富山の名物、ホタルイカ、するめ、白エビの干物をお土産でいただいています。
とてもおいしかったです。ありがとうございました!
英語のイカは主に3種類
英語のイカには大きく分けて3つのいい方があります。
- squid
- cuttlefish
- calamari
英語の Squid はただのイカではない!?
まずは squid ですが、英語では一般的なイカの呼び方です。
しかし厳密には、日本語の「イカ」とはすこし違った意味を持つようです。
日本語の Wikipedia の「イカ」によると・・・
イカ(squid(ツツイカ)またはcuttlefish(コウイカ))は、海生軟体動物の一群である。分類学上は軟体動物門頭足綱十腕形上目(または十腕形目) Decapodiformes とされる。十腕目 Decembrachiata とも。英語では体内に甲を持つものを英: cuttlefish、ないものを英: squidと呼んでいる。
イカ – Wikipedia
つまり squid は単なるイカというより「ツツイカ」を表す言葉です。
日本語で「イカ」とよんでいても、英語では「ツツイカ squid」と「コウイカ cuttlefish」の区別があることになります。
我々がよく見るスルメイカやアオリイカは、この「ツツイカ(筒烏賊)」に入ります。
次に英語の Wikipedia の Squid の記事によると・・・
“Squid are cephalopods in the superorder Decapodiformes with elongated bodies, large eyes, eight arms and two tentacles. Like all other cephalopods, squid have a distinct head, bilateral symmetry, and a mantle. They are mainly soft-bodied, like octopuses, but have a small internal skeleton in the form of a rod-like gladius or pen, made of chitin.”
Squid – Wikipedia
ここで、すこし気になる記述をみつけました。
(They) have a small internal skeleton in the form of a rod-like gladius or pen, made of chitin.
Squid – Wikipedia
どうも squid の特徴は gladius や pen と呼ばれる内骨格(internal skelton)を持つことも入るようです。
これは日本語で「軟甲」といい、スルメイカなどを捌くときに、目のあたりから奥に手を入れて引き抜く細長い透明な骨のようなもののことです。
ちなみに gladius は、古代ローマの兵隊の持っていた短剣に由来します。
たしかにイカの軟甲は片手用の短剣にみえなくもありません、
また、古代ローマの公用語はラテン語(Latin)ですので、この gladius もラテン語由来になります。
では、次に「コウイカ」はどんなイカなのか見ていきましょう。
英語の cuttlefish ってどんなイカ?
さきほどのツツイカと別のグループがコウイカ(甲烏賊)です。
このコウイカが cuttlefish と呼ばれています。
日本語の Wikipedia の「コウイカ」によると・・・
十腕形上目(イカ類)は伝統的に、底生で甲を持つコウイカ類(底生で甲は退化するダンゴイカ類を分けることも多い)と遊泳性で石灰質の甲を持たないツツイカ類に二分され、そのうちの前者に属している。
コウイカ – Wikipedia
そして英語の Wikipedia の Cuttlefish の記事によると・・・
“Cuttlefish or cuttles are marine molluscs of the order Sepiida. They belong to the class Cephalopoda, which also includes squid, octopuses, and nautiluses. Cuttlefish have a unique internal shell, the cuttlebone, which is used for control of buoyancy.”
Cuttlefish – Wikipedia
つまり遊泳型のコウイカの特徴は浮力調整のための「甲(cuttlebone)を持つこと」にあります。
また、さらに Wikipedia を読み進めると・・・
‘The “cuttle” in cuttlefish comes from the Old English name for the species, cudele, which may be cognate with the Old Norse koddi (cushion) and the Middle Low German Kudel (rag).’
Cuttlefish – Wikipedia
「甲」を意味する cuttle というのは古代北欧語(Old Norse)の「クッション」が語源のようです。
こちらの情報をまとめてみます。
- squid(ツツイカ)は gladius や pen をもつ高速遊泳型。
- cuttlefish(コウイカ)は cuttlebone をもつ浮遊型。
なるほど!よくわかりました。
英語の calamari ってどんなイカ?
やっとこさ calamari までやってきました。
これは「食材としてのイカ」を表す際に使われる言葉のようです。
calamari の言葉の由来ですが、17世紀にイタリア語から英語に入ってきた言葉のようです。
もともとは中世ラテン語で「墨壺」を意味し、さらにさかのぼると「葦のペン」を意味する言葉に由来するようです。
詳しくは、下記の英語辞書サイト merriam-webster を参照ください。
The word calamari was borrowed into English from 17th-century Italian, where it functioned as the plural of “calamaro” or “calamaio.” The Italian word, in turn, comes from the Medieval Latin noun calamarium, meaning “ink pot or “pen case,” and can be ultimately traced back to Latin calamus, meaning “reed pen.
https://www.merriam-webster.com/dictionary/calamari
こう見ていくと「イカ」は「食材」であることと同様に「墨」や「黒い色」のイメージが強いと感じました。
せっかくここまで詳しく見てきたので、どうせならイカの生物学的な分類まで話を広げていこうと思います。
頭と足をもつ生き物
イカやタコのような仲間を学名で「頭足類 cephalopod」といいます。
これはギリシャ語(Greek)に由来します。
- cephalo は「頭」
- pod は「足」
この頭足類は大きく分けるとこの4種類のようです。
- ツツイカ(squid)
- コウイカ(cuttlefish)
- タコ(octopus)
- オウムガイ(nautilus)
もともと頭足類は貝から進化したようで、イカの甲は殻が体内に取り込まれたもののようです。
つまりツツイカの軟甲も、コウイカの甲も元々は貝殻だったということみたいです。
それゆえ殻をもつオウムガイもイカやタコとご先祖様は同じというわけです。
10本足=8本腕+2本触手
さて頭足類の中でもイカは decapodiforms といいます。
ちなみに dec はギリシャ語そしてラテン語でも「10」を意味します。
つまりイカの学名は「10本足の仲間」ということです。
これはちょうど頭足類からタコやオウムガイを除いた「イカの仲間だけの分類」です。
しかし「10本足」といいながら、実は生物学上は「イカには足がない」ようです。
つまり「10本足」は2本の触手(2 tentacles)と8本の腕(8 arms)のようです。
英語で「腕」と「触手」の違いの解説を見つけましたので紹介します。
Arms, like those on an octopus, have suction cups the entire length of the limb. Tentacles only have suction cups near the end of the limb. Some Cephalopods have arms, some have tentacles, and some have both!
GET TO KNOW THE FOUR TYPES OF CEPHALOPODS
この文章を簡潔にまとめてみます。
- 触手(tentacle):吸盤が肢(limb)の先端だけにある
- 腕(arm):吸盤が肢(limb)の全体にある
さらにイカのなかには「10本の腕」をもつ種類もいるようです。
おそらく、そういう種は吸盤が10本すべての腕の全体にあるのでしょう。
日本語でタコ、英語で Squid と呼ばれる激レア種
漢字から始まって、ついに学名までたどり着きました。
しかしまだミステリーがあります。
頭足類というのは分類が非常に難しいようです。
いまだにどのような特徴で分類するのか統一見解が得られていないようです。
そんな頭足類を代表するかのような「日本語でタコなのに英語ではイカ」になる超珍しい生物を見つけました。
その生き物の名はコウモリダコ。英語では vampire squid(吸血イカ)と呼ばれています。
Wikipedia の「コウモリダコ」によると・・・
コウモリダコは実際にはイカでもタコでもなく、それらが種として分化する以前に存在した祖形を継承している現生種であると考えられている。分類上も、八腕形上目、十腕形上目、そして、独立のコウモリダコ上目と、本種が属すべき分類区分を巡っては諸説あって定まらない。
コウモリダコ – Wikipedia
なんとこんな種類がいるんですね。
以前 NHK でコウモリダコの生態を撮影したドキュメンタリーをみたことがあります。
当時はそんなに珍しい種類だとは思いもしませんでした。
こうやって改めて調べてみてコウモリダコ(vampire squid)のユニークさを新発見できました。
英語と日本語の両方で調査すると発見がある
squid と cuttlefish の違い調べていて、最後にイカとタコが入り乱れる事態になりました。
日本語と英語では意味が違う時があります。
英語にだけさらに細かい分類がある場合もあります。
逆に日本語のほうがとんでもなく細かい分類がある場合もあります。
同じテーマでも多言語で調査することで、より視野が広まります。
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