友達と一緒に京都嵐山にある龍安寺にいってきました。
この日はあいにく祇園祭の真っ最中で京都まで20kmも渋滞にはまってしまいました・・・。
こういう大きなお祭りや桜、紅葉の季節のたびに京都の人たちがうらやましくなります。
石庭の Rock Garden
龍安寺といえば石庭です。
ただ石が配置されているだけの庭にみえるのですが、それをどう見るかはその人次第。
パンフレットにもこのように記されています。
「極端なまでに象徴化されたこの石庭の意味は謎に包まれており、見る人の自由な解釈にゆだねられています」
この石庭は子供の遊びではなく、禅を極めようとした僧侶や権力者が全力で作り上げたものです。
「権威を誇る」「弱者を威圧する」ような建物とは程遠いこの石庭が世界遺産となり世界中の人々に問いかけているのは、龍安寺創建当時から禅僧がここで向き合ってきた問いとあまり変わらないのかもしれません。
「石庭の謎 Puzzle of Stone Garden」として次の4つが載っています
- 刻印 Curving
- 作庭 Design
- 遠近 Perspecitve
- 土塀 Earthened Wall
吾唯足知 “I learn only to be contented”
龍安寺の石庭があまりにも有名なため、それに隠れがちなのですが「吾唯足知」が彫られたつくばいのほうに心を惹かれます。
吾唯足知(われただたるをしる)は英語では ” I learn only to be contented. “となっています。
自分でこれで満ち足りているということに納得できないなら、いつまでたっても平穏は得られない。
これを貧乏人がやっかみでいうのならわかる気もします。
しかし日本では時の権力者があえて小さな茶室をつくったりと、決して力のあるものが自らを大きく見せることばかりに終始するわけではない文化が感じられます。
禅の精神 Zen Mind
地球はひとつで世界の人々で共有しているものです。
足りないから奪うのでなく、自分の納得できる「足る」をそれぞれが見出す。
そしてそれが「友人を傷つけない」ものであれば、それでいいのかもしれません。
でもここでの「足る」とは「もの」ではなく「こころ」のことだとおもいます。
よく現代社会は「もの」は足りているけど「こころ」は足りていない、という方がいます。
しかし、それは結局、「こころ」であれ「もの」であれ「自分が足りているか?」だけを問い続けること自体が、自分を追い詰めているのではないでしょうか?
一番足りていないのは、みんなで支えあうために、自分を少し犠牲にする不都合を受け入れる覚悟ではないでしょうか?
仏教には「諸法無我 Non-self」という思想があります。
「自分という絶対的なものはなく、いろんなもの同士の関わり合いの中で自分がある」という考えです。
無我の仏教。その禅寺での「吾唯足るを知る」。
もしかしたらこのメッセージは「すべての人、ものはそれぞれの足るを知り、奪い合わず調和するべし」なのかもしれません。
龍安寺に関する英語表現
石庭:Rock Garden
この枯山水庭園(dry landscape garden)自体で世界遺産(World Heritage)の一つにもなっているようです。
虎の児渡しの庭 / tiger taking the cubs over the stream garden
石庭の別名だそうです。
七五三の庭 / seven-five-three garden
こちらも石庭の別名とのこと。
方丈 / Hojo (Abbot’s Hall)
abbot は修道院長のことです。禅寺は修道院的な性格が強いのか「zen monastery」と英語圏で呼ばれているのをよく見ます。
開山堂 / Founder’s Hall
開基は義天玄承禅師(Zen priest Giten Gensho)です。
禅僧 / Zen monk
monkというとキリスト教の修道士ですね。ちなみに少林寺の僧は「shaolin monk」です。ちなみにイスラム教の修道士は「Dervish ダルビッシュ」です。
禅の公案 / zen koan riddle
臨済宗では公案といって師弟同士のなぞかけ(riddle)があるそうです。
普通に考えると馬鹿げたものも多く、逆にそうすることによって「言葉で表現できること」の浅はかさを認識するのが目的です。
これがいわゆる「禅問答」です。禅の「不立文字 ふりゅうもんじ」とは本質的なことは文字にできない、という意味です。
つくばい(蹲、蹲踞)/ stone wash basin for the tea room
茶人:tea master
足利将軍の管領: Deputy to the Ashikaga Shoguns
龍安寺は管領の細川勝元によって創建されています。
deputy は「副~」を意味する言葉で deputy director のように使います
室町時代:Muromachi Period
応仁の乱:Onin War
「乱」とは権力者への反抗を表します。
「変」はクーデターなどで「役」は異民族との戦いです。
これらは中国の思想から来ているので英語では表現しにくいです。
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