パンはラテン語で英語のブレッドはゲルマン語の由来

世界が広がる英語の知識

生徒さんからのお土産でパンをいただいたのでおいしくいただいております。ありがとうございました。

日本語では小麦粉を焼いた食べ物を「パン」というのが一般的です。

しかし英語では「ブレッド bread」といいます、

発音からして大きく違うので、語源から調査してみてましょう。

パンはラテン語由来の言葉

Wikipedia によると、日本語に「パン」が入ってきたのは南蛮ポリトガロ国より伝わったパン(pão)が語源とのことです。

ポルトガル語はラテン語の流れを持つロマンス語グループに入ります。

そのためほかのロマンス語の仲間をみると語源がよくわかります。

  • フランス語:パン(pain)
  • スペイン語:パン(pan)
  • イタリア語:パン(pane)

ラテン語は古代ローマの言語です。

ローマ帝国の勢力の中心地域がロマンス語を話していることが分かります。

加えてラテン語は中世~近代までヨーロッパ世界の共通語でした。

そのため英語にもたくさんラテン語に由来する表現が使われています。

ブレッド bread はゲルマン語由来の言葉

こうなってくると「ほんなら bread はどっからでてきてん?」と別の疑問がわいて参ります。

気になって調べてみると語源はゲルマン語由来の古英語だそうです。

実際にゲルマン語の仲間の言語をみていきます。

  • 英語:bread
  • オランダ語:brood
  • ドイツ語:Brot

こうみるとイギリスがゲルマン人の勢力範囲にみえてしまいます。

それもそのはず、もともと英語を話していた人たちはゲルマン民族なんです。

実際に1000年ほど前の古英語の文法はドイツ語と非常によく似ています。

我々が知っている現代英語の文法のほうが、実はヘンテコなルールが採用されていて、古英語とは大きく違う仕組みになりました。

そのため英語が昔から受け継いでいる文法の仕組みは、実はドイツ語の文法書をみるほうがよくわかります。

英語学習のためにドイツ語文法を学ぶのは超おススメです。

英単語にあるゲルマン語とロマンス語

パンの表現は「ロマンス語語系」と「ゲルマン語系」で分かれるということがわかりました。

これはパンだけでなくていろんな英単語にも言えることです。

古い時代からよく使っている英単語はゲルマン語由来が多くなります。

そして英語の歴史の中でラテン語やフランス語などからも影響も受けてきました。

そのため似ているスペルなのに、全然違う意味の英単語もあります。

同じく全然違うスペルなのに、ほぼ同じ意味を持つ英単語もあります。

ちなみに pain はフランス語では「パン」の意味ですが、英語は「痛み」になります。

フランス語と英語はスペルが同じで発音も意味も全然違うものがやまほどあります。

この話をフランス人の友人にするとこう言っていました。

『英語とフランス語はニセモノの友達言語。似ているようで全然似てない。』

まったくもってその通りで、仏単語を覚えるのにも苦労しています。

私もフランス語の勉強のために「スペルが同じで違う意味」の仏英単語の対象リストを自作しています。

とはいえ、中国語と和製漢語もこういうイタイ間違いを引き起こすことはよくあるようです。

言葉が混じり合ったお隣さん同士というのはそういう宿命かもしれません。

小麦粉をメリケン粉となぜ呼ぶのか?

せっかくパンの話がでたので、ここで「小麦粉」の話までしてみようと思います。

明治の時期には「小麦粉 flour」のことをメリケン粉と呼んでいました。

このメリケンは「小麦粉はアメリカから輸入していたこと」に由来する和製語です。

明治の人たちが American を聞こえたままに「メリケン」と表記したことが由来です。

たしかにアメリカ人が強めのアクセントで話すと「アメリカン」には聞こえません。

神戸の港には「メリケンパーク」がありスペルも Meriken Park となっています。

そもそも英語でもフランス語でも、ローマ字表記のカタカナ読みをしても的確な発音になりにくいです。

発音とスペルを直接つなげるような発想のほうが、リスニングやスピーキングの成長は早いと思います。

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