女性の敬称 Mrs Miss Ms の英語圏での使用法

Phrase-mrs-hudson-miss-lemon 世界が広がる英語の知識

みなさんは女性の敬称について学校でどのように教わりましたか?

「Ms Smith」のようにラストネームの前に Ms をつけると習いませんでしたか?

それだと学校では正解になるかもしれません。

ですが、実際には Ms だけではうまく話が通らないときが出てくるはずです。

ちなみに「Ms」とピリオドがつかないのはイギリス英語です。

そして「Ms.」とピリオドがつくのはアメリカ英語です。

日本の中学校では詳しく習わないようですが、女性の敬称は「Mrs」「Miss」「Ms」と3種類あります。

それでは一つずつみてきましょう。

女性への敬称 Ms の意味

「Ms」は比較的最近になってできた言葉で、もともとは「Mrs」と「Miss」しかありませんでした。

  • 「Mrs」は結婚している女性につけます。
  • 「Miss」は結婚してない女性につけます。

だから「結婚している or 結婚していない」で差別にならないように「Ms」をつける、と。

男性は婚姻状況(marital status)に関係なく敬称が Mr なので「男性との差を作らない」ということが大きいと思います。

もちろん、そういう意味合いが重要な場面も多々あります。

ビジネスの場面などでは、当然、相手の婚姻状況がわからないままメールや会話をすることもあります。

こういう状況では「Ms」を使うことが求められるはずです。

もしかしたら「Mrs」と「Miss」をつかうことが女性差別と教えられた経験はないですか?

実は「Mrs」と「Miss」は差別表現ではないんです

もちろん、差別意識をもってとらえる人が一定数いるのかもしれません。

しかし、実際の会話でも海外ドラマでも Mrs や Miss はたくさんでてきます。

あくまでも差別表現と言い張る人がいたら、「なぜ Miss Universe などのコンテストが Ms Universe にならないのか?」と聞いてみてください。

英語圏で普通に使う Mrs と Miss の意味

実際には「Mrs」は「〇〇さんの奥さん」や「〇〇のお母さん」を礼儀正しくいう時に使います。

Mrs が女性差別表現だとすると「奥様」や「夫人」という表現が、禁止されてしまうことになります。

一方で「Miss」は「〇〇さんのお嬢さん」や「娘さん」という意味になります。

「Mrs」も「Miss」も敬称であることは変わりありません。

英語圏の学校の先生だって「Ms」の一点張りなんてことはありません。

女性の先生が自らを「〇〇先生」という意味で「Mrs. Smith」や「Miss Jones」と表現する場合があります。

だって自分が結婚しているかどうかは自分が一番知っているのですから。

一番の証拠は英語圏の海外ドラマをたくさん見ることです。

英語字幕を付ければ、Miss や Mrs がたくさんでてくることにすぐに気づけると思います。

離婚したら女性の敬称はどうなるのか?

未婚が Miss で、既婚が Mrs です。

では離婚したらどうなるのでしょうか?

こういった場合 Ms なら問題になりません。

そもそも婚姻状況は関係ない敬称ですから。

では「Ms」が存在しなかった時代はどうしていたのでしょうか? 

これは意外な答えかもしれませんが、離婚しても、女性の敬称は Mrs になります。

おそらく Miss は「未婚」であって、離婚した人は「既婚」という状況を経ているので Mrs になるのだと思います。

「24」という日本でも大ヒットしたドラマの一場面(S02E08 )で “Mrs. Palmer” というセリフが登場します。

ところが、この時点で Palmer さんは離婚しており、再婚もしていません。

このセリフは NSC(国家安全保障会議)のおエライさんのものです。

離婚をしていても Mrs. が「敬称」であることに変わりはありません。 

もちろん、これも時代とともに変化していく可能性はあります。

マニュアル的な英語知識はハイリスク

日本語でも英語でも、フォーマルな場面とそうではない場面で違う表現になるのはよくあることです。

ですが「~とは言ってはいけない」と「~と言っても問題ない」には大きな違いがあります。

英語を運用するときに「無難な言葉を選ぶ」のはとても重要なことです。

テスト勉強だけでは、このあたりのビミョ~な感覚がわかりません。

英語を学ぶときに気を付けてほしいのはマニュアル的に和訳を覚えないことです。 

こういう誤解を解くためにも実際に世界に出ていろいろな人の本音を受け止めてみましょう。

それが難しいなら海外ドラマなど「会話表現」がたくさんでてくる教材を選びましょう。

「え?こんなこと言われて怒らないの?」

と思うような表現があるはずです。

「え?これ言われたらケンカになるの?」

と思う表現もあるはずです。

実際に Mrs や Miss は相手によっては不愉快に思う場合があります。

しかし無条件に差別的な意味合いはないことは知識として知っておいてください。

男性の敬称 Mr から知りたいという方はこちらをどうぞ

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