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Shemhazai, the Whisperer / 密告者シュミハザ
Ultimate Attack: Soul Purge / ソウルエミット
“Scion that is both horse and woman, wielding utter control over the souls that wander the underworld, in opposition to the Martyr Igeyorhm, scion of light. Though she once served the gods as a guardian, when Ultima announced her rebellion, Shemhazai went to her, whispering of the gods’ hidden weaknesses. She then descended upon the land without leave of the gods, and taught men of destruction and evil. For this was she stricken down and bound.”
「異界を漂うすべての霊魂を意のままに操り解き放つ人馬一体の異形者。光の異形者である殉教者イゲオルムとは対なる存在。神を護衛する役目を担っていたが、聖天使アルテマが反逆を企てた際には、神のあらゆる弱点を告げる密告者としての役割に転じた。その後、神の許しを得ることなく地に降りたシュミハザは、人々に破壊と邪淫の教えを説いたため神により打ち倒され封印される。」
英単語・英語表現の解説
Shemihazai: シュミハザイ
聖書に実際に登場する天使で、のちに堕天使となるのも同じです。そもそも日本語の文では「女性」とは書いていないのですが、英語は he/she を区別する形になるので、女性だとわかります。
purge: 粛清、一掃する
カトリックの教義では「煉獄 purgatory」といって、天国に行く前に、些細な罪を清める場所があります。また粛清(要は権力者の気に入らない連中の虐殺)の意味もあるので注意。安政の大獄も「Ansei Purge」と英訳されます。ちなみにプロテスタントではこの「煉獄」の考えは受け入れられていません。
wielding utter control over ~: ~における完全に支配を持って
wield の分詞構文。over をつかっているので「上から支配する」感覚がうかがえます。
underworld: 異界、黄泉の国
地下世界にある死者の国という意味です。キリスト教の罪人の落ちる地獄(hell)とは違い、ギリシャ神話のハデスの治める死後の世界という感じですね。日本神話で行くとオオクニヌシの治める「幽り事(かくりごと)の世界」という雰囲気でしょうか。
別の召喚獣の説明のところで Otherworld が「異界」となったり「下界」となったりしています。Underworld が「下界」なのかもしれません。
martyr: 殉教者
殉〇とつくと「~に従い死ぬ」という意味になります。殉死は「主君の死に従って死ぬ」、殉職は「職務が理由で死ぬ」を意味します。殉教とは「迫害されても信仰に従い死を選ぶ」ということです。キリスト教徒は殉教により天国に行けるのでローマの迫害を恐れませんでした。
日本のキリシタン迫害では、拷問がおこなわれましたが、これは殺害が目的ではなく、殉教をさせずに信仰を捨てさせるための脅しの要素が大きかったようです。こうして棄教したキリシタンを「転び伴天連」といいました。政権側からすると、殉教されてしまうと聖人扱いされてしまうので、余計にやっかいだったんですね。
without leave of the gods: 神々の許可なしに
leave は名詞では「許可」を意味します。動詞の leave とは別の言葉を語源としています。英語では名詞と動詞を文法的に混同させて使うことは、ほぼありえないので英語ネイティブは品詞が分かれていればスペルが同じでも困りません。たとえばここでは leave は without という前置詞の後に来ています。前置詞とペアで使うのだから名詞、というのは英文法では超基本ルールです。
For this was she stricken and bound: このために彼女は打倒され、拘束された
for this を前に出した倒置表現です。stricken は strike の過去分詞で、bound はbind の過去分詞です。