滋賀県にある現存12天守をもつ国宝・彦根城に行ってきました。
彦根城は別名で「金亀城 こんきじょう」もも呼ばれています。彦根城のほかに愛媛・松山城と大分・臼杵城が「金亀城」と呼ばれていますが、それらの呼び方は「きんきじょう」だそうです。
彦根城は徳川四天王の一人で赤鬼とよばれた井伊直政の息子により築城されました。
その後、代々彦根藩主である井伊家が城主をつとめ、幕末の井伊直弼やひこにゃんなど多くの有名人とゆかりのあるお城です。
中山道の要所を守る城
彦根城は大阪、京都の上方から江戸に向かう2つのメインルートである中山道(現在の国道8号)、東海道(現在の国道1号)のうち中山道を防衛する非常に重要な位置にあります。
たとえ琵琶湖を北側を回ったとしても関ケ原へ抜けるルートへの入り口はこの彦根の近くになります。
徳川の政治は京都・大阪を幕府直轄領である天領にし、有力諸大名は西日本に抑え込むという「西国封じ」を意識しているのがわかります。
関西から関東へのルートや地形がある程度わかってくると戦国期の城めぐりはいっそうおもしろくなるとおもいます。
もちろん観光地として魅力的なところもたくさんあって、お堀の屋形船や人力車ツアーや、城下町(castle town)が昔の街並みのように整備されキャッスルロードとして見どころのひとつになっています。
お城とお庭はワンセット
そしてお城と言えば庭園です。日本のお城にはすてきな庭園がセットになっています。
金沢城(すこしずつ復旧中)と兼六園、岡山城と後楽園、そして彦根城の場合は玄宮園です。
玄宮園は池の周りを歩いているだけでもいいところなのですが、そこからみえる彦根城は本当にすばらしい。
昔の日本には公家、武家、僧侶、町民など関係なく日本的な美意識を共有していたように思えます。
現代に生きていてよかったと思えるのはライトアップした景観がみれることでしょうか。
当時の人たちより、歴史の重みを感じつつ、新しいものを加えて楽しむのもまた日本の美だと思います。
話は変わりますが、ヨーロッパや中国は城塞都市(羅城)といって町の周りをすべて城壁(castle wall)で囲ってあります。
これは外敵の侵入を侵入を防ぐ以外に、犯罪者や捕虜が場外に逃げることを防ぐことが狙いでもあったと聞いたことがあります。
武田信玄の「人は城、人は石垣、人は堀」ということばと相反する内容です。
日本はたとえ血なまぐさい意図で建てられた城も自然と和む形でいまも我々を楽しませてくれています。
こういう日本的な美しさはぜひ守っていきたいです。
彦根城に関連する英語表現
徳川四天王: the four top generals in the Tokugawa Army
酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直正の4人です。
天守: main castle tower
天守はいろんな言い方がありますね。よくあるのは main keep です。「天主」と呼ぶのは安土城だけで、他は「天守」だそうです。
ちなみに中国ではカトリックのことを「天主教」といいます。プロテスタントは「基督教」です。
三階三重の天守: three-story main castle tower
ヨーロッパでは大きなお城には各階ごとに物語を題材にした絵が描かれており、階が上がるごとに話が進むようになっていたことから「story = 階層」となったようです。
彦根城は現存天守なので内部が昔のままの木造の階段や床になっていていいですね。
櫓(やぐら): tower / turret
周りを見渡せる高い場所としたら tower、矢や鉄砲を射かける場所とすれば turret でしょうかね。どちらも使われています。
中堀: middle moat
彦根城の内堀は外堀を通して琵琶湖につながっているので、物資を琵琶湖から搬入できます。
海にはつながっていないので艦隊に攻められることはないし、街道沿いに建っているしで、最高の防衛拠点ですね。
馬屋: stable
形容詞で「安定した」という意味でも使います。
隠し部屋: hidden room
hide-hid-hidden 不規則変化をする動詞です。
鉄砲狭間(てっぽうざま): embrasure
台湾語では「射箭孔」です。こっちのほうがわかりやすいかな。
いろは松: pine street
台湾語では「伊呂波松」でした・・・これで通じるんでしょうか?気になります。
ところで、この松は土佐松といって根を地上に出さない特徴があり人馬の通行を妨げないので、わざわざ高知から持ってこられたそうです。
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