同等比較 as ~ as と not so ~ as はどう違う?語源とイメージでカンペキに分かる!

照応曼荼羅英文法

英語には「同じぐらい」を表す表現で asas があります。

  • He is as tall as his teacher.
    ⇒ 彼は彼の先生と同じだけ背が高い。

ところが否定文になると――

  1. He is not as tall as his teacher.
  2. He is not so tall as his teacher.
    ⇒ 彼は彼の先生と同じだけ背が高くはない。

――このように so が登場する形もあるんです!

そうなると、こんな疑問がわいてきませんか?

🤔なんで肯定やと as で、否定やと so を使うんかな?

――とか、

🤔asso を同じように使ってもええの?

――というように、as のナゾは尽きません!

というわけで今回は、語源と歴史をたどりながら as … as の秘密に迫っていきます!


🔴基本形 as … as

まず基本の形を確認です:

  • He is as tall as his brother.
    ⇒ 彼は兄と同じくらい背が高い。

ここでは

  • A is as … as B
  • A が B と同じ程度に … である

という意味を表します。

2つの as の意味は:

as同じくらいに
☑️as~と同じで

――となります。

ですので、このように考えます――

  • He is as tall
    ⇒ 彼は、同じだけ背が高い
  • as his teacher.
    同じ 彼の先生と

このように2つの as を分けて英語の語順で理解します:

as / as
同じだけ…やねんそれって何と同じなん?

ここまでが「同等比較」の基本になります。

⚖️as のイメージは「同じ」

ところで as の意味を調べていて、こんなお悩みはありませんか?

😱as の品詞が多すぎて・・・ぜんぜん覚えられへん

これ、心配しなくていいんです!

なぜなら as の軸になる意味は――

💡「同じ」という1つだけなんです!

基本的に as には3つの使い方が多いです:

  1. 前置詞 as
    ⇒ 同じものとして
  2. 接続詞 as
    ⇒ 同じとき、同じ割合、同じように
  3. 副詞 as
    ⇒ 同じぐらい

では具体例をみてみましょう:

  • 前置詞 as(同じものとして)
    He works as a teacher.
    (彼は先生として働いている)
  • 接続詞 as(同じとき)
    As he entered the room, everyone stood up.
    (彼が部屋に入ったとき、みんなが立ち上がった)
  • 副詞 as(同じ程度に)
    He is as tall as his teacher.
    (彼は先生と同じくらい背が高い)

👉 すべての使い方に共通するのは 「同じ」というイメージの応用 です。

✅同じものとして ⇒ 役割や立場が同じ
✅同じときに ⇒ 時間や条件が同じ
✅同じ程度に ⇒ 大きさや程度が同じ

もちろん細かく見れば as にはいろんな用法があります。

ですが、それよりも――

✨as は品詞よりも「同じ」のイメージの応用のほうが100倍大切です!


🔵否定形 not so … as

as … as の否定形には2パターンあります:

  1. He is not as tall as his teacher.
    彼は彼の先生ほど背が高くはない。
  2. He is not so tall as his teacher.
    彼は彼の先生ほど背が高くはない。

この違いは主にアメリカイギリスの地域差に見受けられます。

現代英語では、

🍔アメリカ英語
⇒ not as … as が口語ではほぼこちらが使われる!
🎩イギリス英語
not so … as は文学などでよくでてくる!

――という傾向があります。

では、なぜこの2つが同じように使えるのでしょうか?

それには日本語の「そう」がとても大きなヒントになります!

🌸so のイメージは日本語の「そう」

so にはいろんな使い方ありますが「イメージ」がうまく使えます。

それも幸運なことに――

✨日本語の「そう(so)」が見事に応用できるんです!

では実際に見てみましょう:

so は副詞として使われることが多いですが、日本語の「そう」とぴったり重ねてイメージすると分かりやすくなります。

  • そーんなに:副詞
    This is so big.
    (これはとても大きい)
  • そーなんで:接続詞
    It was raining, so we stayed home.
    (雨だった、だから我々は家にいた)
  • そーのように:副詞
    I think so.
    (私はそう思う)

👉 基本は「そう so」という副詞的な使い方でOKなんです!

それにちょっとした会話でも:

😲Is that so?(えっ、そうなん?)

――のようにカジュアルに使えますよ!

これを not so … as に応用すると――

  • He is not so tall as his teacher.
    (彼は先生ほど “そーんなに”背が高いわけではない)

――のように「そう~ではない」というニュアンスが生きています。

では soas を分けて英語の語順で理解します:

not so / as
そーれほど…ではないねん何と同じで?

このように soas ってどっちを使っても同じような同等比較になるんです。


ここまで見てきたように、

  • 肯定文では as … as
  • 否定文では not so … as

という形が使われてきました。

では、なぜ肯定と否定で asso が使い分けられるようになったのでしょうか?

これは単なる偶然ではなく、英語の語源の奥深い歴史に理由があるのです。

ここからは一歩時代をさかのぼって「語源ストーリー」をひもといていきましょう!

🌱as と so の語源ストーリー

英語の soas には長い歴史があります。

すこしだけ英語の歴史をざっと確認しておきましょう👇

もともと古英語には swa という語があり「そのように」を意味しました。

この swa から2つの語が発展します:

  • swaso
  • eallswa all + soas

なんと asallso が融合した形なんです。

ここから――

  • so = 「そのように」
  • as = 「まったくそのように」⇒「同じように」

――という意味になりました。

そしてさらには also も同じ成り立ちなんです!

🎯all so(まったく そのように)⇒ also

swa - Wiktionary, the free dictionary

つまり、soas は元をたどれば兄弟のような存在なのです。

ここから我々がよく知る役割分担が生まれていったんです。

as(完全一致 = まさにそう)
⇒ 肯定文で「同じくらいに」と強調できる

☑️so(その程度に = だいたいそう)
⇒ 否定文で「それほどではない」と表すのに自然

実際にこの2つにはニュアンスの差があります。

ですが同等比較になると「結果は同じになる」のが特徴です。


🏰中英語の肯定文 so ~ as

まだ中英語時代では so と as はきっちり区別されていませんでした。

そのため中英語では――

📌肯定文でも “so … as” が使われていました。

たとえば、

  • He is so strong as a lion.
    ⇒ 彼は そんなに強い ライオンと同じだけ。

つまり肯定文でも否定文でも so が使われていたんです。

このパターンは現代英語での慣用表現にも残っています👇

go so far as to do
(~しさえする)

これこそが so … as の肯定形が化石のように残った代表例です。

では go so far as to do を分解してみましょう:

  • so = そーれほど、そーんなに
  • far = 遠く(距離・程度の比喩)
  • as = ~と同じぐらいに
  • to do = する方向へ

そうなると…

  • ~するのと同じだけの程度まで行く
    ➡️わざわざ~するほどにまで至る

――という意味になります。

では例文を確認します:

  • He went so far as to insult his teacher.
    ⇒ 彼は先生を侮辱するなんてことまでやった。

――といったように肯定文の so … as も無理なく理解できると思います。

ここから初期近代英語の時代に役割分担が生まれます。

そこから徐々に整理が進み、

  • 肯定文 = as … as
  • 否定文 = not so … as

――という現代に近い構造が定着していきます。

その後、さらに

  • イギリス英語は not so … as を好む
  • アメリカ英語は not as … as が主流

という地域差が定着していきます。


🤖AIに聞こう!so と as はどんな解釈?

ここまでで、

 ✅実は as と so を同じように理解すればいい!

――ということを確認できました。

ここであえて新しい視点を加えましょう!

😉人間の認知フレーム

🤖AIの情報処理フレーム

では実際に、🤖ChatGPTに聞いてみると…

情報処理フレーム
─────────────────
① 程度 (Degree) の設定
   └ so strong / as strong
 *程度を提示 → 基準で裏付け

② 基準 (Standard) との照合
   └ as a lion / as his brother
 *基準と一致 → 直接提示

――という内部処理をしているとのこと。

ただ、すこしだけニュアンスの差があるのは――

  • so … as(そのぐらい)
    ⇒『基準に届かないことも含めて照合
  • as … as (おなじぐらい)
    ⇒『完全一致前提で照合

とはいうものの、どちらを使ってもゴールは同じです。

これは中英語で両方が併存できた理由にもつながるんです。

だから人間😉もGPT🤖も as や so の同等比較を理解するのに、それほど差を気にせずに済むんです。


ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌

英語の比較表現で as … asnot so … as がよく似ているのは歴史の必然だったんです。

もしかしたら、

🤔Looking at the history of as and so, they may not be so different as they seem.

asso の歴史をみると、この2つは見た目ほど違わない気がしてくる。)

――なんて印象をお持ちの方がおられるかと思います。

私の意見としては…

😆So do I — after all, both once lived as one word: swa!

(ぼくもそう思います。なにせもともと swa という1つの言葉やったんですからね!)

ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡

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