英語の too をうまく訳せなくて困ったことはありませんか?
まずいくつか例文をみてみましょう👇
- This is too small.
⇒ これは小さすぎる。 - Me, too.
⇒ わたしも。
そして、もっとやっかいなのは…
- This cake is too big to eat.
⇒ このケーキはとても大きいので食べられない。
という和訳がうまくなじまないパターンもあります😂
そうなると…
🤔同じ too やのに、なんで意味が違うんやろう?
――と、いうナゾが湧いていきます。
このナゾを解いてくれるカギは――なんと「前置詞 to」なんです!
実は「副詞 too」 はこの方向を表す前置詞 to から進化していたのです。
さらに不定詞 to の語源にも話はつながっています!
つまり――
👯♀️ to と too は双子の英単語!
――というわけなんです😆
では今回は too のナゾを to の語源イメージを使って解説していきます!
🌱too は前置詞 to と同じ語源
実は「副詞 too」は「前置詞 to」と語源は同じです。
つまり古英語(Old English)では――
✅前置詞 tō(方向・目的)
⇒ ~へ向けて、~に対して☑️副詞 tō(追加・行き過ぎ)
⇒ ~も、あまりにも~
――というように同じ単語でした。
この理由は古英語では tō が「方向・到達」という意味を持っていたからです。
つまり「➡️(やじるし)」というイメージが使えます。
ここから現代英語では、
✅方向・目的
⇒ 前置詞 to(➡️矢印のイメージ)☑️過剰・行き過ぎ ・追加
⇒ 副詞 too(➡️矢印のイメージ)
――というように2つの単語に分かれていきます。

不定詞の to も前置詞 to 同じ語源
前置詞 to の「➡️矢印イメージ」は不定詞の to にも使えます!
現代英語では to do をまとめて不定詞(infinitive)と呼びます。
しかし古英語の時代は――
💡「動詞の原形」だけが不定詞(動詞の名詞用法)でした!
つまり…
✅前置詞 tō(方向)+ 不定詞(=動詞の原形)
⇒ ➡️to do(することへ向けて)
――という構造だったんです。
そのため to do(する方向へ)という理解でもうまくいくんです👇
- to read
⇒ 方向へ + 読むこと - to be here
⇒ 方向へ + あること + ここに
このように不定詞 to の「➡️矢印」のイメージが応用できます。
つまり不定詞の to は「➡️動作の方向を示す矢印」なんです。
🔗不定詞(infinitive)の語源と意味についてはこちらをどうぞ👇
💣too の意味は「基準オーバー」
前置詞 to と同じ語源を持つため、副詞 too にも「➡️矢印のイメージ」が残っています。
では、基本の使い方です。
✅形容詞・副詞につなげて「➡️過剰・行き過ぎ」という意味を表します。
では例を見てみましょう。
- This cake is too sweet.
⇒ このケーキは ~である 過剰に 甘い - He ate the cake too quickly.
⇒ 彼は 食べた そのケーキを 過剰に 素早く
あえて英語の語順で読んでみましたが、自然な和訳に直すと…
- ~すぎる
- あまりにも~
――となります。
しかし、なにより重要なのは、
💣過剰・行き過ぎの持つ「基準オーバー」という否定的な感覚です。
例えば、
✅This cake is too sweet.
(このケーキは ~である 過剰に 甘い)
⇒ 甘さすぎるせいで、おいしく食べられない。
✅You speak too fast.
(君は 話す 過剰に 速く)
⇒ 速すぎてコミュニケーションとしてよくない。
つまり「限度を超えている ⇒ 基準オーバー」という状態を表します。
さて、ここで注意なのは「誉め言葉」の場合があることです👇
😝You are too kind!
(あなたは親切すぎる!)
このように、わざとポジティブに誇張する場合もあります
この誇張も含めて、基本の意味はやはり「基準オーバー💣」なのが too の本質です。
過剰 too と very や so の違い
副詞 too とよく混同されるのが very と so です。
でもこの2つは「過剰の too」と違って、基本的に「強調・強化」の表現です。
語源をみればこれらの意味を知ることができます。
まず very は――
🧬ラテン語の形容詞 verus(真実の)が由来です。
(ラテン語 verus ⇒ 古フランス語 verai ⇒ 英語 very)
https://en.wiktionary.org/wiki/very
それゆえ、
英語の形容詞 true(真実の)のような使い方ができます👇
- the very person(まさにその人)
⇒ 形容詞 very(正に、真の、他でもない)
そこから「正に」⇒「とても」という強調の副詞に派生します。
- He is very tall.
⇒ 彼はとても背が高い。
次に so ですが――
🧬古英語の副詞 swa(そのように、そのような)が由来です。
(古英語 swa ⇒ 英語 so)
https://en.wiktionary.org/wiki/so
ここから、
- He is so tall.
⇒ 彼はそんなに背が高い。
――という強調の表現にも使うようになりました。
very と違うのは so のほうが「感情」や「口語表現」が強くなります。
まとめると――
- very と so は “強化”
- too は “過剰”
――という意味の違いが生まれます。
😉過剰から追加 “me too” が派生
副詞 too は「単独」で使用することも可能です。
その場合は「~も」という意味になります。
A: “I love cats.“
(オレ、ネコ大好きなんよね。)B: “Yeah, me too!“
(うん、私も!)
この使い方でも「➡️矢印=追加」というイメージが使えます。
なぜなら「方向(to)」から「追加(too)」という意味の広がりがあるからです。
つまり「すでにあるもの」に対して――
➡️まだこれから追加するよ!
――というニュアンスです。
もちろん、この使い方には「💣過剰=基準オーバー」というネガティブな意味はありません。
追加 too と also や as well の違い
追加の too(~も)とよく似た表現に also と as well があります。
どちらも中英語(Middle English)に生まれた表現で、成り立ちもほぼ同じなんです👇
🧬”all + so” ⇒ also ⇒ as
https://en.wiktionary.org/wiki/as
「すべて+そのように」⇒ 同じように
このように as は all so が完全に融合したものです。
使い方は as のほうが多彩ですが、意味は also と同じように考えれば大丈夫です。
- also(全くそのように、同様に)
- as well(同じだけ十分に)
これらは全て「追加」を意味することができます。
つまり、すでに存在する情報があって――
- too
⇒ この情報も追加!- also
⇒ まったく同じように!- as well
⇒ 同じだけ十分に!
――という3パターンの「情報の追加」の表現になります。
これらには異なったニュアンスがあるので見ていきます👇
- I like it too.
(口語的・即答) - I also like it.
(書き言葉寄り・強調) - I like it as well.
(正式・柔らかめ)
(🤖類似表現のニュアンスは ChatGPTにも聞いてみてください😊)
2️⃣too … to 構文の意味
みなさんは「too to 構文」に困っていませんか?
この too to 構文の和訳はとても分かりにくいです👇
✅He is too young to drive.
(彼は若すぎて運転できない)
否定の not や no がないにもかかわらず「できない」という言葉が登場します。
でもご心配なく!
この構文こそ「基準オーバー💣」のイメージを最も活かせる場面です😉
まず too to を分解すると――
🤔何を基準に「過剰・行き過ぎ(too)」になってんの?
😆その基準って「行動(to do)」やで!
――というわけです。
これを理解するコツは「英語の語順で読む」だけなのでやってみましょう👇
✅too young to drive
⇒ 過剰に若い(何を基準?)運転する方向へ
つまり、
💣(若すぎる)⇒ 🚫(運転する方向なら)
となります。
そのため日本語の「とても…なので~できない」は英語の発想だとこうなります👇
💡基準オーバー ⇒ 実行不能
(あまりにも…すぎる ⇒ ~する方向へは到達できない)
つまり「ある行動を基準に考えて、基準オーバーになる条件」を説明するのが too to 構文というわけです。
ゲルマン語の仲間は “to ~ to” 構文?
実はドイツ語・オランダ語にも too to 構文と同じ表現があります。
ドイツ語とオランダ語は英語と同じゲルマン語の仲間ですが、どちらかというと現代英語よりも古英語とよく似ています。

元々、古英語では too と to は同じ形 tō でした。
そしてドイツ語やオランダ語でも――
前置詞、副詞そして不定詞をつくるときにも同じ単語を使います👇
🍺ドイツ語 ⇒ zu
⛵オランダ語 ⇒ te
英語とは語順がすこし変わりますが、ほぼ同じ構造で “to to 構文” を作れます。
まずはドイツ語(German)を見てみましょう👇
🍺Er ist zu jung, um Bier zu trinken.
⇒ He is too young, a beer to drink(ムリヤリ英語)
(彼は若すぎる、ビールを飲む方向へは)
ここでは「zu + 形容詞」+「zu + 不定詞」になります。
――つまり “zu zu 構文” なんです!
ではオランダ語(Dutch)を見てみましょう👇
⛵Hij is te jong om bier te drinken.
⇒ He is too young, a beer to drink(ムリヤリ英語)
(彼は若すぎる、ビールを飲む方向へは)
同じく「te + 形容詞」+「te + 不定詞」になります。
――またしても “te te 構文” です!
つまり英語が「too」と「to」に“分家”したあとも、ゲルマンの仲間たちは“同居”したままだったわけです😉
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
英語では too と to に分かれていますが、これは英語オリジナルの進化でした。
ですが前置詞 to の「方向」と副詞 too の「過剰・追加」はゲルマン語では共通する感覚なんです。
和訳を覚えるときに to と too を融合するゲルマン魂を忘れないでくださいね!
🍔Hey, German! You have “too to” construction, too?
(なあ、ドイツ語くん!君にも “too to” 構文あるんやって?)🍺Ja, aber das ist nicht “too to“, es ist “zu zu“.
(うん、けどそれは “too to” やなくて “zu zu” やけどね。)
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
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