みなさんは let’s の文法について不思議に思ったことはありませんか?
実際によく使う let’s は初心者向けの教材にもすぐ登場します。
- Let’s go!
⇒ 一緒に行こう!- Let’s eat lunch!
⇒ 一緒に昼食をたべよう!
と、ここまでならカンタンです!
ところが――
- Let us do it!
- Let’s do it!
この2つの意味も見た目もほとんど同じなのに、
よく見ると少し不思議なことが起こります👇
- let us ⇒ 命令文の形
- let’s ⇒「一緒にやろう」という意味
そしてさらに、
付加疑問文になると…
✅Let’s do it, shall we?
⇒ 一緒にそれをしませんか?
なぜか突然 we(私たちは)が登場します😂
このように let’s はシンプルに見えて、文法的にはかなり奥が深い表現なんです。
というわけで、
この記事では let’s の意味と使い方を「文法のしくみ」からしっかり解説していきます!
🤝勧誘の let’s|私とあなたで一緒にやろう!
まず最初に
let’s の「一緒に~しよう」の意味を具体的に解説します。
これは文法用語では「勧奨・推奨(hortative)」と呼ばれ、
✅話し手(I)が聞き手(you)へ行動を提案する
という文になります。
そして勧奨・推奨(hortative)をさらに詳しく分類すると、
🤝話し手(I)と聞き手(you)が一緒に行う提案
⇒ 勧誘(cohortative)
と呼ばれます。
そのため勧誘の let’s をより正確に言うと…
✅Let’s do it.
⇒(私とあなたで)一緒にそれをしよう!
という意味になります。
そして、
この勧誘の let’s はもともと命令文 let us から生まれた表現です。
✅let’s ⇒ let us の短縮形
この us(私たち)こそが、
私(I)とあなた(you)を合わせた「私たち(us)」の正体です。
let’s は “let is” の略ではない!
英語で let’s に最初に出会うときに、
“let is” の省略だと誤解するケースが多くあります👇
❌let is
↓
⭕let us
文法的な理解として重要なのは、
ここでの let は命令文をつくる動詞です。
そのため let は主語ではないので、
be動詞の “is” を置くことは英文法ではルール違反になります。
ではここから、
命令文 let us の構造を詳しく見ていきましょう!
🌱let’s は命令文 let us から生まれた
まず命令文は主語 you が省略された形でつくります 👇
✅(You) open the door.
このような省略が可能な理由は、
英語の命令文の構造として、
🎯話し手(I)⇒ 聞き手(you)へ話しかける
という前提があるからです。
- Open the door.
⇒(聞き手に対して)ドアを開けて - Come here.
⇒(聞き手に対して)こっちに来て
これと同じ構造で、
✅(You) let us go.
⇒(あなたが)させる 私たちを 行くこと
という命令文が作られます。
使役動詞 let は「許可」を与える
動詞 let は「誰かが行動するのを自由に~させる」という意味を持ちます。
そのため、
使役動詞(causative verb)と呼ばれるグループに入り、
✅let O do
⇒ let 目的語 動詞の原形(📌この動詞の原形は「原形不定詞」です)
という特殊な語順を作ります。
日本語で「使役」というと強制っぽく聞こえますが、
実際には let の意味は、
- ~するのをゆるす
- 自由に~させる
という「許可」に近いものになります。
そのため「使役動詞」とは、
✅causative verb(引き起こす動詞)をまとめたグループ名
にすぎないことを覚えておいてください。
ここでちょっと豆知識ですが、
フランス語には laisser(レッセ)という let とほとんど同じ意味の動詞があります。
この laisser は「放任動詞」と呼ばれています👇
✅放任動詞 laisser(英語 let に近い)
⇒ 自由に~させる(許可)☑️使役動詞 faire(英語 make に近い)
⇒ 指示して~させる(強制)
英語の動詞 let は「使役動詞」として分類されますが、
フランス語のマネをして「let = 放任動詞」と覚えておくと本来の感覚に近くなります😉
“Let’s let” ってどんな意味?
実際の英語では let が2連続で出てくることもあります。
では例を見ていきましょう
- Let’s let him go.
(彼を行かせてあげよう)- Let’s let her decide.
(彼女に決めさせよう)
これらの文構造を解説します👇
🎯勧誘の let’s + 使役動詞 let(許可)
⇒ 私とあなたでいっしょに + ~させてあげる
このように let の数に惑わされずに、
「let’s(勧誘)⇒ let(許可)」の語順通りに正確に意味をとらえて下さい。
ここまで見てきたように、
使役動詞 let us do が命令文になると
😊私たちの行動に許可を与えて!
という「許可を要求する」という意味が生まれます。
そしてこれこそが勧誘の let’s の原型になります。
ではここから、
「勧誘と命令の let us」の違いを詳しく見ていきましょう!
🎭let us は勧誘にも命令にもなる
まず重要なこととして、
勧誘文と命令文の違いを確認しておきましょう👇
✅勧誘文(cohortative)
⇒ 話し手(I)が聞き手(you)と一緒に行うことを提案する☑️命令文(imperative)
⇒ 話し手(I)が聞き手(you)に行うことを命令する
つまり let us の場合、
目的語 us の内容によって勧誘と命令が分かれることになります👇
✅聞き手(you)を含む私たち(us)
⇒ 勧誘☑️聞き手(you)を含まない私たち(us)
⇒ 命令(📌この違いは会話の状況や文脈がないと区別できません)
ではここからミニストーリーを使って、
let us が勧誘と命令になる2パターンを見ていきます👇
(ミニストーリー)
Adam と Eve が散歩の途中で、George の庭にあるリンゴを見つけました。
あまりにもお腹がすいていたので Eve が Adam にこう言います👇
🍎Let us eat that apple!
(そのリンゴ、一緒に食べようよ!)
ところがそのとき、
George にリンゴを食べようとしたのを見つかってしまいました。
George に止められた Adam と Eve はこう言います👇
🙏Let us go, please! We will never do this again!
(お願いだから、見逃してください!私たちは2度とこんなことをしません)
二人にはそれほど悪気があったように見えなかったので、
心の優しい George はリンゴを分けてあげることにしました。
Adam と Eve は George の優しさに感謝し、
それからずっとリンゴの木の世話を手伝うようになりました。
(めでたし、めでたし。)
では、このミニストーリーに登場する
- Adam
- Eve
- George
の会話に合わせて勧誘と命令を解説していきます。
1️⃣勧誘の let us|あなたと私が同グループ
まず勧誘は、
(You)let us do
⇒ 聞き手(you)を含む私たち(us)
という構造になります。
先ほどの例だと Eve が Adam(聞き手)の発言です
🍎Let us eat that apple!
⇒ Adam へむけて Eve と Adam でリンゴを食べることを提案
まさにこの構造こそが、
今や広く使われている「勧誘の Let’s」の正体というわけです!
2️⃣命令の let us|あなたと私が別グループ
次に命令は、
(You)let us do
⇒ 聞き手(you)を含まない私たち(us)
という構造になります。
先ほどの例だと George に向けての2人からの発言です👇
🙏Let us go, please!
⇒ George へむけて Eve と Adam がこの場を離れることを命令(依頼)( 📌命令文は「丁寧な依頼」としても機能します)
このパターンは完全な命令文ですから、
Let’s ~ に置き換えることはできません。
🌟let’s は勧誘専用だから広まった!
このように Let us には、
- 勧誘(cohortative)
- 命令(imperative)
両方の意味になる可能性があります。
つまり、
Let us は「命令にも勧誘にも解釈できる曖昧な表現」です。
だからこそ英語では、
🎯勧誘専用の形として Let’s が定着した!
というわけなんです😊
let’s の否定文は not の位置に注意
ではここから let’s と let us の違いに注意しながら、
否定文(negative)での「not の使い方」に進んでいきます。
勧誘専用の「let’s の否定文」の形は決まっています👇
🍎Let’s not eat the apple.
⇒ しないようにしよう 食べる リンゴを(📌let’s の後ろで eat(原形不定詞)の前に置く)
しかし let us になると要注意です。
なぜなら not の使い方が変わるからです👇
✅Let us not do
⇒ 否定の勧誘(~しないようにしよう)☑️Don’t let us do
⇒ 否定の命令(我々に~させないで)
それでは、それぞれ例文を見ていきます。
まずは「否定の勧誘」です👇
✅Let us not waste time.
(時間を無駄にしないでおこう)
次は「否定の命令」です👇
☑️Don’t let us tell you this again.
(私たちにこれを君に二度と言わせないでくれ)
いかがでしょうか?
let’s not は丸暗記すればカンタンなのですが、
let us の否定文は「勧誘」と「命令」で作り方が変わるので要注意です。
👻Let us の主語は付加疑問文で見える
Let us は、文脈によって
- 勧誘なのか?
- 命令なのか?
を区別しにくい曖昧な表現です。
そんなとき役に立つのが付加疑問文(tag question)です。
付加疑問文をつけると、
その文が「誰に向けられた発話なのか?」が一目でわかります。
✅勧誘 ⇒ Let us + shall we?
(主語は we=話し手+聞き手)☑️命令 ⇒ Let us + will you?
(主語は you=聞き手)
このように同じ Let us go. という文でも、
付加疑問文が変わると意味がまったく違います。
では、さきほどのミニストーリーの登場人物で違いを見てみましょう。
勧誘の付加疑問は shall we?
勧誘の付加疑問文とは、
『話し手も含めた自分たちの行動を提案する文』のことです。
文の最後に “shall we? “を使えば、カンタンに作れます。
🍎Let us eat that apple, shall we?
⇒ そのリンゴ、一緒に食べようよ?(📌主語の we = Eve + Adam)
これは Eve から Adam へリンゴを一緒に食べる提案になります。
命令の付加疑問は will you?
命令の付加疑問文は、
『話し手から聞き手への向けた文』になります。
これは、文の最後に “will you? “を置いて作ります。
🙏Let us go, will you?
⇒ 私たちを見逃してくださいませんか?( 📌主語 you = George)
ここでは George に対して行動を求める文になっています。
命令文はそのままだと強い表現になりますが、
文末に “will you?” をつけるとすこし丁寧なニュアンスになります。
このように付加疑問文にすると、
曖昧な Let us の「隠れた主語」を暴き出すカラクリとして機能します。
✅勧誘文の「隠れた主語」
⇒ we(話し手+聞き手)☑️命令文の「隠れた主語」
⇒ you(聞き手)
文脈によって意味が分かれる let us だからこそ、
付加疑問文でわかる違いはとても重要になります。
❓勧誘 let’s と似た意味になる疑問文
実は英語の勧誘は、let’s や let us だけではありません!
主語を we にした疑問文でも、勧誘の意味を作ることができます!
なぜ we が勧誘につながるかというと――
✅I(話し手)+ you(聞き手)= we
というように「話し手と聞き手が一緒に行動する」文だからです。
そのため 主語は自然と we になります。
これは let’s(= let us)とまったく同じ発想です!
では we を主語にした3つの表現を見ていきましょう👇
Shall we ~?
✅Shall we go?
(行きませんか?/行こうか?)
もともと shall は「義務・必然」を表す言葉でした。
しかし歴史の変化の中で、
💡shall は主語が I や we(一人称)の場合に「未来・意志・提案」を担当するようになりました!
そのため Shall we ~? には、
『我々はこれから~することにしようか?』という提案のニュアンスをもちます。
現代英語では shall は日常会話でほぼ使われなくなりましたが――
Shall we ~? はすこし品のある勧誘フレーズとして、今も広く使われています!
そうなると、
- Shall we dance?
- Let’s dance!
の違いが気になりませんか?
上手な使い分けを生成AIに聞くのもいいアイデアかもしれません😉
Why don’t we ~?
✅Why don’t we go?
(なぜ私たちはいかないの? ⇒ 私たちでいこうよ!)
この文は直訳すると「なぜ私たちは行かないのか?」になりますが、
実際には「提案・勧誘」の意味になります。
これは修辞疑問文(rhetorical question)と呼ばれるタイプで、
🎯あえて答えがわかりきっていることを聞くことで主張を強める疑問文
のことです。
そのため why don’t ~ は純粋に理由を聞いているわけではありません。
- なぜ私たちはいかないの?
- 行かない理由なんてあるの?
- 当然、一緒に行くよな!
という流れで、自然に勧誘の意味が生まれます。
面白いのは主語が変わると意味も変わるところです👇
✅Why don’t you go?(なぜあなたは行かないの?)
⇒ 純粋な疑問文☑️Why don’t we go?(行こうよ!)
⇒ 勧誘の意味になる疑問文
主語が you なら「なぜ行かないの?」という相手に尋ねる疑問なのに、
we になった瞬間に「一緒に行こう!」という勧誘に変わります。
ここでも「we = 勧誘」という法則が働いているんです。
How about we ~?
✅How about we go?
(私たちで行くのはどうかな?)
How about ~ はもともと「~はどうですか?」という提案の表現で、
後ろには名詞や動名詞が続くのが本来の形です👇
- 名詞:How about coffee?
(コーヒーはどう?)- 動名詞:How about having lunch here?
(ここでランチをとるのはどうかな?)
そもそもこの about は前置詞として使われています。
そのため How about we go? のように、
後ろに we + 動詞を続けるのは、厳密にいえば非標準な形になります。
💡How about (提案の導入)+ we go(提案された内容)
⇒ 我々で行くのはどうかな?
という口語的な拡張として自然に広まり、現代英語では広く使われています。
本来なら、前置詞の後ろには名詞・動名詞しか置けませんが、
ネイティブスピーカーの会話では完全に自然な表現です!
🎩おまけ|勧誘の we と let’s を歴史から学ぼう!
実は we を主語にした勧誘は、昔の英語では使われていました。
つまり――
“Go we!” だけで “Let’s go!” のような意味にもできていたんです!
みなさんが「🤔それ、ホンマかいな?」と思われるのも分かります😂
というわけで――
3つのバージョンの聖書をつかって時代ごとに異なる表現を探っていきましょう!
まずは「勧誘の let’s」をつかった一番現代に近いパターンです。
New Testament for Everyone の聖書を見てみます👇
So, then, let’s not go to sleep, like the others, but let’s keep awake and stay sober.
1 Thessalonians 5:6 – NTFE
では次に「勧誘の let us」を使った格式あるパターンです。
16世紀に書かれた King James Version(欽定訳)の聖書を見てみます👇
Therefore let us not sleep, as do others; but let us watch and be sober.
1 Thessalonians 5:6 – KJV
そして、さらに14世紀まで時間を巻き戻すと――
ジョン・ウィクリフ版の聖書では「勧誘の we」が見つかります👇
Therefore sleep we not as others; but wake we, and be we sober.
(📌英単語のスペルは現代版になっています)
1 Thessalonians 5:6 – WYC
このウィクリフ版の聖書では、
- Sleep we not
- Wake we
- Be we sober
という「主語 we」をつかった勧誘の語順になります。
実はこの動詞を先頭に置く語順は、ドイツ語と同じ発想なんです👇
🍺Gehen wir!(行こう!)
⇒ Go we!(ムリヤリ英語)
つまり中世の英語だけが特殊だったわけではないんです😉
ちなみに、この語順には「V1語順(verb-initial word order)」という正式な言語学用語があります。
(🔗V1語順の詳しい解説はこちらをどうぞ👇)

⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
勧誘の Let’s や we って意外と奥深い表現なんです。
もしかすると、
🤔Why don’t we learn this?
(なんで私たちはこういうの習わへんのかな?)
といった疑問を、ふと感じるかもしれません。
でも今の時代はAIという強い味方がいます。
ですから既存の英語教育に疑問を感じたとしても――
😆Why don’t we learn much more with AI?
(みんなでAIと一緒にもっといろいろ学んでいけばええやん?)
という勧誘の we に切り替えていけば、
きっと英語の本質を理解できると私は信じています😊
We shall meet again!🫡
ちょっとユニークな英語塾
志塾あるま・まーたは、楽しみながら英語を広く深く学べるオンライン英語塾です。
高校を半年で中退した塾長が、アメリカ留学中に人工言語エスペラントと出会ったことをきっかけに、ゼロから“世界で通用する英語力”を習得できました。
その学び方をベースに、統語論(Syntax)と意味論(Semantics)を組み合わせた独自の指導法を展開しています。
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さらにラテン語、フランス語、ドイツ語などヨーロッパ系言語の知識や、古英語・中英語・初期近代英語を含む英語史の視点も取り入れた、ちょっとユニークで本格派な英語学習法をご紹介しています。
世界のどこにもないみなさんオリジナルの英語学習をぜひ一緒に作っていきましょう😆

