みなさんは attribute の和訳がピンと来なくて困っていませんか?
辞書や参考書を見ると動詞 attribute A to B に対していくつか和訳が見つかります。
- AをBの結果と考える
- AをBのせいにする
- AをBのおかげと考える
- AをBに帰する
などのほかにもいろいろ見つかります。
さらに名詞としては、
- 属性
- 特性
という和訳が見つかります。
こうなら並べるだけでは attribute がいったい何を意味するのかよく分かりません😂
特に次の2つの動詞の和訳を並べて見ましょう。
- せいにする
⇒ 通常、悪いことにつかいます - おかげと考える
⇒ 通常、良いことにつかいます
このように正反対の意味が同じ一つの単語にあるようでヘンな感じがします。
そうなると…
🤔attribute ってバラバラの意味がある単語なんかな?
と混乱してしまいそうです。
でもご心配なく!
attribute の語源を知れば、安定して使える和訳を理解できます😊
🧩attribute の語源は「割り当てる」
まず attribute はラテン語(Latin)の起源をもつ英単語です。
🧬attribute:ラテン語の動詞 attribuō に由来
https://en.wiktionary.org/wiki/attribute
- ad- (~へ、~へ向けて*方向の接頭語)
- tribuō (割り当てる)
そして tribuō の意味を深掘りしてみましょう。
🧬tribuō:ラテン語の名詞 tribus(部族、民族)に由来
(📌英語で同じ意味の tribe にもつながる)
https://en.wiktionary.org/wiki/tribuo
なぜ attribute に「部族・民族」という意味が関係するのでしょうか?
それは古代ローマが様々な人々が住む広大な領土を支配する国だったことによります。
🐺古代ローマでは、国を運営するために、税や兵役を部族(tribus)ごとに「割り当てて差し出させる」という仕組みを導入していました。
この「(部族ごとに)割り当てる」というローマ人の国家運営が attribute の語源になっているんです。
そのため語源に忠実な和訳はこうなります。
✅attribute A to B ⇒「A を B へ向けて割り当てる 」
英語では attribute の意味は一点に定まっています。
ところが日本語だと「せいにする」「おかげである」「由来する」「帰する」と、意味が散乱してしまいます。
この記事が目指すのは、語源から意味を収束させて和訳を安定させることです。
🔴動詞 attribute は「帰属させる」が安定和訳
ここから attribute の和訳で最も安定して使えるものを見ていきましょう。
それは…
💡attribute ⇒(原因のありかへ)帰属させる
ではこの「帰属させる」がどれだけ便利かを実際にやってみましょう!
この一語を軸に置くと「せいにする/おかげである」の問題は一瞬で片づきます。
✅He attributed the failure to bad luck.
→ 帰属させた その失敗を 不運へ
→ 失敗(悪いこと)を不運に帰属
→ 自然な訳は「失敗を不運のせいにした」
✅She attributed her success to her parents.
→帰属させた その成功を 両親へ
→ 成功(良いこと)を両親に帰属
→ 自然な訳は「成功を両親のおかげと考えた」
実際の行動はどちらも同じ「帰属させる」です。
変わっているのは帰属させる「中身の価値(失敗or成功)」だけです。
ではなぜ「割り当てる」という和訳を使わないかというと…
💡動詞 attribute には「原因や由来がどこにあるかを指し示す」という強い働きがあるから!
そのためラテン語源の「割り当てる」よりもさらに踏み込んで「原因や由来を帰属させる」という和訳が一番安定して機能します。
そしてこの和訳の安定性の威力を一番発揮できるのが、次に見る受動態です。
受動態でも安定して機能する和訳を選ぼう!
ここが、この記事のいちばんの山場です!
この「帰属させる」という和訳が安定する理由をお伝えします。
それは、受動態(passive voice)に切り替えても意味が崩れないからです。
学術英語やニュース英語で頻出する、この形を見てください。
- The unfortunate result is attributed to poor planning.
(この残念な結果は、ずさんな計画の結果と考えられる)- His illness is attributed to overwork.
(彼の病気は過労が原因とされている)
他動詞 attribute は「be+過去分詞」で受動態になります。
そうなると「する・させる ⇔ される・させられる」という変換が起きます。
では実際に「A is attributed to B」の和訳が辞書や参考書でどうなっているか見てみましょう。
- AはBの結果と考えられる
- AはBのせいにされる
- AはBのおかげと考えられる
- AはBが原因とされる
これではどれを選んでいいのか分からなくなります😂
さらに混乱を広げているのは・・・
✅attribute A to B
⇒ AをBに帰する☑️A is attributed to B
⇒ AはBに帰する
といった be attributed to に「能動態(する)」のような和訳もよく紹介されていることです。
これでは「能動態 ⇔ 受動態」の和訳の切り替えがうまくいきません。
ですが「帰属させる」であれば、受動への変換は機械的にできます。
🔄帰属させる ⇔ 帰属させられる
ですので、英語の語順のまま左から読み下せます。
✅His illness is attributed to overwork.
⇒ 彼の病気は 帰属させられる 過労へ(≒彼の病気は過労が原因とされる)
この「帰属させる」は単に「分かりやすい訳」ではありません。
受動態の文でバラバラの和訳を覚えないようにするためなんです。
英語の動詞は受動態で使うことがよく起こりますから、動詞の意味を最初に覚える段階で安定する和訳を選ぶことが重要です。
(🔗能動態と受動態の詳しい解説はこちらの記事👇)

🔵名詞 attribute は「属性」が安定和訳
動詞の「帰属させる」が分かれば、名詞は簡単に理解できます!
冒頭で attribute の名詞に「属性・特性」という訳があると並べました。
これも同じラテン語源の「割り当てる」からそのまま応用できます。
- 動詞 attribute
⇒ 割り当てる(動き) - 名詞 attribute
⇒ 割り当てられて貼り付いたもの(結果)
ここで先ほどの「帰属させる」に対応させて…
💡属性(attribute)はそのモノに「帰属させられた性質」
という理解が可能になります。
- 動詞 attribute ⇒ 帰属させる
- 名詞 attribute ⇒ 属性
このように「属」という漢字のイメージを活かすと和訳も安定します。
文法用語の attributive は形容詞の限定用法
実は文法用語にも attribute(属性)は隠れています。
それは形容詞(adjective)の機能を示す用語として登場します。
英語の形容詞(adjective)には大きく2つの用法があります。
- 限定用法 ⇒ 名詞に直接くっついて、どの名詞か絞り込む
(a red ball*赤いボール、他のボールと区別する)- 叙述用法 ⇒ be動詞 などでつながり、その名詞について述べる
(the ball is red. *そのボールは赤い、と情報を述べる)
そしてこの「限定用法」が英語では attributive と呼ばれるものです。
つまり…
✨形容詞の限定用法(attributive)では、名詞に帰属して「名詞の属性」になる!
というわけです。
この場合は、形容詞によって名詞の意味が絞り込まれるために「限定」と和訳されます🤓
🐺おまけ|tribus から広がるローマ世界の言葉
ここからは attribute の語源であるラテン語 tribus(部族・民族) からローマ世界へ視点を広げていきます。
その理由は…
🌍ローマを知ることで、ラテン語源の英単語の本質を知ることができるからです!
先ほどの attribute の解説でもお伝えしたように、古代ローマは多様な人々が暮らす広大な領土を治める国でした。
その運営の要となったのが、部族(tribus)ごとに税や兵役を「割り当てて差し出させる」 という仕組みでした。
この「割り当てて差し出させる」からある区別が存在していることが分かります。
- 割り当てる側
⇒ 中央政府=ローマの権力者 - 差し出す側
⇒ 周辺の部族・民族=支配される人々
この「割り当てて差し出させる」仕組みから、いくつもの英単語が生まれています。
- 差し出す「もの」
- 差し出す「側」
- 割り当てる「方向」
それぞれが英単語になっているので、実際に見ていきましょう!
派生語の仲間|tribe / tribute / tributary
前半でも見たように、英語 tribe(部族・民族)は由来をたどるとラテン語 tribus(部族・民族)につながります。
これが「差し出すもの(税や兵役)」と「差し出す側(部族・民族)」の2つにつながります。
ではまず「差し出すもの」から見ていきます
🎁tribute(差し出すもの)
⇒ 部族が中央へ差し出した貢物・税(ラテン語 tributum)
ここから意味が広がって、現代では「敬意を差し出す(=賛辞・オマージュ)」にもなりました。
- pay tribute to(〜に敬意を表する)
- tribute album(尊敬するアーティストに捧げる作品)
そして次は「差し出す側」を示す言葉です。
🌍tributary(差し出す側)
- 朝貢国(tributary state):宗主国へ貢物を「差し出す」
- 支流:本流へ水を「差し出す」
古代中国では「朝貢」といって、周辺国が中華皇帝の住む朝廷へ貢物を差し出す仕組みがありました。
つまり、
💡tribute(貢物)を差し出す国が tributary state(朝貢国)
というわけです。
こうみるとローマと中国の統治が見事につながり、英語も日本語(漢語)も語源の意味が見事に機能しています。
接頭辞のつく仲間|contribution / distribution / retribution
ここからさらに「割り当てて差し出す」に「方向」を加えると、仲間を一気に増やすことができます。
この「方向」を追加する代表が、前半で見た「ad-(〜へ)→ attribution(帰属)」です。
つまり「割り当てる側(ローマ視点)」からの操作が attribute なんです。
これと同じように、他の「方向」を操作する「接頭辞」を使うと仲間が増えます。
実際にやることカンタンで「どこへ?どうやって?」という意味を加えるだけです!
- con-(一緒に)→ contribution(貢献・寄稿)
- dis-(バラバラに)→ distribution(分配・物流)
- re-(返して)→ retribution(報復・応報)
(📌品詞は動詞ではなく名詞で揃えています)
これらは同じ「割り当てて差し出す」に「方向を追加」しているだけです。
- contribution
⇒ みんなで持ち寄って差し出す(貢献・寄稿)- distribution
⇒ 各所へ散らして割り当てる(分配・流通)- retribution
⇒ 受けた分を差し戻す(応報・報復)
このように語源を詳しく知ると、きれいに整理して覚えることも可能です!
ですがここで注意点です!
⚠️スペルが同じだからと言って、語源まで同じとは限りません!
たとえば diatribe(辛辣な批判)には tribe というスペルが入っていますが「部族・民族」とは関係ありません。
その理由はラテン語源ではなく、ギリシャ語で「こする・すり減らす」を意味する言葉が由来です(相手を言葉で”すり減らす”イメージですね。)
語源学習の方針としては「🚫見た目だけで判断するのは禁止!」ぐらいでちょうどいいんです😊
⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
attribute の和訳はこんなにバラバラに見えていました。
- せいにする
- おかげと考える
- 帰する
- 属性
- 特性
ですがここまで来れば、もうバラバラには見えないはずです。
さらにそこから、
- 貢献(contribution)
- 分配(distribution)
- 応報(retribution)
まで仲間に加わりました。
これらは全部、ラテン語の tribus(部族)がローマの世界だけでなく、現代の英語までつながりを持っているからです。
では最後に attribute をガンジーの言葉として知られる一文でご紹介します。
The weak can never forgive. Forgiveness is the attribute of the strong.
『弱い者は決して許せない。許しは、強き者の attribute である。』
https://www.brainyquote.com/quotes/mahatma_gandhi_121411
みなさんなら、もうこの attribute を「属性」とすぐに読めるはずです。
そしてもう一歩、語源の含みまで感じ取ることもできるはずです。
💡許しとは、強さという在り方に割り当てられた(帰属した)性質である。
「強者が持っているもの」という以上に「強さに備わって離れないもの」という感覚が、attribute(帰属させる)の語源から浮かび上がってきます。
⭐歴史や文化から語源を理解し、それを魂のこもった名言や格言の深い理解へつなげる
これが遠回りに見えて実は近道の学び方です。
次に attribute に出会ったときは、もう辞書の訳を一つずつ探す必要はないと思います。
🤔この attribute は、何を、どこへ「帰属させて」いるんやろう?
――と考えるだけでいいんですから!
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
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世界のどこにもないみなさんオリジナルの英語学習をぜひ一緒に作っていきましょう😆


