英語で「釣り人」と調べると、
おそらく fisher と angler という2つの単語が見つかるはずです。
どちらも辞書では、同じように「釣り人」と訳されます。
しかし、この2つの言葉は英語の中では、ほとんど別の役割を担っています。
- fisher は、魚を得る人。
- angler は、釣るという行為をする人。
日本語では、あまり意識されないこの違いが、英語ではごく自然に、言葉として使い分けられています。
この違いに目を向けてみると、英語の世界が少しだけ浮かび上がってくるかもしれません!
fisher と angler はどう違うのか?
まず fisher はとても広い範囲で使われる言葉です。
魚を「捕る」人ならなんでも含む言葉です。
- 釣り竿
- 網
- 罠
その方法は関係なく「魚が捕れれば」いいんです!
食料として魚を捕る人、仕事としての漁師も、まとめて fisher になります。
ですが angler の方は、かなり意味が限定された言葉になります。
釣り竿に糸を垂らし、針を使って魚を釣る人。
つまり「釣る」という行為に意味の中心がある言葉です。
英語の場合は、
- 魚を捕る人 ⇒ fisher(=漁師)
- 魚を釣る人 ⇒ angler(=釣り師、釣り人)
という2つをはっきりと言葉で分けているのです。
もしかすると日本語の場合は、あまりこの2つの区別が明確でないかもしれません。
そのため英単語の意味の差にちょっと違和感を感じるかもしれません。
angle(針)から生まれた angler という言葉
angler という語は、実はとても形のある語源を持っています。
その中心にあるのが angle です。
皆さんご存じのように angle は「角度」「曲がったもの」を意味します。
つまり英語では、釣り針(fish hook)は「角のある、曲がった道具」として捉えられてきました。
そこから、
🎣angle(曲がった針)
→ angler(針を使って釣る人)
という語が自然に生まれます。
angler は「針」という道具を使って「釣る人」という意味なんです。
英語は「釣り」を区別しているのか?
この違いは、英語の生き物の名前を見ると、さらにくっきりします。
それが
- kingfisher(カワセミ)
- anglerfish(チョウチンアンコウ)
です。
たとえば kingfisher(カワセミ)は魚を捕まえる鳥です。
釣り竿は使いませんが「魚を獲る存在」として fisher が使われています。
一方、anglerfish(チョウチンアンコウ)は、あの提灯のような器官を「疑似餌」にして、獲物を誘い込みます。
英語はここに「釣る魚」という視点を見ています。
つまり、
- fisher:魚を獲る存在
- angler:魚を「釣る」ための構造を持つ存在
という区別が、そのまま名前になっているんです。
さらにこの感覚は名詞化した fishing と angling の違いにも現れます。
まず fishing は、その行動の目的が「魚を得ること」です。
一方 angling は、より「趣味」に近い文化的・技術的な響きを持ちます。
だから over-fishing(魚を過剰に獲ることこと)とは言っても、over-angling とは言わないんです。
⭐Closing Thought
ここまでお読み下さった皆さん、ありがとうございました😌
英語と日本語では見ている世界が違う場合があるんです。
同じ「釣り人」であっても、
🎣「魚を得る人」なのか?それとも「釣るという行為をする人」なのか?
という違いは、言葉の中にちゃんと表れています。
そう考えると fisher と angler の違いが、英語の世界に引かれた境界線として浮かび上がってくるかもしれませんね。
ではまた、別の記事でお会いしましょう🫡
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