トウモロコシは、日本語でも「コーン corn」で通じるほど身近な存在です。
しかし英語では、この作物を表す言葉が2つ存在します。
🌽corn(主にアメリカ英語)
🌽maize(主にイギリス英語)
この違いは、単なる英米の差に収まり切りません。
それよりむしろ、英語が世界へ広がるなかで、
『未知のものにどう名前を付けてきたのか?』
という歴史の流れがこの2つの言葉に凝縮されているんです。
🍔なぜアメリカは corn と呼んだのか?
―― 既にある言葉で世界を理解する
もともと corn という語は、イギリス英語では「穀物全般」を指す言葉でした。
(📌アメリカがイギリスの所有する領土だった時代の話です)
さらに言うと、
corn は「特定の作物名」というわけではなく『その土地で主に育てられている穀物』を指す言葉でした。
実はこの使い方は、今でもほとんど変わっていないんです。
✅イギリス英語の corn
⇒ その土地で主食となる穀物(主に小麦)
大航海時代、イギリス人入植者たちにとっての新大陸(南北アメリカ)で、
彼らが見つけたのが、それまでヨーロッパには存在しなかったトウモロコシです。
当然、その名前は英語に存在しません。
そこで彼らはこう考えました👇
😏これはここでは“主食の穀物”やな。ほんなら corn でええやろ!
こうして生まれたのが Indian corn という呼び名です。
(📌アメリカ大陸が「インド」だと信じられていた時代の話です)
これは新しい作物を、既存の分類に入れる英語らしい命名の方法だったんです。
そこからやがて Indian が省かれ、北米では「corn = トウモロコシ」が定着していきました。
これは言い換えれば、
📜未知のものを、既知の言葉で名づける!
という、極めて実用的な命名方針というわけです。
☕なぜイギリスは maize を残したのか?
―― 他者の言葉を通して世界を名付ける
一方、イギリス英語ではトウモロコシを maize と呼びます。
この単語の起源は、中米の先住民が使っていた mahiz という言葉です。
🌽mahiz(現地語)
→ maíz(スペイン語)
→ maize(英語)
スペインは新大陸に最も早く進出した国のひとつであり、この作物を 「現地語」をそのまままヨーロッパに伝えました。
そこでイギリス本国の人たちはこう考えました👇
🧐ふむ……それは定義上、既存の分類には属さない。ならば、現地で使われている maize を採用するとしよう。
結果としてイギリスでは、
- corn:自国の主穀物(小麦)
- maize:新大陸由来の穀物(トウモロコシ)
という2つの言葉の役割分担が維持されることになります。
ここにみえるのは、
✅既存の言葉で吸収するアメリカ型
☑️外来語をそのまま使用するヨーロッパ型
という、命名思想の違いです。
🌾grain との違いが示す「英語の2層構造」
ここでもうひとつの「穀物」を意味する単語 grain を見ていきましょう。
実は corn と grain では語源が違います。
- corn:ゲルマン語系
- grain:ラテン語系
(granum「粒」)
そして英語には今も、
- corn
→ 生活に密着した穀物 - grain
→ 分類・抽象としての穀物
という2層構造が残っています。
この理由は、英語がもともとゲルマン語の仲間であり、そこからフランス語やラテン語の影響を受けた歴史に由来します。
そのため全般的な話として、
✅生活に密着した基本的な言葉
⇒ ゲルマン語(古英語)☑️法律・制度・学問などの専門語
⇒ ラテン語(もともとの由来はギリシャ語も多い)
といったように、ほぼ同じ意味の英単語でも用途が分かれることがよくあるんです。
🤪英語ジョークに corn と maize が登場?
―― Prison Break の名シーンより
アメリカのドラマ Prison Break には、corn と maize の違いを見事に使ったジョークがあります。
“Honey, if any of us could eat any more corn, I’d be a-maize-d. See what I did there, Gracie? Indian word for corn is maize and I said “a-maize-d.”
Prison Break Season 2 Episode 14 “John Doe”
これは amazed(驚いた)と maize をかけた言葉遊びです。
それに対する返しが、
“I don’t get it. I’m corn-fused.“
Prison Break Season 2 Episode 14 “John Doe”
つまり corn + confused(混乱した、当惑した)。
まさに corny joke(聞き古したダジャレ)ですが、この軽さこそ、言語が文化として生きている証拠でもあります。
⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
この話の核心は、実はとてもシンプルです。
言葉は「何を見たか」ではなく
「誰が、どう名付けたか?」で決まります。
そうみると…
🌽corn(アメリカで主食の穀物としてつけられた言葉)
🌽maize(イギリスに持ち替えられた現地の言葉)
といった違いがみえてきます!
(😲This is amazing, innit?)
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
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