みなさんは英語の形容詞(adjective)の使い方に困ったことはありませんか?
まず日本語の形容詞だと…
💡状態や性質を表す言葉
という理解が使えそうです。
実際、英語の形容詞を見てみるとそういう言葉が並んでいます。
- kind … やさしい
- big … 大きい
- cute … かわいい
- funny … おもしろい
ところが、こうなると話が変わります。
- kind … やさしい(形容詞)
- kindly … やさしく(副詞!)
- kindness … やさしさ(名詞!)
意味はどれも「やさしい」という意味なのに品詞が変わってしまいます。
つまり「やさしい」という意味を持っているだけでは形容詞にはなれないんです。
そうなら英語ではどんな基準で「形容詞」を決めているのでしょうか?
ここで英文法書をみると、こう書いてあります。
💡形容詞は名詞を修飾(詳しく説明)する言葉です
なるほど!わかりやすいですね!
ところが、この「名詞を修飾するもの」がどんどん広がっていきます😂
実際に英文法書で「形容詞」として説明されるものを見ていきましょう。
- a running man ← 現在分詞
(走っている男性)- a broken window ← 過去分詞
(壊れた窓)- something to eat ← 不定詞の形容詞用法
(何か食べるもの)- the book that I bought ← 関係代名詞が作る形容詞節
(私が買ったその本)
まず running(走っている)や broken(壊れた) そして to eat(食べる)などは動作です。
そして関係代名詞がつくる “that I bought” にいたっては文です。
これらのどこにも「状態」や「性質」はありません。
そうなると…
😩英語の形容詞って、もう「状態・性質」と関係ないやん!
🙄そもそも「形容詞」って日本語が間違ってるんちゃうん?
なんて不信感が湧いてきませんか?
でも、そんなことはないんです!
🍺ドイツ語では形容詞のことを Eigenschaftswort(性質の言葉) とも呼びます。
(📌もちろんドイツ語でも英語と同じように Adjektiv も使います)
Adjektiv – Wikipedia
このドイツ語の Eigenschaftswort は日本語の「形容詞」とまったく同じ発想です。
つまり、こういうことです。
- 状態・性質を表す言葉(形容詞の「意味」に重点がある)
⇒ 間違っていない😊- 名詞を修飾する言葉 (形容詞の「機能」に重点がある)
⇒ これも間違っていない😝
形容詞という品詞の理解には「意味」と「機能」の両方が重要になります。
ところが、これですんなり形容詞の話が終わるわけではありません😂
実際にはこんな英文にも出会います。
💃Only the student can speak Spanish.
(その生徒だけがスペイン語を話す)🗼Even the student cannot understand French.
(その生徒でさえフランス語を理解できない)
普通に読めば only も even も名詞を修飾しています。
ところが、この2つには形容詞ではなく「副詞」という解釈が取られます。
そうなると…
😩only も even も名詞を修飾してるやん!なんで形容詞にならへんの?
と思われるかもしれませんが、そう簡単にはいかない事情があります。
ではこの2つの文の only を比べてください。
- Only the student can speak Spanish.
⇒ 冠詞 the より左側にあるから副詞- The only student can speak Spanish.
⇒ 冠詞 the より右側にあるから形容詞
同じ only なのにちょっと位置がずれるだけで品詞が変わってしまいます😱
そうなると…
🤔そもそも形容詞って、ホンマは何をやってる言葉なん!?
というナゾが浮かんで来るはずです。
それでは「形容詞」の正体に迫るために、まずは言葉の由来から探ってみることにしましょう!
🐺adjective(形容詞)の意味をラテン語から学ぶ
形容詞の正体に迫るため、まずは英語 “adjective” の定義の確認から進めましょう。
では英語 Wikipedia を引用します。
An adjective (abbreviated ADJ) is a word that describes or defines a noun or noun phrase. Its semantic role is to change information given by the noun.
『形容詞(略称:ADJ)は、名詞や名詞句を修飾したり定義したりする語です。その意味的な役割は、名詞が表す情報に変化を加えることです。』
Adjective – Wikipedia
ここから、さらにadjective の語源を詳しく見ていきましょう。
では adjective をパーツに分解してみます。
🧬adjective(ラテン語 adiectivum が由来)
- ad- … 「〜へ向けて」
(📌英語の前置詞 to とほぼ同じ意味)- -ject … 「投げる」
つまり adjective とは「〜へ向けて投げるもの」という意味です。
そこから「名詞に投げる ⇒ 名詞を修飾する」という意味につながります。
そしてさらに、
- project:前へ投げる ⇒ 投影する、企画する
- inject:中へ投げる ⇒ 注射する
- eject:外へ投げる ⇒ 排出する
- reject:投げ返す ⇒ 拒絶する
という同じ -ject系の仲間もたくさんいます。
ですが、ここでスルドイ方はこう疑問に思うかもしれません。
🤔 adjective のどこにも noun(名詞)なんて入ってへんやん。なんで投げる先が名詞ってわかるん?
実はこの答えは単純で、もともとは入っていたのに省略されたからなんです😂
そもそもラテン語では「2種類の名詞」という分類だったんです!
- nomen substantivum:自立する名詞
⇒ 英語の名詞(noun)- nomen adiectivum:(名詞に向けて)投げられる名詞
⇒ 英語の形容詞(adjective)
英語 adjective は、この後半(adiectivum)だけを取って短くした形なんです。
つまりラテン語では「形容詞は名詞の仲間」という認識だったんです。
それにしてもなぜこんな解釈になっていたのでしょうか?
その理由にギリシャ人やローマ人の考え方から迫ってみましょう😊
ギリシャ人やローマ人は形容詞を名詞と見ていた
ではラテン語の文法用語から「名詞」と「形容詞」の意味をみていきましょう。
まずは英語の名詞(noun)のラテン語源です。
🧍nomen substantivum
⇒ 下で自分の足で立っている名詞
- sub- … 下に
- stare … 立つ
そして次に英語の形容詞(adjective)へ進みましょう。
🥏nomen adiectivum
⇒ 投げられる名詞
- ad- … へ向けて
- iacere … 投げる
ここで注目してほしいのは、この2つの用語が「立つ」と「投げる」という動作で対比されていることです。
このラテン語の用語そのものが、
- (自分だけで)立てるもの
- (自分では立てずに)投げられるもの
という区別を持っています。
この区別のルーツは、さらに時代をさかのぼったギリシャ人たちの考え方に行き着きます。
古代ギリシャの文法でも、名詞と形容詞は同じ品詞として扱われていました。
まずギリシャ語の名詞は ὄνομα(onoma)と呼ばれ、形容詞はその下位グループのひとつの ἐπίθετον(epitheton)と呼ばれていました。
では語源を確認してみましょう。
🧬epitheton(ギリシャ語表記は ἐπίθετον です)
⇒ 上に置かれるもの
- epi- … 上に
- tithenai … 置く
(📌名詞の上に置く名詞という意味になります)
https://en.wiktionary.org/wiki/epitheton
ローマに先駆けて、ギリシャ人が形容詞を独立した品詞とせず「名詞の一種」と考えていたわけです。
そしてラテン語の adiectivum(投げられるもの)も、ギリシャ語の epitheton(上に置かれるもの)を訳したものとされています。
この点を英語 Wikipedia の引用で確認しましょう。
Adjective comes from Latin nōmen adjectīvum, a calque of Ancient Greek: ἐπίθετον ὄνομα (surname), romanized: epítheton ónoma, lit. ’additional name’ (whence also English epithet). In the grammatical tradition of Latin and Greek, because adjectives were inflected for gender, number, and case like nouns (a process called declension), they were considered a type of noun. The words that are today typically called nouns were then called substantive nouns (nōmen substantīvum). The terms noun substantive and noun adjective were formerly used in English but are now obsolete.
『adjective(形容詞)という語は、ラテン語の nōmen adjectīvum に由来します。これは古代ギリシア語の epítheton ónoma(直訳すると「添え名、付け加えられる名」;英語の epithet の語源でもある)の逐語訳(借用翻訳)です。ラテン語やギリシア語の文法体系において、形容詞は名詞と同様に性・数・格によって語形変化(曲用)したため、名詞の一種と見なされていました。今日一般に「名詞」と呼ばれている語は、当時は substantive nouns(nōmen substantīvum)と呼ばれていました。英語においてもかつては noun substantive や noun adjective という用語が使われていましたが、現在では使われなくなっています。』
(📌nomen substantivum の意味が「実体名詞=自分の足で立つ名詞」になります)
Adjective – Wikipedia
いかがでしょうか?
形容詞が「名詞の一種」とされたのは、名詞と同じ変化をしていたからなんです。
この考え方から生まれた文法用語をラテン語を経由して英語も受け継いで、
- noun substantive(実体のある名詞)
- noun adjective(投げられる名詞)
という用語が近世まで使われていました。
このように名詞と形容詞の考え方は、
🏛️ギリシャ語 ⇒ 🐺ラテン語 ⇒ 🎩英語
という流れを受け継いでいるんです。
形容詞は名詞と同じ変化をする
先ほどの Wikipedia の引用には次のようにありました。
形容詞は名詞と同様に性・数・格によって語形変化(曲用)したため、名詞の一種と見なされていました。
ヨーロッパ言語では「形容詞が名詞と同じ変化をする」というのは標準的な文法です。
1000年ほど昔の古英語(Old English)にもこの特徴は存在していました。
ですがもちろん皆さんご存じのように、現代英語では形容詞が名詞に合わせて変化をすることはありません。
私が思うに、ヨーロッパ言語の中でこの形容詞の変化が一番わかりやすいのがスペイン語です。
では実際に名詞に合わせた形容詞の変化を見ていきましょう。
- Puerto Rico(プエルトリコ)
⇒ 名称は「豊かな港(英:rich port)」に由来- Costa Rica(コスタリカ)
⇒ 名称は「豊かな海岸(英:rich coast)」に由来
同じ「豊かな」という形容詞なのに Rico と Rica と別々の形になっています。
それはスペイン語の名詞のもつ性別(gender)に合わせて、形容詞も変化しているからです。
- puerto(港)は男性名詞
⇒ 形容詞も男性形 rico- costa(海岸)は女性名詞
⇒ 形容詞も女性形 rica
いかがでしょうか?
スペイン語はラテン語の子孫なので、この仕組みをそのまま受け継いでいます。
ギリシャ・ローマの人たちが見ていたのは、まさにこうした言語の仕組みでした。
だからこそ「形容詞が名詞の一種」と考えられたわけなんです。
ここでひとつ疑問が浮かびます。
🤔なんで形容詞のほうが名詞に合わせて変化せなアカンの?名詞が形容詞に合わせてもええんちゃう?
この答えが、ギリシャ人の世界の見方にあります。
彼らは、世の中に存在するものをこう区別していました。
- それ自体で存在するもの
(実体=substance)- 何かに属してしか存在できないもの
(属性=attribute)(📌この attribute がのちに英文法の attributive=限定用法という用語になります)
たとえば「赤い」や「大きい」という属性は、それだけで存在できません。
なにか実体のあるものが赤かったり、大きかったりしなければ、そもそも属性は存在できません。
つまり形容詞は名詞なしでは存在できないんです。
だからこそ、どの名詞に頼っているかを形で示す必要がありました。
ドイツ語の形容詞は2つの用語を使う
ここまでで形容詞が名詞と強い関係を持つことがわかりました。
そこで、ぜひご紹介しておきたいのがドイツ語の形容詞の呼び方です。
もともとドイツは神聖ローマ帝国(962年〜1806年)として長らくローマ・カトリックの影響を強く受けています。
そのため当時のドイツではラテン語が政治でも宗教でも公用語でした。
もちろんラテン語文法の用語もそのまま使っていました。
- Adjektiv(形容詞)
- Substantiv(名詞)
- Verb(動詞)
これらすべてラテン語由来です。
ところが18〜19世紀ごろ「ドイツ語のことはドイツ語で言おう」という運動が起こります。
そこで作られたのが、意味を重視した文法用語です。
その一つが、冒頭でご紹介した Eigenschaftswort(性質の語)です。
ここで注目していただきたいのは、ドイツ語では adiectivum を直訳して「投げ加えられる語」とは呼ばずに、あえて「性質の語」と名づけたことです。
これは「その品詞が何を表しているか」を、そのままドイツ語で名づけたからです。
つまりドイツ語は、日本語の「形容詞(形状や容態の言葉)」とまったく同じ意味を重視した品詞名を選んだというわけです。
もちろんドイツ語だけでなく英語の形容詞にも「性質」を意味するものが多くあります。
では英語 Wikipedia を見ていきましょう。
English adjectives form a large open category of words in English which, semantically, tend to denote properties such as size, colour, mood, quality, age, etc. with such members as other, big, new, good, different, Cuban, sure, important, and right.
『英語の形容詞は語彙の幅が非常に広い品詞で、意味的には大きさ、色、気分、品質、年代などの性質を表す傾向があります。具体例としては、other、big、new、good、different、Cuban、sure、important、right などが挙げられます。』
English_adjectives – Wikipedia
ここで少し注意ですが、現在のドイツ語の標準的な文法用語では Adjektiv を使います。
- 名詞に投げ加えられる ⇒ Adjektiv
- 性質を表す ⇒ Eigenschaftswort
これらはどちらも間違っておらず、ドイツ語は両方とも正しい用語としています。
実際にドイツ語の Wikipedia を参照してみましょう。
Ein Adjektiv oder Eigenschaftswort ist ein Wort, das ohne weiteres ein Substantiv modifizieren, d. h. als Attribut fungieren kann, unbeschadet der Möglichkeit, dass es noch andere Funktionen im Satz wahrnehmen kann.
『Adjektiv もしくは Eigenschaftswort とは、名詞(Substantiv)を直接修飾する――すなわち、属性として機能する――ことができる語のことである。ただし、文中で(述語や副詞的用法など)他の働きを兼ねる可能性を妨げるものではない。』
(📌翻訳は原文に意味を補足しています)
Adjektiv – Wikipedia
いかがでしょうか?
ドイツ語文法は「機能(ラテン語式)」と「意味(ドイツ語式)」の二刀流なんです!
そして日本語の品詞名も、実はドイツ語のように意味から作られるものが多くあります。
- 名詞
- 動詞
- 形容詞
- 副詞
どれも意味を表に出すタイプの名称ですよね?
そのため形容詞に加えて「名詞に投げる品詞」という品詞の機能も知っておく必要があるんです。
いきなりですが、ここで私からの勝手な「新用語」の提案です😏
ドイツ語文法にならって日本語の形容詞を二刀流で理解するのはどうでしょう?
- 形容詞(意味を優先!)
⇒ 🍺ドイツ語タイプ- 名修飾詞(機能を優先!)
⇒ 🐺ラテン語タイプ(⚠️この2つ目の名称はみなさんの頭の中だけで使ってください)
どんなことがあっても「名修飾詞が〜」なんてほかではいわないでくださいね!
間違いなく「え?なに言うてんの?」と言われてしまいますから。
ここで責任回避を宣言しておきますので悪しからず😂
🥏形容詞は自立できず名詞へ投げる
ここまでは、ギリシャ語・ラテン語・スペイン語・ドイツ語と旅をしてきました。
そろそろ形容詞の本題に戻りましょう!
ヨーロッパ言語の基本では、
⚠️形容詞は、名詞なしでは成立しない!
ということでした。
そして同時にドイツ語にあるように「性質の語(Eigenschaftswort)」という特徴も持っていました。
もちろん、性質や状態を意味する言葉が形容詞になりやすい理由もちゃんとあるんです。
このことを日本語の形容詞を使って実験してみましょう。
いきなりですが、ここでクイズです!
❓「大きい」と「小さい」なら、どちらが大きいですか?
もちろん答えは「大きい」ですよね?
では、こうなるとどうでしょう。
- 大きい幼稚園児
- 小さいお相撲さん
どちらが大きいですか?
言うまでもなく「小さいお相撲さん」のほうが、圧倒的に大きいはずです😂
それは我々の日常的な感覚で「お相撲さん」の大きさを実感しているからです。
つまり「大きい」と「小さい」だけでは、実際の大きさは決まりません。
- 何の大きさなのか?
- どこを基準にするのか?
これらを形容詞だけでは勝手に決められないんです。
なぜなら形容詞は、その基準を名詞に依存しているからです。
ですから形容詞だけがポツンと置かれても、聞き手はこう思うだけです。
🤔「大きい」とか「小さい」って言うけど、結局それはどんな名詞のことを言うてるん?
この宙ぶらりんの状態が、形容詞の正体です。
名詞とつながって、はじめてその意味が確定します。
これは「大きい・小さい」「良い・悪い」のように程度を表す形容詞でとくにハッキリ出ます。
英語の形容詞は「形」ではなく「位置」が重要
すでにみたように、スペイン語では形容詞が名詞に合わせて形を変えていました。
- puerto(男性名詞)⇒ rico
- costa(女性名詞)⇒ rica
しかし英語にはこの仕組みがありません。
- a rich man
- a rich woman
- rich men
- rich women
- a rich country
- rich countries
(📌名詞の数や性別を変えても rich はずっと rich のままです😉)
古英語にはしっかり存在していた形容詞の変化は、歴史のなかで消えてしまいました。
では英語は、どうやって「この形容詞はこの名詞にくっついてます」と示しているのでしょうか。
その答えは位置(position)です。
🍨a rich flavor(豊かな風味)
冠詞 a と名詞 flavor のあいだに挟まっています。
これは単に「名詞の前にある」ということではありません。
- 冠詞 a … ここから名詞のカタマリが始まる
- 形容詞 rich … 名詞の情報としてカタマリの内部に組み込まれる
- 名詞 flavor … カタマリの核として最後に置かれる
つまり形容詞が、名詞のカタマリの内部に入り込んでいるんです。
形が変化しなくなった分、位置がその役目を引き受けているというわけです。
形容詞が名詞とつながる2つのルート
ここまでで、形容詞の性質がハッキリしました。
🥏形容詞は自立できない!だから必ず名詞につながる!
ではどうやってつながるのでしょうか?
英語には2つのルートがあります。
- 名詞に直接くっつく
(a rich flavor)- 動詞を橋渡しにしてつながる
(The flavor is rich.)
②では形容詞が名詞から離れていますが、rich が説明しているのは flavor です。
つまり形容詞がつながる先は同じなんです。
違うのは距離だけで、②はあいだに動詞が橋渡しとして入っています。
そして、この2つのルートにはちゃんと文法用語があります。
- 名詞に直接くっつく
⇒ 限定用法(attributive)- 動詞を橋渡しにしてつながる
⇒ 叙述用法(predicative)(📌attributive の意味は「限定」よりも「属性」のほうが近くなります)
ここで大事なのは、この2つが「まったく別の用法」ではないということです。
行き先はどちらも名詞で、つながるルートが2つあるだけなんです。
では、それぞれのルートを詳しく見ていきましょう。
🏷️形容詞の使い方①…限定用法(attributive)
まずは名詞に直接つながるルートです。
これは日本語の文法用語で「限定用法」と言います。
その理由は、形容詞によって名詞の意味が「限定」されるからです。
これに対して、英語では「attributive(属性を表す、属性の)」という用語を使います。
せっかくですので日本語と英語の文法用語の違いを見ていきましょう。
まず a city を例にとると「様々な種類の都市」が広く含まれます。
ここに big(大きい)という形容詞を追加して違いを確認します。
✅a big city(大都市)
- 日本語 ⇒ 中小規模の都市が除外され、大都市に限定される
- 英語 ⇒ 都市に big(大きい)という属性が加わる
いかがでしょうか?
どちらもよく似ているのですが、
💡英語の attributive は「名詞の属性として形容詞をつなげる」という意味合いになります
英語の動詞 attribute は「~へ割り当てる」という意味のラテン語に由来します。
(🔗動詞 attribute を語源から学ぶと attributive もよく分かります👇)

ではここから形容詞を名詞に直接つなげるパターンを詳しく見ていきましょう。
英語の形容詞は前置修飾が基本
形容詞を名詞につなげるには「前」と「後」の2つの方向があります。
これらは文法用語で次のように表現されます。
➡️前置修飾(prepositive)
⇒ 形容詞を名詞の前から修飾する⬅️後置修飾(postpositive)
⇒ 形容詞を名詞の後ろから修飾する
英語の形容詞は、前置修飾(名詞の前に置く)のが基本です。
- a cute kitty:かわいい子猫
- good people:いい人たち
- a funny joke:おもしろいジョーク
- the two tall trees:その2本の高い木
日本語の形容詞と同じ感覚で使えるので、ここは問題なく理解できると思います。
そして形容詞の前には、副詞が入ることもあります。
- a very cute kitty(とてもかわいい子猫)
- the really funny joke(本当に面白いジョーク)
この very や really は副詞で、形容詞を説明することができます。
ですから名詞の前の並びは、こうなっています。
🐱冠詞 → 副詞 → 形容詞 → 名詞
(a → very → cute → kitty)
どこまで行っても、最後は名詞 kitty(子猫)にたどり着きます。
- 副詞は形容詞につながる
- 形容詞は名詞につながる
つまりすべてが名詞に向かって収束しているんです。
そのため、
💡形容詞は大きな名詞のカタマリの中に組み込まれる!
という構造になります。
ですので、ちょっと無理をしても・・・・
🐱a very very very cute kitty
(ほんまにめっちゃくちゃかわいい子猫)
というように副詞がいくつも並んで形容詞につながっても、そこから名詞につなげればいいんです。
ヨーロッパ言語の形容詞は前後から名詞を修飾できる
そして英語と同じく、ゲルマン語の仲間であるドイツ語やオランダ語でも形容詞の前置修飾が基本になります。
ところが、さきほど見たスペイン語を思い出してください。
- Puerto Rico(豊かな港)
- Costa Rica(豊かな海岸)
スペイン語の形容詞は後置修飾で名詞につながっています。
これはラテン語から生まれたロマンス語の仲間の特徴でもあります。
ざっくりとした整理ですが、次のように知っておくと便利です。
✅ゲルマン語の仲間(英語・ドイツ語・オランダ語など)
⇒ 形容詞の前置修飾が基本☑️ロマンス語の仲間(スペイン語・フランス語・イタリア語など)
⇒ 形容詞の後置修飾が基本(📌もちろんいくつも例外があるので、あくまで傾向としてご理解ください)
ただし、どちらであっても形容詞の役目は変わりません。
形容詞が直接名詞につながると、その形容詞は「名詞のカタマリ」として取り込まれます。
🌷a beautiful flower
⇒ もう「形容詞 + 名詞」ではなく、全体でひとつの名詞として働く!
そのため名詞を使える位置に形容詞もつながったまま入ります。
実際に見てみると…
- A beautiful flower is on the table.(主語になる)
⇒ 美しい花がテーブルの上にある。 - I bought a beautiful flower.(目的語になる)
⇒ 私は美しい花を買った。 - This is a beautiful flower.(補語になる)
⇒ これは美しい花です。
といったように主語・目的語・補語のどこにでも入ります。
これは名詞の使用ルールそのものです。
もちろんスペイン語の Puerto Rico や Costa Rica も地名として一つの名詞になっています。
つまり形容詞は、名詞につながった瞬間に名詞の一部として吸収されるんです。
これを文法用語からみると…
🥏名詞に投げる ⇒ 名詞とつながる ⇒ 名詞のカタマリに取り込まれる!
という仕組みになっています。
このあとブログ後半で、形容詞句や形容詞節まで進みますが、形容詞のやることは変わらないのでしっかり覚えておいてください😉
英語の形容詞にも後置修飾がある
英語の形容詞は前に置くのが基本ですが、後ろからつながるケースもあります。
これを「後置修飾(postpositive)」といいます。
まずは例文から見ていきましょう。
✅There is so much information available to us now.
(今、我々に利用可能な情報は本当にたくさんある。)
この例では available は形容詞なのに、名詞の後ろにあります。
ではなぜ、わざわざ「前に置く」という基本ルールと違うことをやるのでしょうか?
ここで思い出してほしいのが、さきほどの例です。
🐱a very very very cute kitty
副詞がいくつ並んでも前に置けるのは、すべて右に向かって進めば名詞につながるからです。
ところが、こうなると事情が変わります。
❌so much available to us now information
available は右の information につながろうとしています。
ところが to us now は、available からさらに右へ伸びています。
つまりカタマリの内部で、流れの向きが分かれてしまうんです。
読み手は information にたどり着くまで「to us now がどこにつながるのか」を判断できません。
⭕so much information available to us now
⇒ 本当にたくさんの情報 ← 利用可能である 我々に 今
後ろに回せば、information が先に確定しますし、そこから available 以降は右へ伸びていくだけなので、迷いません。
ここで問題になるのは、形容詞のカタマリの長さそのものではなく読み手の認知負荷です。
つまり、読み手にとって構造がわかりにくい文は避けるほうが好まれます。
- cute → kitty
⇒ 隣同士なので、そのままつなぐだけ!- information ← available
⇒ 名詞が先に確定しているので、あとは情報を足していくだけ!
形容詞と名詞が隣り合っていれば、読み手は「隣につなげる」という単純な作業で済みます。
ここで大事なのは、後置修飾そのものは特殊な例外ではないということです。
実際に、形容詞の「名詞につながる」という性質は何ひとつ変わっていませんね?
(この形容詞の原理が、後半で解説する形容詞句・形容詞節にも応用できます😉)
ここまでは「カタマリが大きくなると後ろに回る」というパターンを見ました。
ですが英語には、そもそも前に置けないという後置修飾もあります。
それは、
💡some / any / no / every に -thing / -one / -body がついた代名詞の場合です。
つまり次のような代名詞のケースです。
- something hot(なにか ← 熱い)
⇒ なにか熱いもの- anyone funny(どんな人 ← おもしろい)
⇒ だれでもおもしろい人- nothing serious(ゼロ、何もない ← 深刻な)
⇒ まったく深刻なことではないこと- everything important(すべてのもの ← 重要な)
⇒ すべての重要なこと
形容詞が1語なのに後ろに来ています。
これは形容詞側ではなく、代名詞のほうに原因があります。
some / any / no / every は、それ自体が「限定する語」としてすでに名詞に前にくっついています。
そのため、形容詞を挟み込む場所がすでに埋まっているんです。
そしてもうひとつ、歴史的な事情によるものがあります。
- attorney general:司法長官(米)/検事総長(日)
- court martial:軍法会議
- time immemorial:太古の昔
ラテン語やフランス語などのロマンス語では、形容詞を後ろに置くのが多数派です。
これらはロマンス語の語順のまま、フレーズごと英語に輸入されて固まったものです。
比較的お堅い表現として理解しておくとよいと思います。
ここで限定用法のまとめとして大事な確認をしておきます。
日本語の感覚だと「形容詞は名詞の前に置くもの」と感じている方が多いと思います。
ですがここまで見てきたように、英語にも後置修飾があります。
もう一度、形容詞の原義を確認してみると…
🥏形容詞は名詞に投げてつながる言葉
となっていますが、どこにも「前から」とは書かれていません。
実際ラテン語では、形容詞を前に置くことも後ろに置くこともできました。
そして、どちらでも意味は変わりません。
なぜならスペイン語の例でみたように、ラテン語でも形容詞が名詞に合わせて形を変えていたからです。
ところが英語は歴史の中で形容詞の変化を失ったので、どの名詞につながるのか位置でしかわからなくなってしまいました。
英語の場合は、前後どちらからでも名詞に隣接する形容詞の位置をしっかりと見極めてください!
🧲形容詞の使い方②…叙述用法(predicative)
ではここから形容詞を使うもうひとつのルートです。
一番わかりやすいのは be動詞で主語を説明するケースです。
- The boy is nice.
(その少年はやさしい。) - The girl is funny.
(その少女は面白い。)
この形容詞の使い方を文法用語で「叙述用法(predicative)」と言います。
英語の predicative の語源を確認します。
🧬predicative ← ラテン語 praedicare
- prae- … 前で(*「みんなの前」や「公然」の意味)
- dicare … 述べる、宣言する
(📌名詞について「述べられる(叙述)」という意味)
https://en.wiktionary.org/wiki/predicative
つまり主語や目的語を動詞を橋渡しにして説明するときの形容詞の使い方が叙述用法と呼ばれます。
では限定用法と何が違うのでしょうか?
例文を並べてみましょう。
✅a rich flavor(限定用法)
⇒ 豊かな風味☑️The flavor is rich.(叙述用法)
⇒ 風味は豊かである
どちらのケースでも、形容詞 rich が説明しているのは名詞 flavor です。
つまりつながる先は同じなんです。
違うのは距離だけで、叙述用法ではあいだにbe動詞が橋渡しの役目として入っています。
つまり
🧲形容詞は、名詞から離れていても磁石のように名詞へ引き寄せられる!
そして叙述用法で使われる形容詞には、決まったポジションがあります。
それが補語(Complement)という文の中での役割です。
この補語という文法用語の理解で注意点があります。
🧬補語の complement は complete(完成、コンプリート)と同じ語源です。
https://en.wiktionary.org/wiki/complement
漢字一文字で「補」だけだと分かりにくいですが、その意味は「文に必要な内容を補って完全にする」になります。
つまり…
⭕補完語 … 文の意味を完成させる
❌補助語 … 文の意味を補助する
という英語の complement の理解を忘れないようにしてください。
そしてこの補語の役割として形容詞が入る文型は2つあります。
- SVC文型(第2文型)
⇒ 主語の名詞につながる- SVOC文型(第5文型)
⇒ 目的語の名詞につながる
ではこの2つのタイプを順に見ていきましょう。
SVC:主語の名詞につながる
まずは主語につながるパターンで、SVC文型(日本語では第2文型)と呼ばれます。
英語では、この文型をとる動詞は copular verb(連結動詞)というグループ名で呼ばれます。
このタイプの動詞の中の最も一般的なのは be動詞ですが、ほかの動詞もあるので見ていきましょう。
- I am happy.
⇒ 私は ~である 幸せな
(≒ 私は幸せです) - This curry tastes good.
⇒ このカレーは 味がする 良い
(≒ このカレーはおいしい) - We got busy.
⇒ 我々は 得た 忙しい状態
(≒ 私たちは忙しくなった) - He looks nice.
⇒ 彼は 見える やさしい様子
(≒ 彼はやさしそうに見える)
be動詞がいちばんよく使われますが、taste や get のような動詞でも仕組みは同じです。
このタイプの動詞では形容詞のつながりを待つことができます。
- I am ← どんな状態?
- This curry tastes ← どんな味?
- We got ← 何を得た?
- He looks ← どんな感じ?
そしてそこから動詞を橋渡しにして、形容詞が主語の説明としてつながります。
- I ← happy
(私は ← 幸せ) - This curry ← good
(このカレーは ← おいしい) - We ← busy
(私たちは ← 忙しい) - He ← nice
(彼は ← やさしい)
どの文でも、形容詞がつながっているのは主語の名詞です。
さて、一般的によくみるSVC文型の解説では「SVC は S=C」というものがあります。
これは形容詞が主語につながった結果を、あとから見た説明なんです。
- 形容詞が主語につながる
- だから主語の属性になる
- だから「S=C」に見える!
ですが、形容詞は主語名詞につながる方向で使用されます。
そのため「S = C」を成立させるために「←(主語の名詞につながる)」という形容詞の働きがあると理解しておけば大丈夫です!
SVOC:目的語の名詞につながる
次は目的語につながるパターンで、SVOC文型(日本語では第5文型)と呼ばれます。
英語ではこの文型をとる動詞はいくつか呼び方があるのでご紹介します。
- double transitive verb
- complex transitive verb
(📌呼び方が分かれる英語に対して、日本語の「第5文型」は分類の索引としてとても便利なんです😏)
ここで英語の2つの用語についての注意点があります。
英語の場合は補語に動詞の原形を使う動詞も、構造としてはこのタイプに分類されます。
- 使役動詞(causative verb)
(例)make O do / let O do - 知覚動詞(perception verb)
(例)hear O do / see O do
このように日本の英文法で習う SVOC文型とは少し違う説明になる場合があります。
ですが「目的語がどうなっているか/どうなるか」を述べる動詞という点では共通です。
ただ、この記事は形容詞の解説に集中しますので、SVOC文型に形容詞を入れるパターンだけを見ていきましょう。
- Your friends make us happy.
⇒ あなたの友人たちは つくる 私たちを 幸せな状態に
(≒ あなたの友人たちが私たちを幸せにしてくれる) - We can keep you safe.
⇒ 我々は 可能性として 保てる あなたを 安全な状態に
(≒ 君を守ってあげられる) - I found my battery dead.
⇒ 私は 見つけた 私のバッテリーを 死んでいる状態で
(≒ バッテリーがダメになっているとわかった) - Please leave the door open.
⇒ おねがいです 放置してください そのドアを 開いた状態で
(≒ ドアは開けたままにしておいてください)
この文型でも、形容詞のつながりを待つことができます。
- Your friends make us ← どんな状態に?
- We can keep you ← どんな状態に?
- I found my battery ← どんな状態で?
- Please leave the door ← どんな状態で?
ここが SVC との違いです。
SVC では主語を待っていましたが、SVOC では目的語を待っています。
そしてそこから、形容詞が目的語の説明としてつながります。
- us ← happy
(わたしたち ← 幸せ) - you ← safe
(あなた ← 安全) - my battery ← dead
(私のバッテリー ← 死んでいる) - the door ← open
(そのドア ← 開いている)
どの文でも、形容詞がつながっているのは目的語の名詞です。
またSVOC文型の解説でも「O=C」というものがあります。
これも SVC のときと同じで、形容詞が目的語につながった結果を、あとから見た説明です。
- 形容詞が目的語につながる
- だから目的語の属性になる
- だから「O=C」に見える!
つまり SVC と SVOC の違いは、橋渡しの行き先だけなんです。
- SVC ⇒ 動詞が主語へ橋渡しする
- SVOC ⇒ 動詞が目的語へ橋渡しする
形容詞のやっていることは、どちらも変わりません。
🧲名詞が主語や目的語になって離れていても、形容詞は磁石のように名詞へ引き寄せられる!
ただし、実際に英語を瞬間的に理解するときに細かいことは考えていられません。
そのため…
💡SVOC では「目的語+補語」をまとめて、動詞が作り出す現象(OがCである)として理解する
というのが実践的なコツです😉
数や単位がつながるケース
ではここから形容詞の叙述用法で注意すべきパターンを見ておきます。
それが「数+単位」が形容詞につながる表現です。
作り方は簡単で「数+単位+形容詞」の順番に並べるだけです。
🧩数 ⇒ 単位 ⇒ 形容詞
- 5 kilometers long(5キロメートルの長さがある)
- 3 hours long(3時間の長さがある)
- 10 meters wide(10メートルの幅がある)
- 400 pages thick(400ページの厚さがある)
- 30 stories high(30階建ての高さがある)
このように順番に作っていくだけです。
ではここから、よく見るのに注意が必要なタイプを確認します。
それは「数+単位+old」の文章です。
✅She is ten years old.
(彼女は10歳です)
⇒ 彼女は ~である 10年の時を経ている(📌英語の old にはネガティブな「古い」という意味合いは弱いです)
ここで、もしかすると…
🤔年齢(~ years old) って「~歳」ってカンタンに覚えられるのになんで注意すんの?
と思われる方もおられるかもしれません。
それでは、ちょっとだけ年齢の表現を変えてみましょう。
- She is one year old.
(彼女は1歳です)- She is two years old.
(彼女は2歳です)(📌数が「1」の時は単位の year が単数になります)
ここから、もうすこし変えてみましょう。
- She is one month old.
(彼女は生後1か月です)- She is six months old.
(彼女は生後6か月です)- She is 10 days old.
(彼女は生後10日です)(📌年齢には year 以外の単位も使えます)
このように「年」ではなく「月」や「日」でも年齢で使えます。
さらに「数+単位+old」にはこんな使い方もあります。
🏯Himeji Castle is over 400 years old.
(姫路城は築400年を超えています)
お城を「〇歳」とは呼びませんよね?
そしてこれは古代エジプトのクフ王のピラミッドで同じなので、英語 Wikipedia をみてみましょう。
The Great Pyramid has been determined to be about 4,600 years old by two principal approaches: indirectly, through its attribution to Khufu and his chronological age, based on archaeological and textual evidence; and directly, via radiocarbon dating of organic material found in the pyramid and included in its mortar.
『大ピラミッドの年代は、主に2つの方法によって約4,600年を経ていると特定されています。一つは、考古学的および文献的証拠に基づき、クフ王とその在位年代に関連付けることによる間接的な方法であり、もう一つは、ピラミッド内部やモルタル(接合材)に含まれる有機物を用いた放射性炭素年代測定による直接的な方法です。』
Great Pyramid of Giza – Wikipedia
このように単位が「年」でも「月」でも「日」でも、そして対象が「人」でも「お城」でも「ピラミッド」でも、英語はぜんぶ old で済ませています😆
日本語は old の訳を使い分ける必要がありますが、英語は1つでOKです。
🧬old の中心的な意味は「年月を経過している」
https://en.wiktionary.org/wiki/old
という点だけ覚えておいてください。
この「数+単位+形容詞」は基本的に叙述用法で使います。
しかし、このカタマリを名詞の前に置きたいときもあります。
その際に注意として…
🏷️「数+単位+形容詞」を限定用法で使うときはハイフンでつないでひとまとめにするのが推奨される
という点を覚えておいてください。
実際に並べて比べてみましょう。
- She is one year old.(叙述用法)
- a one-year-old girl(限定用法)
- She is two years old.(叙述用法)
- a two-year-old girl(限定用法)
ここで4番目の表現に注目してください。
叙述用法の two years(複数形)がハイフンでつながれて two-year になっています!
この理由はハイフンで1語に連結されたことで、内部で複数形を示す必要がなくなると説明されます。
- a five-year plan(五年がかりの計画)
- a three-day trip(3日間の旅行)
というような例があります。
ハイフンなしで書かれているのを見かけることもありますが、書くときはハイフンでつなぐのが安全です。
もちろん話すときはハイフンが聞こえないので、これは書くときだけの区別になります😉
限定用法と叙述用法で注意するタイプ
ここからは限定用法と叙述用法のまとめと注意点です。
文法用語としては2つに分かれていますが、形容詞がやっていることは変わりません。
- 限定用法 ⇒ 名詞に直接つながる
- 叙述用法 ⇒ 動詞を橋渡しにしてつながる
つながる先は、どちらも名詞です。
ここで少しだけ注意点ですが、一部に特殊な形容詞があります。
まず一つ目は、
「限定用法と叙述用法で意味が変わる」というタイプです。
🏷️限定用法の late ⇒ 亡くなった
⇒ my late husband(私の亡き夫)🧲叙述用法の late ⇒ 遅れている
⇒ My husband is late again.(私の夫はまた遅れている)
そしてもう一つは、
「どちらか片方でしか使えない形容詞」というタイプです。
🏷️限定用法だけで使う
- the main reason … 主な理由
- the former president … 前大統領
- our only son … 私たちの唯一の息子( ≒一人息子)
🧲叙述用法だけで使う
- He is asleep.(彼は眠っている)
⇒ ❌ an asleep man- She is afraid.(彼女は怖がっている)
⇒ ❌ an afraid girl
このように一部の形容詞には特殊な使い方が設定されています。
とはいうものの、これらの点についてはあまり心配はなさらなくても大丈夫です😉
ほとんどの形容詞は両方のルートで使用することが可能です!
🥏名詞に投げる ⇒ 名詞とつながる(=名詞を修飾する)
この原理は最後まで変わらず、違うのはつながり方のルートだけなんです。
🧩動詞も文も形容詞として使える
ここまでは「形容詞」という1語の話をしてきました。
ところが英語では、2語以上のカタマリのまま名詞につなげることができます。
そして、そのカタマリの正体は大きく分けて2つあります。
- 動詞(verb)
- 文(sentence)
ここまでだと…
😵💫えっ?!動詞も文も、どうしたら形容詞になれんの?
と思われるかもしれません。
ですが、ここでもう一度、形容詞の核心を思い出してください。
🥏名詞につながっていれば、それは形容詞の役割とされる!
つまり動詞だろうが文だろうが、名詞につながれば形容詞になります。
そして英語には、そのための仕組みがちゃんと用意されています。
まずはちょっとややこしいですが、文法用語をきっちり確認しておきましょう。
- 単語(word)
⇒ 1つの単語- 句(phrase)
⇒ SVを含まない2語以上の単語のカタマリ- 節(clause)
⇒ SVを含む2語以上の単語のカタマリ- 文(sentence)
⇒ 文頭から文末(ピリオド)まで全ての単語のまとまり(📌1つの節だけなら、それだけで文になります。接続詞などで2つ以上の節をつなげた文も可能です。)
このなかで、このセクションでくわしく解説していくのが「句」と「節」です。
ここですこしお詫びがあります😌
さきほど「文が形容詞になる」と言いましたが、正確には文の中身である「節が形容詞になる」という意味になります。
そしてこの句と節の2つが名詞につながるとこう呼ばれます。
✅形容詞句(adjectival phrase)
⇒ 動詞を形容詞に変えることができるタイプはこちら!☑️形容詞節(adjectival clause)
⇒ 文(*正確には節)を形容詞に変えることができるタイプはこちら!(📌前置詞がつくるカタマリも形容詞句とされるケースもありますが、判定基準が文脈依存になるパターンも多いです)
ではここから、この2つのタイプをそれぞれ見ていきましょう!
非定形動詞を使った形容詞句
まずは動詞を形容詞として使うパターンから見ていきましょう。
ですがここで、
😲え?動詞を形容詞に変えるなんてやってもエエの?!
と思われる方もおられると思います。
もちろん好き勝手に品詞を変えることはできませんが、ちゃんと形容詞として使える「変化形」と「文法用語」が整備されています。
英語にある動詞の形容詞用法は3種類です。
- to 不定詞(to infinitive)
⇒ something to eat(何か食べるもの)- 現在分詞(present participle)
⇒ the man standing there(そこに立っている男性)- 過去分詞(past participle)
⇒ a letter written in French(フランス語で書かれた手紙)(📌英語の動詞の変化形は使いまわしが多いので、見た目だけで形容詞と決定できない点に注意ください😂)
このように動詞は特別な形に変化させて、品詞と意味を変えて使用することが可能です。
これらの動詞は「非定形動詞(nonfinite verb)」と言います。
英語の動詞を使うもっとも基本的なルールとして、大きく違う2種類の区別があります。
- 定形動詞(finite verb)
⇒ 主語や時制にあわせて形が定まる動詞
(文構造の中心になる動詞)- 非定形動詞(nonfinite verb)
⇒ 主語や時制にあわせて形が定まらない動詞
(動詞以外の品詞に変化させて使う動詞)(📌日本の英文法では非定形動詞は「準動詞」と呼ばれることが多いです)
おそらく日本の英語解説で「定形動詞」という言葉はあまり聞かないかもしれません。
ですが英語やドイツ語のようなゲルマン語の仲間では、語順を決めるときの基準になる動詞なので絶対に知っておいてください。
(🔗定形動詞の意味と使い方と語順の仕組みの解説はこちら👇)

では形容詞としてつかう非定形動詞を実際に見ていきましょう。
まず1語の場合は、基本通り「前からつながり」に戻ります。
- a sleeping baby(眠っているあかちゃん)
⇒ 現在分詞をつかうタイプ - a broken window(壊れた窓)
⇒ 過去分詞をつかうタイプ
この2つの場合は「形容詞句」とは呼ばれません。
ですが、次のいずれも動詞から作られる2語以上のカタマリです。
- something ← to eat
- the man ← standing there
- a letter ← written in French
(📌原則、カタマリが2語以上になると前からではなく、後ろからつながります。)
これら3つのどれもつながっている先は名詞になります。
これが文法用語とどう関連するかというと…
🥏非定形動詞がつくる2語以上のカタマリが名詞につながっているから形容詞句と呼ばれる!
という命名の理由になっているんです。
(🔗非定形動詞の詳しい解説はこちら👇)

関係詞を使った形容詞節
では次は、文を形容詞として使うパターンを見てみましょう。
厳密にいえば、前述のように「文(sentence)」は文頭から文末までのすべてのまとまりの事です。
そのためここから、SVを含む2語以上のまとまりとして「節(clause)」と正確に表記するようにします。
この節を形容詞として使うには「関係詞」を使います。
🥏関係詞は名詞に対して、それを説明する節をつなぐ機能をもつ言葉です。
(📌関係詞がつくる形容詞節を特に関係節(relative clause)といいます)
この関係詞には、
- 関係代名詞(relative pronoun)
- 関係副詞(relative adverb)
という2種類がありますが、名詞を説明する形容詞節を作る点では同じです。
そもそも関係詞を使うにはある前提条件があります。
それは、詳しく説明したい名詞が関係節の中でも共有されていることです。
では関係代名詞から作ってみましょう。
- I know the man.
- The man lives here.
同じ the man が2回出てくることで、関係代名詞をつかう条件が整います。
この名詞を関係代名詞にして、1つにまとめます。
✅I know the man ← the man lives here.
⇒ I know the man who lives here.(関係代名詞がつながる名詞は「先行詞」と呼ばれます)
2つ目の the man が who に変わって、そのまま前の the man(先行詞)につながりました。
このように名詞(先行詞)を参照し、節をつなげる役割が関係代名詞にはあるんです。
この仕組みは関係副詞でも同じです。
- This is the house.
- I was born in the house.
同じ the house が2回出てくるのでここでも条件が整います。
場所の前置詞 in を名詞とまとめて置き換える場合は関係副詞 where で置き換えます。
☑️This is the house ← I was born in the house.
⇒ This is the house where I was born.
そして、このパターンにはもう一つのつなぎ方があります。
前置詞を残したまま関係代名詞につなげて置き換えるということもできます。
✅This is the house ← I was born in the house.
⇒ This is the house in which I was born.
見た目はまったく違いますが、やっていることは同じです。
- 共有された名詞がある
- それを関係詞に置き換える
- 節が名詞につながる
形や用語が違っても、名詞につながるという一点は変わりません。
だから where も in which も、同じ「形容詞節」を作れるんです。
このように関係詞をつかって節(SV)を含むまとまりで名詞を説明できることが分かりました。
では英語の語順で日本語と対応させてみましょう。
- the man who lives here
(その男性 ← 誰かというと 住んでいる ここに)
⇒ ここに住んでいる男性- the house where I was born
(その家 ← どこかというと 私が 過去 生まれた)
⇒ 私が生まれた家- the house in which I was born
(その家 ← どの中でかというと 私が 生まれた)
⇒ 私が生まれた家
関係節にはどれも SVが入っており、つながっている先は名詞です。
これが関係詞が作る節が「関係節」と呼ばれ、さらに形容詞節の役割として説明される理由です。
(🔗関係代名詞の文法用語の詳しい解説はこちら👇)

ではここで、この記事の原理をもう一度確認しましょう。
- 語(word):a beautiful flower
- 句(phrase):a letter written in French
- 節(clause):the book that she bought
サイズはまったく違いますが、起きていることは同じです。
🥏名詞に投げる ⇒ 名詞とつながる ⇒ 名詞のカタマリに取り込まれる
実際、どれも全体でひとつの名詞として働きます。
- The book that she bought was expensive.
⇒ 私が買った本は高価だった(主語になる) - I read the book that she bought.
⇒ 私は彼女が買った本を読んだ(目的語になる)
関係節を含んだ長い名詞のカタマリが、主語や目的語の位置にそのまま入っていますね?
形容詞の役目である名詞につながることは、最後まで変わらないんです。
そして、もうひとつ共通していることがあります。
- a letter written in French
- the book that she bought
どちらも名詞の後ろにあります。
限定用法で見たとおり、カタマリが大きくなると前には挟み込めません。
ですから英語では、
⬅️形容詞句でも形容詞節でも後置修飾が基本になります。
日本語は説明が全部前から来るので、ここは慣れるまで時間がかかるのも仕方ないと思います😂
英語の自然の流れは、名詞が先に確定してから説明が足されていくという点を覚えておいてください。
⚡️形容詞と副詞の違いに注意!
ここまでで、形容詞の使い方は2つのルートに整理できました。
- 限定用法 ⇒ 名詞に直接つながる
- 叙述用法 ⇒ 動詞を橋渡しにしてつながる
ところが、この記事の冒頭で投げかけたナゾがまだ残っています!
それが「名詞を修飾する副詞」です。
では再度、ここで確認してみましょう。
💃Only the student can speak Spanish.
(その生徒だけがスペイン語を話す)🗼Even the student cannot understand French.
(その生徒でさえフランス語を理解できない)
普通に読めば、even も only も名詞を修飾しています。
そして、この2つの文にある even と only には形容詞ではなく「副詞」という解釈が取られます。
こうなってしまうと…
🤔副詞が名詞を修飾できるんやったら、そもそも形容詞(=名詞に投げる)の定義が変わってしまうんちゃう?
という疑問点をお持ちの方もおられると思います。
ですがご心配なく!
💡品詞は単語の意味ではなく、文中の機能で決まります!
実は副詞は「隣に位置しているものに影響を与える」という性質を持っています。
ですから名詞の隣に置かれれば、意味のうえでは名詞を説明しているように見えます。
ですがそれは「隣にいるから」であって「名詞のカタマリに入っているから」ではありません。
この違いを、これから確認していきましょう😊
判定①:名詞のカタマリの一部か?
まずは限定用法で見た並びを思い出してください。
🐱冠詞 → 形容詞 → 名詞
- a cute cat … かわいいネコ
- the sleepy cat … その眠そうなネコ
形容詞は、冠詞と名詞のあいだに挟み込まれていました。
つまり冠詞は「ここから名詞のカタマリが始まる」という目印なんです。
ではさきほどの名詞を修飾する副詞の only と even の例を見てみましょう。
💃Only the student can speak Spanish.
(その生徒だけがスペイン語を話せる)
⇒ the の外側にいる ⇒ 名詞のカタマリの外にある🗼Even the student cannot understand French.
(その生徒でさえフランス語を理解できない)
⇒ the の外側にいる⇒ 名詞のカタマリの外にある
上では only も even も名詞のカタマリの外に出てしまっていますよね?
形容詞は冠詞と名詞のあいだに挟み込まれていましたが、only と even はその外側にいます。
名詞のカタマリに取り込まれていない以上、これでは形容詞とは呼べません。
ではこの2つは何をしているのでしょうか?
次の判定に進みましょう。
判定②:隣接する言葉を変えられるか?
そして副詞には、形容詞にはない大きな特徴があります。
それは「位置を動かせる」ことです。
では副詞の even をみていきましょう。
- Even the student cannot read French.
(その生徒でさえフランス語を読むことができない)- The student cannot even read French.
(その生徒はフランス語を読むことさえできない)
同じ even が名詞の前にも動詞の前にも置けます。
これは副詞の only でも同じです。
- Only the student can speak Spanish.
(その生徒だけがスペイン語を話す)- The student can speak only Spanish.
(その生徒はスペイン語だけを話す)
副詞の位置を変えると修飾する相手も変わります。
ところが形容詞では同じようにはいきません!
⭕ a tall man
❌ a man tall
こうなると、
🤔なんで副詞は位置を変えて動かせるん?
という疑問が湧いてくるはずです。
その理由として、
💡そもそも副詞は、名詞のカタマリに組み込まれていない!
ということが言えます。
もし名詞に取り込まれていれば、勝手に動くことはできないはずです。
逆に言えば、
✅副詞が名詞の隣から離れて動ける
↓
⭐副詞は名詞に取り込まれていないという証拠!
という構造が成立します。
only と even はちゃんと形容詞で使える
ここまでで only と even は「副詞」として使われるときのルールを確認しました。
ですが、この2つの単語は形容詞としても使えるんです!
まずは only から見ていきましょう。
🏷️限定用法の only:唯一の
https://en.wiktionary.org/wiki/only
- She is my only daughter.
(彼女は私の唯一の娘です ≒ 一人娘)- This is the only way.
(これが唯一の方法だ)
このように only は「唯一の」という意味で名詞のカタマリに入ります。
ここで注意ですが、形容詞 only は叙述用法(補語 C)では使えません。
❌ The way is only.
(📌形容詞 only は限定用法だけで使われます)
このように only が形容詞なら「冠詞 only 名詞」という語順で名詞のカタマリの一部になります。
では次に even を見てみましょう。
🏷️限定用法の even:均等な、偶数の
- an even number
(偶数=2で割った時に均等)- an even surface
(平らな面=凸凹していない)
🧲叙述用法の even:等しい、貸し借りのない
- The ground is even.
(地面が平らだ)- We are even.
(我々は貸し借りなしだ)
形容詞の even は限定用法でも叙述用法でも使えます。
これで形容詞としては「完全」な使い方ができるということです。
実はこの形容詞と副詞の even は意味が違うように見えますが、由来をたどると同じ語に行き着きます。
🧬even:古英語 efen(平らな、等しい)に由来
1️⃣ぴったり等しい(正確)⇒ 2️⃣まさにそれ(真実性)⇒ 3️⃣そんなものまで(強調)
(📌副詞形の efne(まさに、ちょうど)⇒ 16世紀頃に「強調(〜でさえ)」の意味へ発展したとされる)
https://en.wiktionary.org/wiki/even
ここまでの重要なポイントをおさらいします。
only や even の品詞が「形容詞なのか副詞なのか」を決めるのは、和訳したときに名詞を修飾しているかどうかではありません。
🥏名詞と文法的につながっている ⇒ 形容詞
📍名詞の近くに置いてあるだけ ⇒ 副詞
あくまでも品詞は文中での機能に合わせて決定するんです。
前置詞句が形容詞とされるケースもある
なお「前置詞+名詞」のカタマリも、形容詞として説明される場合があります。
- a man of courage(勇気ある男性)
- a man with a beard(ひげのある男性)
どちらも名詞のすぐ後ろで、その名詞を説明していますね。
ただし全体でみると、前置詞句は副詞としてのはたらきも多くあります。
そのため見た目だけでの判定がむずかしい場合があります。
🥏The man in the park was reading.
(その公園にいる男性は読書をしていた)
⇒ the man を説明しているので「形容詞」の役割📍I met the man in the park.
(私はその公園でその男性に会った)
⇒ 動作が起きた場所の情報なので「副詞」の役割
前置詞句の場合は、並び方だけでは判定できません😵💫
そういったケースでは、文の意味を読みとって判断することになります。
見た目で副詞と区別できない形容詞は多い
英文法書では、形容詞と副詞をはっきり区別して説明します。
それに見た目で区別できる単語も実際に多くあります。
- happy / important ⇒ 形容詞
- happily / importantly ⇒ 副詞
- happiness / importance ⇒ 名詞
ですが実際の英語には、見た目では区別できない語がたくさんあります。
- a fast car(形容詞)/ He runs fast.(副詞)
- a hard question(形容詞)/ He works hard.(副詞)
- the early bird(形容詞)/ He came early.(副詞)
とくに early は -ly で終わっているのに、副詞専用ではありません。
それなのに、なぜ英語の形容詞と副詞の区別はややこしいのでしょうか?
実はこれは英語だけの事情ではなく、ちゃんとした言語グループごとの特徴があります。
⭐英語、ドイツ語、オランダ語などのゲルマン語では、形容詞と副詞が同じ形になることがよくあります!
そしてさらに言うと、
⭐ラテン語やフランス語などでは、形容詞と副詞は基本的に違う形を持っている!
という特徴もあるんです。
そしてやっかいなことに…
🔤英語にはゲルマン系とラテン・ロマンス系の2系統の単語がたくさん入っています😵
それにより、形容詞と副詞の区別が見た目でできるものとできないものが混在するため、余計に英語学習者を混乱させている面があります。
そのため、形容詞を見分けるには、基本に忠実に「名詞につながるかどうか?」を判定する必要があるんです。
🧭形容詞のまとめと用語の整理
では形容詞のまとめに入りましょう。
この記事は、こんな疑問から始まりました。
- 状態や性質を表す言葉
- 名詞を修飾する言葉
形容詞の説明として、この2つが並んでいる。
しかも running(走っている)のような動作や、that I bought のような文まで形容詞として扱われている。
そして名詞を修飾しているように見える only や even は、なぜか副詞とされる。
ここまで読んでいただいた方には、もう答えが見えているはずです。
2つの説明は、どちらも正しかったんです。
- 『状態や性質を表す言葉』 ⇒ 形容詞の意味に注目した説明
- 『名詞を修飾する言葉』 ⇒ 形容詞の機能に注目した説明
そして古代ギリシャやローマの人たちは、この2つを結びつけていました。
- 性質や状態は、それ自体では存在できない
- だからそれを表す言葉も、単独では立てない
- だから必ず名詞にくっつく
🥏形容詞とは「名詞に投げ加えられるもの」
この定義が決まったことで、英語には大きな可能性が生まれました。
名詞につながるものは、すべて形容詞の仲間として扱えるということです。
- 語 … a beautiful flower
- 句 … a letter written in French
- 節 … the book that she bought
動詞から作られたカタマリも、SVを含む文でさえも、名詞につながれば形容詞のはたらきをします。
意味から始まった「形容詞」という品詞は、機能へと広がっていったわけです。
そして2000年前にギリシャ人とローマ人がつけた名前が、いまも英語の文法用語を説明しきっています。
- 語順
- 後置修飾
- 分詞
- 関係詞
これらの文法用語は、丸暗記するためのラベルではありません。
当時の人たちが見抜いた仕組みが、そのまま名前になっているんです。
形容詞の文法用語の早見表
ここからは参考情報としてご活用ください。
つながり方は2ルート
🏷️限定用法(attributive)… 名詞に直接つながる
- 前置修飾 … a cute kitty
- 後置修飾 … something hot / information available to us now
🧲叙述用法(predicative)… 動詞を橋渡しにしてつながる
- SVC(主語につながる)… This curry tastes good.
- SVOC(目的語につながる)… Your friends make you happy.
つながるサイズは3種類
1️⃣単語(word)
- a beautiful flower(限定用法)
- The flower is beautiful.(叙述用法)
2️⃣句(phrase)… SVを含まない2語以上
- something to eat(to不定詞)
- the man standing there(現在分詞)
- a letter written in French(過去分詞)
- a man of courage(前置詞句)
3️⃣節(clause)… SVを含む2語以上
- the man who lives here(関係代名詞)
- the house where I was born(関係副詞)
文法用語の対応
- 形容詞(adjective) … 名詞に投げ加えられるもの
- 限定用法(attributive) … 名詞のカタマリに取り込まれる使い方
- 叙述用法(predicative) … 補語 C として使う使い方
- 前置修飾(prepositive) … 名詞の前から説明する
- 後置修飾(postpositive) … 名詞の後ろから説明する
- 句(phrase) … SVを含まない2語以上のカタマリ
- 節(clause) … SVを含む2語以上のカタマリ
- 形容詞句(adjectival phrase) … 句が名詞につながったもの
- 形容詞節(adjectival clause) … 節が名詞につながったもの
- 定形動詞(finite verb) … 主語や時制で形が定まる動詞
- 非定形動詞(nonfinite verb) … 形が定まらない動詞(=準動詞)
迷ったときの判定手順
- その語(カタマリ)は、名詞につながっているか
- つながり方は、名詞に直接か(限定用法)、動詞を橋渡しにしてか(叙述用法)
- つながっているのは、語か?句か?節か?
ここまで知っておけば形容詞は完全制覇したも同じです😆
⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
英語の形容詞の解説なのに、ラテン語やドイツ語に進む流れに当惑されたかもしれません。
ですが日本語の「形容詞」と違って、ヨーロッパ言語の adjective には「名詞につながる」という文法上の役割が設定されています。
ここさえ押さえておけば、応用的な内容になる分詞や関係詞までちゃんと名詞と連動させて扱うことができます。
そして最後に、英語の品詞を見分けるときの原則を確認します。
💡品詞は意味でも見た目でも決まりません。どこにどうつながっているかで決まります。
これさえ持っておけば、形容詞で迷うことはなくなるはずです😉
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
ちょっとユニークな英語塾
志塾あるま・まーたは、楽しみながら英語を広く深く学べるオンライン英語塾です。
高校を半年で中退した塾長が、アメリカ留学中に人工言語エスペラントと出会ったことをきっかけに、ゼロから“世界で通用する英語力”を習得できました。
その学び方をベースに、統語論(Syntax)と意味論(Semantics)を組み合わせた独自の指導法を展開しています。
生成AI を使って論理的推論や自由な発想を展開する英語と日本語のプロンプトの作り方も一緒に学んでいきます。
さらにラテン語、フランス語、ドイツ語などヨーロッパ系言語の知識や、古英語・中英語・初期近代英語を含む英語史の視点も取り入れた、ちょっとユニークで本格派な英語学習法をご紹介しています。
世界のどこにもないみなさんオリジナルの英語学習をぜひ一緒に作っていきましょう😆

