日本で「プリン」は大人気のスイーツです。
ところが英語では「プリン」とそのまま言っても、たぶん通じないと思います。
その理由は日本語の「プリン」は、
もともと英語の pudding(プディング)から来ているからです!
では、なぜこんなズレが生まれた理由を探っていきましょう🕵️♂️
😋pudding が「プリン」になった
もともと「プリン」が英語 pudding の借用語なのは事実です。
しかし、カタカナ語は辞書から入ってくるわけではありません。
インターネットがなかった時代では、まずは会話が基本なので…
👂耳で聞いた音が、そのまま文字に残る
これは小麦粉が「メリケン粉(American flour)」と呼ばれていたことと同じです。
『アメリカン(American) → メリケン』
実際、英語の American をアメリカ人っぽくアクセントを強めに発音すると、
「アメリカン」より「メリケン」のほうに近く聞こえます。
これは個人の感覚というより、英語発音ならよく起きることです。
同じように
『プディング(pudding) → プリン』
という変化が起きたんです。
これは「フラッピング」という発音の特徴で説明できます。
フラッピング=発音をサボること
英語、とくにアメリカ英語には flapping(フラッピング) という有名な特徴があります。
実際に「t」や「d」の音が、母音に挟まれると、
日本語のラ行に近い音で発音されることがあります。
たとえば:
- water → 「うぉーらー」
- wedding → 「うぇりんぐ」
- butter → 「ばらー」
そして
- pudding → 「ぷりん(ぐ)」
これらのフラップ音で、舌の動く位置を比べてみると、
日本語「らりるれろ」と「ほぼ同じ場所」で舌が上あごに触れます。
つまり、
✅フラッピング音が、日本語で「らりるれろ」になった!
というだけなんです。
そのため「pudding ⇒ プリン」というのは、決して聞き間違いではないんです😂
こうして「プリン」という日本語が生まれました。
しかし、ここで終わりではありません。
実は、さらにややこしい問題があります。
それは、
💥英語の pudding と日本語のプリンが同じものではない!
ということなんです!
🍮英語の pudding と日本のプリンの違い
では、英語の pudding を見ていきましょう。
英語圏の pudding
- あまいクリーム状のデザート
- アメリカでは「どろっとしたカスタード状」が一般的
- 蒸して固めないものも普通
日本の「プリン」
- 材料 ⇒ 卵・牛乳・砂糖
- 作り方 ⇒ 蒸す or 焼く
- そもそも「プリン」と言えばみんなわかる!
そのため、あえて日本のプリンに最も近い英語表現は:
- flan
- caramel pudding
- crème caramel(これはフランス語由来)
となります。
注意!プリン体は関係ありません
最後に、よくある誤解を解いておきましょう!
よく健康で問題になる「プリン体」は全く無関係です。
- pudding(プリン)
- purine(プリン体)
このようにスペルも違いますし、意味も語源も別物です。
⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
言言葉って、辞書にある単語をそのまま翻訳したものばかりではないんです。
- 音だけを聞いて、
- 文字に残して、
- 意味が出来上がり、
- さらに新しい意味が展開していく。
そんなことが、実はよく起こります。
つまり「プリン」は、
アメリカ英語の発音が、日本に定着していったプロセスを一気に知ることができる、とても分かりやすい例なのです。
もしかすると、今回の話で…
😱You gotta be kidding me!
⇒『勘弁してくれよ!』
(📌直訳「君は私をからかっているに違いない!」)
とため息をつきたくなったりしてませんか?
それなら、フラッピングを思い出して「ユガラビキリンミー」と舌を回してみてください!
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
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