日本人が英語を学ぶうえで大切なことはいろいろあります。
まず一番重要なのは「英語と日本語の違い」を知ることです。
英語のルールに中には日本語と似ているもの、そして違うものがあります。
早速、似ているものから見ていきます。
- ① a beautiful flower
- ② 美しい花
「beautiful = 美しい」と「flower = 花」は日本語と同じように使えます。
次に違うものを見てみましょう。
- ③ a flower(一つの花)
- ④ flowers(複数の花)
英語は「単数」か「複数」によって単語の形を変える必要があります。
英語だけに存在するルールを知らないと英語を間違えてしまいます。
そして英語と日本語で一番大きな違いは「語順」つまり「言葉の並べ方」のルールになります。
実際に例を見ていきます。
- I have a flower.
- 私は花を持っている。
英語の “have” は「動詞」といって「行動を表す言葉」です。
日本語では「動詞」は文章の最後に置かれます。
また次の例を見ていきましょう。
- I have a flower.
- 花を 私は 持っている。
- 私は 花を 持っている。
日本語では「私は」と「花を」を入れ替えても意味が通じます。
なぜ日本語にこのようなことができるのか説明していきます。
日本語は自由な語順で文を作れる
それでは日本語の文の「基本の形」について説明します。
では、まずはじめにこの2つの日本語をみてください。
- ① 私は たまねぎを 切る。
- ② たまねぎを 私は 切る。
この2つの文章はほぼ同じ意味になります。
では何が違うのかというと「語順」が違います。
しかし、語順が変わっても「私」が「たまねぎ」を「切る」という内容に変化は起きません。
その理由は「~は」や「~を」のような「助詞」と呼ばれる言葉にあります。
文法用語の「助詞」は一般的には「てにをは」と呼ばれることもあります。
この「てにをは」のような助詞のおかげで日本語の文章は言葉の語順を変えても意味を伝えることができるんです。
では、ほかの「助詞」も確認してみましょう。
【 助詞の役目 】
・助詞がつながった言葉の役割を決める
【 助詞の例 】
~は(話題)
「私は知らない」
・~が(強調)
「彼が知っている」
・~で(手段・場所)
「この本で学んだ」
「ここで待っている」
・~を(対象・起点)
「木を見て森を見ず」
「林を出た」
・~へ(方向)
「海へ向かった」
ほかにも日本語の助詞はあります。
さらに一つの助詞にもたくさんの意味があるので参考でお願いします。
【 日本語の言葉の役割 】
・言葉の後ろにつける助詞で決まる
【 日本語の言葉の並べ方 】
- ある程度、自由に言葉を並べてよい
- 一般的には最後に動詞を置く
英語の語順で言葉の役割が決まる
では英語はどのように「言葉の役割」を決めるのでしょうか?
英語は「言葉の並び方(語順)」で「言葉の役割」を決めます。
では基本的な語順を見ていきましょう。
【 英語の語順 】
- 主語は○○します△△を
- 主語 ⇒ 行動 ⇒ 対象
では例文を見ていきます。
- I cut an onion.
- 私は ⇒ 切る ⇒ 玉ねぎを
英語の言葉は「主語」⇒「行動」⇒「対象」の順番で並べるのが基本です。
この言葉の役割には特別な用語が使われています。
- 主語 ⇒ 主語(Subject)
- 行動 ⇒ 動詞(Verb)
- 対象 ⇒ 目的語(Object)
これらは英語のスペルの頭文字をとって省略してされることがほとんどです。
- 主語(S)
- 動詞(V)
- 目的語(O)
これから SVO はよくでてくるので「言葉の役割」として覚えて下さい。
では本当に英語は語順で言葉の役割が決まるのでしょうか?
「主語 ⇔ 目的語」を入れ替えてみましょう。
- ① The cat likes the dog.
- ① そのネコは 好きです そのイヌを
- ② The dog likes the cat.
- ② そのイヌは 好きです そのネコを
英語では「イヌ」と「ネコ」の語順を入れ替えると、主語(S)と目的語(V)が入れ替わります。
英語には「てにをは」などの助詞が存在しません。
そのかわりに、「語順」で主語(S)や目的語(V)などを区別しています。
【 英語の言葉の役割 】
・言葉の並べ方(語順)で決まる
【 英語の語順 】
・「主語 ⇒ 動詞(S ⇒ V)」の並び方が基本
英語の基本構造は「文の要素」
英語は「主語 ⇒ 動詞」という語順が基本になります。
しかしそれだけではカンタンな文章しか作れません。
英語には「文の要素 SVOC」といって英語の基本構造があります。
【 文の要素 】
- S: 主語(Subject)
- V: 動詞(Verb)
- O: 目的語(Object)
- C: 補語(Complement)
詳しくは次回のブログで説明しますが、これら4種類(SVOC)の組み合わせが英語の基本構造です。
そして英語は「文の要素 SVOC」を組み合わせた文章パターンが5つあります。
【 文の要素の組み合わせ5パターン(5文型)】
- 【第1文型】SV(主語と行動を示す)
- 【第2文型】SVC(主語がどんなものか説明する)
- 【第4文型】SVO(主語がすることを示す)
- 【第4文型】SVOO(主語のすることの「相手」と「内容」を示す)
- 【第5文型】SVOC(主語のすることがどんなものか説明する)
以上の5パターンのことを「5文型」と言います。この「5文型」を覚えてしまえば「てにをは」の代わりになるんです。
「文の要素」とは「英語の基本構造」です。
「五文型」とは「文の要素の5パターンの並べ方」です。
つまり「文の要素+五文型」で「言葉の正しい並べ方」が分かります。
英語を習いたての頃は、英語を見ると英単語がただ並んでいるように見えます。
しかし英語は「主語(S) 動詞(V) 目的語(O)」のように「語順」によって言葉の役割を決めています。
つまり語順そのものが「日本語の助詞の役割」をしているのをお忘れなく!!
とりあえず『文の要素が英語の基本構造なんやね!』とだけ理解してください。
日本語に「文の要素」を当てはめてみよう
日本では英語を学ぶ時に「文の要素 SVOC」を学びます。
では英語の日本語教育ではどのような解説が行われているのでしょうか?
英語でも「SVOC」という記号があるので、日本語にも当てはめてみましょう。
- S ( subject ) ⇒ 主語(文の主人公)
- V (verb ) ⇒ 動詞(主人公の行動)
- O ( object ) ⇒ 目的語(行動の対象)
日本語は「SOV」でも「OSV」でも通じます。
- 私は すしを たべる(SOV パターン)
- すしを 私は たべる(OSV パターン)
日本語が「語順」ではなく「てにをは」などの助詞で言葉の役割を決めているからです。
ここで「英語から日本語を学ぶ」という視点に切り替えてみます。
日本語を学びたい人たちは英語で「日本語の助詞」をどのように教わるのか見ていきます。
助詞の「は、が」は主語(Subject Maker)
日本語の助詞の「~は、~が」は Subject Maker「主語(主人公)をつくるもの」と呼ばれています。
簡単に言うと「は、が」がついた言葉が「主語」ですよ~、ということです。
- 「~は」⇒ Topic Maker(話題)
- 「~が」⇒ Subject Maker(主語)
日本語の単語に「〇〇は」や「〇〇が」がくっついていると英語の「S 主語」と同じように考えます。
では次に「目的語 Object」に進みます。
助詞の「に、を」は目的語(Object Maker)
日本語の助詞の「~に、~を」は Object Maker「目的語(行動の対象)をつくるもの」と呼ばれています。
これは「に、を」がついた言葉が「目的語」ですよ~、ということです。
日本語の単語に「〇〇に」や「〇〇を」が付いていると英語の「O 目的語」であると考えます。
英語は「語順」で「主語 S」と「目的語 O」などを区別しています。
日本語は「てにをは」などの助詞で言葉の役割が決まります。
- ① 私は 彼に プレゼントを あげた。
- ② 私は プレゼントを 彼に あげた。
- ③ プレゼントを 私は 彼に あげた。
①~③までの文章は全部同じ意味になります。
ですが英語は「語順が決まっている」のでそうはいきません。
【 第4文型 SVOO 】
- I gave him a present.
- 私は 与えた 彼に プレゼントを
もし「〇〇に△△を」と意味したい場合、英語では基本的にこの語順で使います。
この語順のことを「第4文型 SVOO」とよんでいます。
そして動詞ごとに利用できる文型が決まっています。
- ネイティブ日本語スピーカーは「助詞マスター」です!
- ネイティブ英語スピーカーは「語順マスター」です!
日本語の「主語」が省略される場合に注意
日本語の「~は、~が」が「主語 subject」を示すと紹介させていただきました。
そして「~は」と「~が」は「topic maker(話題を作る言葉)」とも呼ばれています。
日本語は「主語 subject」を省略する場合でも「~は」を使います。
・今はリンゴはたべない。
このような「主語」が文脈や状況から分かる場合、省略することもあります。
・(彼は)今はリンゴはたべない
なぜなら日本語には「主語だけに使う助詞」は存在しないからです。
一方、英語は「主語+動詞(S + V)」が1番大切な部分です。
原則的に「主語 subject」と「動詞 verb」は省略されることはありません。
必ずしも「日本語=英語」の意味になるとは限らないので注意です。
どの品詞をどのように文の要素で使えばよいか?
英語には「文の要素(+五文型)」と同じぐらい大事なことがあります。
それは「品詞」という「英単語の種類」のことです。
まずは日本語を例に「品詞」を見ていきましょう。
- やさしい
- やさしさ
この2つの意味はあまり変わらないように見えます。
では、その違いを「品詞」で区別します。
- やさしい(形容詞)
- やさしさ(名詞)
やっぱりあんまり変わらないように見えます。
ですが「英語」では「品詞の違い」はとても大きいんです。
なぜなら「品詞」ごとに「使用ルール」が決まっているんです。
先ほどの「名詞」と「形容詞」で見ていきます。
- 名詞 ⇒ 主語、補語、目的語、前置詞とペア
- 形容詞 ⇒ 補語、名詞を説明
日本語とは違う「品詞の使用ルール」が英語の特徴です。
主語(S)や目的語(O)は「文の要素」になります。
名詞や形容詞などの「品詞」を「文の要素」の正しく使うことが英語の基本となります。
「品詞」の使用ルールと「文の要素」の並べ方で英語が分かる
英語と日本語では使える「品詞」が違います。
英語は「品詞」と「語順」をマスターすれば正確に英語を使えます。
日本の英語教育は「和訳」をすることが重視されますが、和訳よりも「英語のシステム」を見極めていきましょう!
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