal lord

なるほど!と思った表現なので載せておきます。

転封する: transfer

所領替えのことですが、一言でうまく英訳しています。転勤も transfer なので、大名にとっての転勤が「転封」ということですね。

戦国大名: warlord

warlord は「軍閥の首領」です。

国が崩壊して「武力を元に一定地域を実効支配しているテロリスト」にも使う表現です。英語としてはかっこいい感じがするんですけどね。

関ケ原の戦い: the Battle of Sekigahara
諏訪: Suwa domain

信濃が Shinano Province だとおもうので「領域 domain」 はより規模が小さいと思われます。

武蔵国: Musashi province

江戸までの日本国内の各領域を示す「〇〇の国」という意味では province はほぼ統一表記と思われます。

明治維新: Meiji Restoration
徳川幕府: Tokugawa shogunate
封建制: feudal system

feudalism とも言います。

都道府県制度: prefecture-based administrative system
築城の名手: expert castle builder
欅並木(けやきなみき): zelkova tree path
野面積み(のづらづみ): pile stones without processing

石垣の積み方は丸亀城の資料がとても詳しかったです。

石垣(いしがき): stone wall
能舞台(のうぶたい): No stage

大文字になっていますが no stage だと「ステージがない」にみえてしまいます。

誤解を招く表現なのであえて Noh などと表記されているのもよく見ます。私も Noh が良いと思います。

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