みなさんは、英文法の世界の「一番大切な要素」は何かご存じですか?
- 主語?
- 文型?
- 語順?
- 品詞?
――どれも大切に見えますよね?
もし「動詞 verb」と答えた方がいればかなり鋭いです!
ですが、ちょっといじわるですが、――
100点満点の答えは、定形動詞(finite verb)です🎉
この定形動詞こそが、英語の文の中心点になります。
なぜなら定形動詞は――
形が変わるだけで時制を決める👇
- I am here.(現在時制)
- I was here.(過去時制)
そして――
主語がなくても「命令文」を作る👇
- Be creative!
- Keep going!
さらに――
位置が変わるだけで「疑問文」に変化させる👇
- You are here.(平叙文)
- Are you here?(疑問文)
――といったことが可能です😉
でも、もしかすると…
🤔定形動詞(finite verb)って聞いたことないねんけど、普通の動詞とどう違うの?
――と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でもご心配なく!
もちろん、これまで「定形」という言葉を見たことがなくても大丈夫です😊
ここから一緒に、英語で一番大切な「定形動詞(finite verb)」を学んでいきましょう!
🔴定形動詞 “finite verb” って何?
英語の動詞は文中での機能に応じて大きく2種類に分かれます。
✅定形動詞(finite verb)
⇒ 文構造の中心になる動詞!☑️非定形動詞(nonfinite verb)
⇒ 文構造の中心にならない動詞!
英文で使われる動詞は文の中での働きに応じて、必ずこの2種類のどちらかに分類されます。
また漢字の表記もいくつか呼び方があるので確認します👇
- 形が定まる(finite)
- 定形動詞
- 定動詞
- 限定動詞(中国語表記)
- 形が定まらない(nonfinite)
- 非定形動詞
- 不定動詞
- 非限定動詞(中国語表記)
そして何より大切なのは、
🌍動詞の「定形/非定形」の仕組みは英語を含めた全ヨーロッパ言語の絶対ルール!
――ということなんです。
それに、みなさんはすでに「定形 finite」に出会っているかもしれませんよ?
では英文法用語を英語で確認してみると…👇
- infinitive
⇒ 皆さんご存じ不定詞です! - nonfinite verb
⇒ 文法書でよくみる準動詞のこと!
つまり…
- 不定詞(to do)
- 現在分詞(doing)
- 動名詞(doing)
- 過去分詞(done)
これらをまとめて「非定形動詞(nonfinite verbs)」と言います。
そもそも、これらは「定形ではない動詞」という意味ですから…
🤪中学英語でも finite(定形)がこっそり登場していた!
――というわけなんです!
では少し専門的になりますが、
この「定形 finite」の由来を英語 Wikipedia で確認してみます👇
The term finite is derived from Latin: finitus (past participle of finire – “to put an end to, bound, limit“) as the form “to which number and person appertain”. Verbs were originally said to be finite if their form limited the possible person and number of the subject.
『定形 finite(限定、有限)という用語はラテン語の finitus(「終わらせる、制限する」の意味を持つ finire の過去分詞形)に由来します。動詞はもともと、その形が主語の人称や数を限定する場合に「定形 finite」であると言われていました。』
Finite verb – Wikipedia
この説明だけではややこしいのでまとめます👇
✅「定形 finite」とは、主語や時制などによって動詞の形が定まること!
そして、これを言い換えると――
💥英語の文は「主語(誰が?)と時制(いつ?)」に連動する定形動詞がなければ成立しない!
ということになります。
そのため、わかりやすさ重視の解説では、
定形動詞は「tensed verb(時制がついた動詞)」と呼ばれることもあります。
その理由は、英語などのヨーロッパ言語の文では、いつもこう問われているからです👇
- 誰が(主語)?
- いつ(時制)?
- 行動(動詞)するの?
つまり定形動詞は「行動」を正確に表現するためのカギなんです😊
ヨーロッパ言語の中心は定形動詞
定形動詞が文の中心になるのは英語だけではありません。
英語が所属するゲルマン語や、親戚にあたるロマンス語でも定形動詞が必要です。

またヨーロッパ文明の古典に当たる――
- 古代ギリシャ語(Ancient Greek)
- ラテン語(Latin)
――でも定形動詞が必要です。
さらに範囲を広げて、
スラブ語の仲間(Slavic Languages)でも定形動詞が必要になります。
- Russian(ロシア語)
- Polish(ポーランド語)
- Czech(チェコ語)
- Bulgarian(ブルガリア語)
- Serbo-Croatian(セルビア・クロアチア語)
- Slovak(スロバキア語)
- Ukrainian(ウクライナ語)
ここで話は終わらず――
英語はインドや中東の言語まで共通のルーツをもっていて、
大きな言語ファミリーそのものが定形動詞を必要としているんです。
でもそうなると、こんな疑問が湧いてくるかもしれません👇
🤔でも英語ってそんなに動詞の形は変わらないものが多いけど?
おっしゃる通り!確かにその通りです😉
実はこれには英語に起きた変化が関係しています。
もともと千年前の古英語(Old English)は動詞がいろいろ変化するタイプの言語でした。
そしてそれから、
✅現代英語は単語の変化パターンが少ない言語に変化しました!
ちなみに英語の歴史ごとの区別はこんな感じの分類になります👇

重要なこととして、英語はゲルマン語グループに入るので、
基本的な「定形動詞」の使い方はドイツ語やオランダ語と一番よく似ています。
その中でも「ゲルマン語の伝統」を一番受け継いでいる動詞が――be動詞です!
そのため be動詞だけは、
主語と時制に連動した変化が見てすぐわかるパターンがいくつか残っています👇
- I am here.
- I was here.
- You are here.
- You were here.
- She is here.
- She was here.
- We are here.
- We were here.
そして変化パターンは少なくなりますが、
もちろん、一般動詞も主語と時制で変化するのは同じです👇
- I know it.
- I knew it
- You know it.
- You knew it.
- He knows it.
- He knew it.
- They know it.
- They knew it.
――といったことなら、もうみなさんよくご存じですよね?
ではここで定形動詞のポイントを再確認しましょう。
まず定形動詞の作り方は――
✅主語や時制などによって動詞の形を変えて使う!
さらに定形動詞だけが文構造の中心になる理由は――
✅主語 ⇒ 誰が、その行動をするの?
☑️時制 ⇒ いつ、その行動は起きるの?
――という動詞の具体的な情報が必要になるからです。
非定形動詞は品詞が変わる
一方で、非定形動詞は主語や時制によって変化しません。
まず、不定詞は変化しません👇
- I want to go there.
- I wanted to go there.
さらに、動名詞の形も変わりません👇
- She loves dancing.
- They loved dancing.
もちろん、現在分詞や過去分詞の形も変わることありません👇
- He is walking here.
- He was walking here.
- She has laughed.
- She had laughed.
なぜこんなことが可能かというと…
🎯非定形動詞は「動詞」ではない品詞に変わるから!
非定形動詞になると「品詞」が3種類に変化します👇
- 不定詞(to do)
⇒ 名詞・形容詞・副詞のどれかで使う! - 現在分詞(doing)と過去分詞(done)
⇒ 形容詞と副詞として使う! - 動名詞(doing)
⇒ 名詞として使う!
つまり…
普通に「名詞、形容詞、副詞」として使えるということです。
そして、さらにこの品詞の変化を応用すると…
✅非定形動詞は文の中で何個でも使える!
では実際に、
とても長い一つの文に非定形動詞を連発してみます👇
She has been planning to move to Florence, preparing by selling unnecessary items and organizing her paperwork, with all her possessions already neatly packed in boxes, waiting for the right moment to make the journey.
『彼女はフィレンツェに引っ越す計画を立てていて、不要な物を売ったり書類を整理したりしながら準備を進めており、すべての持ち物はすでにきちんと箱に詰められて、旅に出る適切な瞬間を待っている。』
この文で定形動詞は “has” だけなんです😂
非定形動詞の品詞が動詞ではないからこそ、ここまで何度使っても大丈夫なんです!
ここまでをまとめると、
✅定形動詞は変化する
⇒ 文の中心になる動詞☑️非定形動詞は変化しない
⇒ 文の中で名詞、形容詞、副詞として使われる。
という構造になっているんです。
(🔗非定形動詞のくわしい解説はこちらをどうぞ👇)
では、なぜ英文法はこのような仕組みなのでしょうか?
そもそも「文法(grammar)」は主に3つの要素から成り立っています👇

つまり英語は、
- 単語をどんな形にするか?(形態論)
- 単語をどこに配置するか?(統語論)
の両方をつかって、最終的に文の意味を決めます(意味論)
そして定形動詞は文法の中心として機能します。
まずは、形態論(morphology)で意味を決めます👇
- I am here.(現在時制)
- I was here.(過去時制)
⇒ 定形動詞の形が変わる!
さらに、統語論(syntax)でも意味を決めます👇
- You are here.(平叙文)
- Are you here?(疑問文)
⇒ 定形動詞の配置が変わる!
ちょうどブログ冒頭でご紹介した文はこのように解説できるんです😊
(🔗形態論・統語論・意味論の詳しい解説はこちらをどうぞ👇)
述語動詞は英文法に必要ない?!
ここで、日本の英文法で一般的に使われる「述語動詞」に少し触れておきます。
もともと主語と述語は論理的に考えるために使われる言葉でした。
つまり英文法用語というよりも…
✅主語(subject)
⇒ 論理的に考える「主題・前提」になること
(📌ギリシャ語由来:hypokeimenon ≒ 下に横たわるもの)☑️述語(predicate)
⇒ 主題・前提から論理的に「述べられる」こと
(📌ギリシャ語由来:kategorēma ≒ 述べられたもの)
というギリシャ哲学として発展した「論理学」の用語なんです。
そして19世紀ごろまでは、
💥英文法でもラテン語やギリシャ語を土台とした「伝統文法(Tradinational grammar)」が採用されていたんです!
その影響で、
- 主語と述語
- 述語動詞
といった用語が、日本の英語教育でも長く使われてきたんです。
ところが「述語」という考え方は、文全体の意味を解釈する「哲学的な視点」が強いものなんです。
そのため動詞(verb)を中心に文を組みたてるヨーロッパ言語の構造と相性が良くないんです😂
そこで現代言語学の統語論(syntax)では――
🎯述語動詞でなく、定形動詞を中心とした構造の理解が主流になっています。
では、ここでまとめておきます👇
✅定形動詞(finite verb)
⇒ 文の構造の中心を示す動詞
(📌現代言語学の統語論の中心)☑️述語動詞(predicate verb)
⇒ 文全体の意味の分析に使う動詞
(📌伝統文法における解釈の中心)
これら2つはそもそも目的が違う用語だったんです。
ですので、英文法をしっかり理解したい場合は、定形動詞(finite verb)を中心に見るほうが便利なんです😊
ではここから英語の定形動詞の詳しい解説に進みましょう!
🔵英語の定形動詞の見つけ方
まず定形動詞を見つけるための特徴をまとめてみます👇
- 原則として1つの節(clause)に1つだけある
- 接続詞と疑問詞と関係詞があれば追加できる
- 動詞フレーズ(2つ以上の動詞の連携)は一番左にある
この時点で『😂何を言ってるかわからへん!』となってもご心配なく!
一つ一つじっくり見ていきましょう。
1️⃣動詞が1個だけなら確定!
そもそも文中に「動詞が1つしかない」ならそれが定形動詞です。
- I love it.
- You live here.
このような場合は、困りませんよね😏
ここで注意が必要なのは「命令文(imperative)」です。
命令文では主語 you を抜いて「動詞の原形」を使いますが、これも定形動詞です。
- Be yourself.
- Run faster.
命令文では「動詞の原形」を使いますが、もともとは「命令の専用」の形がありました。
これは英語の歴史の中で単語がどんどんシンプルになっていたことが原因です。
つまり英語の定形動詞は――
✅「見た目」だけではなく「文構造」からも見極める必要がある!
ということを覚えておいて下さい。
2️⃣接続詞・疑問詞・関係詞で追加
次に「接続詞」や「関係詞」があれば、その数だけ定形動詞を追加できます。
その理由は、英語を含むヨーロッパ言語の統語論(syntax)にあります。
まず厳しい原則として
✅基本の文では「定形動詞」は一つだけで、そこから文を組み上げていく!
そのため――
🎯文章の中に定形動詞を2つ以上使用ときはにはサポートが必要になる!
――というわけです。
英語のルールの中で定形動詞を追加できるのは次の3つです:
- 接続詞 conjunction
- 疑問詞 interrogative word
- 関係詞 relative word
では実際に、定形動詞を追加する文を作ってみましょう:
- 接続詞(but)
⇒ I was eating ramen, but my chopsticks broke. - 疑問詞(why)
⇒ I knew why she said that. - 関係詞(that)
⇒ This is the homework that I forgot yesterday.
この3つの役目を「文法書の解説」で言い換えると…
✅SVのまとまり(文法用語では「節」)を追加できる
となります。
ここで「節」と「文」の違いを整理します:
- 節(clause)
⇒ SVの一つまとまりのことで、主節の動詞(V)には定形動詞が必要。 - 文(sentence)
⇒ 文頭から文末(ピリオド)まで全部で、節は何個あってもOK!
ここで重要なのは――
🎯英文は「文」ではなく「節」を組み合わせて作られるという点です。
このことを英文法を学ぶときに絶対に覚えておいてくださいね😉
3️⃣動詞フレーズの起点
では最後に、一番ややこしい「動詞が連携するパターン」です😂
これは日本の一般的な文法では「述語動詞」としてまとめて解釈されます。
中でも一番困るのが――「時制(tense)」です。
- I am going there.
⇒ 現在進行形- I am going to do it.
⇒ 未来形- I will have it.
⇒ 未来形- I will have done it.
⇒ 未来完了形
――という具合に「述語 / 時制 / 形」の区別すらができなくなります😂
ですがご心配なく!
現代言語学では「動詞の連携のまとまり」のことを、
✅動詞フレーズ(verb phrase = VP)
と呼び、動詞のまとまりを1つずつ分解して理解できます!
英語の動詞フレーズでは「左端にある動詞」が定形動詞になります。
では早速「定形動詞+非定形動詞」に分解してみましょう👇
- I am going there.
- I was going to do it.
- I will have it.
- I will have done it.
ここでは be動詞 も助動詞 will も定形動詞として機能しています。
日本語では誤解されがちですが、
「助動詞」とは「助ける動詞(つまり動詞の仲間)」という意味です。
その理由は動詞フレーズをつくるときに、
✅非定形動詞を助ける動詞が必要になるから!
というわけなんです。
ちなみに個人的な見解ですが、
定形動詞が中心になる動詞フレーズの構造を一番わかりやすく説明できるのが――
✅依存文法(dependency grammar)
という統語モデルです。
(🤖ぜひ生成AIに「依存文法って統語分析しやすいの?」と聞いてみてください😉)
🟢助動詞がつくる動詞フレーズ
ここで「動詞フレーズ(Verb phrase)」に進む前に用語を整理します。
実は「助動詞」と「定形動詞」は同時に成立する用語なんです。
その理由は、それぞれの用語の定義がうまくズレているからです。
✅助動詞 & 本動詞
⇒ 意味論(semantics)から動詞フレーズを分析☑️定形動詞 & 非定形動詞
⇒ 統語論(syntax)から動詞フレーズを分析
これを分かりやすく言い換えると…
✅助動詞 & 本動詞
⇒ 動詞の「意味の役割」で見る分類
(どの動詞が意味の中心なのか?)☑️定形動詞 & 非定形動詞
⇒ 動詞の「文構造」で見る分類
(どの動詞が文を成立させているのか?)
――という2つの視点がきっちり分かれるからなんです!
( 📌以下に詳細情報を載せておきますが、飛ばしてもOKです😉)

ではここから動詞フレーズの分析に進みます。
英語で基本的に「助動詞」とされるのは次の4つです:
- 法助動詞(modal auxiliary verb)
- 助動詞 do(do-support)
- 助動詞 be(auxiliary be)
- 助動詞 have(auxiliary have)
助動詞の選定には様々な意見がありますが、
おそらくこの4つは最も異論が少ない選定だとと考えています。
(🔗英語の助動詞の詳しい解説はこちら👇)
法助動詞は原形不定詞を助ける
まずは基本の形の「法助動詞 + 動詞の原形」です。
この動詞の原形は「原形不定詞」といって古英語から受け継ぐ不定詞です。
そのため1000年以上にわたって「非定形動詞」として使われています。
では、具体例を確認します。
- She can do it.
⇒ 可能性として+行える- He will be here.
⇒ 未来へ向かって+存在する- You may be right.
⇒ 選択肢として+ありえる(📌あえて英語の語順で訳しています)
このパターンの連携に置いて、
- 法助動詞は「話し手の認識・態度」を担当
- 原形不定詞は「事態・動作の内容」を担当
――という役割分担になります。
こうなっている理由は、
法助動詞の「法」の意味から分かります👇
🧬文法用語の「法(mood)」は「認識・態度を伝える方法」という意味
(📌ラテン語の「modus(方法)」に由来)
そして、何よりも重要な情報として、
英語の法助動詞が「定形動詞」である理由を Wikipedia から引用します👇
Most types of verbs can appear in finite or non-finite form (and sometimes these forms may be identical): for example, the English verb go has the finite forms go, goes, and went, and the non-finite forms go, going and gone. The English modal verbs (can, could, will, etc.) are defective and lack non-finite forms.
『ほとんどの種類の動詞は、定形または非定形で現れることができ(場合によってはその形が同一になることもある)。たとえば英語の動詞 go には、定形として go, goes, went があり、非定形として go, going, gone がある。
一方、英語の法助動詞(can, could, will など)は欠陥動詞であり、非定形をもたない。』(📌欠如動詞 “defective verb” ⇒ 普通の動詞の機能の一部がない動詞)
Finite verb – Wikipedia
この Wikipedia の記事にあるように、
法助動詞が「欠如動詞であり、非定形を持たない」ということは――
🎯英語の法助動詞は原則として定形動詞だけでつかう!
という解釈になるんです😆
実は、古英語の時代は、
法助動詞は「普通の動詞」として、しっかり時制を意味していました。
それゆえ「現在形 / 過去形」がそれぞれ対応する形があります👇
- can / could
- will / would
- may / might
- shall / should
(📌現代英語の法助動詞は時制の機能が弱くなっています。)
では、ここから構造を見ていきましょう。

この thou は2人称単数の主格で、
「あなたは(≒そなたは、汝は)」を意味するちょっと古風な代名詞です。
- thou(あなたは:主格)
- thy(あなたは:所有格)
- thee(あなたは:目的格)
- thine(あなたのもの:所有代名詞)
なんと実は thou が主語の文だと、
初期近代英語の法助動詞もそれに合わせて「変化」していました。
- thou wilt(≒ you will)
- thou canst(≒ you can)
- thou shalt(≒ you shall)
- thou mayst(≒ you may)
このように昔の英語では、
法助動詞が「定形動詞」だと見た目でわかる機能が普通に使われていたんです。
いまは形が全く変わらなくても――
「法助動詞は定形動詞」と絶対に覚えておいて下さい😉
助動詞 do は原形不定詞を助ける
次は、多くの英語学習者をまず混乱させる「助動詞 do」です。
これは「一般動詞」を使うときに次の3パターンで登場します。
- 強調 emphasis
- 疑問 question
- 否定 negation
これを実際にやってみます👇
- She does like it.(強調 emphasis)
- does ⇒ 定形
- like ⇒ 非定形(原形不定詞)
- Do you like it?(疑問 question)
- do ⇒ 定形
- like ⇒ 非定形(原形不定詞)
- You did not like it.(否定 negation)
- did ⇒ 定形
- like ⇒ 非定形(原形不定詞)
もともとは普通の動詞だった do が、
3つの役割に専念する助動詞として独立したことに由来します。
ここで注意ですが、
💥助動詞 do には「する(動作)」の意味はもうありません。
実際にみてみると…
- I do not do it.
(🚫することをしない。) - Do you do it?
(🚫することをするんですか?) - Do not do it.
(🚫することをするな!)
――どちらも「する」という意味なら、2回使う意味がありませんからね😂
そして実際の、現在の使用法では、
- 助動詞 do は「強調・疑問・否定」を担当
- 原形不定詞は「事態・動作の内容」を担当
という「法助動詞+原形不定詞」とよく似た使い方になります。
では実際に、法助動詞と並べてみると…
- She will know it.
- She does know it.
また疑問文でも👇
- Can you see it?
- Do you see it?
そして否定文でも👇
- You must not have it.
- You did not have it.
――といった同じ構造が見えてきます。
なにより重要なのは、
🎯助動詞 do は主語や時制で変化するため「定形動詞」です。
ここまでのまとめを図解でみていきましょう。

疑問・否定・強調の文章で、いきなり登場するように見える「助動詞 do」ですが、
実際に英語の歴史でもここ300年ほどで一気に勢力を拡大しました😲
(🔗助動詞 do の成り立ちと使い方の解説はこちら👇)
助動詞 be/have は分詞を助ける
助動詞としての be と have は2種類の重要な動詞フレーズを作ります👇
それは「現在分詞」と「過去分詞」との連携です。
2つの分詞の機能はそれぞれ2つあります:
- 現在分詞:進行相 x 能動態
- 過去分詞:完了相 x 受動態
(📌用語解説:相 ⇒ 動作の進行度 / 態 ⇒ 動作の方向性)
この2種類の分詞の品詞は「形容詞」が基本設定なので定形動詞が必要です。
では実際に見ていきましょう。
- I am running.(進行 progressive)
- am ⇒ 定形
- running ⇒ 非定形(現在分詞)
- The problem was solved.(受動 passive)
- was ⇒ 定形
- solved ⇒ 非定形(過去分詞)
- You have finished it.(完了 perfect)
- have ⇒ 定形
- finished ⇒ 非定形(過去分詞)
では、これらを図解で見ています👇

ややこしいことに過去分詞には「完了 x 受動」という2つの機能があります。
この2つをうまく使い分けるために、
初期近代英語のころから、be と have という2つの助動詞が役割分担をするようになりました。
(🔗have 過去分詞の成り立ちと文法解説はこちら👇)
3つ以上の動詞の連携も可能
ここからは動詞フレーズを3連携に増やします。
それでも定形動詞が起点になることは変わりません。
✅定形 ⇒ 非定形 ⇒ 非定形…
と理論上はかなり無理をして続けられますが――
もちろん実際の英語では、ちゃんと理由があって非定形動詞をつなぎます😂
まず重要な連携は「法助動詞」と「分詞」です。
この連携の大前提として、
💥法助動詞は「分詞」を直接つなげない
⇒ 原形不定詞 be/have がリレー担当になって分詞をつなぐ😉
実際に見ていきましょう。
- They will have arrived.
- will ⇒ 定形(法助動詞)
- have ⇒ 非定形(原形不定詞)
- arrived ⇒ 非定形(過去分詞)
- They should be coming.
- should ⇒ 定形(法助動詞)
- be ⇒ 非定形(原形不定詞)
- coming ⇒ 非定形(現在分詞)
では図解を見ていきます👇

こうすることで――
- 法助動詞(話し手の認識・態度)
- 原形不定詞(リレー担当)
- 分詞(動作の進行度・方向性)
という3つの異なった機能を連携させて表現できます。
そして次に重要な連携は「現在分詞」と「過去分詞」です。
2つの分詞の機能はそれぞれ2つあります:
- 現在分詞:進行相 x 能動態
- 過去分詞:完了相 x 受動態
そのため2つの分詞を連続で使うこともできます。

こうすることで、
- 完了 x 進行(過去分詞 ⇒ 現在分詞)
⇒ 時制の点まで進行し続けてきた。- 進行 x 受動(現在分詞 ⇒ 過去分詞)
⇒ 時制の点で受動が進行している。
というより複雑な意味を表現できます。
(🔗動詞の機能「時制・法・相・態」についての解説はこちら👇)
🟡語順ルールも定形動詞が中心
おそらく英語の語順に悩んだ経験はみなさんあると思います。
🧑🏫英語の基本はSVO語順です!
――と習ったのにやればやるほどよく分からないままだと思います。
実際に、疑問文って意味不明ですよね?
- Are you here?
- Do you have it?
- Can you have it?
- Have you done it?
さらに wh-疑問詞を使うと――
- Where are you?
- What do you have?
- Who has it?
- Where can you have it?
- What have you done?
- Who has done it?
――というように、これでは文法が崩壊しているように見えます😱
このように英語の語順はバラバラに見えますが……
🎯現代英語には、歴史的に古い語順パターンが部分的に残っているんです!
でもご心配なく!
こんな語順ルールのナゾですら、定形動詞が解決してくれます😉
なぜなら英語が所属するゲルマン語では、
🗝️定形動詞が「語順(word order)」を決めるカギだからです!
では、早速みていきましょう!
SVX語順|英語の基本はこれ!
まずここで『SVX』という語順をご紹介します。
一般的にSVO語順とよばれていても、目的語(O)の位置には補語(C)も配置できます。
- We know that. ⇒ SVO
- We are happy. ⇒ SVC
このように、実は英語の統語論(syntax)では、
- S ⇒ 主語名詞(subject noun)
- V ⇒ 定形動詞(finite verb)
- X ⇒ その他
(📌特に統語論の分野では、SVX語順は一般的に使われるのでご心配なく😉)
というように示すことが可能です。
つまり、文構造の理解においては、
🎯”SV” の2つの位置が決まれば “X” は実際には何でもOKです!
ではここから、
「主語名詞(S) ⇒ 定形動詞(V)」の語順を確認します。
まずは超基本からです👇
- You are here.
- You are not here.
- He knows it.
- He does not know it.
(📌助動詞 do は定形動詞なので、否定文でも SVX語順で処理できます)
次に「助動詞(be/have)」+「分詞」です👇
- They were dancing.
- They were not dancing.
- She has finished it.
- She has not finished it.
(📌分詞は非定形動詞なので、定形動詞の位置を変える力を持ちません)
ここから「法助動詞」を使います👇
- We will be happy.
- We will not be happy.
- You would be sleepy.
- You would not be sleepy.
(📌法助動詞は定形動詞なので V の位置に来ます。)
いかがでしょうか?
ここまでは基本のSVX語順でカンタンに理解できます。
ではここから、疑問文や命令文といった語順へと進んでいきましょう!
V1語順|実はよくみるパターン!
おそらく「V1語順」という言葉はあまり見ることはないかもしれませんが、
実は SVX語順では、うまく説明できないパターンでよく見かけます。
この「V1語順」は英語で、
「verb-initial word order(≒ 動詞文頭語順)」といって、
1️⃣(主語の位置は後回しで)定形動詞を文頭に置く語順
というパターンになります。
このV1語順がよく分かるのが命令文です👇
- Be quiet.
- Do it now.
(📌単に主語の省略だけでなく “Go thou!” のような語順も過去にありました)
そしてさらに、
命令文の応用した勧誘文 “let’s” も同じです👇
- Let’s do it.
(📌命令文の let us の省略 let’s が勧誘専用の表現になりました)
そして一番よくみるV1語順が、
Yes/No を尋ねる疑問文(決定疑問文)です👇
- Are you busy?
- Does he know her?
- Can you come here?
- Are they going there?
- Has she done it?
(📌Yes/No 疑問文は定形動詞を一番左(文頭)に動かすだけです)
そして最後にちょっと特殊な文ですが、
「仮定法の条件文」でも使えます👇
- Were it not for you, SV
- Had it been not for you, SV
- Should it be true, SV
- Be that as it may, SV
(📌ドイツ語などでも仮定法の動詞の「V1語順」が一部可能です)
これらは教育文法では、
「接続詞 if の省略」と説明されることが多いですが……
1️⃣歴史的にはゲルマン語で広く見られる V1語順の形跡
――と考えると理解しやすくなります😉
V2語順|ゲルマン語なら超基本!
「V2語順」は英語では、
「verb-second word order(≒ 動詞第二位語順)」といって、
1️⃣(文頭に置かれるものに関係なく)定形動詞を2番目に置く語順
というパターンです。
✅V2語順は、ドイツ語やオランダ語などのゲルマン語の基本語順です。
そのため、古英語でも特定のパターンでよく使われていました。
そして、
現代英語に残る V2語順の代表例が、wh-疑問詞を用いる疑問文です👇
- wh-疑問詞
⇒ 強調のために文頭へ移動する!- 定形動詞
⇒ 2番目に置く!- 主語名詞
⇒ 3番目に押し出されて配置!
このパターンを当てはめると…
- Where are they?
- What do you do?
- What did you have?
- When can we have it?
- Why has she done it?
( 📌疑問詞 ⇒ 定形動詞 ⇒ 主語名詞 の流れでOKです)
そして、この V2語順の便利なところは、
「疑問詞 = 主語名詞」の場合でも、そのまま文を作ればいいんです👇
- Who is there?
- Who does it?
- Who has it?
- Who has done it?
- What will happen there?
- What is happening now?
( 📌疑問詞が主語でも、定形動詞は常に2番目に位置します)
そしてさらに、
場所や否定の強調の場合にも V2語順が使われます👇
- Here comes the bus.
- There were some questions.
- Never have I seen such a thing.
- Only then did he understand.
( 📌疑問詞の場合と同じで、定形動詞は常に2番目に位置します)
英語の V2語順を詳しく知っておくと便利なので、
こちらのブログの詳しい解説もぜひ参照ください👇
⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
定形動詞を軸にすることで、
英語の文構造は非常に安定した視点で理解できるようになります。
せっかくですから生成AIに、
🤔英語の文構造を理解するのに finite verb(定形動詞)は重要ですか?
と聞いてみてはいかがでしょう?
もし、
🤖Definitely yes!
――なんて気の利いた回答をしてくれたとしたら、
みなさんはもう統語論マスターへの一歩をすでに踏み出しているはずです!
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
ちょっとユニークな英語塾
志塾あるま・まーたは、楽しみながら英語を広く深く学べるオンライン英語塾です。
高校を半年で中退した塾長が、アメリカ留学中に人工言語エスペラントと出会ったことをきっかけに、ゼロから“世界で通用する英語力”を習得できました。
その学び方をベースに、統語論(Syntax)と意味論(Semantics)を組み合わせた独自の指導法を展開しています。
生成AIに論理的推論や自由な発想の展開を、英語でも日本語でも可能にするプロンプト設計も一緒に学んでいきます。
さらにラテン語、フランス語、ドイツ語などヨーロッパ系言語の知識や、古英語・中英語・初期近代英語を含む英語史の視点も取り入れた、ちょっとユニークで本格派な英語学習法をご紹介しています。
世界のどこにもないみなさんオリジナルの英語学習をぜひ一緒に作っていきましょう😆








