カレイとヒラメの違いって何?英語と漢字から見える「魚の名前」の話

英語で広がる世界の教養

カレイとヒラメの違いといえば、

日本ではよく「左ヒラメに右カレイ」と覚えます。

つまり腹を下にしてみるときの「の位置が左右のどちらにあるか?」が目安になります。

ただし、これはあくまで覚えやすい言い方であって、

生物学的な分類としては、必ずしもこの区別が常に当てはまるわけではないようです。

では、英語ではどう呼ばれているのか見ていきましょう!

カレイとヒラメの英語の違いは「右と左」

英語では、カレイもヒラメもまとめて、

flatfish(平たい魚)』と呼ばれるのが一般的です。

そして区別するときには、

つまり「眼がどちら側にあるか?」という点に注目するわけです。

これは日本語と同じ発想ですね。

  • 眼が右側にあるもの
    right-eyed flatfish
  • 目が左側にあるもの
    left-eyed flatfish

という具合です。

ここで使われている eyed は「眼をもった状態」を表す形容詞的な表現です。

英語では名詞に -ed をつけて「性質」を表します。

(📌語源は過去分詞をつくる -ed と同じです)

また学術的な表現では、

  • 右側にあるもの
    dextral flatfish
  • 左側にあるもの
    sinistral flatfish

と呼ぶこともあります。

この違いは、日常的な right / leftゲルマン系の語ですが、

学術的な表現で使われる dextral / sinistralラテン語に由来するからです。


ちなみに「シタビラメ(舌平目)は

  • sole(足の裏)
  • tonguefish(舌魚)

など、見た目そのままの名前で呼ばれています。

回転ずしの「縁側」として知られる、巨大なカレイのオヒョウhalibut です。

日本語の漢字なら「鮃」と「鰈」

カレイとヒラメに使われる漢字は「」と「」です。

は「魚」に「平」なので、その名の通り、平たい姿をそのまま写し取った字です。

漢字だけ見ると「ヒラメ(鮃)=flatfish」に見えます。

一方のは「魚」に「枼(葉)」を組み合わせており、葉っぱのような形を表しています。

ちなみに英語には leaffish(葉っぱの魚)という名前の魚も実在します。

ただし、それはカレイやヒラメとは別の魚です。

こうして見ると、日本語も英語も、魚の分類には「見た目や外見の印象」を名前にしてきたことがわかります。

fish は海の生き物のこと

もしかすると、次のような印象をお持ちの方はおられませんか?

 😂flatfish(平たい魚)って適当なネーミングすぎへん?

でも実は、漢字の「魚編」とよく似た感覚なんです。

英語の fish という言葉も、

実はかなり人間目線の、ゆるいまとまりをもっています。

たとえば

  • archerfish(テッポウウオ)
    ⇒弓使いの魚
  • lionfish(ミノカサゴ)
    ⇒獅子のようなたてがみを持つ魚
  • pufferfish(フグ)
    ⇒膨らむ魚
  • rockfish(メバル)
    ⇒岩の魚

などは、行動や見た目の特徴から名付けられた、ごく普通の魚です。

一方で、

  • starfish(ヒトデ)
    ⇒ 星のような姿
  • jellyfish(クラゲ)
    ⇒ ゼリー状の姿
  • shellfish(貝)
    ⇒ 殻をもつから

などのように、生物学的には魚ではない生きものも、英語では同じ fish の仲間として呼ばれています。


⭐Closing Thought

ここまでお読み下さり、ありがとうございました😌

ヒラメとカレイの左右の違いから、fish という言葉の広がりまで見てきましたが、

英語の ○○fish という表現からは「英語ネイティブがどう見たか?」という視点が、浮かび上がってくるように思います。

そう考えると、英語における分類の感覚は、見た目印象を大切にしてもいいのかもしれませんね。

ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡

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