なぜ be動詞は am are is に変化するのか?

story of be: book cover 英文法の仕組み

英文法はシステム構造をしていますが一気に全体は理解することできないとおもいます。

すこしずつ学んでいく場合でも英語の全体像につながっていくと応用で困りません。 

子供さんが英語を学ぶ時には、素朴でありながら本質的な質問を持っています。

そんな質問・疑問にシンプルに答えてみたいと思います。

be動詞の役割ってなに? なんで形が変わるの?

英語の be動詞の役割には特別な言い方があります。

それは「コピュラ copula」といって「つなぐ言葉」といいます。

意味はカンタンで「主語」と「説明」をつなぎます。

  • She is a student.
  • He is a student.

ちょうど方程式の 「X = Y」のような「イコール」と考えてください。 

そして「主語」によって形が変わります。

  • am a student.
  • You are a student.
  • He is a student.

さらに「現在」と「過去」の区別もあります。 

【 現在 】

  • am a student.
  • You are a student.
  • He is a student.

【 過去 】

  • was a student.
  • You were a student.
  • He was a student.

be動詞の「役目」は「つなぐ言葉」です。

be動詞の「形」は「主語」と「現在 or 過去」の情報を教えてくれます。

この2つの意味を同時にもつものが英語の be動詞です。

子供さんに伝えたいこと

  • be動詞は am are is の形に関係なく「つなぐこと」が一番大切な役目。
  • 昔は「主語」や「現在」か「過去」のことに合わせて動詞の形をいろいろ変えるルールがあった。
  • be動詞以外の動詞は、カンタンな形に変化してしまった。
  • be動詞は昔の英語の特徴が今でも残っているレア度の高い動詞。

be動詞の「be」はどこから来たの?

be 動詞の「be」を「原形」といいます。

動詞の原形は「現在形」と「過去形」ではないところでつかいます。

「主語」や「現在」や「過去」と関係のない「元々のオリジナルの形」という理解でよいと思います。

見た目の「be」が am are is was were と全く関係ないようにみえるので、ちょっと困惑する子もいるはずです。

この be の形を使った変化形はほかでも使われていたのですが、すべて消えてしまいました。

最後に残っているのが be なんです。

現代の英語はいろんな言葉が昔から混じりあって生まれています。

だから「なんでこんな形があるの?」というものまで混じっています。

be動詞だけでなく現代で使う英単語も「古い英単語の形」から派生したものが多くあります。

レベルが上がってきて英単語の語源を調べるになれば、一気に英単語の知識も増えます。

さらに語源がわかってくると英単語の意味が深く理解できるようになります。

丸暗記をではなく「もしかしたらヘンな形にも意味があるかも?!」という姿勢が伝われば良いと思っています。

子供さんに伝えたいこと

  • be 動詞の「be」は英語の歴史の中での be タイプの最後の生き残り。
  • 英語はいろんな言葉がまざっているのでヘンな形の英単語もある。
  • いろんな英単語の形は英語の歴史そのものみたいなもの。
  • もしかすると将来、ヘンな形の意味が分かると英語が上達するかもしれない!

be 動詞の形が変わるといいことはあるの?

実はもともと英語のすべての動詞が be 動詞のようにいろいろ変化していました。

昔は be動詞にも今以上の変化形がありました。

いまでも古文でちょくちょくみるものをあげてみます。

  • Thou art 〇〇.
  • あなたは=○○

「thou」は単数形の you(あなたは)の古い表現で対応する be動詞は「art」でした。

英語にもともといろんな形があったのにはちゃんと理由があります。

語順」がゆるくても意味が通じたんです。

では「語順のゆるさ」がわかりやすいようにちょっとパズルみたいにしてみます。

実際の英語の文章とは関係ないので、誤解しないようにお願いします。

  • □ He 〇 is.
  • 〇 □ am △ I.
  • Are 〇△ you □.

□ や ○ が入っていても、主語と be動詞のつながりが見えます。

それゆえ文章をくっつけても、つながりがわかります。

You □ are is 〇 am △  I she.

このように「語順」がバラバラでも理解できるのが「主語に合わせた動詞の変化」の便利なところです。

では現代の英語はどうなっているのか見てみます。

英語の動詞「read 読む」の過去形は主語に関係なく「read」の形をとります。

この「read」の過去形を使ってみましょう。

  • I read 〇△.
  • You read 〇△.
  • He read 〇△.
  • She read 〇△.
  • It read 〇△.
  • We read 〇△.
  • They read 〇△.

主語の次に「行動(動詞)」を置くルールになっているので、特に困ることは無いんです。

「主語 ⇒ 行動」の語順をしっかるまもることで「主語」に対応する動詞の形を変えなくて済むんです。

英語は単語の変化を減らす代わりに語順のルールが大切です。

子供さんに伝えたいこと

  • 英語は「主語 ⇒ 行動」の英単語の並べ方(語順)のルールをしっかりまもろう。
  • もしバラバラに並べるなら動詞の変化形をたくさん丸暗記しないとダメになってしまう!

英語の仲間の言葉はとんでもなく動詞が変化する

ちなみにフランス語やドイツ語などではもっと細かい変化があります。

英語はあまり変化をおぼえなくてすむ言葉なんです。

大きく変化するものは be動詞だけです。

『学校で習うのが英語でラッキー!!動詞の変化をあんまり覚えなくてすむよ!』

このように「英語のシンプルさ」と「語順の大切さ」を伝えて頂ければと思います。

最後になりますが David Crystal さんの The Story of Be という著書は大変参考になります。

おそらく邦訳は出ていないと思いますが「be動詞の歴史 history」がよくわかるのでおススメです。

例文はほとんど現代英語より古いものがほとんどですが内容は面白いです。

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