みなさんは関係代名詞を勉強していて文法用語に戸惑った経験はありませんか?
おそらくよくみる関係代名詞の基本の解説は次のようなものです。
🧑🏫関係代名詞は接続詞と代名詞を合わせた役割をもち、名詞を詳しく説明します。
この説明だけならカンタンに見えますよね?
それなのにいくつもよく分からない用語が登場します😂
🔥関係(relative)
🔥先行詞(antecedent)
🔥形容詞節(adjective clause)
🔥格(case):主格、目的格、所有格
そうなると…
🤔こんなややこしい言葉ってホンマに必要なん?!
と思われる方も多いと思います。
もちろん、このような特殊な用語が使われる理由はちゃんとあるんです!
それは関係代名詞が「接続詞+代名詞」という説明では正しく捉えきれない仕組みを持っているからです。
この「関係代名詞=接続詞+代名詞」という解説は、初心者向けには都合がよいかもしれません。
しかし、この解説は言語学的に見れば非常に不正確と言わざるを得ません。
つまり、この解説を丸暗記してしまうと、関係詞が文の中で果たしている本当の役割が見えなくなり、関係詞を上級レベルで使いこなすことがほぼ不可能になってしまいます。
でもご心配なく!
関係代名詞は先ほどの「4つの文法用語」を深掘りすれば、自然に正体が分かるようになっているんです。
ではここから関係代名詞の文法用語をすべて論理的に解説することといたします😉
🌱関係代名詞をまず「代名詞」から理解する
関係代名詞は英語で “relative pronoun” といいます。
ですが関係代名詞に進む前にまず「代名詞(pronoun)」の意味を確認しておきます。
では代名詞の役割を日本語で確認しましょう。
✅代名詞は「名詞」の「代」わりに使う言葉
このように漢字の意味から理解して大丈夫です。
そして英語の代名詞 “pronoun” ですが、これはラテン語の prōnōmen(pro+nomen)から来ています。
- pro … ~の代わりに
- nomen … 名前・名詞
このラテン語をムリヤリ英語にすると “for noun” という感じになります。
そのため英語の pronoun は文字通り「名詞の代わりをする言葉」になります。
もちろん日本語の「代名詞」もこのラテン語に由来しています。
ではここから代名詞と関係代名詞のつながりに迫っていきます。
関係代名詞と関連する代名詞は2種類
おそらく英語の解説で「代名詞」と言われたら、まず I, you, he, she, it などが思い浮かぶはずです。
ところが、これらは正式には「人称代名詞(personal pronoun)」と呼ばれています。
つまり数ある代名詞のなかの一部にすぎません。
では英語でよく使う代名詞は6種類あるので確認しましょう。
- 人称代名詞 … I, you, he, she, it, we, they
- 指示代名詞 … this, that, these, those
- 疑問代名詞 … who, which, what
- 再帰代名詞 … myself, yourself
- 不定代名詞 … someone, anything
- 関係代名詞 … that, who, which, what
このように様々な名称が代名詞に存在するのにはちゃんと理由があります。
どれもみな、名詞を置き換える役割にあわせて名前がついているんです。
もちろん「関係代名詞」も名詞を置き換えるために使われます。
ではここでクイズです!
次の1~5の代名詞の中で、関係代名詞(that, who, which, what)と同じメンバーを持っているのはどれでしょうか?
- 人称代名詞 … I, you, he, she, it, we, they
- 指示代名詞 … this, that, these, those
- 疑問代名詞 … who, which, what
- 再帰代名詞 … myself, yourself
- 不定代名詞 … someone, anything
もうおわかりですね?
- 指示代名詞 … this, that, these, those
- 疑問代名詞 … who, which, what
- 関係代名詞 … that, who, which, what
見ればお分かりのように指示代名詞と疑問代名詞だけが関係代名詞とおなじ所属メンバーを持っています。
さらに言語学的に正確に言うと…
⚠️人称代名詞(he, she, it など)は、関係代名詞を理解するのには必要ありません。
その理由はカンタンです!
- 人称代名詞 … I, you, he, she, it, we, they
- 関係代名詞 … that, who, which, what
もはや所属メンバーが全く違うのは一目瞭然です😂
実際におなじ代名詞の仲間でも機能が違います。
🎭人称代名詞
⇒ 話し手の視点で置き換える(人称・数・性)👉指示代名詞
⇒ 話し手からの距離に合わせて指し示す(近い/遠い)❓疑問代名詞
⇒ 未知の情報を問う(誰?なに?どれ?など)
人称代名詞は関係代名詞と直接関係ありませんが、「話し手の視点から名詞を置き換える」という役割をしっかり覚えておいてください。
(🔗人称代名詞の詳しい文法解説はこちら👇)

ではここから関係代名詞とつながりのある2つの代名詞に焦点を向けましょう。
👉指示代名詞(demonstrative pronoun)
⇒ 「これ」や「あれ」と指す代名詞❓疑問代名詞(interrogative pronoun)
⇒「誰」や「どれ?」と問う代名詞
実際に例文をみていきましょう。
まずは指示代名詞です。
- That is my house.
(あれが私の家です)
次に疑問代名詞です。
- Who broke the window?
(誰が窓を割ったの?) - Which is yours?
(どれがあなたのもの?)
もうお分かりですよね?
🔗関係代名詞とつながるのは「指示代名詞」と「疑問代名詞」の2つ!
そうなると、この2つの代名詞は「関係代名詞」とどう関係しているのでしょうか?
ここから「関係(relative)」の意味を深掘りしていきましょう!
⬅️関係代名詞の “関係(relative)” の意味とは?
関係代名詞の正体を暴く1つ目のカギである「関係」の意味を見ていきます。
日本語で「関係」とだけ言われても「何と何が、どう関わっているのか」がいまいちわかりません。
これが日本の英文法で関係代名詞をわかりにくくしている原因の一つです。
そこで英語の “relative” の意味から本質から探っていきましょう。
🧬relative:ラテン語 referre の派生語 relativus に由来
⇒ referre は re-(戻って)+ ferre(運ぶ)=「戻って運ぶ」の意味(📌英語だと refer back(戻って参照する)が近い意味になる)
https://en.wiktionary.org/wiki/relative
このようにラテン語の由来から relative を解釈すると「(すでにある何かに)戻って参照する」という動作が見えてくるんです。
関係代名詞は「名詞に戻って参照する」
関係代名詞の「関係」の意味がわかると次の疑問が浮かんでくるはずです。
🤔関係代名詞って何に戻って参照してるんかな?
この答えを知るのは実は超カンタンです!
関係代名詞の文をただ語順通りに読んでいって「前に戻る」だけでいいんです。
そもそも「代名詞」は名詞を置き換えるものですから、関係代名詞も名詞に戻ることになります。
まずは that(それ)からやってみましょう。
✅I have the book that he gave me yesterday.
⇒ 私は 持っている その本を(それっていうのは…)彼が 与えた 私に 昨日
次に who(誰?)はこうなります。
✅I know the novelist who wrote the book.
⇒ 私は 知っている その小説家を(誰かというと…)書いた その本を
最後に which(どれ?)をみてみます。
✅I have the book which he gave me yesterday.
⇒ 私は 持っている その本を(どれかというと…)彼が 与えた 私に 昨日
このように that、who、which のどれが来ても、前に戻って、さっき出てきた名詞を指すだけで文が読めてしまいます。
しかしここで一つ疑問が湧いてきます。
そもそも関係代名詞には別の用語がすでにあります。
- 「指す」言葉である that
⇒ 指示代名詞 - 「問う」言葉である who や which
⇒ 疑問代名詞
それなのになぜどちらも「関係代名詞(relative pronouns)」と呼ばれるのでしょうか?
そこで必要になってくるのが「先行詞(antecedent)」です。
では、この先行詞の正体を次で詳しく見ていきましょう!
🪧先行詞(antecedent)って何?
ここから2つ目のカギになる「先行詞」に進みます。
おそらくほとんど日本の英文法解説では、先行詞は関係代名詞で初めて登場する用語だと思います。
ですが先行詞についてとても重要なことをお伝えします。
それは…
🔥(関係代名詞に限らず)代名詞が置き換える内容は「先行詞(antecedent)」と呼ばれます。
このことは実際に英語 Wikipedia にも書いてあります。
In grammar, an antecedent is one or more words that identifies a pronoun or other pro-form.
『文法において、先行詞(せんこうし)とは、代名詞やその他の代用形(※文中で別の言葉の代わりに使われる表現)が指し示す対象となる、1つまたは複数の言葉のことです。』
(📌関係代名詞だけに限定されたものでないことが重要です!)
Antecedent_(grammar) – Wikipedia
つまり先行詞は「参照される役割の言葉」の事なんです。
この理解は antecedent の語源からもそのまま裏づけられます。
🧬antecedent(ラテン語で「先に進むもの」)
https://en.wiktionary.org/wiki/antecedent
- ante …「前・先」
(📌午前を意味する a.m. は ante meridiem「正午の前」の略)- -cedent … 「進むもの」はラテン語 cedere(進む・行く)に由来。
(📌proceed=前へ進む、precede=先に行く、なども同じ仲間)
ここで一つ注意したいことがあります。
この「先」の意味は、語順として「先」に出てくるという意味でありません。
そもそも代名詞は「すでに登場した何か」を後からその内容を受ける言葉です。
つまり代名詞を使う時点で、参照する相手は、すでに先に登場しているというわけです。
そして「先行して登場しているもの」を代名詞が後から追いかけて指すことになります。
❌「先」⇒ 文の中で前に置かれる語順だから
⭕「先」⇒ 代名詞が参照する時点で、その相手が先に登場しているから
この順序を antecedent(先を進むもの)という言葉が表しているんです。
先行詞は品詞の仲間ではない
もう1つ、先行詞の理解でつまずかないための注意点です。
🔥先行詞は品詞の名前ではありません!!
先行詞には「詞」がついているため初見では品詞の仲間に見えるかもしれません。
- 名詞(noun)
- 動詞(verb)
- 形容詞(adjective)
- 副詞(adverb)
- 接続詞(conjunction)
- 前置詞(preposition)
- 先行詞(antecedent)… ❓
ですが先行詞はこの仲間ではありません。
そもそも品詞(part of speech)は「その語がどんな種類なのか?」を意味しています。
ところが先行詞は、語源の意味するとおり「先に登場し、後から参照される」という役割の名前です。
- 品詞 … 単語の種類の名前
- 先行詞 … 参照される役割の名前
つまり…
💡「先行詞」という特別な品詞があるのではなく「参照される役割」の言葉が先行詞と呼ばれる!
ということを覚えておいてください。
人称代名詞にも指示代名詞にも先行詞がある
先行詞が「参照される役割」だとわかると、とても大事なことが見えてきます。
先行詞は関係代名詞以外の代名詞でも使われます。
日本の英文法解説では、先行詞は関係代名詞でいきなり出現することが多いようなので注意してください。
まず人称代名詞をみていきます。
✅When John saw the dog, he petted it.
(ジョンがその犬を見たとき、彼はそれをかわいがってなでた。)
この文には2つの先行詞と2つの人称代名詞が登場します。
- John ⇒ he の先行詞
- the dog ⇒ it の先行詞
関係代名詞はどこにもありませんが、先行詞は人称代名詞に対応しています。
次に指示代名詞に進みましょう。
A: How about eating sushi for lunch?
(お昼、お寿司をたべるのどうかな?)B: Oh, I love that!
(お、それめっちゃええやん!)
このケースでは、指示代名詞の that(それ、そのこと)で先行詞の内容(eating sushi for lunch)を参照しています。
このように人称代名詞にも指示代名詞にも、ちゃんと先行詞はあるんです。
疑問代名詞には先行詞がない
ここで代名詞の先行詞について注意点です!
🔥疑問代名詞には先行詞はありません!
実際に例を見てみます。
A: Who will teach us mathematics this year?
(誰が今年、数学を教えてくれるのかな?)B: Sorry, I don’t know.
(ごめん、おれは知らへんわ)
この who は何かを参照しているわけではありません。
who は「誰?」と問うために「人」を尋ねる疑問代名詞として使われます。
その who の正体は相手から答えが返ってきて、はじめてそれが具体的に「誰か」が決まります。
つまり疑問代名詞の場合は、参照する相手である先行詞がそもそもこの世界に登場していないんです。
ここまでをまとめると、関係代名詞はほかの代名詞とは異なる仕組みで先行詞を持っていることが分かります。
ではここから関係代名詞の先行詞について詳しく見ていきましょう。
関係代名詞の先行詞は「2つの文が共有する名詞」
関係代名詞の先行詞には、はっきりした特徴があります。
それは…
💡関係代名詞の先行詞は2つの文が共有している名詞(≒名詞扱いのまとまり)になる
ということです。
関係代名詞の文は、もともと2つの文からできています。
- I know the novelist.
(私はその小説家を知っている)- The novelist wrote this book.
(その小説家がこの本を書いた)
この2文は the novelist という同じ名詞を共有しています。
この共有された名詞があるからこそ、2つの文を1つにつなげることができます。
- I know the novelist who wrote this book.
(私はこの本を書いた小説家を知っている)
ここが、人称代名詞や指示代名詞との決定的な違いです。
✅人称代名詞 / 指示代名詞
⇒ 前に出たものを指すだけ(1つの文の中でも、別々の文でもいい)☑️関係代名詞
⇒ 2つの文が共有する名詞を指し、その2文を1つにつなぐ!
関係代名詞の先行詞は、ただの「参照される名詞」ではありません。
2つの文に共有され、その2文をつなぐ結び目になっている名詞が、関係代名詞の先行詞になります。
この「2つの文をつなぐ」とき、関係代名詞には2つのパターンがあります。
👉that(指示代名詞と同じ形で一つだけ)
- This is the book that I bought.
(これは私が買った本だ)❓wh系(疑問代名詞と同じ形でいくつか種類がある)
- This is the writer who wrote the book.
(これがその本を書いた作家だ)
この2タイプはそれぞれの代名詞の特徴を流用しています。
👉thatは「指す」感覚を流用したつなぎ方
⇒ それっていうのは…❓wh系は「問う」感覚を流用したつなぎ方
⇒ だれか/どれかというと…
どちらのタイプであっても、2つの文が共有する名詞が連結部分になり、2つの文を1つにつなぐのが関係代名詞です。
しかし、ここで鋭い人は、こう思うはずです。
🤔2つの文を1つにつなぐなら、なんで接続詞って言わへんの?
実際に接続詞の and や because も2つの文をつなぎます。
では、関係代名詞と接続詞はいったい何が違うのでしょうか?
その違いを探るため、次のセクションでは形容詞節を深掘りしていきましょう。
🥏形容詞節(adjective clause)って何?
関係代名詞には「2つの文をつなぐ」という機能があります。
- This is the book that I bought.
- This is the writer who wrote the book.
(📌上の例では that や who より後ろが「形容詞節」になります)
ですが、このままでは「接続詞」との違いが見えてきません。
この問いに決着をつける3つ目のカギが「形容詞節(adjective clause)」です!
そのためにまず日本語の「形容詞」ではなく、英語の adjective の意味を知る必要があります。
英語の adjective を語源から学ぶ
みなさんはもうすでに英語の形容詞をご存じだと思います。
- beautiful(美しい)
- big(大きい)
といった「様子や性質を表す言葉」がすぐに思い浮かぶはずです。
そして日本語の「形容」という言葉からも「形状」や「容姿」に関する意味だと分かります。
ところが、英語 adjective の語源を見ると、まったく違う姿が見えてきます。
🧬adjective(ラテン語 adiectivum…「投げ加えるもの」)
- ad- … 「〜へ向けて」
(📌英語の前置詞 to とほぼ同じ意味)- -ject … 「投げる」
(📌project=前へ投げる、inject=中へ投げる、と同じ仲間)
この「~へ向けて投げる」という相手が「名詞」になります。
ですから形容詞は「名詞に向けて投げる」という意味なんです。
ここでスルドイ方はこんな疑問をお持ちかと思います。
🤔adjective には noun(名詞)は入ってないのに、なんで投げる先が名詞ってわかるん?
おっしゃる通りです!
実は英語の形容詞 “adjective” はラテン語から省略された形なんです。
🧬ラテン語での正式な形は nomen adiectivum です。
Adjective – Wikipedia
- nomen … 名詞
- adiectivum … 投げ加えられる
つまり「(名詞に向けて)投げ加えられる名詞」という意味で、ちゃんと「名詞(nomen)」が入っていました。
これはラテン語では2種類の名詞という分類になっていたことが理由です。
- nomen substantivum:自立する名詞
⇒ 英語の名詞(noun)- nomen adiectivum:(名詞に向けて)投げられる名詞
⇒ 英語の形容詞(adjective)
英語 adjective は、この後半(adiectivum)だけを取って短くした形なんです。
ですが、名前が分かれても大事な一点は変わりません。
形容詞の役割では「名詞へ向かって投げる」という点が重要です。
ちなみに、この ad-(〜へ向けて)がつく品詞の仲間に、adverb(副詞)があります。
- adverb … 動詞(verb)へ向ける
⇒「動詞へ」なら副詞- adjective … 名詞(noun)へ向けて投げる
⇒「名詞へ」なら形容詞
このようにラテン語由来の adjective と adverb は「向ける先」の品詞に合わせて作られた用語なんです。
この形容詞の語源が決定的に重要な理由は「名詞へ投げられる」という一点が、関係代名詞と接続詞を分ける決め手になるからです。
形容詞は情報を名詞に投げる言葉
ラテン語では形容詞を「名詞に向けて投げられる名詞」として分類していました。
ですが、私たちが英語を使う上で知るべきは「形容詞の役割」です。
はたらきに注目すると、形容詞はこう言い換えられます。
🥏形容詞とは、名詞に向けて情報を投げる言葉。
では実際に見ていきましょう。
- a red car
⇒名詞 car に「赤い」という情報を投げる - a kind teacher
⇒名詞 teacher に「親切な」という情報を投げる
この形容詞の「名詞に向けて投げる」という働きは、文法用語では「名詞を修飾する(modify)」と呼ばれます。
ここで、大事な発想の転換があります!
adjective という品詞は「名詞に投げる」という機能につけられた名前でした。
つまり beautiful(美しい)や kind(やさしい)のような単語の意味そのものは形容詞になることは関係ありません。
その理由はちょっと単語の形をいじると分かります。
- beautifully ⇒ 美しく(副詞)
- kindness ⇒ 親切さ(名詞)
もっというと…
- kind ⇒ 種類(名詞)
- kind ⇒ 親切な(形容詞)
という全く同じスペルで区別できません!!!
これらの例は「品詞が文の中での機能で決定する」ことを示しています。
だから形容詞(adjective)を品詞の機能として理解するとこうなります。
❌ 性質を意味する形容詞という単語だから、名詞を修飾できる!
⭕ 名詞を修飾する(名詞に投げる)から、形容詞(adjective)と呼ばれる!
だから辞書に「形容詞」と載っている単語でなくても、名詞を修飾すれば「形容詞」として扱われます。
句や節も「名詞に投げる」と形容詞
英語には単語だけでなく「2語以上の単語」を1つのカタマリとして扱う仕組みがあります。
このまとまりの区別には2種類あります:
- 句(phrase)
⇒ 2語以上のまとまり & 主語と動詞のセットを含まない- 節(clause)
⇒ 2語以上のまとまり & 主語と動詞をセットを含む
そして、この句と節は単語と同じように文の中での機能に合わせて品詞が割り当てられます。
だから英文法書をみてみると…
- 名詞句(noun phrase)
- 名詞節(noun clause)
- 形容詞句(adjective phrase)
- 形容詞節(adjective clause)
- 副詞句(adverb phrase)
- 副詞節(adverb clause)
というように「品詞+句/節」という用語が登場します。
ですがもしかすると…
🤔でも形容詞句や形容詞節って、ほんまに全部名詞に投げてんのかな?
と思われる方もおられると思います!
では実際に a dog という同じ名詞へ、いろいろな大きさの情報のカタマリを投げてみましょう。
🐶a sleeping dog(眠っている犬)
→ 現在分詞の単語(word)を投げる🐶a dog sleeping in the garden(庭で眠っている犬)
→ 現在分詞がつくる句(phrase)を投げる🐶a dog to walk with(一緒に散歩する犬)
→ 不定詞がつくる句(phrase)を投げる🐶a dog that I saw yesterday(私が昨日見た犬)
→ 関係代名詞がつくる節(clause)を投げる(📌文法用語としての adjective は投げる方向を区別しません。名詞に投げていれば、前からでも後ろからでも adjective と判定されます)
いかがでしょうか?
英語では、単語でも句でも節でも「名詞に投げるはたらき」をすれば、まとめて「形容詞的なもの」として扱われます。
- 単語を投げる → 形容詞
- 句を投げる → 形容詞句
- 節を投げる → 形容詞節
これは、ラテン語の伝統を受け継ぐ英文法をふくめ、ヨーロッパの言語に広く見られる考え方です。
ではこれを関係代名詞に応用します。
💡形容詞節とは「名詞へ投げられている主語と動詞のまとまり」を示す用語
そして関係代名詞が「形容詞節」をつくるということは…
🥏関係代名詞は「主語と動詞のまとまりを名詞へ投げる機能」を持つ!
という意味になるんです。
では、その関係代名詞が「投げる先の名詞」とは何でしょうか?
それは先ほど確認した「2つの文が共有する名詞」つまり先行詞(antecedent)です。
関係代名詞が「投げる先の名詞」が先行詞
ではここから関係代名詞を使って、主語と動詞のまとまりを先行詞へ投げてみましょう!
まず関係代名詞を使うには、2つの文で共有する名詞が必要です。
ですがここで注意です!
🚫「見た目が同じでも意味が違う単語」を共有する2つの文には、絶対に関係代名詞をつかってはダメです!
これを例でみてみましょう。
- Paris is the capital city.
(パリは首都です。) - London is the capital city.
(ロンドンは首都です。)
おなじ the capital city でも、実際に意味するものは違うので、関係代名詞でつなぐことはできません!
つまり重要なのは…
💡関係代名詞の先行詞になれるのは「意味も見た目も同じで2つの文で共有される名詞」だけ!
ではここから同一人物としての the novelist を2つの文に登場させます。
- We all know the novelist.
(私たちはみなその小説家を知っている。) - The novelist wrote this book.
(その小説家はこの本を書いた。)
この2文は the novelist という同じ名詞を共有しています。
これで関係代名詞を発動させる条件が整いました。
ここで関係代名詞をつかって2つの文をつなぐときの注意点が2つあります。
- 関係代名詞を使うときには、2つの文の役割として「主節(メイン)」と「投げる節(サブ)」を選ぶ必要があります!
- 関係代名詞には「投げる節(サブ)の先頭に置く」という規約があります!
(📌この「投げる節(サブ)」は正式には「関係節(relative clause)」と言います。)
つまりメインとサブの役割を入れ替えると2パターンのつなぎ方が生まれます。
ではこの2パターンを実際に作ってみましょう!
まず関係節(サブ)として使う準備として、共有名詞を関係代名詞 who に置き換えます。
- (メイン)We all know the novelist.
- (サブ)Who (←The novelist) wrote this book.
(📌the novelist は主語なので主格 who で置き換え)
そして関係節(サブ)を主節(メイン)の中にある先行詞の後ろに投げます。
- (メイン)We all know the novelist.
- (サブ)Who wrote this book.
⇒ We all know the novelist who wrote this book.
(私たちはみな、この本を書いた小説家を知っている)
ここまでが関係代名詞のつなぎ方の1つ目です。
では次にメインとサブを入れ替えて、2つ目のつなぎ方をやってみましょう!
まず関係節(サブ)として使う準備として、共有名詞を関係代名詞 whom に置き換えます。
- (サブ)We all know whom (←The novelist).
- (メイン)The novelist wrote this book.
(📌the novelist は目的語なので目的格 whom で置き換え)
次に関係代名詞 whom を関係節(サブ)の先頭に移動させます。
- (サブ)Whom we all know.
- (メイン)The novelist wrote this book.
関係代名詞が関係節(サブ)の先頭に移動することで、先行詞へ投げるための「まとまり」ができあがります。
そして関係節(サブ)を主節(メイン)の中にある先行詞の後ろに投げます。
- (サブ)Whom we all know.
- (メイン)The novelist wrote this book.
⇒ The novelist whom we all know wrote this book.
(私たちがみな知っているその小説家はこの本を書いた。)
先行詞のすぐ後ろに関係代名詞が来ることで、読み手は「次にこの名詞を説明するまとまりが来るぞ」と分かるんです。
このように関係代名詞は2つの文を共有名詞でつなぐので、どちらを主節(メイン)にするかで2つの文ができることになります。
- We all know the novelist who wrote this book.
(「私たちは知っている」をメインにする) - The novelist whom we all know wrote this book.
(「小説家が書いた」をメインにする)
もちろん、どちらも文法的に正しい文です。
さてここで別のことに注目してください。
さきほどの2つの文には「ある変化」が起きています。
- who … 関係代名詞の主格
- whom … 関係代名詞の目的格
このような違いは「格(case)」という文法の仕組みから生まれます。
次のセクションでは、この格が関係代名詞で重要になる理由を解説していきます。
🍂関係代名詞の格(case)は共有名詞の「役割」を教える
関係代名詞には who と whom という「格」の違いがありました。
この「格」が関係代名詞の正体を解き明かす4つ目にして最後のカギになります。
ではまず文法用語の「格(case)」の意味をしっかり押さえておきます。
🍂英語の文法用語「case」はラテン語で「落ちる」を意味する動詞である「cadere」から生まれた「casus」という名詞に由来します。
これは単語の形が変化することが「落ちる」ように解釈されたことによります。
文法用語の case には「場合」や「入れ物」と区別するために grammatical(文法の)がつく場合もあります。
🧬grammatical case(文法の格)
Grammatical case – Wikipedia
⇒ 文中での役割によって名詞・代名詞の形が変わる仕組み
この「格」による形の変化は人称代名詞に欠かせない機能です。
- 私(一人称単数)
⇒ I / my / me(私は/私の/私を) - 彼(三人称単数男性)
⇒ he / his / him(彼は/彼の/彼を)
そして代名詞の変化は、文の中での役割に対応して形が決まります。
- 主語の役割 → 主格(I, he)
- 名詞を所有する役割 → 所有格(my, his)
- 目的語の役割 → 目的格(me, him)
そして疑問代名詞にも同じ格があり、役割に対応する変化も同じです。
- 主格 who(誰が)
- 所有格 whose(誰の)
- 目的格 whom(誰を)
ここで用語について注意点があります!
⚠️whose は後ろに名詞をともなうため、文法書によっては「疑問形容詞」や「限定詞」に分類されることもあります。
この記事では関係代名詞に合わせて who / whose / whom を格のセットとして扱います。
そして便利なことに wh系の関係代名詞では疑問代名詞の格をそのまま使えます😆
関係代名詞の格は関係節の中での役割に合わせる
人称代名詞の格(I / my / me)は「文に登場する役割」をそのまま示します。
✅When I walked with my dog, she waved at me.
(私が私の犬と散歩していた時、彼女が私に手を振った。)
このように「私」を意味する代名詞が、文の中で「主語・目的語・名詞を所有」によって変化するのがわかります。
ところが、関係代名詞の場合は「格を選択する仕組み」がちょっと特殊です。
- who(主格)
- whose(所有格)
- whom(目的格)
🔄関係代名詞の格は「共有名詞の関係節(サブ文)での役割」に合わせて使います。
ここで先ほどのセクションで作った2文を思い出してください。
それぞれ関係節(サブ文)だけを抜き出して関係代名詞の置き換えをみてみます。
the novelist wrote this book
↓
who wrote this book(📌共有名詞はサブの文で wrote の主語 → 主格 who)
そしてもう一つのパターンも見てみましょう。
we all know the novelist
↓
we all know whom(📌共有名詞はサブの文で know の目的語 → 目的格 whom)
このように、関係代名詞は共有名詞が関係節でどんな役だったかに合わせて、形を使い分けます。
- サブ文で主語だった → who(主格)
- サブ文で目的語だった → whom(目的格)
ただし、1つ注意があります!
⚠️現代英語では、目的格でも who を使うことが増えています!
- the person whom I met(きちんと目的格)
- the person who I met(口語ではこちらも自然)
このように本来は目的語の役目なので whom ですが、日常的な英語では who で済ませることも多いのです。
とはいえ「目的格はちゃんと whom を使うべき!」という方もいますが、どちらも間違いではありません。
ちなみに私が大学にいた2000年代に、Political Science(政治学)の授業中に、ある生徒が関係代名詞 who を目的格の位置でつかった発言をしました。
そのときに教授が、
🧑🏫It is not who! WHOM!
とまずくぎを刺してから、返答したことが一度ありました😂
正式な用法が気になってしまうかもしれませんが、一番大事なのは、who/whom という形だけではなく、「共有名詞が関係節でどんな役割だったか」を常に考えることです。
これが関係代名詞を正しく理解し、使いこなすコツです!
それでは最後の格――所有格 whose には、さらに面白い仕組みになっているので次のセクションで解説していきます!
所有格 whose は「名詞’s」の置き換え
関係代名詞の格で、最後に残ったのが所有格の whose です。
この whose は who / whom とは違った仕組みを持っています。
まずは疑問詞 whose から確認しましょう!
Q: Whose book is this?
(これは誰の本ですか?)A: It’s my brother’s.
(それは兄のものです)
ここで注目してほしいのは、答え方です。
疑問文で使われる whose への答えは my brother’s になっています。
つまり…
💡疑問詞の whose は「名詞 ’s」を問う言葉
ということが分かります。
では、この対応関係をそのまま関係代名詞に応用してみましょう。
まずは、これまで通り共有名詞のある2文を用意します。
- We all know the novelist.
(私たちはみなその小説家を知っている)- The novelist’s book became a bestseller.
(その小説家の本がベストセラーになった)(📌この2文では the novelist を共有しています。)
ここで2つ目の文をよく見てください。
共有名詞は the novelist’s という形で book を所有する役割になっています。
ですから、置き換える関係代名詞は所有格の whose です。
The novelist’s book became a bestseller.
↓
Whose book became a bestseller.
あとはこれまでと同じで、関係節(サブ)を先行詞の後ろに投げるだけです。
✅We all know the novelist whose book became a bestseller.
⇒ 私たちはみな知っているその小説家を(誰のかというと…その人の)本はなったベストセラーに(📌疑問詞「whose=誰のもの?」と同じ意味が流用できます)
ここで、whose のとても分かりやすい特徴が見えてきます。
whose のうしろには、冠詞をつけずに名詞が直接くっつきます!
⭕ the novelist whose book became a bestseller
❌ the novelist whose the book became a bestseller
これは不思議でも何でもありません。
そもそも whose が置き換えたのは the novelist’s という「名詞’s」の形でした。
そして、この ’s はもともと名詞に直接くっつく形です。
⭕ my brother’s book
❌ my brother’s the book
だから、それを置き換えた whose も名詞に直接くっつくというわけです。
💡所有格 whose は「名詞’s」を置き換えたものなので、後ろに冠詞なしで名詞が直結します。
(📌 ’s は古英語の属格(genitive)という格の名残です。属格は「所有」だけでなくもっと広い役割を持っていました)
(🔗主格、所有格、目的格そして属格などの文法用語の格(case)を歴史の変化から説明を知りたい方は次の記事をどうぞ👇)

所有格 whose と his/her は「選ぶ基準」が違う
ここで、所有格つながりで一つ確認しておきたいことがあります。
それが人称代名詞の所有格(his や her)です。
👨The novelist’s book became a bestseller.
⇒ His book became a bestseller.
このように、the novelist’s は his(彼の)に置き換えることもできます。
ですが、ここで人称代名詞の原則を思い出してください。
🎭人称代名詞
⇒ 話し手の視点で置き換える(人称・数・性)
ここで his を選んだ理由は「その小説家が男性だから」です。
つまり、話し手が対象をどう見ているかで形が決まります。
もし小説家が女性なら、当然こうなります。
👩The novelist’s book became a bestseller.
⇒ Her book became a bestseller.
ところが、関係代名詞の whose はどうでしょうか。
- We all know the novelist whose book became a bestseller.
この whose は、小説家が男性でも女性でも whose のままです。
それは、共有名詞(the novelist)が関係節の中で book を所有する役割(‘s)だったからです。
ではこの2つの所有格の決定的な違いをまとめます。
✅人称代名詞(his / her)
⇒ 話し手の視点(性・数・人称)で形が決まる☑️関係代名詞(whose)
⇒ 関係節の中での役割(所有)で形が決まる
関係代名詞の格が示していたもの
ここまでで、関係代名詞の格について確認してきました。
- 主格 who … 関係節で主語の役割
- 目的格 whom … 関係節で目的語の役割
- 所有格 whose … 関係節で名詞を所有する役割
関係代名詞の格を学ぶと、結果的に1つの本質に帰ることになります。
🔥関係代名詞の格は「2つの文が共有する名詞が、関係節の中でどんな役割を果たしていたか」を示している。
そしてこの「格」を学んだことで、みなさんはあるナゾを書き換える準備ができました。
それが冒頭で登場した‥‥
⚠️関係代名詞は接続詞と代名詞を合わせた役割をもちます。
という、あの説明です。
では次のセクションで、最後の決着をつけましょう!
⚡️関係代名詞と接続詞の決定的な違い
ここで最初の問いに戻って確認しましょう。
🤔関係代名詞が2つの文をつなぐなら「接続詞+代名詞=関係代名詞」ではないの?
これに対する言語学的に正確な回答は、冒頭でも述べた通り「No」だとはっきりしています。
これを論証するために、これまで4つカギとなるの文法用語を集めてきたんです。
- ⬅️関係(relative)… 前に戻って参照する
- 🪧先行詞(antecedent)… 2つの文が共有する名詞
- 🥏形容詞節(adjective clause)… その名詞へ投げられる主語と動詞のまとまり
- 🍂格(case)… 共有名詞が関係節で果たしていた役割
どれもみな「2つの文が名詞を共有している」という一点から出てきた用語です。
そしてこの4つの用語が、関係代名詞と接続詞を判別する基準そのものになります!
接続詞は2種類|等位接続詞と従属接続詞
まず、接続詞そのものを整理しておきましょう。
接続詞には大きく2つの種類があります。
✅等位接続詞(coordinating conjunction)
⇒ 対等なものを並べてつなぐ
(例:and, but, or など)☑️従属接続詞(subordinating conjunction)
⇒ 節をつくって、主節の中に組み込む
(例:that, because, when, if など)
まずは等位接続詞(and, but, or)から確認しましょう。
この仲間は、品詞を選ばずに何でも並べます。
- bread and butter(パンとバター)
⇒ 名詞と名詞- cheap but useful(安いが役に立つ)
⇒ 形容詞と形容詞- slowly and carefully(ゆっくりと慎重に)
⇒ 副詞と副詞- sing and dance(歌って踊る)
⇒ 動詞と動詞- in the box or on the desk(箱の中か机の上か)
⇒ 句と句- Mario is here and Luigi is over there.
(マリオはここにいて、ルイージはあそこにいる)
⇒ 節と節(*個別では文になります)
このように等位接続詞はなんでもつなぐように見えますが、つなぐ場合には「一つの条件」があります。
それは「いつも同じ種類のものを並べる」ということです。
つまり、
- 名詞は名詞と並べる
- 動詞は動詞と並べる
- 句は句と並べる
- 節は節と並べる(*個別では文になります)
というようにつなぐ必要があります。
ですので次のような文は意味を成立させられません。
❌ bread and carefully(パンと慎重に)
つまり…
🤝等位接続詞は「対等なもの」を並べる語であり、だからこそどちらも「対等な関係」になる。
一方で、関係代名詞は「関係節を名詞に投げる」という機能を持っていました。
つまり「主節(メイン)と関係節(サブ)」という上下関係が文の中にあるんです。
ですから関係代名詞と比べるべきなのは、上下関係を作る「従属接続詞」のほうになります。
では、従属接続詞がつくる節を見ていきましょう。
☑️I stayed home because it rained.
(私は家にいた、なぜなら雨が降ったから)
この because のつくる従属節が、文の中で何をしているか確認しましょう。
- 主語になっていない
- 目的語になっていない
- どの名詞にも投げられていない
つまり文の骨格に組み込まれていません。
実際、この節は位置を動かすことができます。
☑️Because it rained, I stayed home.
(雨が降ったので、私は家にいた)
これは now のような副詞と同じ使い方になります。
- Now I understand.
- I understand now.
ですので、この because のつくる節が「副詞節」として解説されることになります。
そして、この副詞節をつくるものが従属接続詞の多数派です。
- when he arrived(彼が到着したとき)
- although it was cold(寒かったけれども)
- while you were out(あなたが出かけているあいだ)
というにように、どれも文の骨格に入らず、外側から情報を追加します。
ですが、従属接続詞の中には「名詞」の役目を果たすものもあります。
その代表が接続詞 that です。
☑️I know that he is a doctor.
(私は彼が医者だと知っている)
この that節は know の後ろで目的語の位置にあります。
そもそも品詞は、文の中でどう働いているかで決まるのでした。
そのため、
💡主語や目的語の位置にあるものは、名詞としての働きをもつ
(📌名詞の担当する役割はもっと広いですが、代表的なものが主語と目的語です)
と解釈されます。
ですから that節は目的語として名詞と同じ位置に置かれます。
- I know the truth.
- I know that he is a doctor.
(📌意味は違いますが、入っている場所は同じ目的語の位置です。)
では、主語の位置でも確かめてみましょう。
- The rumor is true.
(その噂は本当だ)- That he lied is obvious.
(彼が嘘をついたことは明白だ)(📌こちらも同じく that節と名詞が主語の位置に入っています。)
ここまでの等位接続詞と従属接続詞の使い方をまとめます。
- 等位接続詞は同じ役目のものをつなげる!
- 従属接続詞がつくる節は「名詞節」か「副詞節」の2種類しかない!
これで、決定的な事実がわかります。
🔥接続詞には形容詞節をつくる機能がない!
一方、関係代名詞の機能は形容詞節つまり「名詞へ投げられる節」をつくります。
ですので、従属接続詞と関係代名詞の役割分担はこうなります。
- 名詞節を作る ⇒ 従属接続詞
- 副詞節を作る ⇒ 従属接続詞
- 形容詞節を作る ⇒ 関係代名詞!
そもそも「文をつなぐ」という役目が接続詞だけのものではない、というのが事実です。
つまり接続詞は名詞へ投げることはありません。
名詞へ節を投げられるのは、関係詞だけなんです。
というわけで…
😲「文をつなぐ=接続詞」という理解では足りんかったんや!
😆サブの文を名詞に投げられるからこそ関係代名詞って呼ばれるんか!
というまとめになります。
接続詞には「共有する名詞」が必要ない
形容詞節は関係代名詞につくれても、接続詞にはつくれません。
同じ名詞を共有する文があり、それを先行詞にするのが関係代名詞だからです。
では、接続詞はどうでしょうか?
接続詞は「共有名詞」がなくても文をつなぐことができます。
ではもう一度、等位接続詞の例を見てください。
☑️Mario is here and Luigi is over there.
2つの節がつながった文を2つに分けてみましょう。
- Mario is here.
- Luigi is over there.
この2つの文に共有している名詞はありません。
マリオとルイージは別人ですし、here と over there も別の場所です。
それでも and は平気で2文をつなぎます。
この仕組みは従属接続詞でも同じです。
☑️I stayed home because it rained.
この文を2つに分けてみましょう。
- I stayed home.
- It rained.
当然、共有される名詞はありません。
それでも because は2文をつなぎます。
つまり、
🔥接続詞は、共有名詞がない2つの文をつなぐことができる
⇒ 名詞とのつながりがないので形容詞節にならない
ということになります。
同格の that は名詞節をつくる
ここで、関係代名詞の that とまぎらわしい形をひとつ見ておきましょう。
⚠️I know the fact that the war ended.
(私はその戦争が終わったという事実を知っている)
ここでは the fact という名詞のうしろに、that節が続いています。
一見すると関係代名詞の that に見えますが、これは「同格の that」と呼ばれる名詞節をつくる接続詞になります。
接続詞 that(同格)と関係代名詞の that では、実際の役割が違うんです。
この2つの違いを解説する前に、まずは文法用語の「同格」から確認しましょう!
そもそも「同格」とは英語の apposition の和訳で、忠実に和訳すると「並置」という意味になります。
🧬apposition(同格 ⇒ 並べて置くこと、並置)
- ap- … ad-(〜へ向けて)が変化した形
- -position … 置くこと
(📌通常、名詞が並んで使用されることを示す用語)
https://en.wiktionary.org/wiki/apposition
つまり同格の that とは「名詞の後ろに名詞と同じ立場のものが並べるために接続詞 that を使う」という意味になります。
これを文法的に説明すると、
💡名詞の後ろに接続詞 that がある場合は、その that は同格と呼ばれる名詞節を作っている!
ということになります。
ここまで見ると文法用語はややこしいですが、見分け方はカンタンです😉
元の2つの文に戻してしまえばいいんです!
では、実際に2つの文に分けてみましょう。
⚠️I know the fact that the war ended.
- I know the fact.(私はその事実を知っている。)
- The war ended.(その戦争は終わった。)
the fact が登場するのは1だけで、2には the fact がありません。
つまり the fact は、2つの文が共有する名詞ではないんです。
では、無理やり2の文に the fact を入れてみましょう。
❌The war ended the fact.(戦争がその事実を終わらせた)
(📌文法上は強引に作れても、意味が成立しません!)
ここで重要になってくるのが、先ほどの「同格(名詞を並べる)」の意味です。
この同格の that は、前に並んでいる名詞(the fact)の中身を文で説明する役割をもちます。
- the fact(事実)
⇒ それだけでは中身が分からない- that the war ended(その戦争が終わったこと)
⇒ その事実の中身を文で説明している(📌名詞を置き、その名詞の内容を説明する that 節を並べる)
これが文法上は「名詞と同じ立場のものが並んでいる」と解釈されます。
そのため「名詞+名詞節 that」が並ぶ構造が「同格(apposition ≒ 並置)」と呼ばれているんです。
では最後に2つの違いをまとめます。
- 名詞へ投げる節をつくる that ⇒ 関係代名詞
- 名詞と並ぶ節をつくる that ⇒ 接続詞(同格)
これが同格の that がつくるのは形容詞節ではなく名詞節と解説される理由です。
これで接続詞と関係代名詞の担当する役割がそれぞれわかりました。
- 名詞節を作る ⇒ 従属接続詞(同格の that はここ!)
- 副詞節を作る ⇒ 従属接続詞
- 形容詞節を作る ⇒ 関係代名詞(関係代名詞の that もある!)
ここまでくれば「関係代名詞=接続詞+代名詞」という覚えることのリスクがすこしずつ見えてくると思います。
💣「関係代名詞=接続詞+代名詞」は成立しない
では、いよいよ冒頭で確認した「説明」に戻りましょう。
🧑🏫関係代名詞は接続詞と代名詞を合わせた役割をもちます。
この説明にしたがって、実際に文を作ってみます。
まずは2つの文を用意します。
- We all know the novelist.
- He wrote this book.
ここでのポイントは he という人称代名詞を使うことになります。
the novelist が女性なら she かもしれませんが、とりあえず he を置くことにします。
そしてまず「接続詞+代名詞」の文を作ることになります。
☑️We all know the novelist and he wrote this book.
(私たちはみなその小説家を知っていて、そして彼がこの本を書いた)
この文だと「等位接続詞(and)+人称代名詞(he)」を使っています。
そしてここから「and + he」を関係代名詞 who に置き換えます。
- We all know the novelist and he wrote this book.
↓- We all know the novelist who wrote this book.
どうでしょうか?
🤔あれ?ちゃんと成立してるやん?これではアカンの?
と思われる方もおられるでしょう。
これだけを見れば「who = and + he」で説明できているように思えます。
ところが、このアプローチには大きな落とし穴があります。
それは「接続詞+代名詞」をつくってから関係代名詞に置き換えていることです。
このアプローチの問題点を別の文を作って試してみましょう。
☑️The novelist who wrote this book lives here.
(この本を書いた小説家は、ここに住んでいる)
主語である the novelist に who がつくる関係節が投げられています。
ではこの文の元になるはずの「接続詞+代名詞」に戻してみましょう。
❌The novelist and he wrote this book lives here.
⇒ これでは文として成立しません!
成立しない文を出発点にして、置き換えだけ進めることはできません😵💫
この置き換えが破綻する理由はすでに確認しています。
- 等位接続詞(and)… 対等なものを並べる
- 関係代名詞(who)… 名詞へ節を投げる
ですから等位接続詞 and でつなぐ場合、2つの文は必ず横に並びます。
先ほど「接続詞+代名詞」で成立したように見えたのは、たまたま文の最後に置いたからです。
⭕We all know the novelist and he wrote this book.
⭕We all know the novelist who wrote this book.
ところが関係代名詞は名詞(先行詞)に節を投げます。
そして、投げられた節(関係節)は、名詞のすぐうしろにくっつきます。
だから主語 the novelist と動詞 lives のあいだにも入り込めるのです。
このように、文の途中に関係代名詞を置いた瞬間に「接続詞+代名詞」の置き換えは成立しなくなります。
⭕The novelist who wrote this book lives here.
❌The novelist and he wrote this book lives here.
いかがでしょうか?
そもそもの話として・・・・
✨関係代名詞は「共有名詞をもつ2つの文があり、一方を関係節にして主節の先行詞に向けて投げる」という仕組み以外では機能しない
という点はしっかり理解しておいてください😉
人称代名詞が「代名詞」に変わっていませんか?
ここまで「接続詞+代名詞」の置き換えが構造として成立しないことを見てきました。
ですが、この説明にはもう一つ、根本的な問題があります。
冒頭のセクションを思い出してください。
英語でよく使う代名詞は6種類ありました。
- 人称代名詞 … I, you, he, she, it, we, they
- 指示代名詞 … this, that, these, those
- 疑問代名詞 … who, which, what
- 再帰代名詞 … myself, yourself
- 不定代名詞 … someone, anything
- 関係代名詞 … that, who, which, what
そして関係代名詞とつながるのは、指示代名詞と疑問代名詞でした。
その理由は所属メンバーが同じだからでした。
ところが「接続詞+代名詞」の説明では、なぜか人称代名詞(he や she)が登場します。
そもそものズレは「代名詞=人称代名詞」という前提が、いつのまにやら固まってしまっていたことにあると思います。
では、人称代名詞を使うと何が起こるのか、先ほどの文で実際に見ていきましょう。
👨We all know the novelist and he wrote this book.
👩We all know the novelist and she wrote this book.
そもそもこの文で人称代名詞を使うには、一つ条件があります。
その小説家が男性か女性か、区別されていなければなりません
ところが、関係代名詞のほうはどうでしょうか。
☑️We all know the novelist who wrote this book.
(📌男性/女性は区別されず who のまま)
そもそも関係代名詞 who / whom / whose / that には、性別の情報がないんです。
もし仮に「関係代名詞=接続詞+代名詞」の変換が可能だとしても、性別が分かることが必要条件になるはずなんです。
さらにもう一つ、別の文で試してみましょう。
☑️We are the novelists who wrote this book together.
(私たちは、この本を一緒に書いた小説家です)
これを「接続詞+代名詞」に変換してみます。
- We are the novelists and we wrote this book together.
ここで使えるのは we だけで、he も she も they も使えません。
なぜなら、話し手が自分自身を含めているからです。
もっというと先ほどの文は、代名詞 we を省略するのが自然です。
- We are the novelists and wrote this book together.
(私たちは小説家で、この本を一緒に書きました)
この等位接続詞 and が並べているのは、次の2つです。
- are the novelists
- wrote this book together
主語 we からつながる2つの動詞が並びます。
ここまでのズレは、すべて同じ原因から来ています。
🎭人称代名詞(he / she / we)
⇒ 話し手の視点(人称・数・性)で形が決まる🥏関係代名詞(who / whom / whose)
⇒ 関係節の中での役割で形が決まる
これらはそもそも使用する基準がまったく違う代名詞です。
だから「関係代名詞=接続詞+代名詞」という置き換えが成立するわけがないんです。
英文法に「接続代名詞」が存在しない理由
ここまでくれば「関係代名詞=接続詞+代名詞」という変換が機能しないことはお分かりいただけると思います。
そして、それを裏づける事実が「英文法用語」そのものにあります。
まず、これらの単語を見てください。
- however(しかしながら)
- therefore(したがって)
- moreover(さらに)
どれも「前の文を受けて、次の文につなげる」という働きをもちます。
意味の上では、接続詞とよく似ていますが、これらの品詞は接続詞ではなく副詞です。
その理由は、もともと副詞としての機能が強いものの、実質的には文をつなぐ位置にも置かれることがあるからです。
そこで英文法は、この仲間にちょっと無理をして次のような名前をつけました。
🔥接続副詞(conjunctive adverb)
(📌「文を接続する役割もある副詞」という意味)
ここで注目してほしいことがあります。
英文法は、必要があれば「接続◯◯」という名前をちゃんと作るということです。
では、関係代名詞はどうでしょうか。
もし関係代名詞が本当に「接続詞+代名詞」の機能をもつなら、何と呼ばれるでしょうか?
もうお分かりですよね?
⚠️接続代名詞(conjunctive pronoun)
(🚫この用語は英文法に存在しません!)
あえて作ろうと思えば作れたはずの名前が、存在していません。
正統な用語は使われているのは、この名前でした。
🥏関係代名詞(relative pronoun)
(📌接続ではなく関係させる代名詞)
ここまで確認した役割分担を思い出してください。
- 名詞節を作る ⇒ 従属接続詞
- 形容詞節を作る ⇒ 関係代名詞
- 副詞節を作る ⇒ 従属接続詞
接続詞と関係代名詞は、そもそも作るものが違いました。
だから名前も違うのです。
- 接続の機能を持つ副詞 ⇒ 接続副詞
- 前に戻って参照する代名詞 ⇒ 関係代名詞
どちらの用語も、その語が何をしているかを表しています。
つまり…
✨英文法の用語は、その語が持っている機能や役割に合わせて名前が付けられる!
文法用語をしっかり理解すると、関係代名詞の仕組みは自然に見えてくるんです。
⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
ここまで見てきたとおり、文法用語には理由があります。
- 何に戻って参照するのか?(⬅️関係)
- 参照される名詞は何か?(🪧先行詞)
- その節はどこへ投げられるのか?(🥏形容詞節)
- 共有名詞はどんな役割だったのか?(🍂格)
この4つは、すべて「関係代名詞」という名前から出てきたものでした。
もともと関係代名詞や接続詞という文法用語は、文章の論理構造や情報構成を識別するために意味があってつけられた言葉です。
ギリシャ・ローマの伝統を受けつぐラテン語から作られた文法用語はヨーロッパ言語の共通するフレームワークとして機能しています。
そのため、ドイツ語やフランス語では、関係代名詞は文をつくる基本の仕組みとして機能しています(もちろんそれぞれの言語特性による差異はあります)。
日本語文法には無い関係代名詞は、日本語話者にとって最初は異質に見えるかもしれません。
しかし視点を変えれば、
🌈日本語にない関係代名詞だからこそ「ヨーロッパ言語の世界へつながる懸け橋」になってくれる大きな可能性を秘めている😊
と考えることができる思います。
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
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