英語の had better が意味不明すぎて困っていませんか?
でも、それはきっとみんな同じですから心配しないで下さい😊
それでは早速、おさらいから始めましょう!
- We had better leave now.
⇒ 私たちは今、出発するべきだ。
基本的にはこんな解説をよくみます👇
【 よくある解説 】
🧑🏫had better は助動詞 should と同じように使いましょう!
つまり次のような言い換えができます👇
- You should do this.
⇒ You had better do this.
なるほど!そうなんですね!
でも…
みなさんがホントに知りたいのは意味と例文ではなく――
😭なんで had better ってこんなヘンな意味と文法になってんの!?
――ということですよね?
では、ご要望に応えて――had better の正体を見ていくとしましょう!
🤯had better は英語の最凶の例外!
ここから had better の疑問点に向き合ってみましょう!
まずよく聞く質問がこれです👇
😱なんで had は過去形やのに「~するべき」になるの!?
そうですよね!
なぜだか――
✅had better do ⇒ 過去形が正解
❌have better do ⇒ 現在形はダメ!
――ということらしいのです。
そしてさらには――
😱had better の後ろに「動詞の原形」を使ってエエの?
――と、思われるのも無理はありません!
だって完了はこのようにつくります👇
✅現在完了 ⇒ have/has + 過去分詞
☑️過去完了 ⇒ had + 過去分詞
過去完了を had better と並べてみると…
- We had already done it.
⇒ 我々はすでにそれをやり終えていた。 - We had better do it.
⇒ 我々はそれをすべきだ。
――となって、ぜんぜん意味が違います!
さらにもっというと…
🚫否定形になると…
⇒ S had better not do ~.
そして、
❓疑問形になると…
⇒ had S better do ~ ?
――と、なります!
そして極めつけは・・・
【よくある解説】
🧑🏫次の表現を覚えておきましょう。
- would rather do
- had better do
⇒ ❌would better は間違い!
――ということだそうです!
こうなるとまさに、had better は最凶の例外というべき存在です!
ではここで例外ポイントをまとめます👇
⚠️過去形なのに過去の意味じゃない!
⚠️現在形 have better は存在しない!
⚠️動詞の原形を後ろに取る!
⚠️否定・疑問の作り方も特殊!
⚠️would better は使えない!
このように例外要素が満載に見えますが…
実はこれら全部、歴史をたどれば理由を説明できるんです!
というわけで…
いざ!タイムマシンに乗って had better の正体を探る旅に出かけましょう🚀
📜had better は千年の歴史をもつ
英語には古い時代から受け継ぐ表現がたくさんがあります。
この had better もその一つですので、まず英語の歴史を見ていきましょう。
英語は時代ごとの特徴で大きく4つに区別されます👇

そして、
✅had better は千年前の古英語から大きく形を変えて今に伝わります!
つまり、この歴史の変化に had better のナゾを解くヒントが隠されています。
それでは現代英語にあわせたスペルで変化を確認してみましょう👇
- Me were better(古英語)
- I were better(中英語)
- I had better(初期近代英語)
なんと!「主語」も「動詞」もどちらも変化しているんです!
そうなると…
😱主語も動詞も変えたら意味不明になるの当たり前やん!
――と、思われるのは当然です!
でもご心配なく!
この had better の変化を一つずつ解説していきます!
では本格的な解説は、私がいつもお世話になっている Grammarphobia さんのブログを参考にすすめます。
🔗Grammarphobia さんの “had better” のブログはこちら👇

🔴古英語 “me were betere”
まずは古英語 me were better に進みましょう!
さっそくですが Grammarphobia さんからの引用です👇
The idiom was first recorded in writing in the 10th century, according to the OED. The original form was “were better,” and it was used with object (or, more properly at that time, dative) pronouns: “him,” “me,” “us,” and so on. As the OED explains, the phrase me were betere meant “it would be more advantageous for me,” and him wære betere meant “it would be better for him.”
『この表現は、10世紀に文献に初めて記録されたと、オックスフォード英語辞典(OED)に記されています。元々の形は「were better」であり、目的語(当時の文法でより正確に言うならば与格)に使う代名詞(「him」「me」「us」など)とともに使われていました。OEDによれば、このフレーズ「me were betere」は「私にとってより有利であるだろう」を意味し、「him wære betere」は「彼にとってより良いだろう」という意味でした。』
You Better Believe It – Grammarphobia
まずこれを現代英語のスペルに言い換えると…
古英語の時は――
- Me were better
⇒ 私には ~だろう より良い - Him were better
⇒ 彼には ~だろう より良い
――という文が成立していたんです。
そして better のあとには「to 不定詞」と「that 節」が主に使われていました。
- Me were better to do
⇒ 私によってよりよいだろう + ~するのは - Me were better that SV
⇒ 私によってよりよいだろう + SVの内容は
つまり最初は――
💡better do ではなく better to do という形だった!
――というわけなんです。
ここから古英語と現代英語の文を比較してみましょう👇
✅古英語
⇒ Me were better (to do)
☑️現代英語
⇒ It would be better for me (to do)
いかがでしょうか?
😂もうすでに意味不明やねんけど・・・
――と、思われるかたもいらっしゃるでしょう!
ですが、ここはもう少し我慢してください!
ここから一つ一つ分解して見ていきます👇
- me:一人称単数代名詞(私)の「与格主語」
- were:be動詞の「仮定法過去」
- better:形容詞 good の比較級
このうち比較級 better はそのままですが…
- 与格主語(dative subject)
- 仮定法過去(past subjunctive)
――の2つは現代英語の文法とは大きく異なります!
というわけで、この2つをそれぞれ解説していきます!
与格主語 “me”
現代英語では me は「目的格」と呼ばれます。
しかし古英語の代名詞は4つの格を持っていました👇
- 主格(nominative)
- 属格(genitive)
- 与格(dative)
- 対格(accusative)
これらは現代英語になるうえで大きく変化しました。
そしてこの与格は「間接目的語(~に)」に近い意味で使われていました。
そこで、わかりやすいように置き換えると――
✅与格 ⇒ 間接目的語(~に)に使う
☑️対格 ⇒ 直接目的語(~を)に使う
――という違いがありました。
🔗古英語と現代英語の「格(case)」の詳しい解説はこちらをどうぞ👇
ここで現代英語との大きな違いがあります。
古英語の主語には――
「与格(~に)」を使った経験・感覚などの受け手を置く
――という使い方ができます。
これを「与格主語(dative subject)」と言います。
実は、初期近代英語には methinks という与格主語から生まれた動詞がありました。
もともとは別の単語でしたが――
- me:与格主語(私にとって)
- thinks:動詞(~と思える)
――という2つが合体して methinks という固定表現として長く生き残っていました。
この methinks は現代英語だと “it seems to me” に言い換えられます。
ちなみにドイツ語は同じゲルマン語の仲間なので古英語とよく似ています。
そのためドイツ語でも「与格主語」を普通に使えるので確認しましょう👇
ドイツ語は与格と対格の区別を持ちます:
- 主格:ich(私は)
- 与格:mir(私に)
- 対格:mich(私を)
そして与格 mir を使うと・・・
✅Mir ist kalt.(ドイツ語)
⇒ To-me is cold.(ムリヤリ英語)
(私にとって冷たい、寒い)
――という与格主語が作れるんです。
🔗与格主語(dative subject)についてはこちらを参照ください👇
仮定法過去 “were”
では次に「仮定法過去(past subjunctive)」に進みます。
ここで注意したいのは、この were は単なる過去形ではないということです。
普段よく見る過去形は「直説法過去」といいます👇
✅直説法過去(past indicative)
⇒原則として「事実」をつたえる基本の過去形のこと
――という区別があるんです。
そして仮定法は言語学的に厳密にいうと…
🗝️話し手の推測や想定を表すための「動詞を変化させた形」
――という定義があります。
さらに古英語では2種類の仮定法が使われていました。
- 仮定法現在(present subjunctive)
⇒ 起こりそうな予測や希望など- 仮定法過去(past subjunctive)
⇒ 起こらなそうな推測、願望、仮説、丁寧な依頼など
ところが、仮定法の動詞の変化形は歴史の中でほとんど消えていきました。
その理由は、現代英語では――
💡法助動詞 would や should などが仮定法に置き換わっていったから!
――というわけなんです。
そのため現代英語では見た目で区別できる仮定法は be動詞だけです👇

現代英語の場合は、仮定法過去を使うパターンも一部だけになっています👇
- If it were true, I would be happy.
⇒ 起こらなそうな条件設定など - I wish she were here.
⇒ 期待があまりできない願望など
とはいうものの、古英語や中英語では、仮定法過去は普通に使われていました。
ですので me were better の理解は――
⚠️to-me would be better(ムリヤリ英語)
⇒ 私にとって ~だろう よりよい
――と、なります。
ここからちゃんとした英語に近づけると…
✅It would be better for me(現代英語)
⇒ それは ~だろう よりよい 私にとって
――という理解が可能です!
意外かもしれませんが、これが had better の原形なんです。
では次に中英語 “I were better“へ進みましょう!
🔵中英語 “I were better”
ここから中英語 I were better へ進みます。
中英語の特徴はノルマン人征服(Norman Conquest)によるフランス語の影響です。
この時期にゲルマン語の古英語にロマンス語の要素が混じり始めます👇

では再び Grammarphobia さんからの引用です👇
During the Middle English period, the pronouns began changing into the nominative (“he were better,” “I were better,” etc).
『中英語期になると、代名詞が主格(「he were better」や「I were better」など)に変わり始めました。』
You Better Believe It – Grammarphobia
では「古英語 ⇒ 中英語」での変化を確認します👇
- Him were better(古英語)
⇒ He were better(中英語) - Me were better(古英語)
⇒ I were better(中英語)
そして、この変化で注目する点は2つです:
- 与格主語 “me” から主格主語 “I” へ変化した!
- 仮定法過去 “were” は変化していない!
まず解説は、変化していない仮定法過去 were から進めます。
仮定法について、現代英語の英文法書をみるとこう書いてあります👇
🧑🏫主節の仮定法過去は間違いです。would を使いましょう:
❌ It were better.
✅ It would be better.
ですがこれは現代英語の標準文法として作られたものです。
歴史的には主節の仮定法過去は、19世紀の戯曲にもひっそりと残っています👇
Say it not; think it not! It were madness!
1840 Bulwer-Lytton, Money I.i.p 171
(それを言うな!考えるな!それはまるで狂気の沙汰だ!)
つまり中英語の時代には I were better に違和感はなかったんです。
SVO語順が主格主語を生んだ?
ではここから与格主語から主格主語への変化を見ていきます👇
✅Me were better
⇒ 与格主語は動詞(行動・状態)の受け手!
☑️I were better
⇒ 主格主語は動詞(行動・状態)の実行者!
現代英語に慣れている私たちからすると自然な形に近付きました。
この背景には、フランス語のSVO語順の影響があります。
フランス語は「実行者(主格主語)」を動詞の前に置くというルールをすでに強く持っていたんです。
つまり――
🌹フランス語の影響を受けて英語の SVO語順は中英語に出来上がっていった。
――というわけなんです。
ですが、ここで『なにかがオカシイ🤔』と思いませんか?
つまり…主語が “me” から “I” に変わるということは――
😱文の意味が「受け手 ⇒ 実行者」になるという大きな変化が起きている!
あえて日本語で考えると…
- 与格:私にとってカンタン😉
- 主格:私はカンタン😂
――なんて言い換えはありえないですよね?
というわけで与格主語の「正統派(?)の変化パターン」を見ていきましょう。
形式主語 it を使う可能性もあった?
そもそも与格主語は「与格」と「対格」が区別されていたからこそ可能でした。
中英語になると――
✅与格と対格がまとまって「目的格」が生まれる!
そこで与格の代わりに…
- to me
⇒ 前置詞 to + 目的格 me - for me
⇒ 前置詞 for + 目的格 me
という置き換えが進みました。
ちょうどこんな感じで考えてください👇
- Me seems nice(私にとって素敵に見える)
⇒ (S) seems nice to me
ですが、このままだと主語に「空き」が生まれてしまいます😲
そこで「形式主語(dummy subject)」の it が登場してきます!
👤(it) were better for me
つまり、与格が主語の位置から外れるとき、形式主語 it が代理で立つというパターンがありました。
そして同じくドイツ語の場合でも…
- 与格主語
- 形式主語 es(≒ 英語 it)
――のどちらも可能です👇
- Mir ist kalt.
⇒ To-me is cold.(ムリヤリ英語) - Es ist mir kalt.
⇒ It is to-me cold.(ムリヤリ英語)
――といった具合です。
もし形式主語 it を使うとしたら me were better は――
🤔“It were better for me“ に置き換えてもエエんちゃう?
――という展開もあり得たんです!
実際に初期近代英語ではより形式主語が使われているものがあります👇
It were better for him that a millstone were hanged about his neck, and he cast into the sea, than that he should offend one of these little ones.
『これらの幼子たちの一人でも罪を犯すよりは、石臼を首にかけられて海に投げ込まれた方が彼にとってよかったのです。』
Luke 17:2 King James Version
いかがでしょう?
形式主語のほうがより古英語の意味に近くなります。
ところが had better は最凶の例外です!
だからこそ――
😲与格主語が意味のズレを無視して「主格主語」になった!
――という点も見逃せないポイントなんです。
与格主語でも形式主語でも V2語順
いきなり出てきた形式主語ですが、実はゲルマン語の語順ルールに従って登場するんです。
もともと古英語の語順にはいろんなパターンがありました。
しかし、その中でも古英語は、基本になる語順として――
⚓️V2語順(Verb-second word order)
⇒ 動詞が2番目の位置に置かれる
――というパターンを強めていきます。
もちろんゲルマン語の仲間であるドイツ語やオランダ語でも同様に V2語順が基本になります。
だからこそ…
⚓️与格主語でも形式主語でも「V2語順」であればよい!
――というルールになっているんです👇
だから古英語では me were better が可能でした。
そしてドイツ語でも――
- Mir ist kalt.
⇒ 与格主語+V2語順 - Es ist mir kalt.
⇒ 形式主語+V2語順
――のどちらも正式な語順となります。
そして現代英語にも V2語順(verb-second word order)が残っています。
これは一般的には「倒置(inversion)」と呼ばれます👇
- 疑問詞を使った疑問文
⇒ What are you talking about? - 否定の強調
⇒ Never did I see that before! - 場所などの強調
⇒ Here is the truth.
――などなど…これら全部、古英語から受け継ぐV2語順です。
つまり英語の語順とは――
✅基本パターン ⇒ SVO語順
☑️例外パターン ⇒ V2語順
――というわけなんです。
🔗V2語順が関係する倒置の解説はこちらをどうぞ👇
🟡初期近代英語 “I had better”
ついに初期近代英語 I had better の登場です!
では三度 Grammarphobia さんからの引用です👇
And finally, beginning in the 16th century, “were better” gave way to the modern “had better.” As the OED says, “I had better = I should have or hold it better, to do, etc.”
『そして最終的に、16世紀以降「were better」は現代の形「had better」へと変化しました。オックスフォード英語辞典(OED)によれば、「I had better」は「何かをするのが良いと思う、またはそうするべきだ」という意味になります。』
You Better Believe It – Grammarphobia
カンタンにまとめると…
🔄I were better ⇒ I had better
――という最終変化が起きました。
これにより「(主語が)するほうがいいだろう」という意味が固まっていきます。
この had better が通常の過去時制(持っていた)でないのは、もともと『仮定法過去 were の置き換え』という理由があるからなんです。
さてこの had が大きな転換点となりました!
この were を had に変えたことが「最凶の例外」を生み出すことになります😂
もともとは be動詞のおかげで「仮定法過去」の区別ができていました👇
- I were ⇒ 仮定法過去
- I was ⇒ 直説法過去
しかし be動詞がなくなったせいで「仮定法過去」の区別がつかなくなりました!
そうなると…
🤔I had better ⇒ 仮定法過去?直説法過去?どっちなん!?
――という文法上の混乱が起きやすくなります。
そこへさらに短縮形の(‘d)が襲いかかってきます👇
✅I‘d better do
⇒ これは had better やで🤪
✅I‘d rather do
⇒ こっちは would rather やで🤪
ここからさらに会話表現だと better だけの場合すらあります!
そうなると動詞の原形(原形不定詞)がいきなり登場します👇
✅You better be
✅He better do
もうこんなのやってられないですよね?
でも実は――
仮定法過去の had って初期近代英語では「助動詞」として使われていたんです。
had better が「助動詞」になる
まず現代英語で had better の類似する表現をみてましょう👇
- would rather
- would sooner
- should rather
- should sooner
どれも「~するほうがいいだろう」と意味になり、さらに法助動詞が使われています。
ですが初期近代英語には had 系の表現もあったんです!
- had better
- had rather
- had sooner
- had liefer
――これが意味するのは…
😲初期近代英語では had rather や had sooner が使えていた!
と、いうことなんです。
実は、この時代は「had 系(仮定法過去)+ 動詞の原形(原形不定詞)」は普通の表現でした。
つまり had 系の表現はまとめて「助動詞」として理解されていたんです。
さらに初期近代英語の特徴として――
✅原形不定詞と to 不定詞の使い分けのルール化が進んでいった!
――ということが挙げられます。
そして、
✨had better は「助動詞」としての解釈が進み、そのため原形不定詞を置くという方向へ進んだ。
――というわけなんです。
こうして、法助動詞の仲間(can, may, must, shall, will)がすべて原形不定詞をとるように、had better もその仲間入りをしていきました。
ですが、不定詞の選択が完全に固定化したわけでないんです。
現代英語でも「to 不定詞 or 原形不定詞」の揺らぎが残っている動詞があります👇
- help to do
⇒ to 不定詞をとる一般動詞- help do
⇒ 原形不定詞をとる一般動詞
- Idon’t need to do
⇒ 一般動詞として解釈- Ineed not do
⇒ 助動詞として解釈
このような例は to 不定詞と原形不定詞のどちらもつなげる動詞が存在していた名残なんです。
ところが、ここからほかの had 系の仲間が消えていくことになります。
そして法助動詞 would や should の使用にほぼ全て移行していきました。
つまり had better は「had 系の最後の生き残り」なんです!
would better になる可能性もあった?
そんな古英語の伝統を受け継ぐ had better にも危機がありました。
なんと “would better” に変化させようとする動きも過去にあったようです。
ここでまた Grammarphobia さんからの引用です(ちょっと長いので和訳は分離します)👇
It should be noted that even the full phrase, “had better,” was criticized by some in the 19th century on the ground that it was illogical and couldn’t be parsed.
An 1897 issue of the Ohio Educational Monthly says many teachers found “had better” and other idioms “very difficult to dispose of grammatically.”
“Because some teachers do not understand how to dispose of them, they teach that they are incorrect,” the monthly adds. “They insist upon changing ‘had better’ to ‘would better.’ ”
In other words, the schoolmasters condemned what they couldn’t understand, and offered a replacement that was even harder to justify.
You Better Believe It – Grammarphobia
これを和訳すると…
『19世紀には、”had better” という省略ではないフレーズさえも、非論理的で解釈不能であるという理由で批判するものがいたとに注目すべきである。
1897年発行のオハイオ教育月刊誌には、多くの教師が “had better” などの慣用句を「文法的に扱うのが非常に難しい」と感じていたと記されている。
同月刊誌はさらに、「教師の中には、それらの慣用句の扱い方を理解していないため、誤りだと教える者もいる」と付け加えている。「彼らは “had better” を “would better” へ言い換えることを強く主張している」。
言い換えれば、教師たちは理解できないものを非難し、さらに正当化が難しい代替案を提示したのである。』
You Better Believe It – Grammarphobia
なるほど!
教育現場の一部の意見が原因で、あやうく had better も「文法間違い」にされるでした。
でも私も英語の先生として had better が厄介な理由はわかります!
よく生徒さんたちから、
先生!had better の文法ってどうなってるんですか?ChatGPTに聞いてもよく分からないんです😂
――と質問を受けてきました。
このブログは had better を本格的に解説するために生まれたというわけです😊
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
こうして見ると had better は決して「意味不明な例外」ではないんです。
今なお、かつての古英語の姿を現代に伝えてくれている存在です。
1000年かけて姿を変えてきた had better は、
🏆英語イディオム界のレジェンド(
最凶の例外)
――と呼ぶにふさわしいように思えます。
そうなると――
🫡We had better learn had better as a unique survivor of English history!
『私たちはこの had better を学んでいくべきでしょう、英語史に残る唯一無二の生き残りとして!』
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
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