昔の英語っぽい FF12 和訳と文法解説(憤怒の霊帝アドラメレク編)

Adrammelech, the Wroth / 憤怒の霊帝アドラメレク 英語をゲームで学ぼう

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Adrammelech, the Wroth / 憤怒の霊帝アドラメレク

Ultimate Attack: Judgment Bolt / 裁きの雷

“Emperor among the scions, able to reduce to nothing aught he strikes with a single vengeful blow of his fist, created in opposition to Deudalephon the Benevolent, scion of light. Though he was made by the gods to quell the fiends that raged in the Otherworld, his immense strength and fearsome visage drew the fiends to his side, and turned him against his creators. Adrammelech rose to prominence in the Otherworld, whence he led a fiendish horde against the gods, but in the end, he was defeated.”

「憤怒の一撃をもって、すべてを無に還す異形の帝王。光の異形者である慈愛の教皇デュダルフォンとは対なる存在。神々により異界で暴れる魔物を統治するために創られたが、その強大な力と邪悪な風貌が仇となり魔物たちの心を惹きつける存在となった。その後、神に背き異界の頂点に君臨したアドラメレクは憤怒の霊帝と呼ばれ、魔物たちと共に神々に戦いを挑み打ち滅ぼされた。」

英単語・英語表現の解説

【 英文解説 】

wroth: 怒った(形容詞)  

名詞は「wrath 怒り」です。 angry / anger の 堅い言葉という感じでよいと思います。

judgment: 裁き、判決  

イギリス英語は judgement です。逆にアメリカ英語は「e」が抜けるので注意。

reduce to nothing aught: いかなるものも無へと還す   

ここは難しい表現です。aught は anything の古語。このフレーズを倒置から戻すと 「reduce anything to nothing」 になります。なぜ倒置になっているかというと aught he strikes ~ という形で関係代名詞(ここでは省略)による修飾が行われているので、aught 以下の長いフレーズを後ろ倒しにしているからです。

動詞の reduce は「減らす」の意味ですが、「要素を減らして本来の形へと変える」というイメージも持っておいてください。

ちなみに背理法は 「reduction to absurdity (論理が)おかしい状態までさせること」 といいます。酸化 ⇔ 還元の還元も reduction です。

single vengeful blow: 恨みの一撃  

venge が「復讐系」の意味を持ちます。avenge(かたき討ち)revenge(仕返し)Vengeance is mine.(復讐するは我にあり)など。

benevolent: 仁愛に満ちた、徳のある  

bene- が良い意味でつける接頭語です。benefit(利点)beneficiary(受益者)など。 三国無双では劉備の「仁」を表すのに benevolence がよく使われています。

quell: 鎮圧する

fiend: 魔物、悪霊  

friend と一見、間違いそうになるので注意です。

Otherworld: 異界  

密告者シュミハザの解説文では異界は underworld になっていました。「異界」と「下界」が翻訳の時に混ざってしまったのかもしれません。

whence: その結果として、その場所から(古語)  

もともと「where」は副詞としてのルールだけしか許されていませんでした。現代英語ではよく使うようになっている「from where」のような扱いはダメでした。

なぜなら「前置詞とペア」にできるのは「名詞」だけだったからです。そのため「from what place」として「whence」が使われていました。

ここでは whence は関係副詞としてつかっています。Otherworld が固有名詞なので、「コンマ」をつかい非制限用法での説明です。

whence に似た古語 whither は「to what place」を意味します。こちらも現代では「to where」で代用します。

古英語では「場所の疑問副詞」である where を完全に「副詞」として機能させる仕組みを持ったせていたことがうかがえます

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